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スイーツ&ベーカリービジネス
お芋スイーツ専門店
成功事例

お芋スイーツ専門店で新しい事業の柱づくりに成功した秘訣

株式会社ねんりん 代表取締役宮下祥次氏

長野県松本市で農業資材卸企業の取締役を務めながらも、2014年12月にさつまいもスイーツ専門店「おいも日和」を安曇野のHAMAフラワーパーク内にオープン。その後も事業を拡大し、長野県内に4店舗経営。2018年より販売開始した「松本ケンピ」は1日で1000袋以上を販売する大人気商品。農業生産事業にも参入し、スイーツの原材料のさつまいもを長野県内の自社農地で栽培するなど、地産地消・6次化にも積極的に取り組む。さらなるスイーツ事業の拡大と、長野県産サツマイモのブランド化に取り組んでいる。

1. 農業資材卸事業から新規参入で、お芋スイーツ専門店へ

当社は、農業資材卸事業(飼料・肥料・資材・獣忌避材の卸事業)や米の集荷をしていました。売上が徐々に減少し、今後も成長見込みが立たない状況という状況に日々頭を悩ませておりました。いつかは新しい事業を始めなければ、会社として成り立たなくなるという危機感から、色々な業種への新規参入を検討しておりました。
その中でピンと来たのが、「女性ウケがよい」「一定のニーズがある」「色んなアレンジや見せ方ができる」お芋スイーツでした。
「お芋スイーツに賭ける」という思いで、「おいも日和」を新規出店しました。
イメージカラーは紫に統一しており、「芋」と一目でわかるようなイメージを打ち出しております。商品自体はお芋に特化し、お芋にちなんだスイーツを販売しております。

2. スイーツ事業に参入し感じたメリット

3つあります。
「新規採用の募集に困らない」ことです。「スイーツ店のショップ店員募集」で応募をかけると非常に多く、1日に5人~10人など、求職者が集まるようになりました。
また現金での取引ですので、キャッシュフローもスムーズになりました。
さらに、本業のお米生産事業で、必要な機械を現場で持つようになり、お芋の生産も自社で加工、販売ができるようになりました。

3. お芋スイーツ事業全体の売上推移

当初4店舗あったが、1店舗は閉店しました。現在は3店舗ですが、当初4店舗分の売上は確保できています。商品数がたくさんあり、散らかっていた状態でしたが、船井総研さんに整理して頂きました。売上はコロナもあり、横ばいという状況です。営業利益は、毎年2割ずつ上昇しております。
2020年は、お芋スイーツ事業全体で昨対比100%でした。地元向け店舗は、昨対比110%、観光向け店舗は昨対比70~80%というところです。
コロナ禍単月で昨対比140%を達成した月もあります。
また、客単価は安曇野店が1300円、しののい店が1500円、昨年より100円近く上がっております。
地元向けの店舗はコロナ禍でも、売り上げが落ちづらいということを実感しました。

4. スタートにあたっての事業設計

居抜きを目指して賃貸という条件で考えておりました。
ガス・菓子製造ができ、駐車場がある場所にしました。
中古品で使えるものは、中古品を購入し、過剰な装飾はしないようにしました。
営業利益率は、1年で9%から、18%まで伸びました。

5. 事業展開の背景、多店舗展開への道筋

安曇野店に1店舗目オープン後、長野県でお芋スイーツといえば「おいも日和」というイメージ付けをしたいと思いました。そこで、お芋シーズンである秋に毎年1店舗ずつ、しののい店、運動公園店(現在撤退)、松本中町店と店舗拡大していきました。
また「お芋の6次産業化」という事業展開も行っています。
地元の米農家の方がリタイアされることになり、米の生産設備や田んぼを引き継ぐことになりました。そこで、土づくりからこだわった自社芋の生産をするようになりました。
そこで、自社製のお芋は、芋けんぴなどチップスにしたほうが、焼き芋は茨木産のものを利用したほうが美味しいということが分かりました。

6. 立地・客層について

安曇野店、しののい店、松本中町店の3店舗運営しております。
安曇野店は、HAMAフラワーパーク内にあり、そこには美容室や
飲食店など5店舗ほど商業施設があります。客層は地元客、観光客です。
しののい店は、大型病院のそばに位置しているため、病院帰りの方がよくご来店されます。客層は地元客です。松本中町店は、松本城から徒歩5分で、観光客の方が多くいらっしゃいます。安曇野店や、しののい店は、お土産として焼き芋やスイートポテトを買って帰られる方が多く、松本中町店は食べ歩きとして、焼き芋ブリュレをテイクアウトされる方が多いです。安曇野、しののい店ではポイントカードを作成しており、6~7割はリピーターのお客様で、松本中町店のリピーターのお客様は2割です。
観光地店では、3つで1000円の芋けんぴ、焼き芋ブリュレがよく売れ、
地元店では、焼き芋が一番売れています。

7. 商品の製造

素人のスタッフでも製造可能なように機械のオペレーションを確立しております。
大学芋や揚げたてパンは、各店舗でフライヤーで挙げています。芋けんぴは工場で製造し、配送しています。焼き芋専用機、パンオーブンを使用し、素人の方でも調理できるオペレーションを組んでいます。
安曇野店・松本中町店では、スライサーで加工したり、大量に焼き芋を焼いたりはしませんが、店舗で売る分のみの焼き芋は焼いています。セントラルキッチンだけではなく、販売店でも一部製造をしています。

8. 販売促進について

固定客化のための取り組みは、安曇野店では、駐車場が広くイベントが行いやすいため、年に1回周年祭を開催しています。
また芋けんぴのつかみ取りなどのゲームを開催したり、ポイントカードでのリピーター促進を行っております。
新規顧客開拓のための取り組みは、松本中町店などの観光地店で行っております。
インフルエンサーを試食会に招待したり、観光メディアへの発信を行っております。

9. 今後のスイーツ事業においての展望

お芋の生産を軌道に乗るようにしていくことと、セントラルキッチン、芋の卸売りの強化をしたいと考えております。
また、コロナが収まり次第、観光地への新規出店をしていきたいと考えております。

10. 異業種方のお芋スイーツ事業への参入で注意すべきことは?

出店の立地が重要です。女性のお客様が多いですので、ゆったりとした駐車スペースがあるかないかで売り上げが変わってくると考えております。
そして、商品のラインナップは、たくさん出しすぎるのではなく、どの商品が一番収益性が高いのかを考えて、絞って出品することが重要です。
また、さつまいもの仕入れ先は問屋からも仕入れることができますし、農家から仕入れることもできます。
相場が良ければ、農家が違う方と取引が決まうという場合も考えられますので、信頼できる農家から仕入れるということが重要だと思います。
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担当者

コンサルタント

正村 陸しょうむら りく

大学院修了後、株式会社船井総合研究所に入社。整骨院業界のコンサルティング経験を経て、食品・菓子業界のコンサルティングに従事。
特に観光菓子マーケットでの新業態開発に数多く取組み、異業種企業のスイーツビジネス参入をサポート。立地診断から需要予測、店舗のコンセプト立案、外部パートナーとの調整・連携、WEBマーケティングを中心とした販促提案など、店舗の立上げ~活性化までワンストップで行うことを強みとする。

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