
トマトの市場規模のデータの推移についての考察
株式会社船井総合研究所 チームリーダー/チーフ経営コンサルタント 前田 輝久

こんにちは、船井総研の前田です。
農業参入と情報発信のご支援をさせて頂いています。
トマトの市場規模について
おもむろにトマトの市場規模を算出させて頂きました。
小売での販売を基準とした市場規模で言えば、トマトの市場規模は、2015年で3530億円と算出できました。
この数字はみなさまの感覚で言えば多いと感じられますか?
それとも小さいと感じるでしょうか?
私としては大きいなと感じました。
というよりも私のこれまで把握していた数字よりもかなり大きい…という印象を受けました。
暦年で算出したトマトの市場規模
以下、暦年で市場規模を算出してみました。
2010年:2809億円
2011年:2857億円
2012年:3140億円
2013年:3260億円
2014年:3252億円
2015年:3530億円
この2010年からの6年間のうちに721億円、その割合25%ほどの市場規模の増加、をしているとのことです。
非常に大きくなっています。市場規模が増えていることは感覚では知っていましたが少し納得がいきません。
お読みいただいている皆さんは、この5年間のうちにそんなにトマトを食べる機会は増えましたでしょうか。
私は調査もあり、着実に増えましたが。そこには疑問が残ります。
ですので、この内訳に関して少し突っ込んで考察していければと思います。
市場規模は市場の流通量×平均単価に分解できる
市場規模というのは、市場の流通量×平均単価に分解することが出来ます。
流通量の面で言えば、
・大玉トマト(ミニトマトを含む大カテゴリのトマトと区別するために便宜上このように呼びます。)
・ミニトマト
・加工用トマト
の3分類に大きく分類することが出来ます。
それぞれに流通量、平均単価がありますので、それらのどの要素が増えているのかを考えていきます。
トマト全体の出荷量で言えば、
2010年の作付面積、収穫量、出荷量はそれぞれ、12,3 00ha、690,900t、613,500tであり、
2015年の作付面積、収穫量、出荷量はそれぞれ12,100ha、727,000t、653,400tとなっています。
一見、出荷量が向上しているため、全体で見た際にも流通量が増加していると言えますが。
この数値からわかることは、全体で見たら流通量は6%程度しか向上していないということです。
同時にトマトの生産効率も、6%程度向上しているということです。
ミニトマト自体の出荷量で言えば、
2010年の作付面積、収穫量、出荷量はそれぞれ、2,000ha、105,900t、96,400tであり、
2015年の作付面積、収穫量、出荷量はそれぞれ2,320ha、131,300t、121,100tとなっています。
これはトマト中のミニトマトの量となります。トマト∋ミニトマトということになります。
2015年時点の数字を使うとトマトのうち、ミニトマトの割合は全体の18%ほどということです。
こちらの数字からわかることは、ミニトマトの流通量は、25%増加しています。
生産効率は、4%程度の向上をしています。
小売実態調査から見るトマト、ミニトマトの価格の変化
では、価格の数字を見てみます。
農林水産省の算出している小売実態調査からトマト、ミニトマトの価格の変化をみると、
それぞれ2010年で651円、1143円となっており、2015年になると677円、1294円というような数字がでました。
こうして数字を分解してみると、
トマトの市場規模を構成する要素はそれぞれ向上しつつあるということが見て取れますが、
その底上げをしているのは、ミニトマトの生産量とその単価にあるということが伺えるかと思います。
特に、近年は高付加価値の高糖度トマトを始めとした、水を抑えるフルーツトマトなどに対する農業参入が
相次いでみられることからもこの価格帯のプレイヤーが増加しつつあることが予見されます。
私たちのお手伝いさせて頂いている農業参入ではこちらではなく、
日用使いの大玉トマトを生産して販売していきます。
こちらは爆発的な市場の増加こそ見込めないものの、競合が入りにくく、
安定した市場の成長性と永続的な事業継続を目指すためにより向いているマーケットかと考えられます。
今回はそのトマトに関するお話をさせて頂きました。
お読みいただきまして、ありがとうございました。
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