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経営コンサルティングの船井総研 フード支援部

食品ビジネス

フードビジネス.com
2021/11/16
2021年10月 食品ビジネス経営研究会×農業研究会 合同視察ツアー

【第1講座】

 

株式会社オギノパン様

常務取締役 荻野隆司氏

 

~コロナ禍でも単店3億円&単品3億円を売るオギノパンの秘密~

 

<企業紹介>

  • ▶神奈川県山間部の工場直売店で年商3億円、全体で年商9億円を達成し、工場直売店は地元の駅から自動車で30分程度と距離のある場所にもかかわらず、コロナ禍でも昨対越えの売り上げを記録している
  • ▶名物商品の丹沢あんぱんなどの集客が会社全体の売上に繋がり、特に工場直売店は揚げたての熱々のあげぱんが食べられるという目的来店性が高い店舗である

 

<直販拡大への転換>

  • ▶直販拡大前の売上は、8割が「給食と下請け」を占めていたが、夏休みなど学校がない時期や、給食のパン提供比率の低下もあり、採算が取れなくなってきていたことが直販拡大へのきっかけ

 

<工場移転・直売店の建設>

  • ▶建設の際に大変だったことは、当時年商6億円の状態で同額の6億円もの建設費を投入したことで、月々600万円も返済に充てていたこと
  • ▶立地が山間部であり、来場が当初は見込めなかったため、売上を立てるために工場見学での観光バスの誘致を工場建設前から積極的に行った。加えて、パン教室など近隣でほかにないものをPRして来場に繋げる工夫を行った。その結果、当初計画では月商500万円に設定していたが、初月売り上げは1,000万円を記録。その後も右肩上がりを続けている

<コロナ禍での売上の動向>

  • ▶昨年は売れ時である春先の行楽シーズンの売上が4割ほど減少してしまった。店内が密になるとのことから屋外でテントを張って販売するなどの工夫を行い、秋からのGoToキャンペーンにより客足が持ち直し、年商では微増であった
  • ▶観光バスの来場は減少してしまったが、バイクのツーリング客などが増え、バスの減少による影響は感じていない

<名物商品の作り方>

  • ▶「丹沢あんぱん」(あげぱん)について
    • ◇あんぱんの大きさは途中で飽きてしまわないように小さめに設定しており、薄皮であんの比率が多いように工夫している
    • ◇小田急線に掛け合い、駅構内のミニコンビニと、ロマンスカーでの車内販売を行ったことがブランド向上につながった
  • ▶ヒットのきっかけ
    • ◇あんぱんは小田急線をきっかけとしてテレビ出演が増え、あげぱんは神奈川フードバトル金賞受賞で一気に認知が広がり、揚げたての状態での提供にこだわったことで名物商品となった
  • ▶多くのお客様に名物商品を提供するための取り組み
    • ◇あげぱんはバスにご乗車の方全員にご購入いただける際は半額の60円で提供している
    • ◇近くのインターチェンジで連絡してもらうことにより、バスの到着時間を予想し揚げたてのものを提供できるように工夫している
  • ▶名物商品を開発する際に大切なこと
    • ◇売れると思う商品を、情熱をもって売ること
    • ◇常に売れるような工夫を続けること、できることを考えること

 

 

~気づきの共有~

  • ▶工場併設型直売店のメリット
    • ◇工場機能の付加機能が売り上げをつくる
      ⇒ その商品の“最高”を提供。アツアツ・揚げたてのあげぱん
    • ◇直売店の引力として、「○○したて」
      (できたて、焼きたて、茹でたて、搾りたて、打ちたて)
  • ▶低単価での売上づくり
    • ◇あらゆる工夫・できることを考える、『売上、人件費と材料費は工夫で動かせる』
      • ✓最高価値商品 ⇒ 他商品への期待
      • ✓買い揃えたくなるあんぱんの種類(12種類)
      • ✓「埋めたくなる」トレーの大きさ
      • ✓まとめ買い誘導発券機
    • ▶商品への愛情=徹底的な訴求
      • ◇企業<商品ブランド
        • ✓看板:伝えたいのは商品であり、企業名ではない
        • ✓看板商品は商品であり、集客機能であり、販促ツールであり、多様な役割を担う

 

 

 

【第2講座】

 

合同会社 岡木農園

岡木宏之氏

 

~多くのメディアから注目を集める「岡木農園」が行う新たな取り組み~

 

<企業紹介>

  • ▶2014年からブランディングを行い、販路拡大とともにやりがいを感じ2019年に就農、2020年には農林水産省「次世代のリーダーとなる若手農経営者」として選出された岡木様は、2020年に行ったオンラインブドウ狩りで、新しい消費体験の創造、農ケーションへの取り組みを続けている。新たな取り組みへの考え方やお客様に愛されるブランドづくりについてお伝えしていただく
  • ▶岡木農園の売上高推移としては、2019年までは農協系統への出荷が9割を占めていたが、2021年現在は4割にまで減少し、直売・オンラインショップの割合が高まっている

 

<コロナ禍での新しい取り組み>

  • ▶新商品「7粒のシャインマスカット」※無印良品とのタイアップ商品
    • ◇房の形によってぶどうの値段が大きく変わってしまうという課題があったため、房の形に影響されないぶどうの粒一つ一つで包装した商品の開発を行った
  • ▶オンラインブドウ狩り
    • ◇概要
      • ✓参加費:\4,980+送料(シャインマスカット2房つき)
      • ✓1時間のパッケージで前半30分は講演、後半30分はビデオ通話をつなぎながら収穫というスケジュール
      • ✓講演ではシャインマスカットの歴史について、見分け方、美味しい食べ方を解説する
      • ✓翌日の午前中に到着するように、収穫したものは即日発送する
    • ◇開催のきっかけ
      • ✓高齢で移動が制限される妻の祖母(90歳)にぶどう畑を見せたかったのがきっかけであり、コロナ禍で自由に出歩けないつらさに対して、オンライン通話を通じて課題解決できないかという想いから開催に至る
      • ✓毎年銀座NAGANO(銀座のアンテナショップ)でぶどう狩りを実施しており、美味しいぶどうの認知拡大を目指す
    • ◇実施方法
      • ✓集客
        • ・プレスリリース、SNSにて実施
      • ✓当日実施オペレーション
        • ・ご家庭のPC、スマートフォン、Zoom、光センサー糖度計、はかりなどを使用し、新規で用意したものは一切なし
      • ✓決済・発送
        • ・通販で用いていたフローをそのまま転用
      • ◇開催後の効果
        • ✓マスコミ掲載
          • ・NHK、日本テレビ「ズームインサタデー」、TBSラジオや新聞など、15以上のメディアからの取材
        • ✓実施後アンケート
          • ・お客様の声でも高評価多数
        • ✓自社ECサイトからの購入が増加
          • ・全国の新聞、テレビ局に取り上げられ、自社農園の認知が拡大
            ⇒HPの閲覧数増加、30分で500件の注文、前期比15倍以上の月も
        • ✓楽天・Yahoo!オンラインショップでランキング1位を獲得
      • ◇開催を通しての学び
        • ✓まとまった集客が見込め、永続的に外出が困難な人への可能性
          • ・高齢者施設や病院など
        • ✓メディアの掲載の際に、HPを設置して商品を購入していただける状態を整えておくことで需要を逃さない体制の構築
        • ✓個人的な問題意識が起点となるプロジェクトが多くの関心や理解を得られる(オンラインブドウ狩りでの祖母の例)
        • ✓想いを形にする仲間を集める重要性

 

<農ケーションへの挑戦>

「農ケーション」とは、農家や宿泊施設が連携してワーケーションに農業を取り入れる活動のこと

  • ▶取り組みの効果
    • ◇農業に興味がある方に絞って実施したので積極的に仕事を行ってもらえ、人手不足の解消につながる
    • ◇IT・クリエイティブ系の人たちにフォーカスすることで、農業者に新しい価値を提供
    • ◇今後は通信環境や人間関係などの課題に注力する

 

 

~気づきの共有~

  • ▶自分たちの取り組みを時流に合わせて取り組むことで新たな取り組みが生まれる
    • ◇ぶどう狩り×オンライン
    • ◇コロナ禍(時流)を追い風にして取り組んだ
  • ▶個人的な問題意識が起点となるプロジェクトが多くの関心や理解を得られる
    • ◇IT・クリエイティブ系の人たちの中で「コロナ鬱」「農業に興味がある」という意見
    • ◇社会的な課題につなげることでメディアの反響に
  • ▶直接消費者に自分たちのこと(農業)を知ってもらう機会をつくる
    • ◇価値を伝えるコンテンツを準備する
      • ✓ぶどう狩りの前にぶどうの講座を行う
      • ✓糖度を計測して伝える
      • ✓その日に発送して新鮮なまま届ける
      • ✓農家を体験していただく
        • ・ファン獲得・次につながっていく

 

 

【第3講座】

 

株式会社ツマミナ

代表取締役 藤吉玲氏

 

~人気飲食グループの冷食事業参入成功事例~

 

<企業紹介>

  • ▶福岡にて人気の飲食店を展開、2017年には東京にも進出されたツマミナ様。コロナ禍にてセントラルキッチンを立ち上げ冷食事業にも参入され、イカに精通した同社が現代の冷凍技術で実現した「玄界灘のイカの姿造り」はクラウドファンディングでも話題となり、達成率2,400%を超え、合計700万円以上を売り上げました。巨大飲食グループが展開する冷食事業、通販事業の構想をお伝えしていただきます。

 

<冷凍食品事業立ち上げの経緯>

  • ▶なぜ、冷食事業に取り組んだのか
    • ◇来店ビジネスとは別のポートフォリオ
    • ◇“鮮度の高い海鮮”という既存店の長所を活かす
    • ◇冷凍設備を持ったセントラルキッチンを2018年に構築
  • ▶どのように差別化を図ったか
    • ◇“魚の鮮度” ⇒ 高品質な競合が少ない市場
    • ◇設備×技術力 ⇒ “鮮度”を保持する設備と職人技術
    • ◇仕入れ力⇒既存店含む取引量が大きい

 

  • ▶セントラルキッチンについて
    • ◇投資額:総額6,000万円(HACCP対応)
      (内訳:厨房設備・機器4,000万円、工事2,000万円)
    • ◇生産額:約1,000万円/月
      (コロナ後約2,000万円/月見込み)
    • ◇人員体制:社員3名+パートアルバイト2~3名

<商品開発について>

  • ▶当初は精肉やもつ鍋を販売していたが、競合との差別化が困難であった
  • ▶強みとなる活魚のカテゴリーにシフトし、“鮮度”と“品質”で差別化を図る
    • ◇“鮮度の高い活魚”を店舗と変わらない品質でお届けし、飲食店と同様の本格的な食べ方ができるように開発を行った

 

<販促について>

  • ▶LINE、メルマガ(約2万件)
    • ◇実店舗顧客を中心とした販促を行う
  • ▶福岡空港、百貨店(東京)などへ出店
    • ◇メディア露出の誘因となり、遠方顧客への認知拡大につながった
  • ▶クラウドファンディング
    • ◇成功させるためのポイント
      • ✓情報量
        • ・文章+画像
          • CF上で売れている商品のページデザインを徹底的に研究し、作成
        • ✓価値の訴求
          • ・自宅では食べられない品質と技術

 

<今後の事業展開について>

  • ▶日常遣いできる商品(煮付けなど)の商品開発
  • ▶セントラルキッチン製品(冷凍)を活用した実店舗開発
  • ▶通販事業を分社化(年商1億円を目指す)
  • ▶セントラルキッチン製品を活用してアルコール業態依存から脱却
    • ◇(食事業態中心に2~3年で年商10億円へ)

 

 

~気づきの共有~

  • ▶コロナ禍での新事業拡大
    • ◇既存ブランド(鮮度が高い)+地域を活かした事業=冷凍食品事業(通販)
    • ◇魚を扱う競合の少なさ、自社の技術力・仕入れ力を活かせる市場
  • ▶狭属性一番化を得意なことで実現
    • ◇「参入障壁がありながら、自分たちが強い商材」=「鮮度」いかの作り
    • ◇新規事業に取り組む中で、自社の強み・提供価値の再確認
  • ▶冷食事業のステップアップ
    • ◇まず商品化・販売・生産性UP
      • ✓セントラルキッチン活用で効率的に、アルバイトでも回せる店
    • ◇通信販売・卸売りなどの拡大
      • ✓飲食店と変わらぬ味、クラウドファンディングの成功
    • ◇冷凍技術ありきの業態開発
      • ✓冷食ありきの店舗、アルコールに頼らない新業態

 

 

 

【船井講座】

 

株式会社船井総合研究所 地方創生支援部

チームリーダー 前田輝久

 

~本日のまとめ~

 

<まとめ>

  • ▶オギノパン様の取り組み
    • ◇自社のモノの価値を高める工夫を常に考え、取り組んでいる
      • ✓揚げたてのパンを提供する
      • ✓観光バス客の到着直後に揚げたてのあげぱん提供で期待を高める
      • ✓愛情を持った販売(商品を語る)
    • ▶岡木農園様の取り組み
      • ◇農園(農業)を知ってもらうための時代に合った新しい取り組み
        • ✓オンラインの拡大に合わせたぶどう狩り
        • ✓農業を知ってもらう講座
        • ✓農業を体験してもらう農ケーション
        • ✓その時代の社会課題に合わせた取り組み
      • ▶ツマミナ様の取り組み
        • ◇競合との差別化と独自性を追求した新規事業の取り組み
          • ✓競合の少ない“活魚”マーケットへの参入(差別化)
          • ✓強み(鮮度と技術)を活かすための冷凍技術への投資
            • ⇒「参入障壁がありながら自分たちが強い商材」
          • ✓自宅では食べられない「品質」と「技術」
            • ⇒購入する理由を伝える工夫
          • ▶自分たちの強みを今の時代に合わせていかに顧客に届けるか
            • ◇時代に合わせた取り組み
              • ✓オギノパン様:給食事業から工場直売へ
              • ✓岡木農園様:オンライン活用とWEB通販
              • ✓ツマミナ様:冷凍技術と通信販売
            • ◇時代に合った取り組みで注目を集め、“新しい顧客”を集めている
              • ✓既存事業の延長線上ではない「新しいことへの挑戦」
            • ◇自社の強みを活かす取り組み(長所伸展)
              • ✓オギノパン様:揚げたてのあげぱん
              • ✓岡木農園様:自分たちで選んだぶどうをその日に発送
              • ✓ツマミナ様:冷凍技術を使って、活き造りのイカをお届け
            • ◇自信のあるものを最高の状態で食べていただくことで“ファン”ができる
              • ✓経営の原理原則である「時流適応&長所伸展」
フードビジネス.com
2021/9/16
2021年8月 食品ビジネス経営研究会 例会

 

【第1講座】

 

株式会社デイリーファーム様

専務取締役 市田旭宏氏

 

~株式会社デイリーファームの6次化産業への取り組み~

 

<企業紹介>

  • ▶愛知県常滑市に所在する、大正15年創業、養鶏業を行っている農家様。
    約16万羽の鶏を飼養しており、年間生産量は2,500トン、1日生産量は個数にして
    約12万個にも及ぶ。
  • ▶【たまごで人をしあわせに】という企業理念のもと、企業ファンを増やし続け、コロナ禍でも直売売上を落とすことなく昨対約120%を記録。
  • ▶安心・安全で美味しい卵を作るポイントとして、遺伝子組み換えのないものを主原料とした飼料に使用することにこだわっている。

 

<デイリーファーム様の6次産業化>

  • ▶「取り組みを発信する空間が必要」という想いから6次産業化を推進。
  • ▶2015年、ココテラス(直売所)を開業。
    • ✓カステラ、プリンなどのスイーツや、収穫24時間以内の新鮮な卵を販売。
  • ▶2018年、たまごキッチン レシピヲ(レストラン)がオープン。
    • ✓たまごかけごはん、オムライス、カルボナーラ、敷地内の畑から収穫した野菜を使用したサラダなどを提供。

 

<コロナショックの影響と対応>

  • ▶コロナショックの影響
    • ✓小学校の休校によりパート従業員の出勤が困難に。
    • ✓常滑市役所に「レシピヲ店内が密になっている」というメールが届く。
  • ▶コロナショックへの対応
    • ✓テイクアウトの実施
    • ✓オンラインショップの充実
    • ✓インスタライブ
      • オムライス、フレンチトーストなど卵を使った料理の作り方を配信。
    • ✓従業員がいなくてもたまごを販売できるたまご自販機の設置。
    • ✓地元のタクシー会社とコラボし、デリバリーを実施。
  • ▶コロナ禍以前から行っていた取り組み
    • ✓いいたまごの日(11月5日)特売セール
      • 年に3回、消費者に還元するセールを開催。
      • 折込チラシを3万枚+DMを送付し、消費者に認知してもらう機会を創出。
    • ✓新メニューのモニター会
      • レシピヲで提供予定のメニューを無料で試食いただく場を提供。
      • ロイヤルカスタマーに対し、よりお店に対して愛着を持ってもらう機会として活用。
    • ✓お料理教室
      • 親子をご招待し、お子様でも作れるたまご料理をご紹介。
    • ✓SNSの活用
      • 公式インスタグラムの活用
        • 投稿頻度は週2回、従業員8名当番制で回している。
        • DMを利用し、お客様とのコミュニケーションツールとして活用している。
      • ・LINEアカウントの活用
        • Bot機能を利用し模擬カスタマーセンターとして活用。

 

<6次産業化の効果>

  1. 1. BtoCビジネスへの広がり
    取り組みを発信する空間として、一般消費者へのビジネス拡大に成功した。
    生産から小売まで一気通貫での対応が強み。
  2.  

  3. 2. 日常消費からハレの日消費へ、さらに日常へ
    お土産需要により適正価格で売り出すことが可能になった。
    お土産利用から日常消費へつながる。
  4.  

  5. 3. 圧倒的な発信力の強化
    実店舗×メディアの相性が抜群で、知名度の上昇・採用・BtoBへの新規開拓に貢献。
  6.  

  7. 4. 強い会社づくりのための柱づくり
    ①採卵農場 ②菓子製造・小売 ③飲食店 の三本柱経営が可能に。
    それぞれターゲットが異なるため、コロナなどの影響が出ても倒れにくい経営体制の確立が可能に。

 

 

<気づきの共有>

  • ▶自分たちが生産しているものの“こだわり”を伝える
    ⇒卸だけでは難しい
    ⇒直接消費者に伝えるために直売店・レストラン事業へ
  • ▶店舗はお客様と親しくなる場「情報発信拠点」から「コミュニティ創造拠点」へ変容
  • ▶ブランド化=自分たちを支持してくれる方を増やす
    ⇒支持してくれる方=自社の価値に共感してくれるお客様

 

 

【船井講座】

 

株式会社船井総合研究所 食品・観光グループ

グループマネージャー 中野一平

 

~ライフサイクル安定期&コロナ禍での攻めと守り~

 

<コロナ化とは関係なく食品業界が抱えている構造的課題>

  1. 1. 人口・働き手の減少
  2. 2. 消費量&消費額の減少
  3. 3. ライフスタイルの変化
  4. 4. 商品ライフサイクルの短期化
  5. 5. 異業種と比べて低い生産性

 

<新規事業で業績を伸ばすための「攻め」>

  • ▶差別化の8要素に基づき、まずは立地(マーケット)を考える。
    • ✓立地に合わせて商品を展開していく、既存の延長にならないよう注意する必要がある。
  • ▶これからの期待できるマーケット
  1. 1. EC・ネット通販
    食品業界のEC化率は非常に低く、今後の伸びる可能性が高い。
    2024年にはEC化率が6%になる見込み(現状の倍)。
    伸びているのはECモールで、自社HPは横ばい。
    ⇒商品特性を見極め、各ECモールに合わせた商品展開をする必要がある。
  2.  

  3. 2. ギフト
    ギフト市場は年々微増(しかし中元・歳暮は減少)。
    ⇒お祝い系、カジュアルギフトが狙い目。
    ポイントは、①見栄え ②客予算対応 ③認知活動
  4.  

  5. 3. 冷凍食品
    業務用は減少、家庭用は増加傾向。
    価格勝負になる日常品は避ける、狙い目はプチ贅沢以上の商品展開。
    キーワードは「本格」 本格中華、本格ピザ
  6.  

  7. 4. BtoB、OEM
    ネットでのBtoB市場は増加。
    多くの企業が「時流適応商品」を求めておりOEMも活発化。
  8.  

  9. 5. 海外輸出
    商材による条件等があるが、企業によって勝負する余地は十分にあり。

 

<ライフサイクル安定期&コロナ禍での「守り」>

  • ▶ライフサイクル安定期&コロナ禍により7割経済が到来
    • ✓新規事業による「攻め」と同時に、生産性アップなどの「守り」が重要。
  • ▶社内業務のデジタル化
    • ✓クラウド会計の導入
      • 余分な工数をカットすることで生産性の向上を実現した。
    • ✓顧問税理士の体制見直し
      • レベルがあっていない会計事務所とお付き合いしているケースが多い。
      • 税理士変更をきっかけに利益創出・節税に成功した事例あり。
    • ✓人材確保と戦力化
      • 会社のビジョン・考えていることを積極的に発信する。
        ⇒共感へつなげる
      • 仕組みによって業務・作業の効率化を図る。

 

 

【第2講座】

 

株式会社下園薩男商店

代表取締役社長 下園正博氏

 

~衰退する業界の中での新たな取り組み~

 

<企業紹介>

  • ▶鹿児島県阿久根市に所在する、昭和14年創業、日本最大規模のウルメイワシの丸干事業を行う老舗メーカー様。
  • ▶「今あるコトに一手間加え、それを誇り楽しみ人生を豊かにする」を企業理念に掲げ、全く新しいものではなく自分たちが行ってきたこと、考え方をベースに斬新な商品を創出し続けている。

 

<水産・塩干魚介業界の現状・変化>

  • ▶塩干魚介業界の市場規模は年々減少傾向、消費支出の世帯構成も60歳以上の年齢層に集中。
    若い世代は「丸干し」という言葉自体知らない現状であった。

⇒丸干しという商品への危機感

  • ▶11年前の売り上げと比較して、既存顧客割合は39%。
    ⇒現在の多くのお客様が新規で獲得した顧客。

 

<新商品開発について>

  • ▶最初に若い世代向けの丸干し商品(レンジでチンするとそのまま食べられる丸干し商品)を開発
    ⇒バイヤーにはウケがよかったが、水産干物売り場に若者が訪れず、高齢者にも売れず本末転倒に終わってしまう。
  • ▶次に若い世代に伝えるための丸干し商品の開発にシフトし、
    干物=和風のイメージが強かったが、オイルサーディンのような洋風の丸干し商品の開発を進め、完成したのが「旅する丸干し」という商品。

    • ✓デザイナーに事細かに設定を共有し、デザイン制作を依頼。
      ⇒ターゲットは30歳代の海外旅行好きな独身女性、百貨店の雑貨屋スペースにおける商品デザイン
  • ▶社内で商品開発を行いたい人材を募り、新卒の研修時に月に1回勉強会を開催。
    • ✓「note」というソフトを用いて商品開発手順をマニュアル化
  • ▶商品開発をする社員の個性を生かす取り組み
    • ✓「Kots」:小魚ピーナッツの商品
    • ✓歌手の西野カナが大好きな女性社員に、「西野カナさんに子供ができたとしてその子に食べてもらう小魚ピーナッツを作ってほしい」と依頼。
      ⇒社員のモチベーションへ
    • ✓結果、パッケージデザインも西野カナさんのCDジャケットを制作している企業様に依頼し、新たなお付き合い先としての幅も広がった。
  • ▶既存の商品をデザインで新マーケットへ拡大
    • ✓幼稚園の園児に人気な「はらぺこイワシ」
      • 母親世代からも支持していただける商品へ
      • 西松屋・赤ちゃん本舗など子供雑貨店に陳列されるようになる。

 

 

<企業理念を軸にした事業>

  • ▶2017年直売所イワシビルがOPEN
    • ✓1Fがショップカフェ、2Fが見学可能な工場、3Fにホステル(ゲストハウス)
      ⇒ホステルは商品名の「“旅する”丸干し」とかけて発案。
    • ✓企業理念を軸に、地元に根差した「おしゃれすぎない」デザインに。
    • ✓地域のお客様に気軽に足を運んでいただけるようにたい焼きを販売。
    • ✓多くのメディアに掲載され、認知度・ブランド力の向上に貢献。

 

<新規顧客獲得へ現状行っている取り組み>

  • ▶全製品の原価計算を行い、規格などの見直しを実施。
  • ▶高品質シリーズの販売開始
    • ✓利益の残る商品群の開発
  • ▶データでの出荷や在庫管理
    • ✓手書きノートで管理していたものをパソコン入力へ、クラウド化
  • ▶HACCP取得から海外輸出を促進
    • ✓HACCPを2015年に補助金を活用し取得。
      オイルサーディン・アンチョビなどのイワシの加工品を生産している国へ輸出。
      ボストン・ミラノでの展示会や、シチリアのアンチョビ工場を見学。
    • 鰤の卵、ボラの海外輸出を促進している
  • ▶展示会・メディアへの掲載
    • ✓どのようなお客様に来ていただいてほしいかを基準にブースをデザイン。

 

<今後の新規事業計画>

  • ▶2022年7月頃、山猫瓶詰研究所OPEN予定
    築100年の建物をリノベーションし、カフェ、ショップ、工房を内装する
  • ▶NPO法人薩摩リーダーシップフォーラムSELF
    「会社のため、丸干しのため、阿久根のため」という価値観から、「社会のため、子供たちのため」という価値観へ
  • ▶持続可能なウルメイワシのアンチョビ事業
    • ✓成長しかけの小さなイワシを漁獲し使っていたが、イワシは子孫を残すことができないため、続けると漁獲量の減少につながる恐れがあった。
      ⇒成長した大きめのイワシを使用することで、資源管理にもつながる。
  • ▶地球を救うジビエブランド
    • ✓鹿による農作物被害が地元で問題であったことを背景に発案した。
  • ▶クラフトコーラ事業
    • ✓柑橘農家が出荷できない、傷がついてしまった柑橘類を活用することで農家への売り上げにもつながる。

 

 

【成功事例グループワーク】

  1. 1. 有限会社安部商店様
  • ▶通販の精度アップにBIツール、AIツールを活用
    • ✓BIツール
      • DMごとの受注率・回収率を可視化し、通年で比較できるように
        • 通年ではあまり買っていただけないジンギスカンという商品のため、できるだけ月次で細分化しKPIを明確化にして計測へ。

 

  1. 2. 株式会社滝沢本店様
  • ▶BIツール「EBI LAB」の導入
    • ✓観光地店舗前の通行量を正確に把握、入店率を集計、数字で見える化。
    • ✓平日・休日・天候・商品陳列による入店率の差異を比較でき、施策に反映。

 

  1. 3. 株式会社フタバ様
  • ▶コンテンツマーケティングでEC事業を拡大&ファン客の育成
    • ✓アンバサダーにコンテンツ情報を月に1回投稿してもらい、新規顧客の獲得へつなげる施策
      • アンバサダーはフォロワー1~3万人程のインフルエンサー

 

 

【まとめ講座】

 

株式会社船井総合研究所 地方創生支援部

マネージングディレクター 横山玟洙

 

~ニューノーマルにおける新たな一手を~

 

<2030年、そして次の先の世代へ今から行うべきこと>

  • ▶ニューノーマル(新常態)
    • ✓新たな状態や常識を表す言葉で、構造的な変化が避けられない状態。
    • ✓ニューノーマルにおいてお客様が求めるもの、社会が求めるものは変化し続けており、様子を見ているうちに遅れてしまう。
  • ▶ニューノーマルに対応した2030年への成長戦略の設定の必要性
    • ①新規事業を自社で創る
      ②時流に合わない事業を幕引きする
      ③時流適応の事業に投資する
    • ✓新型コロナウイルスの拡大により、従来の外部・内部環境がともに崩壊
      ⇒ニューノーマルへ
  • ▶「新しいビジョン」を定めた後、それらに基づいてビジネスモデルの見直し、ブランディング、組織風土、評価制度などを順次革新していく。
フードビジネス.com
2021/7/08
2021年6月 食品ビジネス経営研究会 例会

【第1講座】

 

茂木食品工業株式会社

代表取締役社長 茂木進氏

 

~田舎の小さな蒟蒻屋がイノベーションを起こし続けるための思考法~

 

<企業紹介>

〇1960年に茂木社長の父により「茂木安伴商店」として創業

1971年に現在の社名「茂木食品工業株式会社」となる

平成16年より、茂木進社長が就任

創業時より続く「水かき缶蒸し製法」によってこんにゃくの製造を行う

〇【こんにゃくを通して世の中の「あったらいいね」を創造し、人々の心を豊かにする】

を企業理念に掲げられ、世の中に必要とされる、100年企業を目指す

〇2002年よりECサイトでの販売も行われており、販路の拡大を行う

 

<こんにゃく業界を取り巻く環境>

〇1人あたりのこんにゃく年間消費金額は30年間で半減

→2020年の年間消費金額621円は、板こんにゃく5枚程度でしかない

→こんにゃくの消費量減少に伴い、こんにゃく芋の収穫量も30年間で半減した

→大手こんにゃくメーカーの大量生産により、低価格化が進む

→観光土産としての需要も、他の製品に押されて減少

〇業界を取り巻く環境が大きく変化

→時代に合ったこんにゃく商品の開発が必要

 

<商品開発の事例紹介>

〇手軽に食べられる、こんにゃく商品の開発を行う

→味付け乾燥こんにゃく、塩昆布風こんにゃく、こんにゃく芋チップスなど

〇「みそ漬けこんにゃく」を開発

→「きゅうりや大根のみそ漬けはあるのに、こんにゃくはないよね。」という些細な会話から開発のアイデアを得る

→強アルカリ性のこんにゃくと、酸性のみそのpH調整が難航

→1年半の開発研究の末、「みそ漬けこんにゃく」が完成

→これまでにない新商品として、順調な売れ行きとなる

〇模倣品、同様の商品が他社から販売される

→このままでは埋もれてしまうと感じ、新商品の開発を模索

〇2年の開発研究の末、「ちょこっと酢っぱ」を開発

→手軽に食べられる、味付きのこんにゃく

〇3年の開発研究の末、「ほろっと崩れるこんにゃく」を開発

→こんにゃくは栄養価が高く、介護食に向いている食品であるが、のどに詰まらせる危険があり、細かく刻む調理法は手間がかかるという点から既存商品の使用が難しい

→柔らかく、見た目にも美味しそうな商品の開発を掲げる

→弾力、味の調整が難航し、3年で50回以上の失敗

→突然のひらめきから、開発に成功する

→特許を取得され、発明協会より「発明奨励賞」を受賞

→現在は、OEM商品の開発も行う

〇大豆ミート市場への参入

→大豆パウダーを使用した、肉を使用しないソーセージの開発を模索する

→大豆とおからの配合分量、成型方法、食感の改善の試行錯誤を繰り返す

〇日本初の「ヴィーガンソーセージ」を開発

→「まるでソーセージ」「SOYウインナー」として商品化

→オリンピック開催によるインバウンド需要を見込んでいたが、延期となる

〇コロナ危機を乗り切る施策

→インバウンド需要が見込めなくなったことに加え、休業要請の影響により、業務用商品

お土産商品など、売上構成の60%が消滅

→急激に拡大していた、プラントベースミート市場に注目される

〇1年の開発研究の末、「サラダバーグ」を商品化

→コロナ危機を乗り切る為、予定を前倒しで開発をすすめる

→フーデックスジャパンに出店すると大盛況、多くのお客様に評価される

〇補助金の活用

→各種補助金の支援によって、商品開発を継続している

 

<商品開発に大切な3要素>

①傾聴の姿勢でニーズを探る

→ニーズとは誰かが必要としているもので、多くの人との対話の中で、様々なニーズを

インプットしておく

②思いついたアイデアを形にする

→ニーズがあっても形にしないと意味がない、過程の中で新たな発見もあるはずなので、

それを詳細に記録することが重要

 

③とにかく継続する

→基礎研究の継続が重要。自分が売れると思っても、市場にマッチしないことは多い

→プロセスに意味を持つことが重要。模倣品の登場といった危機感を持ち続けることで、新商品の開発意識が高まる

→気になるキーワードをインプットしておくことで、ふとした瞬間のひらめきに繋がる

 

<今後の取り組み>

〇新商品の開発

→ヴィーガン向けの寿司ネタ、こんにゃくによる食器・ストローの代用品、こんにゃく麺、

こんにゃく製の研修医用模擬臓器など

→アイデアを口にすることで、社内でも商品開発に対する関心が高まっている

→固定概念に囚われず、可能性を模索し続けることが重要

〇品質管理、衛生管理の必要性

→ISOを取得し、品質管理・衛生管理にも注力している

→HACCPの実現に向け、社内での勉強会も行う

〇事業の更なる拡大に向けて

→3人のご子息が入社され、SNSでの情報発信など新たな環境への対応を担当している

→開発を続けることが、100年企業への足固めとなる

→新卒の採用、OJTの推進など、社内体制の強化に取り組む

 

<気づきの共有>

・茂木食品工業様は、衰退業界の中で成長を続けている注目企業

・「より良い商品」「より良いブランドを磨く」では売上アップにはつながりにくい

→消費量・消費金額は基本的に変わらないため

・衰退業界での商品政策

1,売り場・棚の増加

2,他社商品からの置き換え

3,消費量・利用頻度アップ提案

4,上位商品への誘導

5,ターゲットの変更

→ヴィーガンに向けた商品を販売すること

6,別市場商品としての展開

→こんにゃくではなくハンバーグとして販売された「サラダバーグ」

「あったらいいね」を実現し、常にニーズを探られている

 

 

【第2講座】

 

株式会社花安新発田斎場

常務取締役 渡辺安之氏

 

~時代を見据えた組織改革と新規事業~

 

<企業紹介>

〇会社概要

新潟県新発田市で葬儀会社を営まれている

「過去の縁、現在の縁、未来の縁をつなぐ」ことをミッションとして掲げる

→縁によって生かされ、過去の縁が現在の縁、未来の縁へと繋がっている、縁によって

人々の幸せの実現を目的とし、社会に貢献することを使命としている

〇花安「ニューノーマル」への挑戦

不易「変わらないもの、変えてはいけないもの」=本質

流行「変わるもの、変えるべきもの」=時流適応

→人口減少、高齢化、コロナウイルスなど、業界を取り巻く環境は変化しているが、不易

と流行を意識し、挑戦を続けている

 

<花安新発田斎場が実現する10年プラン>

〇地縁型サービスインフラ企業へ

→生前死後でエンディングにかかわる事業、地域を繋げる収益事業を創る地縁型サービスインフラ企業を目指されている

→2019~2021年【組織開発】地域で憧れの会社組織へ(高収益化、組織改編)

2022~2025年【事業開発】圧倒的地域一番店へ(ドミナント展開、事業領域の拡大)

2026~2029年【事業展開】地区外進出(多角化による販路拡大)

 →「地縁型サービスインフラ企業」の実現に向けた10年プランを進めている

〇2020~2023中期経営計画

→コロナの影響を受けながらも、毎年103%以上の持続的成長を見込んでいる

 

<他社との差別化のポイント>

①葬儀の多様化

→一般葬儀だけでなく、社葬(会社の葬儀)、寺院葬など幅広いニーズに対応

②小規模葬儀の増加

→大規模ホールでの葬儀は、近年減少している

→コロナ以前から、小規模葬儀へのシフトを進めていた

③葬儀と仏事の専門店化

→お花のお届けサービス、専任担当制、仏壇・墓石・ご法要の相談など、仏事への

対応も行う

→地域の団体、組合に所属し、地域ネットワークとのつながりを重視している

④お気軽にご相談いただける仕組みづくり

→入りやすい雰囲気の店舗づくり

→会員制度を創設し、加盟店を募集、加盟店で使える、商品券の送付などを行う

地域商店、お客様とのつながりの構築を重視している(加盟店約200店)

→会員向けのセミナー、見学会、会報の発行などを行う

お焚き上げ、遺品整理事業など葬儀以外の分野へも取り組む

 

<稼ぐ新規事業>

〇お墓事業の拡大

→永大供養付きの、後継者不在でも安心の個人・家族のお墓を開発

霊園のオープンから1か月で半分以上の新規成約に成功する

〇会員向けの旅行ツアーの実施

〇軽トラ市・Run伴など各種イベントに参加している

→公共性の高いブランディングを進めている

 

<中期経営計画達成のための地域戦略>

〇「しばた寺びらき」の実施

①寺町周辺にある宗派の異なる、11の寺院で、写経や座禅の体験、本堂でのライブや

講演、精進料理の振舞いなど各寺院でのイベントの開催

②寺町通り、本堂、境内に地域のグルメ、雑貨、服飾など約60店舗を出店

③地元酒造の「蔵開き」、諏訪神社「社びらき」の同時開催

→「城下町しばた」の魅力を、その構成要素である「お寺」を通して再認識することが

目的、地域住民のまちづくり活動への参画を促進する

→地元企業、社会福祉法人、教育機関、ボランティア団体などと連携して開催

〇寺町たまり駅(新発田市指定管理業務)

→観光協会から、指定管理業務の引継ぎを受け、「お土産カフェ」にリニューアル

限定コラボ商品の開発、地域イベントの主催・運営を行う

→観光協会から引継ぎ後、売上高昨対153%、来場者133%を達成

→行政からの依頼で業務委託を受注し、最適に事業が開店する仕組みを作る

観光施設、地域イベント、地域業者の縁をつなげる

 

 

<地域戦略実現のための稼ぐ新規事業>

〇クラフトビール開発プロジェクト

観光客向けレストラン併設型マイクロブルワリーの出店

→観光地×レストラン併設×マイクロブルワリー、地元観光地の「月岡温泉」へ出店

 

【月岡ブルワリーの初期マーケティング】

・毎週のように仕込みができる高回転の商品開発による多種多様な味と香りの提供

・クラフトビールの参入コストが低減したのがきっかけ

・ナショナルビール・清酒の酒類販売量減に伴う、リキュール・その他醸造酒の需要増加

・月岡温泉の個人観光客をターゲットの「ビール×レストラン」

・商圏内での先行者メリットの大きさ

→コンセプトに“飲む人と人が「つながる」ビールをつくること”を掲げられている

 

〇月岡ブルワリーのメディア戦略

①クラウドファンディングの活用

→目標100万円のところ、300万円の調達に成功、地域からの関心度・期待度が高まる

②メディア告知

→テレビ、新聞、ラジオ、ネット、雑誌、イベント等ありとあらゆるメディアへの告知

③コンペティション、品評会への参加

→新潟デザインコンペティションへの出品依頼

→醸造スタートから、わずか3か月で「ジャパングレートビアアワーズ2021」

全3品受賞という快挙を達成

 

<月岡ブルワリーの成功要因>

〇立地

→月岡温泉のブランド、足湯という自動集客装置、先行事業者からの情報収集

〇ヒト

→全社を巻き込んだ担当・分業制(醸造、飲食、マーケティング、販促など)

→社外サポーターの存在(協力者、行政、月岡を巻き込む)

〇スキマ

→競合しない(地域一番店のポジションを確立)

→先行者メリットの大きさ

→ブランディング(メディア戦略によるスタートダッシュ)

・全員が個々に強みを生かし、柔軟性を持ちながら動いていることが成功要因である

 

 

<新規事業開発プロセス>

〇社内編

仲間づくりの重要性

→メンバーの分野ごとに強みを生かして一緒に動く

→社内でも影響力のある人に協力を依頼し、複数の若手を巻き込むことに成功

→既存事業だけでこのままいけるのか?という危機感の醸成

・社内に3割の賛同者がいることで、マイノリティではなくなる

〇社外編

仲間づくりと話題作り

→プロジェクトメンバーは全員知り合いという関係性

→地元企業の社長、有名料理店、卸業者、行政も巻き込んで、新発田と月岡をつなぐ

→段階に分け、ありとあらゆる媒体で話題を発信

〇コンセプト

→温泉の色にちなんだ「エメラルドエール」

→店舗の前に足湯があるので「湯上りベールエール」

→「もっと美人になれる湯」にちなみ「ヴァイツェンナチュラル」

・とにかく、新発田・月岡を推した商品を展開している

→縁をつなげる範囲が拡大、ビールというツールを使って地域を盛り上げることが目的

コロナに翻弄されながらも、柔軟に対応し大健闘

 

<アフターコロナを見据えた方向性>

〇外部環境

→1年目は、コロナの影響から数値予想が困難な1年となる。観光需要の戻りが鈍く

月岡の経済損失は大きいが、月岡全体での支援が手厚く、ネームバリューも高い

〇現在までのデータからわかったこと

→月岡のお土産需要が高い

→限定品は季節指数に左右されにくい

→「飲食体験」で付加価値をつける(インスタ映え、食べ歩き)

→販路拡大は諸刃の剣(WEBを含め、限定的に販路の拡大を行う)

・独りで勝つのではなく、地域協働(エリア・地域)で勝ち取る

〇「新潟で一番地域にコミットするブルワリー」実現のステップ

①更なるブランド向上

→月岡を代表するお土産を目指す

→季節限定ビールの醸造

→販路拡大は新発田・月岡中心に行う

 

②飲食部門で更なる利益拡大

→月岡にわざわざ食べに来たいと思われる商品を作成

→四季の食材を使った地場食材の料理の強化

→外テーブルの設置で体験強化

③エリア全体を見据えた種まき

→次の展開を視野に入れた地域コラボを積極的に行う(地域コラボで認知エリア拡大)

→ビールをツールとして地域に根付かせる

→ECサイトの導入(WEB販売、予約から店頭へ誘致)

 

<中小企業から「地縁企業」へ>

〇本格化するLTV(顧客生涯価値)の向上

①お客様の数を増やす

②お客様との接点を増やす

③お客様の満足度を上げる

→口コミ・紹介が生まれることで、新たな顧客が生まれる好循環を生む

→同じ地域の中での、価値をさらに高める

→生前から事後もあらゆるニーズの対応でLTVを高める

〇花安の社会的役割とは

「不安の解消と豊かな人生に貢献」が社会的な役割である

→積極的に接点を創り、スタッフ総出で地域に溶け込み、お客様との信頼関係を構築する

→「孤独をなくし、縁でいっぱいの温かい地域社会づくり」の実現を目指される

 

 

【第3講座】

 

船井総合研究所地方創生支援部

チーフコンサルタント 中野一平

 

~夏・中元対策と衰退業界での商品政策~

 

<春・初夏の動き>

〇通信販売

→前年の店舗休業に伴い実施した、臨時企画、巣ごもりセット、大幅割引、送料無料など

を今年は実施しなかったので、前年割れの可能性もある

→既存顧客(リピーター)と新規顧客を確認することが必要

・それでも伸びている企業では、新商品・新企画を展開

〇店舗(観光地)

→前年オーバーは当然として、前々年との比較は立地や規模、業態にもよるが、

概ね20~40%の減少

〇店舗(地元向け)

→コロナ禍でも“攻めている”店舗は好調

・店舗でのミニイベント→来店のきっかけ作り

・既存顧客へのハガキDM、LINEでの呼びかけ

・地元への折込みチラシ、ポスティング

 

<夏・中元商戦対策>

〇非安売りでの展開

→ギフトセンターからECへの誘導強化(5月中旬からお中元企画スタート)

→ギフト以外の「自宅用」、地域品の強化を

〇自宅にいながら楽しめる商品の展開

・有名飲食店のメニューを楽しめる“プチ贅沢”

・旅行気分を味わえる地域特産品

・保存期間が長く、調理も簡単な「ストックフード(冷凍食品・おしゃれ缶詰)」

〇ギフトは脱・定番アイテムへ

・なかなか会えない大切な人に喜ばれるギフト

・帰省代わりに特別感のある、客予算が上のギフト

 

<衰退業界での商品政策>

まずはツイている商品を見つけ強化、自社になければ業界、施設、ECモールで発見

  • 売り場・棚の増加(ECプラットフォーム・モールの活用)
  • 他社商品から置き換え(価値訴求、置き換え理由が必要)
  • 消費量・利用頻度アップ(年間の消費量・金額は決まっている、マーケットが大きい市場と絡めることで、消費量アップに)
  • 上位商品への誘導(量が変わらなければ、高く売る、利益を取る)
  • ターゲットの変更(新ブランド、新形態など、新たな取り組み・商品改良が必要)
  • 別市場商品として展開(マーケットの大きい市場を狙う)
フードビジネス.com
2021/5/06
2021年4月食品ビジネス経営研究会例会

【第1講座】

 

平和酒造 株式会社

代表取締役社長 山本典正

 

~日本酒業界で今起こっていること~

 

<平和酒造の年間スケジュール>

・冬季10月~翌年4月は日本酒造り=旧来通り

・5月は片付け、梅酒製造準備

・6月~9月は梅酒製造や営業、農作業•閑散期は8月のみ

・夏にはクラフトビール製造も

 

<蔵人正社員化のメリット>

・お酒の管理を責任をもって年間できる

・個人と会社の将来が重複し帰属意識の向上

 

<人材採用や組織改革>

①新卒大卒採用に踏み切ったわけ

・中途採用の不調、高卒採用の失敗→採用を全国へ、最大2000名の応募が高卒、中途採用より大卒採用が成功した

②新卒採用の失敗、社内改革の敗北

・高どまる離職率、育つ前に酒を嫌いになっていく新人達→酒蔵ならではの職人気質が原因、組織改革の必要性を実感

③酒造技術のマニュアル作成、数値の共有

・技術、製造マニュアルを全社員に配布→数値を各蔵人に公開コミュニケーション研修、南部杜氏講習会、社内きき酒大会など

→日本酒が好きで入社した社員がより日本酒好きになるように

 

<営業スタッフのいない酒蔵>

・顧客満足度が高い

・マーケットニーズをすぐ現場にフィードバックできる

・製造スタッフの意識の向上(研修的側面)

 

<価値のイノベーション>

・若手の夜明け

・若手30蔵と年2回渋谷で2000人集客。札幌、博多などでも

・AOYAMA Farmer’s Marketでの日本酒イベント

・ロックフェスでウェルカムドリンクに

・DJイベントで日本酒

 

<日本酒の価値と未来>

・文化に終わらない日本酒

・知られていない日本酒の力

・戦略産業になる日本酒

・伝統的なものづくりの未来

・マイナスの価値がプラスの価値に

 

 

 

【第2講座】

 

株式会社船井総合研究所

新規事業統括室

グループチーフエキスパート 坂井亮介

 

<そもそもデジタルマーケティングとは?>

「デジタルマーケティング」と類似する言葉でWebマーケティングという言葉がありますが、デジタルマーケティングのほうが上位概念とされている。

その理由は、包括する範囲が異なるからである。Webマーケティングは、まず「予約」や「購入」といったWebサイトのゴール(目標)を設定し、ゴールの達成に向けて、アクセス分析・サイト改善・SEO(=検索エンジン最適化)やデジタル広告による集客等の手法を用いながらゴールに至るまでの導線を最適化していく。

一方、デジタルマーケティングにおいては、Webサイトに限らずユーザーと接点をもつ全てのデータ(連携サイトやサービス、SNS、アプリで得られた情報など)を包括的に活用しながらゴール達成を目指していく。

 

<なぜデジタルマーケティングに注力しなければならなくなったか?>

年代別で見ても1日のうちに1時間以上SNSを利用・閲覧しているという調査結果が出ており、特に10代の若年層は3時間近い平均利用時間となっているため

 

<SNSで得た情報をきっかけにどのような行動を行ったか>

そうした伸長し続けるSNS利用時間の中でユーザー、顧客たちはサイトの閲覧を中心に情報収集を行い、購買行動における様々な分岐点に立ち、日々生活している。

 

<SNSは生活の中に浸透し一日を通して顧客とつながる場に>

1日の中でも就寝前、起床直後、移動中、食事中とSNSを利用する機会は場所を問わず、友人知人だけではなく、好きなブランド・企業の情報を取得する機会が増えている。

 

<Googleが提唱するパルス型消費への行動変化>

2019年以降、Googleの調査結果から提唱されているのは「欲しい」と思ったその瞬間に購買行動に移る「パルス型消費行動」です。ECサイト・インターネットサービスが増加し、購入時間・場所といった制約が(一部の商材において)解消されたことで、従来のカスタマージャーニー型の消費行動ではなく、出会った途端に商品を購入する気まぐれさをどう自社の商品に向けさせるかが重要になってきている

 

<ユーザーとの接点、広告予算をすべてデジタルにシフトする企業も>

いつでもどこでも商品やサービスの購入が可能になった社会の中で企業のプロモーションやサービス提供場所もリアルからデジタルへの移行が加速している中でSNSを活用した企業のマーケティング活動は必須となった。

 

<ユーザーとの接点、広告予算をすべてデジタルにシフトする企業も>

21年2月期連結決算を発表した衣料品大手チェーンの「しまむら」様は4期ぶりの増収増益を果たした。広告戦略の見直しにより、新聞折込チラシを減らし、テレビCMは実施見送り。そのかわりウェブ広告に注力した結果、低コストで売り上げ効果が得られ、業績に大きなインパクトを与えた結果となった。

 

<マーケティングファネルにおける位置づけ>

従来は目的ごとに施策を実施する必要がありましたが、ブランド広告、動画配信、決済など複数の機能が開発され、全域をカバーするよう、デジタルマーケティングの主戦場になっている。

 

<主要SNSは得たい成果に応じて使い分けるべき>

ユーザーの利用モチベーション、メディアごとの特性も異なるため、企業がアカウントを開設・運用する際は得たい成果・目標を明確にした上で注力すべきメディアを選定することが重要となる。

 

<Facebookの投稿自体を広告配信することでリーチ数を増加・維持>

少額運用ながらも訴求すべき情報が潜在層にリーチでき、投稿に対するアクション(いいね等)が付帯されることにより盛り上がっている・支持されている状況が潜在顧客に伝わり、じわりじわりとファン数を獲得することに成功した事例でもある。

→要するに、SNSはどれだけの頻度、どれだけの母数に対して情報をリーチできるかが勝負のカギとなる。

 

<Facebookの投稿自体を広告配信することでリーチ数を増加・維持>

PPAを取りやめるとリーチ数減少が浮き彫りに。単にリーチ量が増えるだけではなく、いいね・コメント・シェアなどのアクションの増加により拡散が生じ、オーガニックリーチが増加することも分析の結果明らかになっている。

 

<自社のポジションを設定する>

自社以外にも競合・類似のアカウントが溢れている。なので、自社の運用するアカウント自体に「フォローする意味」を見出せない限り、どんなに足掻いてもフォロワーを獲得することはできません。だからこそ、どんな人にどんな情報・価値を届けるアカウントなのか定義する必要がある。

 

<ポジション設定の3ポイント>

①独自の価値提供ができるか?

-自社アカウントと類似アカウントでも紹介されている情報や、ググればわかる情報のみを提供していてもユーザーは価値を感じない。自社のアカウントならではの独自の情報価値を提供できるか、実体験をもとにコンテンツを作成することで価値を形成してく。

 

②自分自身(企業・運用チーム)がその分野のプロであるか?

ーアカウントを運用する上で、しっかりと投稿を継続し、最先端の情報をピックアップしていく努力が必要。そのためにも、自分自身がその分野に詳しく、プロであるかという視点でポジションを検討する必要がある。

 

③不安や問題を解決できるか?

ーユーザーが価値を強く感じるタイミングは、不安や問題を解決できた時です。ユーザーが抱えていた悩みに対して、わかりやすくしっかりと解決策を提示してあげるアカウント設計を目指す。

 

<ポジション見出し方>

需要がある市場×特定分野に特化

 

<マーケティング活動における6ステップ>

①あるべき姿の設定、現状分析

⇒定量的・定性的なマーケティングゴールの設計(最重要KPIなど)

②問題抽出・課題設定

⇒ゴールから逆算した問題を抽出し、チャレンジする課題の設定

③ターゲット設定

⇒ペルソナ、詳細セグメントなどを設定。調査に基づいた設計を行う場合や既存顧客の分析によって割り出す

④コミュニケーション設計

⇒コミュニケーションプランニングの核となるシナリオの策定

⑤具体施策・コンテンツのプランニング

⇒シナリオに沿って立案した施策ごとの予算配分、実施時期、LPや広告クリエイティブの整理、制作を管理

⑥KPI設計・PDCAプランニング

⇒各施策における費用対効果、売り上げ指標の策定を行い、PDCAを行うための検証仮説を施策ごとに検討

※協力会社、道具(SaaS、フレームワーク)検証・見直し

⇒施策に関わる協力会社、ツールの総合的な導入検討サポート

 

<Facebook運用は多角的視点で情報発信を>

商品のことだけを売り込む単一的なコミュニケーションをSNSユーザーは求めているわけではなく、メリットや知らなかった気づきも価値のある情報としてキャッチしてもらえる。商品のセールスポイントだけでは、日々のネタ切れを招く。たとえば、企業の歴史や、顧客の体験談、社員インタビュー、CSRやSDGsへの取り組み。こうした商品PR以外の情報が伝わることで、企業人格が浸透し、商品を購入・愛用していただける顧客(ファン)創出につながる

 

<本日のおさらい>

◆デジタル広告・戦略構築はコロナ禍においても活用する企業が増えてきており待ったなしの状態

◆その中でSNSは自社の目的を適えるための“手段”であり、運用を行うには“設計”が必須◆自社が提供できる“情報価値”が何なのかを定義する

◆その情報が伝わるターゲットを明確にする。自社のSNSをフォローするに至ったストーリーを想像して、何を伝えれば購買行動を起こしてくれるのかを設計に基づいて発信する◆情報設計がしっかり行えていれば、売り場への導線がユーザーにとってわかりやすいかを確認

※SNS経由の売り上げがどれぐらいあるのかはGoogleアナリティクスといった分析ツール等で確認可能

 

 

 

【第3講座】

 

船井総合研究所

地方創生支援部

チーフコンサルタント 中渕綾

 

<コロナ禍で伸び悩み企業の傾向>

『誰に・何を・どう売るか』がこれまでと同じ

◎誰に・・・既存顧客・ターゲットのまま

◎何を・・・昔から同じ商品、品揃えのまま

◎どう売るか・・・同じ様な企画を同じ回数・頻度のまま、WEBもそのまま、SNSも月イチ投稿

⇒コロナ前と比べて変化しているか?

 

<誰に:食品通販のターゲット>

伝統企業を今支えてくれているシルバー・シニア世代

良くも悪くも変化なし、冒険なし

・情報網が限られている

・行動パターンが決まっている

・引き続きのアナログ

・やさしいEC

⇒徹底的な“よりそい”により、「お宅から買う」関係性の強化

 

これから企業を支えてくれる次の世代

・脱検索エンジン

・SNS、アプリがベース

・AI、データが選ぶ自分好み・口コミ、共感共有迄セット

⇒スモールマス戦略、ワールド作り(対等なつながり)

 

<2021年も続く食品の動き>

1.内食需要拡大

2.節約志向とプチ贅沢「ご自愛需要」

3.健康への意識の高まり

これら“ツキのあるテーマ”に自社商品をリーチさせていく