後発で高齢者弁当宅配参入後、たった3ヵ月で食数400食アップさせた秘密とは?成功事例を大公開! | 船井総研 フードビジネス支援部

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コンサルタントコラム

給食
2018/2/19

後発で高齢者弁当宅配参入後、たった3ヵ月で食数400食アップさせた秘密とは?成功事例を大公開!

後発で高齢者弁当宅配参入後、たった3ヵ月で食数400食アップさせた秘密とは?成功事例を大公開!

設備投資0円で営業マン無しに3ヵ月で1日あたり400食アップ!圧倒的速度で高収益事業化させた成功事例インタビュー

有限会社中央軒 代表 取締役 大喜 利一 氏
山梨市にて給食会社を経営。いわゆる普通の給食業を初代から継承し、多くの困難を必死に従業員と共に乗り越えてきた。しかし、ここ数年の産業給食の大幅な売上減少を食い止めるために、この先の未来をかけて、高齢者向け給食事業への参入を決断。
前年比300食減/日であったなか、立ち上げ後3カ月で食数400食増/日を達成。商圏内トップシェアを獲得し高齢者向け市場での企業発展と事業拡大を目指す。

産業給食の食数減が年々止まりませんでした。 このままでは本当にまずいと思っていました。

私ども『お弁当の中央軒』は、山梨県山梨市に拠点を構える普通の給食会社です。創業30周年を迎え、私で2代目の企業となります。18年前東京でのサラリーマン生活を経て、縁あって中央軒にやってきました。当時は日食2,300食、中央軒の歴史で過去最高の食数・売上を誇っておりました。以降この実績を超えることはなく、年々下降の一途を辿ります。

月末の支払いに残高が足りない。 そこで初めて事の重大さを知りました。

2012年7月、業績不振を建て直すため、社長に就任致しました。
お恥ずかしながら、当時の私は経営という視点を持っておらず、自社の状態があまりよく分からないままに継ぐことになったのです。
現場に入りきりだった私でも、月末の支払い時に残高が足りないことを知り、自社の状況が分かりました。その年の決算は、-1,200万円の赤字で過去最悪の業績。今考えれば絶対に継ぎたくないと思っていますし、何よりも考えが甘かったなと痛感しています。当時は止めてくれる人も、助言してくれる人もいませんでしたので、本当に辛く厳しい状態でした。
従業員への給与を支払えなかったことはありませんでしたが、このままでは継いだ会社を継続させることは大変難しく、本当にまずいと思いました。
ただ、できることなら何とかしたいと自分自身の決意を再確認しました。そんなに甘くはないと思ってはいましたが、そこからが私にとっての中央軒人生第2のスタートでした。

数年かけて少しずつ黒字化へ、 しかし止まらない食数減に悩みました。

全社一致団結して事業に取り組みました。幸いにも私が社長になり、不採算部門を廃止したことで大幅に収益構造を改善できたことや、改めて商品力を見直し営業を進めていくと一定以上の結果は出ました。当時戦ってきた従業員は今でも継続して頑張ってくれており、私にとって感謝しかなく、最高の宝物です。しかしながら、我々給食会社の生業としている産業給食、事業所弁当の市場はますます縮小しており、大きく「食数」として影響を受けました。田舎の山梨市でさえ、コンビニやファーストフードの進出で弁当給食離れが顕著に表れました。また、働く人の数は急に増えることはありませんし、今日のお客様が来週には隣の給食会社のお客様になっていることなんて普通のことです。他の給食会社も同じだと思いますが、とりあえず営業をすれば、少しくらいは反響があると思います。ただし、既に低価格競争になっていたり、限られた働く人のパイを奪い合う構図になっていたりで、正直この流れに嫌気がさしていました。

気づけば1日あたり前年比-300食。 打つ手を探さなければと考えていました。

自分なりにずっと感じていたことですが、食数や売上を伸ばさなければならなくなったとき、お昼のお弁当が減る一方なのに、そこへ営業を仕掛けるのはおかしいと思っていました。
そこで、これから増えるものとは何だろうと改めて考えたときに、浮かび上がったのが『高齢者』でした。食べる人が増えていく市場に対してのアプローチだったので、これは間違いなく伸びるだろうと思いました。何よりも自社の周りにどれだけチャンスがあって、どれくらいの売上が見込めて、といったイメージがすぐ持てたので、これはできそうだなと思いました。新しく必要となるものも全くありませんでした。
そうなったとき、やらないという選択肢はありませんでした。新しく何かを始めるにあたり、難易度が高いことはリスクが高いので正直やりたくありません。すぐに業績を伸ばすことが必要だった自社にとって、リスク0でより早く、より高い結果を求めるために、高齢者向け弁当宅配事業に参入する以外なかったのです。

立ち上げるにあたり、一番苦労したのは 商圏調査と従業員への落とし込みでした。

やると決めたからには、善は急げとスピーディーに立ち上げました。商品については献立を新たに考える必要はありませんでした。この事業における主なターゲットは65歳~75歳の高齢者ですので、柔らかく加工したり、刻んだりするなどの特別なことは一切不要です。また、効率良く配送するためには、お客様を密度濃く増やしていかなければなりません。商圏内でも優先エリアを決定するために、より詳細な商圏調査の実施に苦労しました。併せて、従業員への落とし込みには特に注力しました。基本的に従業員は、新しい事業には消極的でした。しかし、数回に渡る面談やオリエンテーションで理解をしっかり得ることができました。あとは事業が始まり、お客様から連絡があれば、すぐにスイッチが入り、前向きに取り組んでもらえるようになりました。
意外にも消極的だったのは私自身だったようです。新しい環境を作っていくことで、従業員は協力してくれますし、成長してくれるものだと学ぶことができました。

予想の3倍以上の反響があったので、 正直私含め従業員一同ただただ驚きました。

立ち上げるとすぐに販促の準備に入りました。最初の段階でお客様を獲得するためには、チラシの販促が効果的と知りました。ただチラシをまくのも、効率的なコース作りをしていくためには、ばらまきはタブーなようです。商圏内の丁目や番地単位で人口や高齢者比率がどうなっているのかを調査し、優先順位を見極めてから実施することが大事だと知りました。併せて、全国で当たっているチラシをモデルとして自社にしっかり落とし込むことで、大きな反響を呼ぶことができたのです。
正直予想以上の反響で、私含めて従業員一同非常に驚きました。やはり、高齢者は増えているとともに、この事業が地域の方から求められていることを実感できた機会でした。

その後も継続して新規獲得に努めました。 通期で反響はほぼ変わらず推移しています。

山梨市では競合も既に参入しており、普通にやるようでは早期収益化は見込めません。自社の状況だからこそ短期でしっかり結果の出ている手法を学び、素直に実践しました。全国の成功している企業のチラシを研究し、販促ノウハウをそのまま自社へ落とし込むことを実践しました。反響の変化があるかと不安もありましたが、実際のところ、通期でも業界標準値を3倍以上上回る結果となっています。当初新たな人員を採用せず、既存人員を兼務させる形でスタートしました。空き時間を有効活用することで、既存人員や設備を最大限に活用できて利益を生み出せるこの事業は、収益改善を促進させる、非常にありがたい事業です。既存資源しか活用していませんので、営業利益率も20%以上を出すことができています。

リピート率を上げるための対策も豊富な手法導入でクリアできました。

この事業で、毎日のお食事をお届けしています。新規のお客様を集めて終わりではなく、その後も毎日利用し続けてもらうことが可能です。つまり、明日、明後日の売り上げが見込めるストック型のビジネスに参入できることがうまみとなります。そのためにもリピート率を維持、向上させなければなりません。リピート率の業界標準値(65%)と比較すると、一時低迷した時期もありましたが、継続利用率を高める手法を数々実行していったことでクリアできました。例えば、新規のお客様へは「お手紙」をお弁当と一緒にお渡しし、感謝の気持ちをお伝えする。その結果、自社への愛着を持っていただけるようになる。このようにして、継続したいと思っていただける一連の流れを、仕組みとして根付かせていきました。自社には営業マンが1人もおりませんが、おかげさまで今では、継続率が業界平均以上の80%で推移しています。

たった3ヵ月で400食アップを達成! 自社にとってかなりのインパクトです!

その後も販促を定期的に実施し、継続へ促していった結果、たった3ヵ月で1日あたり400食アップさせることができました。この事業の主なターゲットは65歳~75歳の高齢者ですので、既存献立を活用することが可能です。今やっていることを横展開し、食数アップできる生産性の高い事業となります。
また、産業給食の時には価格競争に巻き込まれていましたが、このモデルであれば『同じものを違う人へ高く売る』ことが可能なので、販売単価を150%アップすることもできました。低価格競争からの脱却や消費税対策に、この視点は非常に重要だと感じています。産業給食が大半を占めている給食会社の食数が減る一方で、高齢者向け弁当宅配でその補填ができることは本当に重要なポイントです。この規模の会社で3ヵ月という期間で1日あたり400食アップできたことは、かなりのインパクトだと思います。

後発参入でも、大手FCがいても 圧倒的に勝てる理由がありました。

この事業は確実にニーズがあり、やり方を間違わなければスピーディーに業績を伸ばすことができると思います。もちろん大手FCを中心に競合他社がいます。実際、私の展開している山梨市、甲府市にも大手FCが参入されています。それでも私たちがここまでやってこれた理由は、
①日替わりの作りたてを当日にお届けが可能:「商品力」
②大量調理できる給食業最大の強み:「価格優位性」
③足元商圏による注文変更への柔軟な対応力:「融通性」

以上の3つがポイントでした。これは実際にやってみて体感し、納得できたことです。今後もここを押さえて、商圏内で高齢者向け弁当宅配におけるシェアをしっかり獲得していきます。
直近の目標は、足元商圏の山梨市内で地域一番となるシェア30%を獲れるように、販促とサービスを磨いていきたいと考えています。

業績をぐんと伸ばすため、私たち給食会社は 高齢者向け弁当宅配に参入するしかありません!

①既存資源を全てフル活用「設備投資0モデル」
②圧倒的スピードで食数を増やせる「超成長市場」
③顧客リピート率80%「超ストック型モデル」
④既存献立を高齢者事業に活用「工場生産性UP」
⑥部門営業利益率20%超の「高収益モデル」

前述しましたが、食べる人が減っていくお昼のお弁当に営業をしても大きな効果は見込めません。食べる人が増えていく市場に参入しなければ、この先の発展は見込めないでしょう。
業績を上げなければ企業の継続はあり得ませんし、そもそも従業員の幸せもありません。私はお客様においしいものを作りたい、中央軒のおかげで助かっていますと必要とされる企業になっていきたいと常々考えています。そして、何より従業員に働いていて良かったと言ってもらいたい。そういう会社が儲かっていると思います。今後もこの気持ちを忘れることなく、全社一丸となり努めて参りたいと思っております。
有限会社中央軒代表取締役大喜利一
担当者
アシスタントコンサルタント
井上 裕基

高齢者個人宅、施設へ直接食品をお届けする「高齢者向けフードビジネス」に専門特化したコンサルタント。
 
大学卒業後、大手乳製品乳酸菌飲料グループに新卒で入社。宅配部門のマネージャーとして高齢者向け宅配営業、100名以上の女性スタッフマネジメントの実績と船井流経営法を掛け合わせた、独自の業績アップ手法を確立させている。
船井総研に入社後はその実績とノウハウを活かし、主の弁当給食会社だけでなく、介護施設や病院、葬儀社といった異業種参入での給食業における高齢者向けフードビジネスに専門特化して業績アップのサポートに年間365日全国各地を駆け回っている。
 
特に高齢者向け個人配食における、立ち上げから拡大までの圧倒的スピードと一貫したサポート、幹部・営業・現場配送スタッフまで徹底した営業強化支援と落とし込みを得意としている。

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