インバウンドは“これから”が面白い! 2020 年には 8 兆円市場へ成長するマーケットの中で生き残りをかけた外食企業の挑戦! | 船井総研 フード支援部

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コンサルタントコラム

2019/1/29

インバウンドは“これから”が面白い! 2020 年には 8 兆円市場へ成長するマーケットの中で生き残りをかけた外食企業の挑戦!

インバウンドは“これから”が面白い! 2020 年には 8 兆円市場へ成長するマーケットの中で生き残りをかけた外食企業の挑戦!

 東京都新宿区に拠点を置き、事業の核である飲食店を現在 144 店舗全国展開する株式会社 TBI ホールディングス。
 国内の人口減少に歯止めがかからず飲食業界全体として閉塞感が漂う中、業界ではまだまだ珍しい「インバウンド事業部」を立ち上げて、インバウンドシフトによる外国人集客を目指した経営手法や、既存事業の強みを活かした新たなビジネスモデルの構築など、先進的な取り組みを絶えず実践されている業界注目の企業です。
 今回は、インバウンド事業部の部長・執行役員である中島丈晴氏にお話をお伺い致しました。

Ⅰ.TBI ホールディングスの強みとは

 私たちの会社の強みとしては、広告集客の分野がまず挙げられます。以前は飲食業界全体で広告や販促に力を入れている企業がそこまでなかった状況の中で、私たちは広告集客のパイオニアとして、ぐるなびやホットペッパーといったグルメサイト、SEO や MEO・SEMといった分野に先駆けて注力しました。数年前までは一人勝ちしていた状況でしたが、他企業も同様に力を入れ始め、手法が模倣されたこともあり、現在は泥試合のような形になって
しまっています。その中で最近は新たな販促の切り口としてインバウンドというテーマに着手しています。
 また、私たちがこれだけ大規模に店舗展開することが出来た要因として、居抜き戦略の成功が挙げられます。特に近年のビッグナショナルチェーンの衰退と弊社の拡大のタイミング・利害が一致したという点が大きいです。ビッグナショナルチェーンが廃れていく中で大量に現れた居抜き物件から、駅近・大箱・居抜き・3000 万円以下の条件を満たす物件を見つけ出しては「個室居酒屋」業態を中心に次々と出店し、全盛期には半年回収を実現するなど、圧倒的な店舗展開を進めることができました。近年は居酒屋だけでなく、イタリアンや焼肉、肉寿司など新規業態開発のスピードアップに注力しています。

Ⅱ.どのようにしてインバウンド事業部が生まれたのか

 まず、社名である TBI とは「TOTAL BUSINESS INSTITUTE」の略です。つまり、「経営者養成学校」という意味になります。会長の考えとして、自社から様々な分野の経営者を輩出していきたいという想いがありました。その想いを具現化させたものが分社制度という形であり、モチベーションがある若手にたくさんのチャンスと権限を与えて社長を生み、組織の活性化をしてきました。
 TBIの強みである広告集客に関しても各子会社ごとに運営していましたが、広告の強い子会社と弱い子会社で差が出てきてしまったため、グループメリットを出していくために本部に広告部署を立ち上げ、事業部長として3年間急激な店舗展開を支えました。その広告部署の中で販促の一環として2015年頃から私が打ち出した新たなテーマがインバウンドなのです。

Ⅲ.インバウンド対応店舗の光と影、挫折と成功

 世間一般ではインバウンドの光ばかり語られることが多いですが、当然影もあります。実は、私自身インバウンドビジネスで一度大きな失敗を経験しているのです。数年前、大阪のある外国人の往来が盛んなエリアで、インバウンドバブルを目の当たりにして、イートインの肉業態のお店と海鮮業態のお店を出店したのですが、結論から言えば失敗してしまいました。計画書の段階ではこれまで自社の焼肉業態で培ったノウハウを生かしたフォトジェニックな神戸牛の提供や店頭での魚の解体ショーなどの外国人受けを狙った演出を考えていたものの、厳しい地場の規則やルールに縛られて殆どの構想が実現することはなく、現実としてコンセプトをやり切ることができませんでした。インバウンドビジネスは盛り上がっている市場であり、参入が簡単そうに見えるのですが、流行っている店と流行っていない店の明暗がハッキリと分かれていて本当に怖い世界であり、今でもこの時の失敗の経験は胸に刻んで忘れないようにしています。
 一方でその経験を生かした成功事例として、札幌エリアの客単価 2,300 円(原価率 40%前後)の蟹・しゃぶしゃぶ食べ放題業態の店舗が代表例として挙げられます。私たちの会社はインバウンド対応店舗数が30~40店舗、その多くが中規模以上の和風個室居酒屋であり、この店舗ではインバウンド対策を強化したことによって、アイドルタイムに月間アベレージでインバウンド売上 300 万円をベースの日本人による売上高は変わらずプラスオンをすることができました。成功要因としては、海外でのツアー会社に対する営業に成功した点や食べ放題の食事の手配など受け入れオペレーションの確立がなされた点、GIT(航空券や宿泊、観光、現地の送迎などが一つにまとまった団体行)での評判から口コミ拡散に成功している点が挙げられます。東京や大阪といったゴールデンルートは FIT(団体旅行や団体向けパッケージツアーを利用せずに個人で行く海外旅行)が成熟する一方で、地方旅行は GITのマーケットが依然大きいのですが、しっかりと対策を講じてその需要に応えた形となりました。
 また、飲食店の運営以外の領域では、GIT の送客なども行っています。あくまでも本丸はFIT のお客様ですので、今後の課題としては GIT のお客様に口コミなどしっかりと書いて頂き次の集客に繋げるなど、GIT⇒FIT の流れを強化していくことです。
 時流が変わっていく中で色んなシフトを行っていかなければ今後の飲食業界で生き残る事はできません。特別な意識でインバウンド対策を行うというよりも、今後は日本人集客を行うような感覚で、インバウンド対策することが当たり前になる時代が来ると思います。

Ⅴ.6 月開催の「インバウンドセミナー(仮)」

【 日時・会場 】2019 年 6 月 6 日(木) 株式会社 船井総合研究所 東京本社
本インタビューで最先端のインバウンド事例に関する貴重なお話をして頂いた、
株式会社 TBI ホールディングス インバウンド事業部 部長・執行役員 中島丈晴氏
を特別ゲストにお招きして、ご講演いただきます。

☆★ 参加者 大募集 ★☆
詳しくはこちら
URL:http://funai-food-business.com/inshoku/lp/study_food.html
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