シルバーライフがゼロから参入して年商65億円営業利益5.9億円 | 船井総研 フードビジネス支援部

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コンサルタントコラム

給食
2018/10/04

シルバーライフがゼロから参入して年商65億円営業利益5.9億円

シルバーライフがゼロから参入して年商65億円営業利益5.9億円

『残された成長市場は シニアマーケットしかありえない』

-(船)井上:清水社長、本日は大変貴重なご機会をありがとうございます。本日はどうぞ宜しくお願いします。まずどのようなきっかけで『配食』ビジネスに注目されたのですか?-



清水社長:はい、宜しくお願いします。

警視庁、経営コンサルティング会社勤務を経て、2002年にご高齢者様向けの配食サービスの仕事を始めました。コンサルティング会社に勤務していた際に、当時はまだ世間にあまり知られていなかったのですが市場拡大が見込める「高齢者向け配食サービス」をその時に知りました。



ご存知の通り、高齢化率は上昇し総人口に占める割合は27%以上にまで上昇しています。また国立社会保障・人口問題研究所の人口推計によれば将来的な比率は、2035年に33.4%で人口の3分の1が65歳以上となると見込まれています。当時できたばかりのシニア配食はまだまだ拡大の余地があり、市場はこれからも伸び続けるという確信がありました。そして独立し、会社を設立、まずは大手配食フランチャイジーとして開始しました。独立し新しいことを始めることは、当時は若かったので正直怖いものはありませんでした。もし上手く行かなければ…当時激務高給で有名だった某物流会社に入って肉体労働を頑張ろうと思っていました。

『やはり“答え”はシニア配食市場にあった』

(船)井上:フランチャイジーとして配食事業のキャリアがスタートしたのですね。そこから何がきっかけで、シルバーライフを立ち上げることになったのですか?

清水社長:市場が加速度的に伸びるとともに、売上もチェーン内でトップクラスになりました。特別凄いことをやったということではなく、『科学的に意味がある、結果に近い行動』を心がけていました。結果が出ない行動は即止めるように意識していたことが、この結果を生んだのだと思います。

その成果もあって店舗も増やすことができ、当時その配食チェーンの300店舗の中で売上がナンバー1とナンバー2の店舗を作った実績があります。

しかし、そこで本部と考え方の違いが出てしまいました。私自身は本部とうまくやろうと思っていたのですが、経営方針の違いというところだと思います。


私の最初の教え子で、アルバイトとして私が採用して店長を任せていた方が、「清水さんあの本部の考えはおかしい」と自分の考え方を貫き、独立をして創業したのが株式会社シルバーライフです。結局彼が独立した2年後に私も本部の方針との違いからその配食チェーンを脱退し、後からシルバーライフに合流したのです。

『まずは店舗数を徹底的に増やすこと』

-(船)井上:そういった背景があったのですね。では清水社長がシルバーライフに合流されてまずご尽力されたことは何でしょうか?

清水社長:はい、それは店舗開発ですね。そしてその課題は集客方法でした。加盟を考える経営者が一番気になるのは、本当に売上が立つのか?お客様が増えるのか?といったところです。

そのために実施したことは、とにかくまず自分でやってみて「営業的に意味がある、ない」を即判断して手法を改善していたことでした。今確立されているシルバーライフの営業手法はこういった試行錯誤があってのことです。

今確立されているシルバーライフの営業手法はこういった試行錯誤があってのことです。

-(船)井上:創業時シルバーライフは自社工場をお持ちではなかったと伺いましたが、どのように食材の仕入れや提供をされていたのでしょうか?

清水社長:はい、創業期は地域毎に提携工場をつくり、そこからの供給で展開していました。実際は今も自社工場だけでなく、外部委託しているんです。

当時はそのための提携交渉に苦労しました。勿論こちらからお願いに参り、協業へと進みました。やはり条件交渉がけっこう大変だったことを今でも覚えています。食材製造と物流については、勿論相手先の限界値もあり…だからこそ自社工場を作ることにしたのです。

『自社製造工場の保有と運営が一番の課題』

-(船)井上:ついに自社工場立ち上げというわけですね!そこへ向けては大変なことはありませんでしたか?

清水社長:とても大変でした。恐らく一番大変だったことが、この食品製造工場を自社で立ち上げた時だとおもいます。

店舗数が300店舗近くになり、スケールメリットを活かして安定的に低価格で食材を提供できるようにするために、自社工場の保有を考えました。

色々と候補を探していた中で、群馬県で「すかいらーく」様が保有されていた食品工場を人材ごと引き継ぐ形で買収しました。





しかし、当時我々には食品製造のノウハウがなく、またすかいらーくさんから引き継いだメンバーも「決まったメニューだけを作る経験は豊富でも、毎日違うものを作る」のは初めてでしたので、立ち上げにはかなり苦労したことを覚えています。

-(船)井上:それは大変でしたね。そのあともスムーズに・・・とは勿論いかなかったようですが、そのあたりはいかがでしょうか。

清水社長:はい。最初はやはり混乱があり、製造できても菌検査でひっかかり結果すべて廃棄することになってしまう等、今までの経験では考えられないようなことが続く状況でした。



しかし、私自身も工場に数か月ほど寝泊まりして試行錯誤を繰り返すことでなんとか改善策を練り出し、安定稼働まで持っていくことができました。

振り返ると、あの状況を乗り切ったことで食品工場の運営に関する知識が強制的に身につき、部門のメンバーとも対等に技術的な議論ができるなど、その後の経営に大きくプラスとなったと考えています。

知識のアップデートのために、今でも週に1日は必ず工場に行って現場の状況把握をするようにしています。

『市場の成長性は本当に追い風になる』

-(船)井上:苦労された自社工場立ち上げも軌道に乗り、今のシルバーライフを支えているわけですね。ではこのシニア配食事業が飛躍的に伸びた要因を具体的にお伺いしても宜しいでしょうか?

清水社長:まずは絶対的にシニアマーケットが成長しているという面があります。全国の高齢化率が上がっているのも勿論ですが、このサービスを求めている高齢者様が非常に多いのです。簡単には勿論行きませんが、集客もその分よりスピーディーになり、顧客獲得も伸び率が大きいものとなります。


-(船)井上:仰る通り、高齢化率の上昇と単身世帯の比率も上がってくることが注目されていますね。それに伴って利用者も増えるので、勢いよく店舗数も拡大していくことがポイントということですね。

清水社長:はい。私ども本部のビジネスモデルでいえば、同じ志をもつFC加盟店様を増やし、その店舗のお客様をしっかりと増やしていく仕組みを整えたことで業績が伸びたということと認識しております。

またそのためには魅力的な商品を提供していかなければなりません。
整理してみると我々が業績を伸ばせてきたのは、
・2013年まで、一番店舗運営ノウハウがあったから。
・2013年以降、ノウハウに加えて自社工場の商品力も確保したから。
と認識しています。



特に商品力については、
①多品種ランダム生産ができる工場を保有していること
②全国1位の店舗網を持っていること
これらが大きい要因と考えております。

『選ばれる商品力を支える自社工場の保有が強み』

-(船)井上:シルバーライフの強みは明確ですね!自社工場の強みについて、より具体的にお教えいただけますか?

清水社長:実は本当の意味で多品種ランダム生産が出来る食品工場は日本には殆どありません。同じものを作り続ける食品工場、例えば肉まん工場やパスタ工場などはたくさんありますが、毎日違うものを効率的に作っていく食品工場はなかなかありません。工場として多品種ランダム製造は非効率だと考えられているからです。しかし、『私たちは非効率であってもお客様が飽きないように多くの品目を提供したい』その大いなる矛盾をなんとか解決したのが自社工場です。だからこそ「日常食」であるこの業界で、自社工場を保有していることは大きな強みと考えます。現在1,000以上の種類があります。



-(船)井上:製造力という点での強みはさすがですね。それに加えて、やはりスケールメリットという点では同業との差は歴然ではないのでしょうか。

清水社長:そうですね。自社は日本で一番店舗網が多いことで、よりたくさんのお客様にお食事をお届け出来るようになります。仰る通り、食品関係においてはこの「量」が重要となります。量があれば仕入れも製造も、よりスケールメリットを活かすことができます。例えば、今まで1匹100円だったお魚が10万匹買えば1匹60円になるので、お客様にはより低価格に良いものをご提供できるようになります。以上の背景から大手の同業他社には真似できない創意工夫に努めております。

これからが黄金期!2025年以降の10年間は飛躍的に伸びる!

-(船)井上:シルバーライフの強みがよくわかりました!それでは、最後に清水社長はこのシニア配食事業の展望をどのように見ていらっしゃいますか?

清水社長:このシニア配食事業はここからが黄金期と捉えています。特に2015年以降の10年間が勝負と見ています。



そして、自社としては、5~10年後には売上高100億円を、15年以内にはFC加盟店舗数1,500店舗を目指します。まずは食を通じて、誰もが安心できる社会のためのインフラに当社はなっていきたいと考えています。

施設配食・OEM事業の需要でシニア配食はバブル期へ!

清水社長:同時に介護施設や障がい者施設への食材宅配サービスも注力しています。ご存知の通り、施設様は人材不足や食材費・人件費の高騰にお悩みになっているので、食材という切り口で施設のお困りごとを解決できる存在になっており、多くの施設様にお喜び頂いております。これも自社の業績が伸びている1つの要因です。また、その他にも前述した当社の強みである、多品種ランダム生産ができる工場、そして全国1位の店舗網を活かし、他社への製造能力の開放、他社製品の配達等を行っていきたいと考えています。

特に「OEM事業」はかなり注目しているところです。製造キャパシティも投資と共に拡大し、他社様の製造受託で業績をスピード感持って伸ばしていく方向性があります。

給食業は淘汰が進み、廃業する業者も増えています。それでも時流で需要は増え、「つくる側」の価値が格段に上がります。いわゆる下請けというものから「メーカー」としての意義が見出されているのです。お互いに条件の合うWin-Winな関係を築きながら、自社としても業績を伸ばす材料として重要視しています。

このあたりは工場投資から衛生管理にまでしっかりと注力し、選ばれる存在で有り続けたいと考えております。

-(船)井上:貴重なお話を伺えて大変勉強になりました。熱いメッセージをありがとうございます!シルバーライフ成長の秘密が良くわかりました。清水社長、本日は本当にありがとうございました!

清水社長:とんでもありません。こちらこそありがとうございました。
担当者
アシスタントコンサルタント
井上 裕基

高齢者個人宅、施設へ直接食品をお届けする「高齢者向けフードビジネス」に専門特化したコンサルタント。
 
大学卒業後、大手乳製品乳酸菌飲料グループに新卒で入社。宅配部門のマネージャーとして高齢者向け宅配営業、100名以上の女性スタッフマネジメントの実績と船井流経営法を掛け合わせた、独自の業績アップ手法を確立させている。
船井総研に入社後はその実績とノウハウを活かし、主の弁当給食会社だけでなく、介護施設や病院、葬儀社といった異業種参入での給食業における高齢者向けフードビジネスに専門特化して業績アップのサポートに年間365日全国各地を駆け回っている。
 
特に高齢者向け個人配食における、立ち上げから拡大までの圧倒的スピードと一貫したサポート、幹部・営業・現場配送スタッフまで徹底した営業強化支援と落とし込みを得意としている。

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