2021年10月視察ツアー(2) | 洋菓子店・和菓子屋・パン屋・スイーツ店開発の経営相談は船井総研フードビジネス支援部へ!

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コンサルタントコラム
スイーツ
2021/11/16

2021年10月視察ツアー(2)

2021年10月視察ツアー(2)

■ゲスト講座

株式会社御素麺屋 代表取締役 小寺洋太郎氏

和洋併売菓子店のDXの取り組み

 

■御素麺屋 概要

1699年(元禄12年)創業、300年以上続く老舗菓子店。福井県内に3店舗を構え、地元に根付いた和洋併売菓子店としての地位を確立している。

1番人気の商品はかりんとう饅頭。揚げたてのカリカリした食感を味わってもらいたいという想いから、賞味期限をあえて1日と設定。年間52万個販売し、売上構成比15%を占める。

新たな名物商品の開発など、様々な取り組みをなされている中で特に注目すべきは、デジタル化が比較的遅れている菓子業界において、先進的なDXに関する取り組みをされている点である。ポイントは「現場が使え、現場の従業員にメリットがあるDX」だ。

 

■DXの取り組み①来客予測AIの活用

御素麺屋では、2019年より来客予測AI「TOUCH POINT BI」を活用している。このツールを利用することで、過去の客数データ、気象情報、イベント情報などをAIが学習し、直近45日間の来客数が予測できる。精度は高く、時間帯ごとの客数が数値で把握可能だ。

そして予測される客数のデータはシフト組みに生かされている。以前は平日3人、休日4人など配置人数は固定であった。しかし来客予測AIの導入後は、予想来客数30人につき1名を配置とルール化することで、適切な人員配置が可能となった。

その事により、閑散日には余剰となっていた従業員に有給休暇を取得させられるようになった。結果として、有給休暇取得義務化に際し追加で雇用することなく、消化率を100%近く維持し続けている。

 

■DXの取り組み②厨房モニター設置

来客予測AIでは客数の予測精度は高いものの、商品別の販売数の予測は難しい。こういった問題に対処するため、御素麺屋では店舗ショーケースのライブ映像を厨房内のモニターで閲覧できるシステムを構築している。

販売数を確認する方法は複数考えられるが、モニターを設置するという方法を採用した理由は「現場が使いやすい」「スモールスタートが可能」の2点である。

「現場が使いやすい」という観点では、新たに機器の操作方法を習得するなどといったことが不要であり、モニターを設置するだけで業務効率化が図れる。 「スモールスタートが可能」という観点では、新たにシステム構築する必要がなく、市販のネットワークカメラの設置工事のみで使用可能なため、安価な投資で済む。

 

■DXの取り組み③ イベント限定商品 × オンライン予約

従来、クリスマスケーキなどの季節商品は電話での予約が多く、店舗運営業務に支障が出ていた。そのため御素麺屋では、予約のオンライン化を推進した。

Webサイトは自社で柔軟に変更できるよう設計し、随時情報更新が可能に。イベント限定商品についても、送付DMにオンライン予約可能な旨を記述することで、オンライン比率を50%まで引き上げることに成功した。24時間いつでも予約可能であるという便利さを実感いただき、継続的にオンライン予約していただけるお客様も増えつつある。

 

■今後の展開について

御素麺屋では、今後もDX化に関して新たな取り組みを模索中である。接客品質の向上、顧客意見の集約を目的とし、売場にカメラを設置し、接客状況をデータ化することなど検討中だ。新たにシステムを導入する際も「現場が使え、現場の従業員にメリットがあるDX」を念頭に入れていることには変わりない。

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