2019年6月視察ツアー議事録 | 船井総研 フード支援部

経営コンサルティングの船井総研 フード支援部
コンサルタントコラム
2019/7/08

2019年6月視察ツアー議事録

【第一視察先】 Wood Egg お好み焼き館

ご講演:オタフクホールディングス株式会社 代表取締役 佐々木茂喜氏
「お好み焼き」を通じたグローバル展開!
広島から世界へ日本の食文化発信
~体験型ミュージアムで学ぶお好み焼き文化とその魅力~


【日本的経営を目指して】
◆ 「もの」売りから「こと」売りへ
ソースを販売する事から「お好み焼きの美味しさ」を伝える会社へと変化した。
販売よりも直接のコミュニケーション大切にしており大きく3つの取り組みを行っている
①開店講習 ②徹底した試食販売 ③BtoBでの提案会(ビールメーカーも含め)

【バランス経営】
◆バランス視点が重要:非効率・情緒
ブランドは氷山の一角
ブランドよりもファンづくり:大切な事はカープから学んだ

【ブランド戦略】
◆ブランドは表面上の流氷にすぎない
社会貢献・ビジョン・品質管理・こだわり・歴史・研究・社風・創業者・使命感・理念などの全ての行動の考えが相成ってブランドは目に見えるものになる。
⇒地道な活動の結果でしかブランドはできない。

【仕組みと社風】
◆マネジメント
①非日常空間のコミュニケーションが社風を作る⇒経営方針も非日常空間(社内の研修施設)で考える
②入社式には家族も呼ぶ
③おたふく版ダッシュ村(社内の研修施設):土間とかまどと囲炉裏
④教育:目と耳の詰め込みではなく体験型研修・無人島サバイバル 

【社会への取り組み・少子化・食育】
◆お客様に対して
初めての料理:CMで放映
⇒小学生向けにぷちおこ(小さいお好み焼きを作る体験)
⇒親と子のコミュニケーション

◆社員に対して
・社員食堂はタニタ食堂をまねている:カロリー計算塩分摂取量・通常メニューとヘルシーメニュー
・託児所づくり:不思議な国のアリスのように子供がきたくなるような場所

◆ワークライフバランスへの取り組み
・ノーリーズン休暇 ⇒休暇の理由のいらない日を提供:有給休暇取得率72.3%
・残業削減職場ごとに目標とする帰社時間を設定:月平均残業時間15.8時間
・セカンドライフセミナー:50歳と55歳でご夫婦参加開催
2019年6月視察ツアー議事録

【第二視察先】 三島食品株式会社 広島工場

ご講演:三島食品株式会社 代表取締役社長 末貞 操 氏
~20年以上愛されるヒット商品開発の人材育成戦略~
独自の主力商品「ゆかり」で
全国にファン顧客獲得


◆見える化の歴史
 三島食品には工場内の出来事や現象に社内用語を付ける“名前立て”という文化がある。
例)製造不良の過程で出てきたものを“さらし首”として工場内に掲示する
 「名前立て」を行うようになったきっかけは、暗黙知を形式知としながら、楽しい会社にしたいという社長の想いがあって始まった文化である。それもただふざけるのではなく楽しく“改善を楽しもう!”といった想いがあり、工場をディズニーランドのようなパラダイスにしたいと考えた。
 「非営業」の部門がどのように増収増益の意識を持たせるかを考えた結果、工場各所にはスキルマップが貼りだされており、見たくなくとも社員が自然と目に入るようにアナログ的な手法を取って行っている。このような仕組みづくりには、PDCAのサイクルを回しながら、納得のプロセスをどのように生み出すかを意識された。毎朝の朝礼の後には、朝会を開き、月末売上の“量管理“ではなく”日常管理“とするために、未来のことを話す機会を意図的に作っている。

◆「ゆかり」を軸にした商品開発と広告費をかけない広報戦略
 三島食品の圧倒的一番商品である「ゆかり」は初めは給食や業務用を通じて販路を大きく拡大したが、近年ではペン型のケースに入ったゆかりや、「飲むゆかり」など市販用の包材に工夫を凝らした派生商品にも力を入れている。原料である赤しそは、千代田町にて種からの栽培の品種研究を行い、原料「豊香」で登録商標を獲得。他社では真似できないブランドまで構築した。
 また三島食品の広報戦略の特徴は、コマーシャルの広告費をかけずに、商品の独自性が世間で話題を生み、購入者が自ら発信をしてくれるといった広報戦略である。
 例えば、「ゆかり」の姉妹商品「あかり」「かおり」はSNSユーザーの間で話題を呼び、「あかり」が700~800%、「かおり」が300%の売上UPを達成した。

◆独自の営業手法“脇役戦略”
 ふりかけ市場の縮小も見据えて、独自の営業手法“脇役戦略”を実践している。例えば、営業先の商品であるポテトサラダに自社のふりかけがどのように合うのか、メニュー開発まで提案する。マルハニチロと三島食品のコラボをした際は、取引先の魚が売れるように意識した企画提案を行った。このような戦略を取る理由は、以下の3つである
1.彩と味のバリエーションUP
2.メニュー購買力。売価UP
3.定番商品と当社商品の回転率UP

2019年6月視察ツアー議事録

【第三視察先】 ますきち

ご講演:株式会社ますやみそ 代表取締役社長 舛本 知己氏
~発酵を活かしたライフスタイル提案~
時流を先読みする商品開発と開発の仕組み


◆味噌にも夢とロマンを追い続けること
 ますやみそは業界でいち早く、TVCMやECサイトの立ち上げや、「ますきち」という飲食事業や始める等、常に様々な新しい取り組みを行ってきた。また、製造部門では味噌の深い熟成のためにクラシック音楽を聞かせている。
また、製造方法や原材料の見直しによって国内はもとより、海外でも戦える商品の開発に注力し東京営業所は年10%の成長を遂げている。
このように、新しいチャレンジを行うことを念頭に、これまでの枠に捉われずに様々なチャネルで幅広い商品提案を行っている。

◆強みと時流適応によるブランディング
 ますやみその強みの一つは研究開発力であり、誇れるものは糀である。この二つから様々な商品開発を行い、麦麹を使用したおかず味噌というカテゴリーでは国内シェアの八割を占めている。また、少子高齢化による健康市場や美容市場にも着目し、無塩味噌や甘酒糀を活かした商品を味噌に限らず展開していることで、全世界への甘酒展開が可能となっている。
◆地域との関わり方
 「ますきち」においては自社商品を活用した発酵食体験の場としてお客様に商品や使い方の提案を行っている。
また、広島の各地域での牡蠣祭りで牡蠣鍋の振る舞いを行い、お客様とのコミュニケーションを図っている。
また、商品の納入を自社社員が直接行うようにしており、店舗との信頼関係の構築にも努めている。
2019年6月視察ツアー議事録

【第四視察先】 IROHA village

ご講演:株式会社藤い屋 代表取締役社長 藤井 嘉人氏
~広島銘菓ブランドとして圧倒的一番へ~
名物単品もみじまんじゅうを軸にしたビレッジを視察


◆“変わらない”ために変わり続けること
 藤い屋は戦時中も途絶えることなく、お菓子の製造を続けてきた。祖父は社員に対して「常に美味しいものをつくれ、必要ないものは入れるな。」と伝えており、先代社長も現社長もその想いでもみじ饅頭を作っている。
しかし、会社のある宮島は観光に依存し、影響を受けやすいことに危機感を感じ、
そのために新ブランド“古今果”を立ち上げるなど、積極的な活動を行っている。

◆100年先ももみじ饅頭を残していく
 特に子供たちは日常的に和菓子を食べる機会がない。子供たちにとって食育の機会としても機能しており、洋菓子を取り入れながら、気付かないうちに餡子や和菓子が使われているような商品を作り出したいという想いから
“古今果”は生み出された。
また、小麦や小豆に関しても自社で栽培を行いつつある。地元の農業者と手を組んで、生産を広げていきたいとのことで、これももみじ饅頭の餡子を100年先まで残したいという想いからであるそうだ。

◆IROHA villageの展開
 広島工場の設備が古くなったことから、新工場としてIROHA villageを整備した。工場を巡る中で、もみじ饅頭の原材料から遡って、完成するまでの工程を共有したいという想いで、工場はガラス張りにしている。お客様に見てもらうこともあるが“作りてを閉じ込めない”ということを目的にしている。
また虫よけを兼ねて敷地内にはハーブを栽培している。
2019年6月視察ツアー議事録

【第五視察先】 とびしま柑橘工房.cafe

ご講演:一般社団法人 とびしま柑橘倶楽部 代表 秦 利宏氏
~呉の宝を未来に!~
「6次産業化で実現する地域活性化」圧倒的一番人気商品で柑橘農家の
これからを支える


◆とびしま柑橘倶楽部のきっかけ
 日本のレモン生産は1963年の輸入自由化から長らく低迷期となっていた中で、1980年代からは輸入レモンの防カビ剤の問題などから、増産に転じる。しかし、2007年以降は増産も進み、さらに加工向けの出荷率が高まり続けたが、生果としての需要が伸びていかなかったことからレモンの価格の低下がみられた。
 『とびしま柑橘倶楽部』では農家から 1kg 数十円という低単価で取引される柑橘の規格外品の現状を鑑み、なんとか加工品として価値を上げることができないかと商品開発、販路拡大を進めている。
 現在では、量販店や青果問屋で正規品を購入している菓子製造業者を中心に、原材料用として少し正規品よりも安価に直に購入する事や 6 次産業化をチームで行うことで農家の平均収入を上げることに成功している。

◆「れもんげ」ができるまで
 “お題はレモン。レモンをどうやったら買い取ってあげられるじゃろ。”当時立ち上げたばかりだったとびしま柑橘工房でこの問題は避けて通れない大きな問題だった。
 売上・利益につながる商品であることが前提であったが、レモンの加工品が増えている中で、普通の加工品では価格競争になることは見えており、どうやって独自性を出すかが問題であった。
「島のみんなは元気にやっとるけん、大切な人を連れていつでも帰ってきんさいね。」
そんな手紙を添えてもらえるような、お菓子。
 「メレンゲ」という消費者がこれまで価値を掴めていないモノを商品化した。これが2017年1月13日発売の「BRUTUS」が行なった誌上企画【帰ってきた!日本一の「お取り寄せ」グランプリ】にて果樹園デザート部門のグランプリを受賞し、認知度を獲得した。

◆れもん加工量の変化
 れもんげ等の商品を通じ、瀬戸内のレモン農家を盛り上げるための重要指標であるレモンの加工数量を増やすことに成功している。
◎平成25年レモン加工量 6t
◎平成26年レモン加工量 11t
◎平成27年レモン加工量 27t
◎平成28年レモン加工量 80t
◎平成29年レモン加工量 50t
◎平成30年レモン加工量 120t
2019年6月視察ツアー議事録

【第六視察先】 八天堂カフェリエ

ご講演:株式会社八天堂 代表取締役 森光孝雅氏
~売れる単品専門店開発から参加体験型ショップ展開までの軌跡~
くりーむパンによる一点突破の販売戦略とは!?


◆成功とはアート、失敗とはサイエンス
 成功とはロボットではできない“アート”であると社長は語る。八天堂のくりーむパンは、社長が海外のIT技術の研修のためにシリコンバレーを訪問した際も、くりーむぱんの包装一つ一つを手作業で行う技術は、他では真似できないものだと逆に称賛されたという。
 かつて社員のスキルだけに着目した結果、退職者を生み出してしまった反省を活かし、現在は「すべての社員に適材適所がある」という考え方を持ってマネジメントを行っている。経営においては、投資と回収の両方を意識する必要があり、投資のために経常利益10%は必ず必要である。今年まで11年間売上を伸ばし続けている中でも、次の事業についての種まきを行い続けている。

◆付加価値のあくなき追求からブランディングへ
 現在の八天堂の業態に至るまでには、社長自身が「選択と集中」を覚悟を持って行った背景がある。同県内で和菓子の単品特化で成功した「一粒のマスカット」などからも着想を得て、東京進出の際の販売に適した、“冷えても美味しいパン”を考えぬいた結果、「くりーむパン」に特化することを決意した。さらに商品としての差別化を図るべく、通常は菓子づくりなどで使用する薄力粉を活用。自社のクリームと相性の良い、他のパン屋では出せないしっとりとした生地を追求し、商品開発に1年半かけた末、現在の「くりーむパン」が誕生した。また、販売手法で付加価値をどのようにつけるかを考えた結果、従来のパンの「自家消費」需要ではなく、「手土産」需要を獲得するために、包装も手作業にこだわった。その結果、赤字経営から3年でV字回復を達成した。

◆続けていくためには変化し続ける
 全国にとどまらず、海外での出店も進めるほか、近年ではフルーツバーガーの開発や、ローソンとコラボしたフルーツサンドなど、クリームパンに留まらない派生商品にも力を入れている。くりーむパンも、常温以外にも冷蔵や、フローズンなど新しい食べ方の提案も合わせて今後商品の利用されるシーンの幅を広げていくことを考えている。
 H29年には千葉木更津の工場で知的障碍者の雇用も開始し、今回見学した八天堂カフェリエの施設も2020年には農業と福祉の要素を付加したさらなる拡張を計画している。
2019年6月視察ツアー議事録

2019年6月視察ツアー議事録
【 お問い合わせ 】
"お電話"でのお問い合わせ

平日9:45~17:30(土日祝は定休)

"メール"でのお問い合わせ