
調理師・栄養士・ふぐ調理師などの資格を持ち、食においての知識と技術を併せ持つ。飲食店での現場経験も豊富なため、机上の空論でない具体的な提案力に定評がある。多くの現場を知っていることから、その企業規模にあった成長戦略や、マネジメント手法を提案できるのが強み。作業の標準化・人事評価制度構築・従業員の育成・定着・戦力化、業務改善、セントラルキッチン化、フランチャイズ本部構築など、多店舗展開するための仕組み作りを最も得意としている。

外食

先日、ロイヤルHDが出店した、完全キャッシュレスの飲食店に訪問してきました。
店頭には、「キャッシュレスチャレンジのご案内」という看板が掲示されており
×現金
◎クレジットカード
◎電子マネー
と表記されていました。
店内のオペレーションは、iPadを使用したオーダーシステムを使用してはいますが、基本的にはフルサービス型のオペレーションで、料理は従業員が運んでくれますし、食器の返却を行う必要もありません。
クレジットカードでの会計対応をしている一般的な飲食店と、オペレーション面で、そう大きな違いはありません。
ただ、完全キャッシュレス(現金を取り扱わない)という事で、営業時間外の業務が大幅に削減されていることが容易に想像できます。
飲食店では、レジ金準備のための両替、売上の入金、レジ締め作業などにかなり時間を取られます。売上合計と残金が合わない…。なんて事が起きると、原因追及のために時間がかかり、帰る時間がどんどん遅くなります。
また、現金を管理することによるリスクやストレスの負荷もかかります。レジ締めは社員限定でしか行わない。という企業も少なくありませんが、その限定条件が、シフト組みを狂わせます。
そういった事を、このキャッシュレスに挑戦することで、これらの悩みから解放されます。
当然、資金繰りの問題や、出店エリアが限定されるなど、安易に導入できるものではありません。
ただ、今まで【当たり前のように店舗で行っていたことをやめた】というチャレンジは素晴らしいと思います。
この『働き手不足時代』に、今の仕事をすべて続けるのにも限界がきます。
では、その中で、どの仕事を残すのか?
人がやる事で、価値が高められる仕事は何なのか?
あなたの会社(お店)が、他社より優れている部分(顧客に求められている部分)は何なのか?
そこに今あるリソースをすべて注ぎ込むべきです。
まさに選択と集中です。
限られたリソースの中で、店舗を営業していくためにも、やめる事(やらない事)を決める事が、今企業に求められている事ではないかと思います。
▼新しいビジネスモデルをお探しの方はこちらのページもご覧ください。
注目の飲食店「新ビジネスモデル」事例解説 ~コロナ後の新しい時代への対応業態の作り方~
外食

外食

皆さん、こんにちは
飲食店経営コンサルタントの石橋です。
飲食店における作業は、大きく3つに分けられるという話を最初のコラムでお話しましたが、
本日は
・正味作業(直接付加価値を生み出す作業) ・・・調理、接客、販促活動など、直接売上や粗利に直結する作業。
・付随作業(直接付加価値は生み出さないが、飲食店を営業する上で行わなければならない作業)
・・・従業員の面接・教育、衛生管理、シフト作成(労務管理)、発注・在庫管理など
の業務改善についてお話させて頂きます。
正味作業における業務改善のポイントは
・同じ時間で、より粗利を高める。
・同じ粗利を、より短い時間で生み出す。
という2つの考え方が基本になります。
では、どのように進めていけばよいのかというと、工場などの生産管理の方法に
「ECRSの原則」というものがあります。
E:Eliminate(排除)…なくせないか
C:Combine(結合)…一緒にできないか
R:Rearrange(交換)…順番を変えられないか
S:Simplify(簡素化)…簡単にできないか
日々行われている作業一つ一つを、上記の考え方を元に、上から順に確認していき、
当てはまる部分を改善していく手法です。
この生産管理の方法を飲食に置き換えて見ていきます。
E:Eliminate(排除)…なくせないか
そもそも、その作業の必要性は?粗利にどの程度貢献しているか?という事を見直すことから始めます。
よくあるのが、今までやってきたから、当たり前のように続けている作業です。
例えば、予約帳の写し替え、過剰なポーションセット、豊富なカスターセットの設置などです。
その作業をなくすことで、粗利減、顧客満足度低下に繋がらないのであれば、
なくす作業候補として検討するべきでしょう。
C:Combine(結合)…一緒にできないか
よく1way2job(ワンウェイツージョブ)などと表現したりしますが、
料理を提供した帰りに、別のテーブルのお皿を下げるなど、2つ以上の業務を一緒に行うことです。
また、毎日行う作業や、複数店舗で同じ作業をしているものを、
一度に一緒に行う(セントラルキッチン化)なども、この類に入ります。
R:Rearrange(交換)…順番を変えられないか
段取り上手な方は、自然と行っていることですが、意外に現場を見ているとできていないケースがあります。
時間がかかるもの、後工程が長いものから着手する、などです。
揚げ物の器を用意してからフライヤーに材料を入れるのと、
揚げている最中に器を用意するのとでは、順番が違うだけで、作業効率は変わります。
こういう細かい作業の積み重ねが、大きな時間短縮に繋がります。
S:Simplify(簡素化)…簡単にできないか
今行っている作業をもっと簡単にできる方法はないかを考えます。
複雑な作業を行っているが、果たしてその価値がお客様に伝わっているか?という視点も重要になります。
包丁を2回入れている工程を1回で終わらせることで、付加価値への影響などを検討していく必要があるでしょう。
こういった業務改善の考え方をもとに、現状の正味作業の見直しを図っていくことで、
時間短縮や生産能力の向上に繋がっていきます。
最後に、「付随作業」に対する業務改善のポイントは、ズバリ「仕組み化、システム化(IT化)」です。
従業員の面接や教育に関しては、過去のノウハウを蓄積し、
面接シートや教育プログラムを構築し、属人的に実施する環境を排除する事です。
人によって、採用基準が違う、教える内容が違うという事態は、
従業員の不満や離職を助長するものであり、決して効率的な作業とは言えません。
また、シフト作成、発注業務、在庫管理、伝票整理などの業務は、
出来る限りシステム化(IT化)を進めていくのが望ましいでしょう。
機械(システム)が行っても、人が行っても変わらない(むしろ質が上がる)作業は、出来る限り機械化していきましょう。
これらの投資は採用費の一部を移行させても良いかもしれません。
深刻化する人材不足の中、将来を見据えて、勝ち残る企業になるために、
現状の業務改善を本格的に取り組んで頂ければと存じます。
石橋 恒夫 2016年12月16日
▼新しいビジネスモデルをお探しの方はこちらのページもご覧ください。
注目の飲食店「新ビジネスモデル」事例解説 ~コロナ後の新しい時代への対応業態の作り方~
外食

皆さん、こんにちは
飲食店経営コンサルタントの石橋です。
前回のコラムに引き続き、
今回も飲食店の業務改善における飲食店版【7つのムダ】の改善ポイントをお伝えさせて頂きます。
<1> 作りすぎのムダ
<2> 不良品を作るムダ
<3> 手待ちのムダ
<4> 動線のムダ
<5> 運搬のムダ
<6> 加工そのもののムダ
<7> 在庫のムダ
【7つのムダ】の中から今回は、
<4> 動線のムダ 、<5> 運搬のムダ、<6> 加工そのもののムダ、<7> 在庫のムダについてです。