
老舗商家に生まれ、幼少の頃より、経営の魅力と厳しさを学ぶ。
大手百貨店のバイヤー、販売促進責任者を経て、船井総研に入社。
永続経営できる企業づくりをテーマに、企業の5年、10年先を見据えた戦略づくり、多店舗展開の仕組みづくりのコンサルティングは、15年以上に渡り得意としている。現在も10年以上の継続契約企業を複数社持ち、結果の出せるコンサルタントと定評を受けている。
現在、『肉バル』の出店・活性化を中心にコンサルティングを実施し、全国に多くの繁盛店を開発している。


飲食店経営に関する本コラムをいつもご愛読いただきありがとうございます。
リーダーや店長は、「リーダーシップ」能力と「マネジメント」能力が求められます。
では、リーダーシップとマネージメントの違いとは何でしょうか。
リーダーシップの目的は、設定した目標の達成に向けて積極的に人を動かすことです。 そのための必要な機能としては、 ① 魅力的な目標・ビジョンを示す ② 考え方・方針を示し、組織をまとめる ③ 意識決定を行う となります。
必要な能力としては、信念、使命感、問題意識、危機感、挑戦意識などが考えられます。
一方、マネジメントの目的は目標達成のための課題を解決し、安定と効率を作り出すことです。
必要な機能としては、
① 目標達成の具体的計画をつくり、実行する
② 実行の検証を行い、改善を図る
③ 人・モノ・金を有効に使う
となります。
能力としては、知識、経験、包容力、忍耐力、コミュニケーション力などが必要だと考えられます。
そこで、リーダーや店長がスタッフをマネジメントする際に重要なポイントをいくつかご紹介させていただきます。
1.リーダーは部下の力に応じて適切に「業務分担」や「指示」をすること。部下の実力より少し高い業務をやらせた方が早く力がついていく。
2.部下へ指示する時は、「業務の目的」と「期限」を説明すること。目的と期限を理解 すれば部下は「納得すること」ができ、成果や効率は上がる。
3.リーダーは部下の業務の進捗状況に問題がないか管理すること。そのためには、「ホウレンソウ」を徹底させることが重要である。
4.成果を上げるためにはできるだけ「自主性」を発揮させ、「主体的」に行動させた方がよい。そのためには、相手を信頼し、「任せる」ことが一番である。
5.「自分の方針」「部下に求める行動方針」を明確に示すこと。方針を示せば組織には秩序が生まれ、スタッフは動きやすくなる。
スタッフ指導は、マニュアルだけでは出来ません。
最終的には、リーダーや店長の情熱と人間力があるからこそ、部下が思い通りに動き、成果を上げることができるのだと思います。
スタッフ指導のご参考に少しでもしていただけたらと思います。

飲食店経営に関する本コラムをいつもご愛読いただきありがとうございます。
今回は、「情報よりも実体験が重要」という内容でお話させていただきます。
「百聞は一見にしかず」と言われていますが、船井総研では、「百見は一験にしかず」を
奨励しています。
百回見るよりも一回の経験、体験する方が勝るということです。
これは、繁盛している企業やお店、ヒットしている商品や親身なサービスなどの情報を、
実際に足を運び、実体験するすることで吸収できるということです。
SNSが充実し、様々な情報が飛び交いますが、どの情報を取捨選択するのか、
その判断は極めて重要であると思います。
人気サイトや専門雑誌だけに惑わされない実体験を常に心掛けることが大切です。
私のお付き合い先の飲食店では、実際に繁盛店、モデル店に来店してもらい、
直接体験していただいています。
その際大事なことは、数店舗視察・体験することで、時流を探り、さらには共通点を見出し、
いいところを自社に力相応に取り入れていくことです。
素晴らしい情報をいくら知っていても、取り組まなければ、自店の売上が上がることは
ありません。
自分自身の目で見、聞き、経験、体験した実感が大切なのです。
自身が実感しない二次的な情報はあまり信用しないこと、過去の成功要因、
失敗要因ばかりに目を向けないこと、時流適応するためにも、実体験が
必要なのだと思います。
情報だけに惑わされることなく、繁盛店には足を運び、ヒット商品やサービスを
常に体験することを心掛けていきたいものです。

飲食店経営に関する本コラムをいつもご愛読いただきありがとうございます。
飲食店の業績アップのご支援をさせていただいていますと、必ずといっていいほど店長教育のお話をいただきます。
当然のことですが、経営者は、店長に大きな期待をしています。
経営者は、『業績アップ』、そして、『部下育成』を期待していると思います。
そして、最近では、「部下育成」といったマネジメントのご相談、中でも「人間関係」に関する内容が多くなっています。
人間関係の基本として、まずは「相手を知る」ということが前提になります。
人間関係は、相手と接する回数が増えるほど警戒心が薄れ、好意度や印象が高まります。
これを「ザイアンスの法則」といいます。
人は知らない人には攻撃的、冷淡な対応をし、人は相手の人間的な側面を知ったとき、より強く相手に好意を持つようになります。
皆さんもそんな経験があるのではないでしょうか。
次に「相手に関心を持つ」ということです。
人間は、「相手に関心を示して欲しい」と思っている生き物です。
「関心を持ってくれない」=「自分のことを嫌っている」と認識してしまう傾向があります。
あの人とのことは分からない、なんか合わないという前に、まずは「相手のことをどれ位知っているか?」ということを自分に問いかけてみてください。
相手のことは意外に何も知らなく、まったく関心を持っていないケースが多いものです。
そして、相手を知るには、「相手の価値観を受け入れる」ことが重要になります。
人はそれぞれ、価値観(考え方)は異なるものです。
お互いを知れば、その人の価値観の背景が分かってきます。
背景が分かれば、違う価値観でも受け入れられるようになります。
さらに、相手の長所を見ていくことです。
これは、船井流『長所伸展法』です。
人は相手の短所や欠点を見つけるのが得意ですが、相手の短所や欠点ばかり見ていると嫌いになっていきます。
意識して相手の長所を見るようにすると相手を認めることができるようになります。
相手の長所を言葉に出して言ってみてください。
相手も自分を好きになってくれる傾向にあります。
意外と人の長所を見ている人は少なく、褒める人もいないため、人間関係づくりにはかなり効果があるかと思います。
人間関係、コミュニケーションが上手な人は、自分から自分のことを話します。
店長が部下に自己開示を行うと、スタッフも店長といった上司に自己開示がしやすくなります。
ここに信頼関係が生まれ、良好な人間関係が構築されていくのだと思います。
上記を参考にしていただき、店舗内の人間関係、コミュニケーションを円滑にしていただければと思います。

飲食店の経営に関する本コラムをいつもご愛読いただきありがとうございます。
現在、「肉バル」業態のお手伝いを多くさせていただいております。
最近では、パチンコ業界、精肉業界、不動産・建設業界といった異業種からの参入も多く、
あらためて店長やリーダーの条件に関してお伝えさせていただきます。
店長やリーダーに求められることに、「やり方」と「在り方」があります。
今回は、この「在り方」についていくつかお話したいと思います。
まず、大事なことは「率先垂範」です。
人の先頭に立って物事を行い、模範を示すこと。
リーダーが本気でなければ、すぐに部下に見透かされてしまいます。
「上は下を見るのに3年を要し、下は上を見るのに3日も要らない」
と言われています。
「やってみせ、言って聞かせ、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」
これは、連合艦隊司令長官:山本五十六が言った有名な言葉ですが、
絶対服従の軍隊ですら自ら率先することの重要性を訴えています。
すなわち、勝つ組織の絶対条件は、店長やリーダーが本気で勝ちを意識して、
まず自らが行動に移すことです。
当然のことですが、肉バルの現場でも重要視されています。
第二に「言行一致」です。
言ったことは必ず実行する。
出来ないことは、やらないことは言わない。
命令で部下を動かすことはできても、納得させることはできす、
部下を納得させることができなければ、命令してやらせたとしても
徹底することはできないし、十分な成果は期待できません。
部下を納得させる近道は、「あの人がそこまで言うならやるしかない」
と思わせることです。
そのためには、店長やリーダーは普段の行動が大切になります。
最後に「約束を守る」です。
できない約束はしないことです。
最初から部下を騙そうと思って嘘をつく店長やリーダーはいません。
しかし、自分では自覚していませんが“約束を破っている”ケースが多くあります。
特に、部下やスタッフにお願いされたことを忘れるケースです。
「上司は忘れている=上司は嘘をついた」と認識します。
部下はそうように感じていることに店長やリーダーは気付くべきです。
上手に経営されている店舗の店長やリーダーはこの「在り方」が
徹底されていると感じます。