経営コンサルタントのお役立ちコラム | 船井総研 フード支援部

経営コンサルティングの船井総研 フード支援部
チームリーダー/マーケティングコンサルタント
加登 大資

入社以来、様々な飲食店の既存店活性化プロジェクト支援に従事。現場に足を運ぶことにこだわりを持ち、100 店舗以上の事例を見たことによる完全な事例主義を実践している。肉業態、特に焼肉店ならではの販売促進による即時業績UPを得意とし、クライアントから高い評価を受けている。最近では、牛肉業態の「焼肉店」「肉バル」の業態開発 をはじめとし、豚肉業態であるとんかつ店・しゃぶしゃぶ店のクライアン トも多く持ち、その業績アップに取り組んでいる。原価高騰に悩む肉業界で、商品構成や売価設定など細かいところまで入り込み、客数を減らすことなく、客単価を上げ利益改善、業績アップにつなげる手法には定評がある。日常づかいからハレの日使いまで幅広くしてもらえ、お客様に喜んでもらえる「肉業態」を作り上げることを目標に日々活動している。

地域ナンバーワン焼肉店のやっていること [2]
外食
2016/6/20
地域ナンバーワン焼肉店のやっていること [2]

皆さん、こんにちは。飲食店経営コンサルタントの加登です。

3回にわけてお話ししてます
【成長を続ける焼肉店の3つの経営戦略】
[1] 原価高騰、消費増税対策の「客単価アップ、原価率ダウン」
[2] 同エリアで出店可能!!焼肉店だから可能な高収益業態開発
[3] 社員、スタッフが働きたくなる環境づくりへの投資 

前回は
[1] 原価高騰、消費増税対策の「客単価アップ、原価率ダウン」についてお話ししました。

今回は
[2] 同エリアで出店可能!!焼肉店だから可能な高収益業態開発 についてお話しさせていただきます。

 

 

原価高騰に伴う焼肉業態における利益率低下、少子高齢化による焼肉業界の縮小化問題といった業界における課題と、店舗展開を重ねる事での同エリア内同業態出店の行き詰まり感により、今新たな業態開発を行う企業が急増しています。
当然、焼肉店以上に厳しい状態である精肉卸業界からの参入も多くみられます。今後の業界動向や課題を考えると、この流れは強まっていくでしょう。

 

《 焼肉店からの新業態開発例 》
・ハンバーグ業態  ・ステーキ重の業態  ・肉うどん名物のうどん業態
・肉割烹  ・肉バル  ・精肉小売業  ・もつ鍋 などなど

高収益型の業態づくりを行う上で適した考え方の一つに、“比較対照の無い業態“というものがあります。

 

比較対照の無いものは、比べる対照がなくその商品価格が適正なのかどうかが分からず、高い商品力があれば高く売れるという考え方です。
そうする事で非常に原価率の低い業態開発が可能となるのです。

 

【 比較対照の無い業態づくりの方法 】

1)スライドマーケティング(商品と客層を変える)
⇒今までと違う商品・客層に販売する

2)ミックス業態(業態×業態=新業態)
EX)焼肉×ワイン、牛串×ワイン

 

そのような中で今、最も多いのが「肉特化業態」の“肉バル” です。

肉バルとは数年前から急成長を遂げるバル業界へ参入しステーキを名物化するという業態です。

そのポイントは、
[1] 牛肉を安く提供できる焼肉屋が圧倒的に強い!
仕入れ価格の高い焼肉屋さんでも居酒屋よりは仕入れ価格は安いものです。
戦う相手も焼肉屋ではなく、居酒屋に変える事で勝てるポジションを築けるのです。肉バル業態の原価率は32%前後ですので、焼肉よりも非常に低い原価率になるのです。

 

[2]  焼肉屋で出る食材の端材活用ができる!相乗効果あり!
肉バルのメインステーキはももステーキです。焼肉店では売りにくいもも肉ですが、中をレアに焼き上げる事で価値を高めた商品になり、焼肉店よりも高い値付けで売れるのです。
また、ブリスケやカッパ、切り落としなども調理を加える事で高利益率の商品となります。

 

[3]  ワイン業態は客単価が高くなる(3500円~4000円が目安)
ボトルワインの比率はドリンク売上に対して30%にもなり、単価があがりやすくなります。
また、ボトルが出る事でホールオペレーションも効率化する事が可能になるのです。

 

[4] 女性集客で新たなニーズの掘り起こし
「肉を食べたいが、焼肉に行くほどではない・・・」
「焼肉だと臭いが気になる」など、女性ならではの心理がありますが、
それを解消しているのも肉バルが繁盛する理由の一つなのです。気軽においしい肉を楽しみたいという女性のニーズとマッチしているのです。

 

[5] 低投資!短期回収可能!物件が見つかりやすい
肉バルは、客単価が3500円~4000円と高めの業態ですので、小さな坪数でも十分採算が取れるのです。坪数が小さい為、投資も2000万以内で十分出店可能になります。

 

[6] 焼肉業態よりスタッフ採用しやすい業態!
飲食業界の中でも焼肉店は採用難が深刻化しておりますが、そんな中、バルのようなオシャレイメージのある業態にはスタッフが集まりやすい傾向があります。
時給を上げなくても採用できるという事は、高収益を生み出す一つの好要因になるのです。

 

上記のようなポイントで非常に今増えているのがこの「肉バル業態」なのです。
特にこれからは「採用しやすい」業態であることも大きなポイントになると考えられます。

 

今回は「焼肉店だから可能な高収益業態開発」を紹介させて頂きました。
「ヒト・モノ・カネ」から「ヒト・ヒト・ヒト」へ認識が変わってきています。
今後の出店を計画されており、今回ご紹介の肉バル出店に適した立地(約25坪)に巡り合えましたら
時流、時代にマッチした業態開発をご検討下さいませ!

 

次回は、お店づくりのポイントなどをお話しさせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

加登 大資  2016年6月20日

執筆者
チームリーダー/マーケティングコンサルタント
加登 大資
プロフィール
地域ナンバーワン焼肉店のやっていること
外食
2016/6/02
地域ナンバーワン焼肉店のやっていること

みなさまこんにちは!
船井総研の加登 大資(かとうだいすけ)と申します。

 

今回は、焼肉店・飲食店経営のヒントとして、
「原価高騰」「消費税増税」「人材不足」でも売上・利益をのばし続ける
“地域ナンバーワン焼肉店のやっていること”というテーマでお話いたします。

 
 

焼肉業界のここ数年を振り返ってみると、
2014年は業界の大手チェーンの売上推移を見て分かる通り、
全体として売上を大きく伸ばした年でありました。

 

この流れは2012年12月に発足した安倍政権以降から続いていたものであります。
その後の消費税増税以降も多くの焼肉店が業績を伸ばされてきました。

 

しかしながら、牛の飼育頭数減少、円安、中国のUS・AUS産牛肉の使用量増等により、
牛肉価格は高騰の一途を辿っています。
2~3年前と比較すると、30%~50%(増税は加味せず)で高騰しており深刻な状態が続いています。

 

また、飲食店を経営されている方全てに共通する大きな課題である人材不足や、
採用広告コスト、時給アップ、労働環境改善によるP/A賃金の増加等によって
人件費がどんどん上昇し、FLコストの調整が急務となっております。
直近でも仕入先からこの夏に向けてまた値上げの通達が来た店舗様も多いのではないでしょうか。

 

「いつまでもどこまでも続く原価高騰が不安」
「人材不足による採用・定着コストの上昇への悩み」
から今後が不安になり、
明るい未来を感じることができていない焼肉企業がほとんどかと思います。

 

しかし現状に悩みながらも、しっかりと考え、
様々な対策を実行して結果を出されている焼肉店もございます。

 

その焼肉店経営者様が共通して行われていることが以下の3つの経営戦略です。

 

【成長を続ける焼肉店の3つの経営戦略】
[1] 原価高騰、消費増税対策の「客単価アップ、原価率ダウン」
[2] 同エリアで出店可能!!焼肉店だから可能な高収益業態開発
[3] 社員、スタッフが働きたくなる環境づくりへの投資

 

今回のコラムでは、
[1] 原価高騰、消費増税対策の「客単価アップ、原価率ダウン」
のポイントをお話しいたします。

 

◆客単価アップ、原価率ダウンの為の仕掛けとは?

 

まず、値上げをしても売上アップできる成功のポイントが大きく5つあります。

 

成功ポイント1『値上げしても良い「商品」と「客層」を定める!』
成功ポイント2『値上げできる商品の選定と新商品の投入!』
成功ポイント3『高い理由が分かるこだわり訴求型メニューブック』
成功ポイント4『“影響原価率”の見える化による原価率削減』
成功ポイント5『低価格商品・カテゴリーのつくり方』と出数アップ』

 

これらの成功ポイントに沿っていけば基本的には客単価アップ、
原価率ダウンは決して難しいことではありません。

 

特に成功ポイント4『“影響原価率”の見える化による原価率削減』は要注目です。
単品原価率や理論原価率を算出されていない場合は、
早急に出されることをお勧めしております。

 

なによりも利益改善の近道になるのが原価管理の徹底です。
これが出来ていないと、他の取り組みをしたとしても
原価ダウンの効果は大きく得られません。

 

原価は大きく“理論原価”と“実際原価”に分かれます。
“理論原価”とはその名の通り、「机上で計算した理論上の原価」です。
“実際原価”とは「仕入金額、棚卸高を顧慮した実際の原価」となります。
これら2つの原価の差がロスとなります。

 

メニューリニューアル等の戦略を実行する際には、
まず単品毎の「理論原価」を算出した上で出数予測(売上構成比予測)を行い、
全体の原価率をシミュレーションする事が大切です。
またメニューリニューアル後には実際の出数を当てはめた上で、
全体の原価率はもちろんの事、カテゴリー別の原価率などを全て「見える化」した上で、
継続的に問題点を改善していく事が大切です。

 

この際に重要な視点となるのが「影響原価率」という考えです。

 

影響原価率=単品原価率×売上構成比

 

例えば単品原価率が100%の商品であっても、
1個も売れていなければ全体に及ぼす原価率=影響原価率は0%となります。
つまり、効果的な原価率コントロールを行う為には、
「影響原価率」の高い商品を重点的に管理していく事が重要 になるのです。

 

以上のように利益改善はそう難しくありませんので、
是非取り組んでいただきたいと思います。

執筆者
チームリーダー/マーケティングコンサルタント
加登 大資
プロフィール