経営コンサルタントのお役立ちコラム一覧 | 船井総研 フード支援部

経営コンサルティングの船井総研 フード支援部
チームリーダー/チーフ経営コンサルタント
前田 輝久

食品専門店の店舗開発や活性化のコンサルティング支援を行っている。なかでも、卵、豚肉、豆腐などの生産者・中小食品メーカーの直売店開発支援では定評がある。
「即時業績向上」「力相応」をモットーに、すぐに実践できる実現可能な提案を行っています。「生産者、メーカーの自立」をポリシーに、中小企業が市場価格や卸先の影響に負けないで永続できる企業になるためのコンサルティングを行っています。

3,000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ!4倍値上しても売れる仕組みの作り方
スイーツ
2019/5/09
3,000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ!4倍値上しても売れる仕組みの作り方

6月19日(水)のスイーツ研究会のゲスト講師は、ガトーショコラ専門店の火付け役として話題の「ケンズカフェ東京」の氏家社長です。

2008年よりオープンしたガトーショコラ専門店で扱う商品は「1本250gのガトーショコラ」のみです。さらに予約は2か月待ち、セレブ御用達の名店として日本全国で話題となっています。

 

売上としては、1日当たり300本を製造し、年商3億円を安定的に達成されています。この度注目したいのが、販売当初の価格が1本1,300円/500gに対し現在は1本。3,000円/250gで販売している点です。

ケンズカフェ東京のガトーショコラが3,000円で販売されるようになった経緯に関して簡単にご紹介できればと思います。

 

1回目の値上げは、1,300円を1,500円からへ。通常であれば顧客離れを引き起こすとお考えになる方が多いでしょう。しかし、価格帯を上げることで1,300円の「自家消費需要」+1,500円「手土産需要」の二つの需要を獲得できたと氏家様は語ります。

当時は、販促活動をおこなっていませんでしたが、手土産需要を獲得することで口コミも増え値上が功を奏し、多くの顧客を獲得することができました。

 

2回目の値上げの理由は、一時の評判で売上が上がってもこの先、流行が終わった時に限られた数量しか販売できず利益の先細りが見えたからだと氏家様は語ります。そこで、既存の顧客を捨てる覚悟で2,000円への値上げをおこなったそうです。

しかし、単なる値上をするのではなく、よりチョコレート通をターゲットとし、「上がった格にふさわしい商品力」を付けるため高級なチョコレートを使用し商品のリニューアルをおこないました。原料費は上がりましたが、2,000円の値上げであれば十分利益分は吸収できたそうです。

また、原料費以外の包材原価にもコストをかけれるようになり、高級感のあるパッケージデザインへの変更もできました。1,500円時代の客層は1割しか残りませんでしたが、より濃い顧客層を獲得したことにより売上は右肩上がり、メディアからの取材も相次ぐようになったそうです。メディアに取材されたのも、2,000円に値上して品質もイメージも向上した成果なのです。

 

3回目の値上げはメディア出演により注文が殺到「人気が出て潰れる店」にならない対策の一つだったそうです。また、為替が変動するたびに値段を変更すること、消費税が上がることなどある度に原料を見直し価格を変更するといった商品力の価値を下げるようなことはしたくないと3,000円の価格帯で店ののれんを守る取組みをおこなったのです。飲食業界では売値は原価率の約3倍というのが定説です。

しかし、300円と3,000円の商品で原価率を一定にしようというのは間違いで、適正価格で多くのお客様に支持されると思い込むのは「お客様の満足度」を商品クオリティーに置いていないからだと氏家様は語られます。単品専門店の開業が、日本全国で注目されている中、10年以上前から単品商材の絞り込みが利益率を上げることブランドを構築し易いことに気付いた氏家様のご講演は楽しみなところです。

 

今回のメルマガでは、ケンズカフェ東京の単品商材「ガトーショコラ」の値上げストーリーについて触れさせていただきました。6月19日の講演では、絞り込むことで実際に「人・もの・金」の経営資源がどう変化したのか、ブランド構築までに実践したことなど明日からでも皆様の経営に活かせるお話をしていただく予定です。

 

執筆者
チームリーダー/チーフ経営コンサルタント
前田 輝久
プロフィール

営業しなくても売れる「卵」!直売店でブランディングし、営業しなくても売れる仕組みができた養鶏場!
食品
一次産業
2019/4/04
営業しなくても売れる「卵」!直売店でブランディングし、営業しなくても売れる仕組みができた養鶏場!

今回のメルマガのテーマは「直売店の成功とブランドの活かし方」です。

 

皆さんも直売店を展開されていると思います。ただ、本業に対して事業規模も小さくなかなか力が入らないことも多いかと思います。しかし、直売店に本気で取り組んで、その結果、本業の売上&利益アップにつながった養鶏場がありますのでご紹介します。

 

東北にある零細養鶏家が14年前に直売店事業に取り組みました。1年目の店舗の年間の売上は5000万円程度でした。本業の年商は2億円程度でしたのでこれだけでも事業としてプラス効果は大きかったのですが、更に売上を成長させ、3年後には売上7000万円まで伸ばすことができました。

 

そのタイミングで2号店目を出店したのですが、直売店自体の売上の他に思いもしなかった効果がありました。それが飲食店からの問い合わせ電話でした。

 

直売店が地域で認知され、消費者の認知度が上がれば上がるほど問い合わせの電話は増えていきました。2号店目を出店し、直売の売上が伸びると売上と一緒に問い合わせの電話は増えていきました。

 

その結果、営業担当者は飲食店回りなどの営業をしなくても週に2件程度の引き合いの電話があり、商品サンプルと見積もりを持っていくだけで商談が決まっていきました。

 

この営業の良い点は、相手からの問い合わせ電話なので価格の交渉をしなくても商談が決まる点です。これは営業という面からみてもとても大きなメリットになります。

 

現在この養鶏企業の直事業は年間2億円を超えて、もともとの養鶏事業と同程度の事業規模に伸びています。それでも直売店で販売できる卵は、生産する卵の3分の1程度しか販売はできません。通常であれば残りの卵の多くは市場に卸すことになり、利益が取れません。しかし、この養鶏企業では全量とはいきませんが生産の3分の1は直接の卸売り、つまり利益を確保できる取引をすることができています。

※この養鶏企業は設備の入れ替えに伴い世産量が1.5倍以上に増えましたので現在は直売&直卸の取り扱いは40%になっています。

 

今回の養鶏企業のように直売店のブランドを活用して高収益な取引を増やすことに成功している企業はいくつもあります。

 

同じく東北にある茶小売業も新しい業態を作り上げて地域で一番のポジションを取ることで以前の安売りから脱却し、利益の出る取引ができ、親が子供を就職させたい企業にまで成長しています。

 

以上のように「直売店」だけの売上をみると本業(既存事業)に比べて事業規模は小さいですが、直売店を“地域一番”まで成長させることで本業に良い効果をもたらすことができます

 

ぜひ、みなさんの直売店で地域一番店を目指してみてください。思いもしない波及効果が起こると思いますよ。

 

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たった2日で5000人集める工場祭・蔵開きの秘訣

https://sem.funai-food-business.com/seminar/046071/

日程:2019年05月13日(月)

時間:13:00~16:30(受付開始12:30~)

場所:船井総研 東京本社

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執筆者
チームリーダー/チーフ経営コンサルタント
前田 輝久
プロフィール

2019年SNSを活用したホワイトデー対策!
スイーツ
2019/2/21
2019年SNSを活用したホワイトデー対策!

2月中旬になりました。

3月のホワイトデーもだんだんと近づいてきていますが、準備は

いかがでしょうか。

 

ホワイトデーの市場規模は約530億円といわれており、洋菓子店を中心として菓子店での大きなイベントになっています。“ホワイトデーのお返し予算”について、2013年には女性の期待する金額、男性が考える予算ともに1,000~3,000円の割合が最も多かったものの、男性の平均金額は5,000円弱と女性の期待を超えたお返しを渡す傾向にあります。

しかし近年では女性の期待する金額が1,000円以上も上がり5,000円を超えたのに対し、男性が考える予算は1,000円以上の下がり幅となり、女性の期待値を下回る結果となっているそうです。

 

こうしたホワイトデーの客単価の減少にともない自社でできることとして、

① 売れる価格帯(1,000円予算帯)にしっかりと対応すること

② お客様の選びやすさ、買いやすさを高めること

があります。

 

そこで、生産性の高い焼き菓子の

① 売場一等立地でのボリューム陳列

② 予算帯1,000円の品揃え強化

③ SNS映えするパッケージデザインで手間暇をかけず商品をリメイク

することがポイントと言えるでしょう。

 

このような、繁忙期対策として、生産性の高い商品の売上構成比を上げ、

全体の生産性UPにつなげましょう。

 

 

 

 

“SNS映えする生産性の高い商品を売場で強化する。”

 

ホワイトデーの消費者志向を考える上で、近年注目を浴びるSNSの台頭に目を背けることはできません。ある調査にて「もらったプレゼントをSNSにアップするか?」という質問に対し、Twitter、Instagram、Facebookを合わせ 6割以上の女性が「投稿を考えている」と答えているそうです。

 

SNS特に近年注目されているinstagramのユーザー層は若年層の女性層が多く、「口コミ」マーケティングを強化する上でこの客層を獲得することが重要と言えます。

 

ホワイトデーの予算帯は減少傾向にあり客単価のUPは見込むことが出来ないでしょう。

しかし、伸びている市場であるSNSを活用して自社の商品を口コミマーケティングで広め、見込み客(まだ見ぬお客様)を獲得する機会にしましょう。

執筆者
チームリーダー/チーフ経営コンサルタント
前田 輝久
プロフィール

ビックリ!ドーナツが売場を変えただけで6倍売れる方法!
スイーツ
一次産業
2019/2/14
ビックリ!ドーナツが売場を変えただけで6倍売れる方法!

皆さん、こんにちは。船井総研の前田です。今回のコラムは単品集中販売で驚くほど簡単な準備でビックリする成果を出された事例をご紹介いたします。

 

養鶏家の卵とスイーツを販売する直売店が、「焼きドーナツ」を2018年12月に販売強化する取り組みを実施し、商品のリニューアル等を全くせず、売り方を買えただけで前年同月比600%の4,000個を販売した事例になります。

取り組んだのはたった2つ、商品のMDと売場を変えただけです。そのポイントとは!

 

ポイント①商品MDは用途と価格帯で幅を広げる

今回の事例の店舗では、昨年までは売場で単品(1個売り)だけでした。そこで取り組んだのは、12月はギフトも動く時期なので、簡易箱5個入り、箱入りで10個入りを売場に展開し、更にご自宅用のまとめ買い袋として3個入りを展開しました。価格は単純に1個単価×個数で値付けし、10個入は箱代をプラスで、安売りはしませんでした。ただ、ギフトは予算帯で買われるので、500円予算、1000円予算を意識した個数にしています。

・1個    133円(税込)

・3個袋入  339円(税込)

・5個箱入り 665円(税込)・・・500円予算

・10個箱入1,460円(税込)・・・1000円予算

元々、1アイテムだった焼きドーナツを4アイテム展開し、その他焼き菓子セットの中に焼きドーナツを入れてアイテムを増やしました。

 

ポイント②売場づくりはベストポジションで立体的に!

売場づくりの基本はお客様の一番目に入るベストポジションで展開しました。今回は入口からすぐの平台で展開しました。

ちなみに売場の中にはいくつか売れる場所があります。その中でもどのお店でも共通するのは入口すぐの平台(什器)とレジ前です。なぜなら、お客様がお店の中で必ず通過する場所だからです。

 

そして、売れる売場づくりの原則は立体陳列です。立体的に売場をつくることでお客様の目に留まる売場を作ります。立体的な売場をつくろうとすると在庫が気になりますが、箱モノは大量に陳列した中で手に取りそうな上の部分は中身が入っていますが、下の箱はダミーにすることで余計な在庫を持つ必要がなくなります。

※更に詳しい売場づくりのポイントが知りたい方は下記の本をお読みいただけると幸いです。

https://www.amazon.co.jp/%E5%84%B2%E3%81%8B%E3%82%8B%E5%A3%B2%E3%82%8A%E5%A0%B4%E3%81%AE%E5%85%A8%E6%8A%80%E8%A1%93-%E5%89%8D%E7%94%B0%E8%BC%9D%E4%B9%85/dp/4761271841

 

今回の事例の店舗で取り組んだのは実はこの2つだけです。

では、なぜこのような成果につながったのでしょうか?

 

答えは簡単です。販売員が売るべきもの、おすすめする商品が明確になり、接客でも積極的に販売することができたからです。

 

では、なぜ焼きドーナツを売ったのか?

 

それは、このお店で人時生産性が高く、粗利も高い商品であり、焼き菓子の中でも売上構成比がTOP3に入っていたからです。

したがって、焼きドーナツが売れれば売れるほどお店の生産性は高くなり、利益率も上がっていくのです。

 

ちなみに、焼きドーナツ以外の商品が売れなくなったか?というとそうではありません。店舗全体でも売上は107%で伸びているのです。

 

上記の店舗はこの計画を11月に立てて、すぐに12月から実践し、結果を出すことができました。

取り組むことは、

①販売商品を決める!   ・・・生産性・粗利の高い・売れている商品

②商品アイテム数を増やす!・・・箱入、袋入等をつくるだけ

③目立つ場所で売る!   ・・・売れる場所で立体陳列するだけ

上記の3点です。あとは販売員に「これだけおすすめして!」とお願いをするだけで成果がでます。

 

ぜひ、これからギフトシーズンが始まりますので取り組んでみてください。

執筆者
チームリーダー/チーフ経営コンサルタント
前田 輝久
プロフィール