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地方創生のヒント「サンクゼール」の取組
食品
2017/1/24
地方創生のヒント「サンクゼール」の取組

「田舎から全国に本物を届ける!」という想いから始まって、
現在、全国に50店舗以上を展開している企業がサンクゼールです。

 

久世社長が旅行でシードルの名産地であるノルマンディーを訪れた時に、
衝撃を受けて、始めた企業です。
店舗のコンセプトは「ヨーロッパの田舎」で、
名物商品である保存料や着色料を使っていない自然派ジャムや人気商品であるパスタソース等、
なんとなく立ち寄って、ついつい買ってしまうそんなお店になっております。
 
また、長野県飯綱町にある本店は、ブドウ畑に囲まれ、本当にヨーロッパの田舎町を彷彿とする施設で、
年間12万人以上を集客する観光スポットになっています。
物販のお店の他に、地元の野菜を使った料理を味わえるレストランの他にワイナリーもあります。
そのワイナリーではウェディングも行われています。
 
そして、ワイナリーの醸造場の見学はワイナリーツアーとして毎日行われています。
そして、店舗ではワインの試飲は無料でいくらでも試しのみができます。
 
ただ、モノを作って販売するだけではなく、体験を通じて自分達が作って販売する商品の良さを
知っていただくことを徹底することで多くのファンを作り上げてきています。
 
そして、最近では「久世福商店」というサンクゼールとは全く違う
ブランドを立ち上げ現在40店舗以上を全国に展開しています。
 
この久世福商店では、国内の地方メーカーとタッグをくみ、
海外の人に知ってもらえるブランドを作るという考えで展開されています。
 
「地方に埋もれている商品を売れる商品に変えていく」
という取り組みを日々行っています。
 
パッケージやキャッチコピーなど細部にこだわりオリジナル商品、売れる商品にリニューアルする。
 
サンクゼールは、このような取り組みを通して、
田舎の良さ、地方の良いものを伝えるという創業時の想いを実現しています。
 

執筆者
チームリーダー/チーフ経営コンサルタント
前田 輝久
プロフィール
モノではなくコトで売る!価値をどこまで高められるか!!
食品
2017/2/24
モノではなくコトで売る!価値をどこまで高められるか!!

みなさん、『バルミューダ ザ・トースター』というものをご存知でしょうか。

 

1台数千円が相場のトースターの中にあって、1台2万5千円もするトースターであるにも関わらず、
2015年6月に発売以来20万台以上を販売しているヒット商品なのです。
 
なぜ、このトースターが売れたのか?というと、
「モノではなくコト」を販売したからです。
 
バルミューダー ザ トーストを販売しているバルミューダ社長の寺尾氏は
「モノではなく、五感で感じることのできる“体験”、
つまり“食べること”を訴求できる商品」としてこのトースターを開発されたそうです。
 
このトースターの性能、機能には徹底的にこだわって作られているのですが、
消費者に向けて訴求しているのは、高性能・高機能ということではなく、
「世界一のバタートースターを食べたくないですか」という1点です。
 
そして、これが消費者の共感を呼び、実際に使って(買って)良かったというのが口コミになり、
市場価格の数倍もする商品にも関わらずヒット商品になったのです。
今の世の中には様々なモノであふれています。
そして、その市場の中で差別化しようと多くのモノづくりをされている企業は
機能、性能、成分など数値化できたり目に見えて計測できるもので差別化しようとします。
 
しかし、それも様々なものがイタチごっこのように出てきて、結局、差別化にならなくなります。
 
そのような状況の中で、
バルミューダのように「モノではなくコト(経験)」を消費者に伝え、
ファンができ、口コミで広がりヒットする事例がどんどん出てきています。
 
そのような“コト売り”の取り組みを30年前から地方の田舎で取り組んでいる企業があります。
それが「モクモク手づくりファーム」です。
 
このモクモク手づくりファームは三重県伊賀市の山の中にありながら、
年間50万人の観光客が訪れる観光施設です。
この施設が売っているコトは「ウインナー体験教室」であり、
この体験教室に年間10万人以上が参加し、ファンになっているのです。
 
モクモク手づくりファームの創業者である木村修氏は
「体験教室は『安全・安心なモノづくり」、『本物の味わい」
という施設のコンセプトを“感動的な経験”と一緒に伝えることができるのです」

とお話しされます。
 
このようにこれからの商品づくり、顧客(ファン)づくりは、
左脳的な商品の良さだけではなく、消費者の右脳に訴える
“コト”売りこそ必要な要素となっているようです。
 

執筆者
チーフ経営コンサルタント
前田 輝久
プロフィール
農業の100年企業が取り組む自立型経営
一次産業
2018/1/30
農業の100年企業が取り組む自立型経営

千葉県で酪農を100年以上経営されている成田ゆめ牧場(秋葉牧場)の経営者にお話しをお伺いする機会がありました。
 
その話の中で出てきた、農業で100年続く農業経営の成功のキーワードは
 
①自立型経営
②加工品開発
③観光市場開拓
 
になります。

執筆者
チーフ経営コンサルタント
前田 輝久
プロフィール
地域とのつながりを大切にする「町で最も親切な」スーパーマーケット	①
食品
2016/11/08
地域とのつながりを大切にする「町で最も親切な」スーパーマーケット ①

今回のコラムは先月アメリカの視察ツアーに参加した際に
感銘を受けたスーパーマーケット「ニュー・シーズンズ・マーケット」のご紹介をしたいと思います。

 

ニュー・シーズンズ・マーケットは、ポートランドで1999年に創業された後、
地域の人気食料雑貨店として急成長したチェーンです。
 
展開地域で人気の高いネイバーフッド・マーケットで、ほとんどがオーガニックとローカルの品揃えです。
 
また地域貢献のために、利益の10%を地域の非営利団体に寄付している事でも有名である。
北カリフォルニアでは、ニューリーフ・コミュニティー・マーケットの名前で5店舗を経営しており、
「街で最も親切な店」との評価を得ています。
 
今回の視察で責任者の方の話をお伺いして、素晴らしいと思えるポイントは大きく2つです。
1つ目は、「地域とのつながりを大事にしている」という点。
2つ目は「社員を大事にしている」という点です。

 
1つ目のポイントとして地域とのつながりを大事にしているという点では、上記にも記載しましたが、
利益の10%を地域の団体に寄付するということもありますが、ビジネスという点で素晴らしいのは、
ローカルの商品で70~80%が品揃えされているという点です。
特に農産物や日持ちのしない食品は100マイル以内(ローカル)のメーカーや生産者から仕入れるというこだわり。
 
そして、ローカルから仕入れる商品については通常よりも高く仕入れをするという点です。
また、農産物などはオーガニックの野菜を生産してもらうために生産者に対して契約農家として作ったものを
買い取る契約でスーパー側が望む商品を生産してもらうという取り組みも積極的に取り組んでいます。
 
地域の生産者やモノづくりをしている企業との共存共栄を進めて自分たちのメリットだけでなく、
取引先のメリットも考え、さらにその取り組みが結果顧客のメリットにもなるという、日本でいう
「三方よし」の考え方で経営をされています。
 
ただ、このような理念の経営をするときにやはり気になるのは利益をどのように創出するのか?という疑問です。
実際に責任者の方に疑問をぶつけたところ、生鮮食品や日配品のようなローカルで仕入れる商品の利益は薄いが、
ドライ商品については利益が確保できるように仕入れの努力をしているとのことです。
 
つまり、粗利ミックスの考え方を徹底しているのです。
各部門ごとに粗利ミックスをしっかり取り組むことで利益を出しているのです。
 
このように理想を追求しながら、いかにビジネスとして成立させていくかというして点は
非常に重要かと思います。
 
また、前回のコラムでもお伝えしましたが、
自分達だけではなく社会的な価値の提供というものがこれからの時代は
ドンドン求められてくることをアメリカの企業視察を通して感じられました。
 
2つ目は「社員を大事にしている」という点は、
次回のコラムにてお伝えさせていただきます。
 

執筆者
チームリーダー/チーフ経営コンサルタント
前田 輝久
プロフィール
食べてもらうことが最高のファン客づくり
食品
2016/7/28
食べてもらうことが最高のファン客づくり

「食べてもらってファン顧客を作って9年間売上を伸ばし続けた豚肉直売店」事例をお伝えします。
 
今回の事例の店舗は、愛知県にある豚肉生産者の直売店で売上を9年間伸ばし続けて、年商2億円を達成した事例です。
 
豚肉の生産者の直売店ですから販売している商品は豚肉とハム・ソーセージなどの加工品と惣菜です。
 
オープンして、1年間はお客様の数もなかなか増えず、また、豚肉関連商品しか販売していないという世の中に珍しい直売店だったので、売上がなかなか伸びず、初年度は年間6000万円程度しかありませんでした。
 
そこで店長が取り組んだことがお客様に豚肉について徹底的に話をし、商品を理解してもらうことでした。
生産直だから伝えられることを伝える時間を増やしました。
 
例えば、豚肉の部位の話や部位別に合う料理、生産でこだわっていること等をお客様に直接話をし、スーパーで販売している豚肉との違いを理解をしてもらいながら購入してもらいました。
その結果として、豚肉のファンが増えてリピート購入が増えました。
 
さらに、ファンを増やしたのが、バーベキューの食べ放題でした。
このバーベキューのコンセプトは有料試食です。とにかくバーベキューで利益を出すのではなく、食べてもらって豚肉の美味しさを体験してもらうことを目的としました。
 
食べ物でファンの顧客を作るには食べてもらうことが一番です。
店内では試食を行っていますが、バーベキューにすることで、食べ物そのものの美味しさだけではなく、食べている楽しい時間も体験として記憶に残り、その商品の付加価値も高めてくれました。
 
また、ファンのお客様が友達などを連れてきてくれ、豚肉を食べてファンになる人も増えいきました。
 
この店舗は、養豚家の直売店なので、肉屋ではなく、豚肉専門店であり、
オープン当初は来店から「牛肉はないの?」、「鶏肉はないの?」という質問もありましたが、
自分達のお店がどんなお店で、どんなこだわりをもって商品を販売しているかを丁寧に説明し、試食やバーベキューなどで美味しさを体験してもらうことでそのような質問はなくなりました。
 
このように他のお店との違いをしっかり理解してもらったお客様はファン顧客になり、リピーターとして自社の商品を定期的に購入してくれるようになります。
 
今回の事例の他にも食品専門店で繁盛している店舗の特徴は、ただ商品を販売するだけではなく、商品の価値を伝え、ファンの顧客を作っていることです。
 
ぜひ、皆様も自分達の特徴(強み)を発信し、理解してもらえる取り組みを実践してみてください。
 

執筆者
チームリーダー/チーフ経営コンサルタント
前田 輝久
プロフィール