経営コンサルタントのお役立ちコラム | 船井総研 フード支援部

経営コンサルティングの船井総研 フード支援部
フード支援部/上席コンサルタント
二杉 明宏

外食産業におけるコンサルティング活動に従事。業態開発、新規出店、多店舗展開、既存ブランドのブラッシュアップによる持続的な企業業績向上のプロデュースを得意とする。

2016年の振り返りとこれからの飲食店経営
外食
2016/12/27
2016年の振り返りとこれからの飲食店経営

皆様、いつも当サイトコラムをお読みいただき、誠にありがとうございます。
船井総研フードビジネス支援部 二杉です。

 

年内最後のコラムとして2016年を振り返ってみたいと思います。

 

少しでも皆様の飲食店経営のヒントとなればと思います。

 

■ 2016年のトピックス ■

 

1.消費税率アップ(8%⇒10%)の延期の発表

 

2.マクドナルドの業績が底打ち⇒上昇への反転

 

3.ファストフード業態の多様化と大手の参入活発化

 

4.人材採用難がますます進行(有効求人倍率の上昇)

 

5.WEB媒体の活発化

 

まず、経済全体の景況感は小売業の動向などを見ていてもマスとしては伸びておらず、
この状況下で増税を推し進めれば一気に景況感が悪化する懸念もあって、増税延期が決まりました。

 

外食チェーンの既存店の趨勢を見ていても
稼ぎ時の3月5月8月に前年を下回る売上結果となるところも今年は多かった。

 

このような状況下ですので、中心価格帯を上へずらすなどの価格政策の変更には注意が必要です。

 

メニューの売価変更には慎重になっていただければと思います。

 

期限切れ鶏肉使用や異物混入騒動以降大きく業績を悪化させていたマクドナルドも
今期は大幅な増収と黒字転換となりそうです。

 

様々なフェア商品やバリューランチの投入など積極的な施策が功を奏した。

 

ただ、やはり今回のマクドナルドの事例だけではないが、
飲食店経営における「食の安心・安全」を会社としてガバナンスすることの重要性を改めて再確認させられた。

 

皆様のお店の経営におかれましても衛生管理や従業員の体調管理なども含めて「食の安心・安全」を高いレベルで
提供できるように改善を進めていただければと思います。

 

外食産業全体としては横ばいの市場成長であるが、
一方でファストフードやテイクアウトと言ったジャンルの成長は今後もまだまだ活発化しそうである。

 

ファミリーレストランチェーンや居酒屋企業らのファストフードマーケットへの参入が増えてきた。

 

カツ丼や天丼業態への参入が目立ち、
今後もファストフードマーケットは様々なプレーヤーが参入し、多様化が進みそうである。

 

一方、人材採用難は今後もますます進行していくことが確実です。

 

東京都のあるエリアの外食関連の有効求人倍率は8倍超を記録しました。

 

地方都市でも外食関連の有効求人倍率は3倍を超えるところが散見されます。

 

いかに人が定着する労働環境を整えるのかがますます重要になってきています。

 

パートアルバイトへの感謝祭の実施、社員の休日日数増、休日取得率アップ、職場環境におけるコミュニケーション改善、
脱長時間労働などなど、人の定着率が高まるような取り組みを導入していくことが、今後も持続的に飲食店経営を続けて
いく上では非常に大切なことですので、皆様のお店でも取り組みを始めてもらえればと思います。

 

店舗への集客マーケティングの媒体として、WEBの活用で成果を出すお店が地方やロードサイドでも増えてきました。

 

私達の会員企業でもWEB活用で成果を上げられるお店が続出しており、
今後もWEB媒体の重要性はますます高まっていくでしょう。
また、自社の採用サイトや店舗サイトの「モバイルフレンドリー化」が急務になってきました。

 

PCで閲覧することを前提に作られたサイトは、今後ますます価値が低下して(=見られなくなる)行きますので、
全てのサイトをスマートフォンで閲覧したときに見易い作りに変更していくことが必須となります。

 

ぜひ、これらの作りこみを年明け早々から動き出してもらえればと思います。

 

ざっと、2016年のトピックスを取り上げましたが、少しでも皆様の飲食店経営のヒントになれば幸いでございます。

 

フードビジネス支援部メンバー一同、皆様のお店の繁栄を心より祈念しております。

 

今年も1年、当サイトコラムをご愛読ありがとうございました。

 

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

二杉 明宏 2016年12月27日

執筆者
フード支援部/上席コンサルタント
二杉 明宏
プロフィール
飲食店経営における現場チェックの重要性
外食
2016/10/13
飲食店経営における現場チェックの重要性

皆様は自店の現場チェックをどのような頻度で行っていますか?
私たち経営コンサルタントには「診断」という業務がございますが、
その内容は、「外部環境診断」と「内部環境診断」という二つから成ります。

 

飲食店経営における“外部環境”とは、
大きな業界動向や、自店舗商圏内の他店舗の動向等をしっかりと把握することです。
特に勉強熱心な飲食店経営者は「外」を見ることに時間を割かれています。
外をみないと、正しく時流を把握することは出来ません。
飲食店経営においての重要な項目です。
 
しかし一方で、自社や自店の“内部環境”を客観的にチェックすることには、
意外に時間が割けていなかったりします。
今年、当社のグレートカンパニーアワードを受賞された、
株式会社 玉寿司(本社:東京築地)の中野里(なかのり)社長は、
自社内部の動向確認を定期的に行われています。
 
玉寿司は東京を中心に、北は北海道札幌から西は名古屋まで店舗展開されていますが、
中野里氏は半年に一度、全店舗を自分自身の目で確認するために臨店を実施されます。
そして、一店一店社員と面談を行い、まかないを一緒に食べるという時間を大切にされています。
 
また、月に一度は本部スタッフが全店舗を巡回し、
店舗の営業状態をチェックし、レポートとして報告を上げられます。
また店舗とのつながりを重視し、毎週月曜日には全店舗を回線でつなぎ、
全店舗合同の一斉朝礼を実施されます。
 
これらの取り組みにより、トップ自身が現場を正しく把握する機会を大切にし、
現場とダイレクトにコミュニケーションを取る機会も設けることによって、
現場でのブレ幅を無くす努力をされています。
 
飲食店経営においては、どんなに時流に適応した戦略を立てられたとしても、
自社の内部環境が整っていなければ、その戦略は絵に描いた餅でしかありません。
 
ぜひ、皆様の飲食店の経営におかれましても、
今一度、自店の「現場チェック」という機会を大切にしていただければと思います。
 
現場チェックの際に出来ていないことがあった場合、
これは、“たまたまその時だけ”起こったことではなく、“常に現場で起こっていること”。
それが氷山の理論です。
 
現場力というのはどんなお店でもまだまだ高まる余地や伸びしろが必ずあります。
ぜひ、皆様の会社におかれましても「現場チェック」を重要視していただければと思います。
 

執筆者
フード支援部/上席コンサルタント
二杉 明宏
プロフィール
飲食店経営における業態転換による業績向上法
外食
2016/9/01
飲食店経営における業態転換による業績向上法

飲食店経営において、
行き詰った店舗の業績向上を早期に実現しなければならない場合、
「業態転換」という手法がしばしば採用される。
 
以下は業態転換が必要になる典型的なケースである。
 
1)競合店の出現により、損益分岐点を大きく割り込み赤字転落した場合
2)既存業態そのものが陳腐化し、メニュー変更等ソフト面のテコ入れだけでは業績改善が望めない場合
 
一方、業績の不振や悪化が、そもそもの立地要因や物件要因に起因する場合は、
業態転換でなく、撤退をすべきケースもある。
また、「業態の選択」自体には間違いがないにも関わらず、
内部の実行の精度やオペレーション要因などによって、
業績不振を引き起こしている場合は、
飲食店の運営改善や経営マネジメントの精度アップによって業績向上を図るべきである。
よって、業態転換を実行する前に、
業績不振の原因を正しく特定する必要がある。
 
ひとつのブランドを長く経営することは非常に効率的であるため、
基本原則は「本業墨守」のスタンスであるべきだと私は思うが、
自社の取り組みではどうしても成果を出しにくい経営環境(外部環境の変化、内部環境の変化)に
なってしまった場合は、やはり業態転換は必要になる。
 
では飲食店の業態転換を成功に導くためには、
どのような視点が必要になるのだろうか?
 
まず必要なのは「モデルを明確にする」ことである。
自社ならではの独自固有の長所を宿した業態を作り、
独自固有の長所を育むことは非常に重要である。
 
しかし、時流に適合したモデル店舗を発見し、
そのモデル店舗から繁盛の要素を抽出し、
それらのエッセンスを骨組みとした上で、
自社の独自性を肉付けつけたほうが、
飛躍的に経営の成功確率は高まる。
 
そして「モデルを明確に設定する」にあたって、
注意しなければならないのがモデルの成立要件の把握である。
よく失敗するケースとして挙げられるのが、
「東京で繁盛している、かっこいい飲食店を見つけてきて、
地方でアレンジをせずにそのままモデルとして業態開発するケース」である。
モデルの成立条件を見誤ると業態転換は失敗する。
 
またその逆に、モデルの設定自体は間違っていないが、
「アレンジの仕方」を間違い業態転換に失敗するケースもある。
例えば、現在アルコールマーケットにおいて成功確率の高いビジネスモデルとして、
「肉バル」や「魚系大衆酒場」等があるが、
これらのモデルを選択しているにも関わらず、成立条件を見誤り開発に失敗したり、
モデルの選択は正しいにも関わらずアレンジの仕方を間違った結果、
成果が出ないということは街中を歩いて見ていてもよく見受けられる。
 
モデルを明確に設定するにあたっては、そのモデルの成立条件を正しく見極めた上で、
商圏人口や外部環境に応じた適切なアレンジを加えることが大切である。
 
飲食業界は成熟期であり、さらにライフサイクルのスピードも速いため、
「業態転換による業績向上法」は多くの飲食店で今後ますます必要になる。
今回述べた視点を参考にしていただければと思います。
 

執筆者
フード支援部/上席コンサルタント
二杉 明宏
プロフィール
いま繁盛する飲食店になるために必要な2つのキーワード【 専門店×コスパ 】
外食
2016/7/22
いま繁盛する飲食店になるために必要な2つのキーワード【 専門店×コスパ 】

飲食店経営において繁盛するために最も大事なことは「時流適応」です。
 
では、いまの飲食店経営における「時流」とは【 専門店×コスパ 】です。
一般的に新しい業態は時間が進むほどに、ハイコスパな業態となっていきます。
例えば焼肉店の主役となってきた業態の変遷を見ていくと、
1990年代に「輸入牛肉を使いカルビを500円前後で売る焼肉店」が登場し、
一気に新興チェーンが躍進しました。
 
その後、市場規模がピークに達し、そこから「差別化」が必要な時代を迎えます。
輸入牛肉をさらに安く売る店が登場したり、国産牛や和牛を使用し、
高品質な牛肉をリーズナブルに売るお店が登場します。
さらにそこからハイコスパ化が進み、ここ近年は食べ放題焼肉店が大躍進しました。
このように飲食店経営を中長期的に成功させ続けるためには、
予め時間の進行とともに到来する「ハイコスパ化」に備えることが重要です。
 
次に、飲食店経営において今後益々重要になるキーワードは「専門店」です。
お客様の成熟化が進むと、より専門性の高い店舗で食事をするようにシフトしていきます。
この点は居酒屋業界が非常にわかりやすい変遷を歩んでいます。
1970年~1990年あたりまでの市場が急激に成長していた時期の主役だった業態は「総合型居酒屋」です。
養老の滝、和民、天狗、などなど大手チェーンが勃興します。
刺身もあり、焼鳥もあり、なんでも揃う品揃えが総合的な居酒屋が主役でした。
その後、市場の成長がストップし「差別化」が必要な時代に入ると、
「安売り店」や「専門店」、「おしゃれ店」が登場します。
さらにその後時代が進むと、「専門店」は繁盛の必須の条件となっていきます。
いま最も元気な居酒屋企業の代表は鳥貴族さんだと思いますが、
鳥貴族さんは「焼鳥専門店」であり、非常に「ハイコスパ」な業態です。
またバルも現在は食材に専門性を持たせた「肉バル」などの専門店型のバルが繁盛します。
 
ファミリーレストランでも現在躍進しているのはブロンコビリーさんですが、
ステーキとハンバーグの専門店型ファミリーレストランです。
このように飲食店経営において時間軸の進行とともに進むのが「ハイコスパ化」と「専門店化」です。
この2つの視点を持って業態開発することが持続力のある飲食店経営につながっていくのです。

【 専門店×コスパ 】という視点で業態開発にチャレンジいただければと思います。
 

執筆者
フード支援部/上席コンサルタント
二杉 明宏
プロフィール