経営コンサルタントのお役立ちコラム | 船井総研 フード支援部

経営コンサルティングの船井総研 フード支援部
フード支援部/上席コンサルタント
二杉 明宏

外食産業におけるコンサルティング活動に従事。業態開発、新規出店、多店舗展開、既存ブランドのブラッシュアップによる持続的な企業業績向上のプロデュースを得意とする。

【3月スタート(予定)いま注目の補助金】外食企業が活用できる「事業再構築補助金」とは?
外食
2021/2/07
【3月スタート(予定)いま注目の補助金】外食企業が活用できる「事業再構築補助金」とは?

令和2年度3次補正予算案にて、中小企業等事業再構築推進事業の実施が採択される見込みとなっており、「事業再構築補助金」の募集が開始される予定となっています。
(2021年2月現在)

本コラムでは、事業再構築補助金の活用について、中小・中堅企業の飲食企業の場合を特に想定しながら、制度の概要説明、補助金の制度を活用した業態転換モデルについて解説していきます。

 

 

1事業再構築補助金とは?

事業再構築補助金とは、「新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す、以下の要件をすべて満たす企業・団体等の新たな挑戦を支援」することを目的とした補助金となっています。

新型コロナウイルスの感染拡大により、経営に損失を受けた企業を対象として、
新たな業態への転換を補助するための補助金制度となっています。

補助枠は最大で1億円のパターンもあり、予算は1兆円を計上するなど非常に大規模な補助金制度となっています。

 

1-1、 対象条件

今回の補助金は中小企業基本法における中小企業の定義に当てはまる企業を対象とした補助金となっています。
加えて、後ほどまとめております申請条件を満たしている必要があります。
新型コロナウイルスによる売上低下など過酷な経営状況に陥っている企業様にとって、今後、新たな事業を進めていく上での強力な後押しとなる補助金制度となっています。

 

 

1-2、補助金枠の説明

補助金の補助対象金額については、以下のようになっています。

【通常枠】
100万円~6,000万円
補助率が最大で3分の2

【卒業枠】
6,000万円~1憶円
補助率が最大で3分の2となっています。

 

1-3、申請条件

補助金の申請条件としては以下が挙げられています。

1.申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。
2.事業計画を認定支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等。
3.補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。

 

1-4、成果目標 

今回の事業再構築補助金では、成果目標の設定が求められます。
成果目標としては、付加価値額の向上が求められます。

具体的には、
補助事業終了後3~5年で
付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上の増加、
または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成
となっています。

ここでいう付加価値額とは、現段階では営業利益、人件費、減価償却費を足したものと定義する想定となっています。

2.補助金適用対象の参考例や補助対象経費の例

2-1.補助金適用対象の参考例

・喫茶店経営
⇒飲食スペースを縮小し、新たにコーヒー豆や焼き菓子のテイクアウト販売を実施。
・居酒屋経営
⇒オンライン専用の注文サービスを新たに開始し、宅配や持ち帰りの需要に対応。
・レストラン経営
⇒店舗の一部を改修し、新たにドライブイン形式での食事のテイクアウト販売を実施。
・弁当販売
⇒新規に高齢者向けの食事宅配事業を開始。地域の高齢化へのニーズに対応。
飲食企業に関連のものとして、現在、上記4点が補助金活用の参考例として挙げられています。既存店のリニューアルや、新たな取組みをはじめる際にも活用できることが示唆されており、今回の補助金の想定する適用範囲が非常に幅広いことが分かります。

 

2-2.補助対象経費の例


建物費、建物改修費、設備費、システム購入費、外注費(加工、設計等)、研修費(教育訓練費等)、技術導入費(知的財産権導入に係る経費)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)等
【注】補助対象企業の従業員の人件費及び従業員の旅費は補助対象外です。
ということで、こちらの参考例では、特に飲食店がリニューアル、または新しく店舗を立ち上げる際にも活用できることが示唆されています。いままでのコロナ以前のやり方では存続が難しい飲食業界ですが、これを契機にぜひニューノーマル時代に合ったビジネスモデルへと転換していきましょう。

 

3.ニューノーマル時代の外食ビジネスモデル(例)

3-1.生餃子のテイクアウト機能を持った餃子専門店

機械製造による効率化と餃子の自社製造による低原価化によって「40個1000円(税抜)」のコストパフォーマンスで集客する餃子専門店です。郊外ロードサイドやベッドタウンでの「生餃子のお持ち帰り専門店」や、「テイクアウト機能付きの定食業態」など、立地や物件規模によって展開可能です。

<関連する 2021年3月開催 WEBセミナーはこちら>
「餃子が主力のビジネスモデル大公開WEBセミナー2021春」
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/069127

 

3-2.焼肉店

郊外でも駅前でもコロナ禍中においても「焼肉店」は好調です。特に好調な焼肉業態は、駅前の「大衆焼肉」と地方郊外の「特急レーン焼肉」です。「大衆焼肉」は「国産牛カルビ380円(税抜)」、全卓設置のレモンサワーサーバーを使った「レモンサワー飲み放題60分500円(税抜)」を集客力とし、18坪~50坪以上と小さい規模から大きい規模まで柔軟に展開可能です。「特急レーン焼肉」は100席以上の大箱の業態で、特急レーンによって料理提供を行うことで省人化し、人件費を抑えたビジネスモデルです。月商2,500万円を超える事例も登場しております。

<関連する 2021年3月開催 焼肉WEBセミナーはこちら>
【webセミナー】焼肉店経営戦略セミナー2021
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/069720

 

3-3.ファストカジュアル(付加価値付きファストフード)


ファストカジュアルとは、ファストフードと接客サービス付きレストランの中間にあたるポジションを取る業態で、セルフサービスの要素を持ちながら、質の高さも兼ね備えた飲食店モデルです。『付加価値付きファストフード』と言えるものです。
ファストカジュアル業態に盛り込むべき付加価値の要素として、わかりやすいのは、オープンキッチンによる調理実演です。調理場を見せることで、お客様に安心感や楽しさ、美味しさ感を与えること付加価値となります。目の前で「できたての料理」を作り、「できたて」が食べられるということは大きな付加価値として、大手ファストフード店との差別化にも繋がります。
ファストフード市場は、新型コロナウイルス感染症が流行する以前からも成長マーケットでしたが、コロナ禍を受けて自宅での消費ニーズが高まり、それに対応できるテイクアウト売上の伸長が強みとなっています。

<個別無料経営相談はこちら>
https://www.funaisoken.co.jp/form/consulting

3-4.4毛作を実現する大衆専門店酒場


テイクアウトやデリバリーといった中食対応、ランチによる店内飲食で、売上を作り、夜は地元客、少人数の日常の飲み動機を獲得し、4毛作を実現する大衆専門店酒場が注目です。企業の宴会需要やグループでの集まりが無くなる中で、多用な利用動機を獲得できる新たな居酒屋モデルとして転換を図るものです。地方駅前立地などでも成功事例が登場しております。

 

<関連する 2021年3月開催 WEBセミナーはこちら>
コロナ禍でも売上回復が早い大衆酒場ビジネスセミナー

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/068412#

 

船井総研フード支援部では、ニューノーマル時代に合った飲食店ビジネスモデルを立地×業態別にご提案しております。さらに直近開催するWEBセミナーでは、これらのビジネスモデルについての解説とともに、受講したあとに「コレだ!」と分かる、明日からの飲食店経営に活かせる提言を最新の成功事例を交えてお伝えしております。

また事業再構築補助金活用についてもアドバイスさせていただきますので、ぜひこの機会に、お手持ちのPC・タブレットがあればどこからでも参加できる、弊社のWEBオンラインセミナーにご参加くださいませ。

またお急ぎで事業開発、事業再構築に着手を検討されている方は個別の無料経営相談(オンライン)も対応させていただいておりますので、ご活用いただければと思います。

<個別無料経営相談>
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執筆者
フード支援部/上席コンサルタント
二杉 明宏
プロフィール

飲食店における配膳ロボットの活用方法、導入事例を解説!
外食
2020/11/09
飲食店における配膳ロボットの活用方法、導入事例を解説!

 

 

1.ウィズコロナ時代における配膳ロボットの必要性

 

外食業界では新型コロナウイルスによる経済的な損失を大きく被っています。多くの飲食店が緊急事態宣言発令後、そして夏の第二波発生の際に大きく売上を落としました。現在、「Go To Eat」キャンペーンの効果もあり、多くの飲食店で売上は回復の傾向が見られますが、キャンペーン終了後の消費低迷やコロナ第三波の発生リスクなど、まだまだ予断を許さない状況です。

 

飲食店経営というのは「売上を作るためには【人】が必要」なビジネスです。しかしながら売上の推移がなかなか読めない今の状況下において、人を多く配置するということは経営的な観点ではなかなか難しい状況でもあります。このような状況下でいま注目されている製品が「配膳ロボット」です。

 

配膳ロボットとは文字通り、飲食店における料理提供(=配膳業務)を担ってくれるロボットです。配膳ロボットが料理提供を担ってくれることによって、人の配置数を減らすことが可能となります。コロナ禍中において安定的な売上が読みにくい状況下においては、経営的な観点からも非常に有難い存在です。

 

 

2.配膳ロボット導入のメリットとは?

 

実際に配膳ロボットをわれわれのクライアント企業の店舗でも導入していただいたところ、様々な効果を実感いただけました。導入企業は席数が多い焼肉店をチェーン展開していますが、非常に多くの配膳回数が必要です。そこで配膳ロボットを導入したところ、ピークタイムには30回/時間を超える配膳回数をロボットが代行してくれました。その結果、人が担う配膳業務が軽減され、多くの業務時間の削減効果が得られました。

 

また、配膳という「運搬業務」をロボットが担うことによって、人は「人にしかできない接客業務」に時間を割けるようになりました。まさに「人とロボットの共生」という新しい時代の店舗オペレーションが実現できました。副次的な効果は他にも多々ありますが、配膳ロボットの導入によって「顧客満足度」を上げることが可能となった点が最も大きな効果であると思います。

 

今回導入した配膳ロボットはソフトバンクロボティクス社のもので、4時間の充電で10時間程度の連続走行が可能です。導入店舗では1日あたり約7㎞の走行を担ってくれましたが、「疲れた顔は一切見せずに」黙々と仕事を担ってくれます。また導入した配膳ロボットにはAIが組み込まれており、店舗レイアウトをロボットが覚えます。店舗レイアウトの暗記に必要な時間は3時間程度ですので、長時間の設置施工作業も不要です。

 

レイアウト暗記完了後は、人はロボットに「〇番テーブルに運んで」とタッチパネルで指示を出すだけです。ロボットには重量センサーがついており、積んでいった皿が無くなると、自動でデシャップ(ホームポジション)に戻ってきます。また衝突回避センサーがついており、人とロボットのすれ違い、障害物の回避も非常にスムーズに行います。このような性能が搭載されているために、導入店舗では初日から大活躍してくれました。

 

このようなロボットですが、月額費用は10万円程度ですので、1日10時間稼働してもらうと、時給換算で約300円ほどになります。配膳ロボットの活用によって生産性向上を実現でき、さらに、人は人が本来やるべき接客業務に多くの時間を割くことが可能となるため、顧客満足度の向上も同時に実現可能です。またより接客好きなスタッフが活躍できる機会が増えるため、従業員満足度も向上します。これらが配膳ロボットの導入によって得られるメリットです。

 

3.最新の導入事例をご紹介!

 

今回2020年頭に実証実験を行った私たちのクライアントでもある焼肉チェーン「焼肉きんぐ」では2021年1月から順次店舗へ導入を進めていきます。また私たちの運営する研究会(外食業界の経営者が全国から集まる経営に関する勉強会)の会員企業や全国各地のご支援先(クライアント)でも早くも導入の意思決定をされているところが現時点で10社以上いらっしゃいます。

 

配膳ロボットが活躍する環境としては、一定の通路幅が確保されており、床面がフラットであることが必須です。段差のあるフロアではロボットは走行することができません。また席数が多く、配膳業務の多い店舗ほど、活動量(=費用対効果)は高まります。

 

一方で、「下膳」にも本ロボットは活用が可能です。私たちのクライアントでは配膳は「特急レーン」で行い、空き皿の改修をロボットが担うという【機械×ロボット】の分業体制を想定して、導入を予定している飲食店もあります。

 

来年以降「既存店に配膳ロボットを導入」していくというアプローチも沢山増えてくると思いますが、さらに一歩踏み込んで「ロボットの走行を前提としたレイアウト開発」も出てくるでしょう。厨房とホールの段差の解消や、人とロボットが共存しやすい環境、システムを設計段階で盛り込んだ店舗開発、新業態開発をすることで、さらに生産性の高いビジネスモデル開発が可能となります。私たちも積極的に開発していきたいと思っておりますので、ぜひ皆様もご注目いただければと思います。

 

 

4.船井総研でできること

 

今年は新型コロナウイルスの影響で非常に大きなダメージを受けた外食企業、飲食店が多い年となりました。今回を機に「事業の継続性」「さらなる生産性の向上」というキーワードは一層高まりました。

 

一方でデジタル技術の発展、ロボット技術の発展の顕著で、これらの新技術を上手に活用した企業経営、店舗運営が可能となってきています。日本は少子高齢化という社会課題を抱えていますが、保守的にならず、変化革新にチャレンジする企業やお店が次代を担う存在になるとわれわれは思っております。

 

コロナ禍は今までの経営やビジネスモデル、店舗運営のあり方、これからの人(ならでは)の活躍のあり方を大きく見直さざるを得ないきっかけになったと思います。ぜひ次のステップで皆様の経営を見つめなおしていただければと思います。

 

 ①不況や不測の事態にも事業継続するための「自社の強み」の再確認、構築、強化

 

 ②既存事業、既存オペレーションへの新技術(デジタル、ロボット等)の導入

 

 ③新常態(ニューノーマル)時代に売上・利益を生み出せる新ビジネスモデル開発

 

 ④生産性を2倍化するための次代の「人材開発のあり方」の再定義

 

上記テーマを推進するためのご支援を行っておりますので、ぜひお声かけいただければと思います。

 

(経営に関するご相談はこちら)

https://lp.funaisoken.co.jp/mt/funai-food-business/biz-eat-out-inquiry.html?_ebx=hs7414phw.1586094846.7crficg#_ga=2.224087899.1163087667.1600914346-757286656.1600062476

 

(業績アップノウハウ集はこちら)

https://funai-food-business.com/biz-eat_out/free_text/

執筆者
フード支援部/上席コンサルタント
二杉 明宏
プロフィール

フードビジネス.com
2020/7/06
「テイクアウトにも強いファストカジュアル業態」

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船井総研 フード支援部
■外食グループ発!■
「船井流 飲食店繁盛メルマガ」
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いつも当コラムをご愛読いただき誠にありがとうございます。
今回、全7章のコラムを担当させていただきます、船井総研 フード支援部の二杉明宏です。
コロナに強い飲食店ビジネスモデルの作り方をお伝えさせて頂きますので、
長文で恐縮ですが、ご一読のほどお願いいたします。
 
■第1章「近年成長し続けるファストフードとテイクアウト市場
 
外食産業にとって、「新型コロナウイルス感染症」の拡大が大きな逆風になっています。これまでも日本の外食業界はリーマンショック(2008年)や、東日本大震災(2011年)などの困難を経験し、その都度乗り越えてきましたが、今回の影響はリーマンショックなどの比ではありません。

 緊急事態宣言解除後も尚、人の流れが戻るまでには相当な時間がかかることが予想され、多くの飲食店が大幅な売上減に苦しむだけでなく先行きの不安を強く抱いていることと思います。

 このような状況下においても成長が続いている市場がファストフードとテイクアウトです。消費需要のパーソナル化が進み、利便性の良さが最優先で求められる流れは恐らく今後も続きますが、この両市場はともに条件ニーズを満たしています。

 ファストフード市場の魅力は、そもそも市場が成長しているということと、新型コロナウイルス禍中にあって成長が加速しているテイクアウト市場の両市場をカバーできるという点です。

 テイクアウト市場の強みは、外出の自粛要請によって多くの飲食店の売上が無くなる中で急成長している「巣ごもり需要」を獲得出来ている点です。ネット通販にしても、テイクアウトやデリバリーにしても、新型コロナウイルス感染症が始まる以前から、すでに成長トレンドであり、特に中食市場は昨年の消費税増税による軽減税率制度の導入に伴って、フォローの風が吹いています。フードデリバリー専門の配達業者も増加し、チェーンをはじめとする飲食企業では、テイクアウトやデリバリーを大きく打ち出す店も出てきています。

 この流れは、ウイズコロナ(コロナと共にという意味)期においても継続成長すると考えられます。今ある経営資源を生かして、テイクアウトやデリバリーに進出する道を、積極的に探求することが時流に乗った経営判断と言えるでしょう。
 
■第2章「アフターコロナ時代におけるこれからの飲食店経営のポイント」
 
 事業が成長軌道に乗っているときは、効率よく成長できるため経営資源をその分野に集中しがちです。外食産業は東日本大震災以降の10年近く、今回のような不確定要素による大きな波もなくいわば安定的な時期を過ごしてきました。そのため、経営におけるリスク分散という視点が弱くなっていた会社様も多いのではないでしょうか?

 過去、2001年にBSE(牛海綿状脳症=狂牛病)が発生したとき、焼肉業界は深刻な打撃を受け、東日本大震災のときは特に東北エリアの店舗が危機的な状況に陥ったことからも伺えるように、単一業態での展開や同一エリアのみでの出店は、こと飲食業界においてはリスクが高いです。

 そして、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大も、インバウンドや大規模宴会へ過度な依存をした場合のリスクが浮き彫りにしました。そういった観点から見れば今この瞬間こそが、今後想定外の出来事が起きても「事業の継続性(BCP)」を担保できるように、リスク分散の観点で経営を見直す機会と言えます。

 現在起こっている「消費者の行動変容」を観察し、事態収束後の世の中を想像すると、次のビジネスの展開が見えてきます。例えば、出勤自粛やリモートワークなどこれまで限定的だった動きは、コロナ収束後も定着化する可能性が高いです。オフィス街や繁華街での宴会などは、オフィスに出勤してこその需要であり、このような立地の飲食店はコロナ収束後も完全な需要回復になるかどうかが不透明です。

 こうした変化を踏まえ、自店・自社の強みを生かして、新たな収益の柱を模索することが、今求められており、それを構築することができればリスク分散や事業の永続性に繋がります。具体的な提言としては、思い切って事業展開立地をシフトすることです。
  
 Ex.)繁華街SC ⇒ ローカル路面へシフト
    一級都市(東京など)⇒ ローカル都市へシフト
   繁華街空中階⇒郊外ロードサイドへシフト
 
■第3章「近年成長を続けるファストカジュアル業態とは?」
 
繁華街SCからのローカル路面立地へのシフト、一級都市(東京など)からローカル都市へシフト、繁華街空中階から郊外ロードサイド立地へシフトといった、「立地シフト」が必要になりました。そして、「立地シフト」に伴って、どのような新業態開発を進めるのがこれからの「時流適応」と言えるのでしょうか。

 その答えの一つとして注目なのが、テイクアウトにも強い「ファストカジュアル業態」です。

 ファストカジュアルとは、ファストフードと接客サービス付きレストランの中間にあたるポジションを取る業態で、セルフサービスの要素を持ちながら、質の高さも兼ね備えたモデルです。私たちは『付加価値付きファストフード』と呼んでいます。

 ファストカジュアル業態に盛り込むべき付加価値の要素として、わかりやすいのは、オープンキッチンによる調理実演です。調理場を見せることで、お客様に安心感や楽しさ、美味しさ感を与えること付加価値となります。あらかじめ作り置きしたものを提供する従来のファストフードとは一線を画し、目の前で「できたての料理」を作り、「できたて」が食べられるということは大きな付加価値として、大手ファストフード店との差別化にも繋がります。

 第1章でも触れたように、ファストフード市場にしても、テイクアウト市場にしても、新型コロナウイルス感染症が始まる以前からも成長トレンドでした。ファストカジュアル業態の最大の魅力は、新型コロナウイルス禍中にあって成長が加速しているこの両市場を“両取りできる”という点です。その成長市場の中において長寿ビジネスとするためには「わかりやすい差別化」が必要なのです。
 
■第4章「高い生産性を実現するためのビジネスモデルの作り方」
 
飲食業界を取り巻く背景としては、短期的にはコロナ禍で有効求人倍率は低下しているものの、中長期的には少子高齢化が進む日本において、生産性の高いビジネスモデル開発は今後も重要です。従来から飲食店の課題の1つとなっていた生産性向上の仕組みづくりは、この機会に本格的に注力していくべきだと思います。

 ファストカジュアル業態を開発する上で、高生産性ビジネスモデルへ昇華させるための成功ポイントは「専門店」の顔を持たせることです。専門店シフトはこれからの飲食店経営において非常に重要な戦略となります。何故なら専門店として開発するということは、必然的に調理オペレーションや食材マネジメントがシンプルになるということを意味するためです。

 総合型居酒屋のように様々な調理ラインを持ちながら、幅広い食材を抱えながらの営業を行うスタイルにおいて、生産性を高めることは至難の業です。「専門店」として新規業態開発を行うことで、調理ラインは縮小され、仕込み負担も軽減され、食材の管理もシンプルになるのです。オペレーションがシンプルになるためアルバイト中心の運営が可能となり、人件費も低く抑えることが出来ます。

 また、設備面に関しては、来店客のスマホで注文するモバイルオーダー、タッチパネルを使ったオーダーシステム、券売機の導入、厨房や配膳の機械化などを検討するなど、デジタルや設備への投資も必要です。

 店内レイアウトという観点では、差別化という観点での「できたて訴求(=調理実演)」に加えて、料理提供やバッシングなどをお客様にセルフでやっていただく方式にするなど、高い生産性を実現する店舗レイアウト設計にチャレンジしてみるのも良いでしょう。

 これからの飲食店経営において重要な視点になるのは「専門店」の顔を持たせることです。「専門店」の顔は集客力を高めるのみならず、オペレーションをシンプルにすることにつながるため、業態コンセプトに組み込むべき非常に重要な視点です。
 
■第5章「地方ロードサイド立地での業態開発で押さえるべきポイント」
 
地方ロードサイド立地での業態開発で重要になってくるのが立地と店頭です。キーワードは、店頭視認性の高さと固定費の低さです。

 店頭視認性の高さは、集客力に直結します。可能な限り看板は大きな面積で製作し、車を運転しながら、100m手前からでも一目で何屋さんなのか?予算感はいくらくらいなのか?がわかりやすい店頭づくりが重要です。また、ファストカジュアル業態は昼夜同一メニューで集客を図る業態ですので、店頭看板の照度は他店と比較した時に目立つ明るさで通行客へアピールすることが重要です。

 固定費は低いほうがその後の運営が大きく楽になるので初期投資は抑え、家賃は相場よりも安い条件を選択したほうが、経営資源をフード原価(集客につながるコスト)に投入しやすくなりますし、損益分岐点も低くなるため重要です。コロナ禍によって、賃料交渉はしやすくなっているため、郊外にはチャンスがあると思います。ただし、飲食店ビジネスにおいて、特にファストカジュアル業態においては立地は重要な要素ですので、商圏内において良い立地エリアの中で妥協せずに物件は探索いただきたいと思います。

 また、郊外ロードサイド立地での業態開発の際に気を付けたいポイントとして、お客様からの比較対象として大手ナショナルチェーンが競合ライバル店に挙がってくる点です。対策としては、規模や資金力で上回る大手他社に対して、大手がやりきれない(嫌がる)戦略を1点突破で突き詰めることで、大手に包み込まれない独自のポジションを構築することが、中小企業の勝ちパターンになります。つまり「差別化」が組み込まれた業態コンセプトを作ることが大切です。
 
■第6章「成長市場の中での大手チェーンとの差別化ポイントの作り方」
 
 大手チェーンとの差別化として、「調理ライン」と「高付加価値」がキーワードとして挙げられます。

 第4回のメルマガでも触れたように、調理オペレーションや食材マネジメントをシンプル化させるためには、調理ラインを絞り込む必要があります。大手チェーンは多店舗展開を前提として業態を開発することもあり、そのほとんどがマーケットサイズの大きな業態である「から揚げ専門店」や「とんかつ専門店」など、調理ラインが1つだけの専門店となっています。

 私たちがご提案するファストカジュアル業態は、この調理ラインを2つ持たせることで「差別化」「大手とのわかりやすい違い」をつくり出しています。その際、マーケットサイズの大きなメニューラインに加えて、顕在化していないものの潜在的な消費ニーズが存在する専門店のメニューラインを付加することで、「独自固有の専門店の顔」を作り出すことが可能となります。

 また、大手チェーンがやりたがらないという意味では、オープンキッチンでお客様の目の前で調理実演の要素を加えたり、チルド食材を使うなど、お客様にとっては価値ではあるが、大手チェーンはやりたがらないことは事業の長寿化につながる大きな差別化ポイントになります。

 付加価値の高い商品を「客単価1,000円以下」の価格ゾーンに設定することで、ファストフードともホールサービス付きレストランとも異なりポジショニングが可能となります。「事業立地の転換」という観点で皆様の今後の成長事業として研究いただければと思います。
 
■第7章「まとめ」
 
新型コロナウイルスの影響によりイートイン中心の飲食事業への売上回復については、やはり立地や業態によっては時間のかかるもの、今後の売上回復がなかなか見込みにくい利用動機や時間帯も現実的にはあるかと思います。

 ファストフード市場はコロナ前から成長市場でありましたが、今回を機によりテイクアウトの比重を高めながら伸びていくと思われます。

 この成長市場において大手チェーンと差別化を図りながら事業展開する上で注目したいのがファストカジュアル業態です。

 ファストカジュアル業態とは大手牛丼チェーンや、ハンバーガーチェーンといったファストフード事業より少し上の価格帯で付加価値をつけながら商品提供する業態をいいます。

 実際に今年3月には地方ロードサイド立地で不振・赤字化したステーキ店をとんかつ・豚丼を柱にしたファストカジュアル業態に業態転換し、黒字転換に成功された会員企業があります。

 コロナ禍においては、イートインを制限せざるを得ない期間もありましたが、やはりテイクアウトの需要を獲得できるため、ダメージは最小限度に留めることができました。

 また、「専門店」形態であるため、キッチンオペレーションが非常にシンプルです。さらに従来のレストラン業態では必要だったホールスタッフの業務を「お客様にやっていただくセルフスタイル」とすることで省人化を図っているため、店全体の運営人数を最小限にて継続することが可能です。これらによって、低損益分岐点構造の事業モデルとなっていることで、コロナ禍においても黒字確保が可能となっています。

 胃袋の消費地が、自宅近く、地元で、ローカルで、といった立地シフトが起こっている中で、さらに、より気軽に美味しいものを食べたいというお客様ニーズに対応した「ファストカジュアル業態」についてぜひ注目し、研究してみてくださいませ。
 

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【webセミナー】コロナに強い飲食店ビジネスモデルの作り方(お申込みは、詳細はこちらから⇒https://www.funaisoken.co.jp/seminar/062918/)

■セミナー会場
オンライン開催×3日程(PCがあればどこでも受講可能)
2020/07/28 (火)16:00~17:30
2020/07/30 (木)16:00~17:30
2020/07/31 (金)16:00~17:30

■参加料金(税抜)
・一般価格 10,000円 (税込 11,000円)/ 一名様
・会員価格 8,000円 (税込 8,800円)/ 一名様

■このような方におすすめ
・不振店化した飲食店で業態転換を検討している経営者様
・少子高齢化時代にも持続可能な生産性の高い新規事業を探している経営者様
・アフターコロナに成長させたい新規事業を探している経営者様
・不景気にも強い集客モデルを探している経営者様
・テイクアウトを取り込める新しい飲食店ビジネスを探している経営者様

■本セミナーで学べるポイント
・アフターコロナ時代におけるこれからの飲食店経営のポイント
・近年成長を続けるファストカジュアル業態とは?
・高い生産性を実現するためのビジネスモデルの作り方
・地方ロードサイド立地での業態開発で押さえるべきポイント
・成長市場の中での大手チェーンとの差別化ポイントの作り方

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執筆者
フード支援部/上席コンサルタント
二杉 明宏
プロフィール

フードビジネス.com
外食
2020/4/24
飲食店の新型コロナウイルス対策まとめ【資金調達から売上アップ対策まで】

この記事では、新型コロナによって変化した人々の需要を確認し、今後もお店を守るために、資金調達や休業の方法、テイクアウトやデリバリーへの対応など、具体的な対策を解説します。また、アフターコロナに向けた新たなビジネスモデルもご紹介します。

※こちらは4月23日時点での情報ですが 常に情報が更新されますので、適宜チェックをオススメ致します。※

 

<目次>

1.新型コロナによる飲食業に与える影響

 

1.1 大手外食チェーンの月次の業績発表から見る直近の傾向

1.2 緊急事態宣言の発令後の人の動きの変化

1.3 テイクアウトやデリバリー、通販は需要が拡大

 

2.飲食企業が今すぐとるべきコロナ対策

 

2.1 コロナ対策の長期化に備えて資金調達を

2.2 コロナの影響で飲食店を休業する際の対策

2.3 テイクアウト対応について

2.4 デリバリー対応について

2.5 衛生対策

2.6 キャッシュレス決済の導入

2.7 アフターコロナに注目の新しいビジネスモデル

 

1. 新型コロナによる飲食業に与える影響

外食産業にとって、「新型コロナウイルス感染症」の拡大が大きな逆風になっています。これまでも日本の外食業界はリーマンショック(2008年)や、東日本大震災(2011年)などの困難を経験し、その都度乗り越えてきましたが、今回の影響はリーマンショックなどの比ではありません。
毎週、毎日状況が刻一刻と変化しており、それに伴ってマーケットも消費者心理も時々刻々と変化をしています。この状況下において、多くの飲食店が大幅な売上減に苦しむだけでなく先行きの不安を強く抱いていることと思います。

 

1.1 大手外食チェーンの月次の業績発表から見る直近の傾向

 

大手外食チェーンの月次の業績発表を見ていても、全国一斉の休校や宴会のキャンセルが多発し、3月は昨年対比で50%の売上ダウンにまで落ち込むところも出てきました。4月になると居酒屋チェーンであるAPカンパニーや鳥貴族、串カツ田中といった上場企業が相次いで休業を発表しました。そして4月8日、遂に政府から7都府県に対して「緊急事態宣言」が発令されることとなりました。

 

1.2 緊急事態宣言の発令後の人の動きの変化

 

緊急事態宣言の発令後は、7都府県以外の地域においても顕著に人通りが少なくなっていきました。こちらはある地方都市の繁華街エリアの「自店舗前通行量データ」です。飲食業界で最も閑散期と言われる2月を100%とすると3月の人通りは70%、4月は40%と目に見えて人通りが減少していっている様子がうかがえます。

 

 

まさに、日ごとに刻々と状況が変わっています。その後、全国に対して緊急事態宣言が出たことで、多くの飲食店や商業施設で休業や営業時間短縮が一気に進みました。

 

1.3 テイクアウトやデリバリー、通販は需要が拡大

 

一方、多くの飲食店の売上が無くなる中で、食品スーパーやテイクアウトやデリバリー、通販といった「巣ごもり需要」が急増しています。食に関する販売チャネルが変化しています。   また、中国では日本よりも早く感染が拡大し、都市封鎖が行われました。当社のグループ会社である船井(上海)商務信息咨询有限公司では中国の数多くの外食企業をご支援させていただいておりますが、数多くの会員企業様のお店では4月になると少しずつ売上が戻ってきております。ただし、新型コロナウイルスへの感染リスクはまだまだ残っており、イートインの売上は昨年対比で50%~60%程度しか回復しておらず、テイクアウトやデリバリーのチャンネルが引き続き伸長しているという状況です。
中国での動向を見ていると、日本においても今後、緊急事態宣言が解除されたとしても、人々の消費動向は急には元に戻らないことが予想されます。新型コロナウイルス対策は長期戦化することも想定しながら、目の前の対策、近未来の対策を講じていくことが大切です。

 

2.飲食企業が今すぐとるべきコロナ対策

 

2.1 コロナ対策の長期化に備えて資金調達を

 

飲食店がまずやるべきことは資金調達です。売上が立たない今の状態が続いた場合、何か月先まで資金ショートしないかを把握する必要があります。その上で、政府系金融機関からの借入や、現在お取引がある金融機関への相談を進めてくださいませ。資金調達の目安としては月商の3ヶ月~6ヶ月分が目安となります。また、経済産業省が発表する情報には常にアンテナを張っておきましょう。経済産業省の公式LINEアカウントに、最新情報がUPされますので登録をオススメします。

https://www.meti.go.jp/covid-19/

日本政策金融公庫や商工中金などには、現在申込が殺到しているため、資金調達は早め早めに相談しましょう。

 

【必要書類】

個人事業主向け

①借入申込書②売上減少の申告書③2期分の確定申告書④創業計画書※④は初めての利用の方

法人向け

①借入申込書②売上減少の申告書③決算書2期分④謄本(原本)⑤創業計画書※初めての方のみ

また、信用保証協会のセーフティネット5号に飲食店が適用されるためそちらも活用を検討しましょう。

https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200303002/20200303002.html

 

2.2 コロナの影響で飲食店を休業する際の対策

 

政府や地方自治体からの休業要請を受ける中で、「営業を続けるべきか否か」の判断に迷われる経営者様が多いかと思います。ここでまず考えるべきことは、「休業しても発生する経費」を最小限に抑えることが重要となります。

 

「休業しても発生する経費」の中で大きな項目としては、①従業員給与②家賃となります。

 

①の従業員給与に関しては、雇用調整助成金を活用することができます。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html

 

また、我々のご支援先会員企業様においても、複数店舗を展開されている企業様は一部の店舗を休業として従業員を一拠点に集め、社員のみでテイクアウト・デリバリーをされたり、従業員一人一人と面談し、休業の場合の給与補償についての説明をしたり、2週おきに人員数の50%ずつを入れ替えで休業したり等、様々な対応を取られております。

さらに長期化する場合は、この点に関しては非常に重要な経営判断になってくるので、自社の判断軸をシミュレーションしておくことが重要です。

②の家賃に関してですが、こちらは国土交通省からテナントオーナーに対して賃料交渉に応じるようにとの要請が出ております。

http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000201.html
本要請にあわせて、不動産を賃貸する所有者が賃料を減免した場合、災害時と同様にその減免による損失の額は、寄付金の額に該当せず、税務上の損金として計上することも、併せて発表されました。

https://www.mlit.go.jp/common/001340572.pdf
また、福岡市では、県の緊急事態宣言に伴う事業継続に向けた店舗への家賃支援として、休業した施設や時間短縮営業した飲食店などの店舗の賃料の80%(上限50万円)を支給(緊急事態宣言の4月7日から5月6日)するとしており、各地方自治体の政策を随時確認することが大切です。

https://www.city.fukuoka.lg.jp/keizai/kokusaikeizai/business/cotenpo.html

また①従業員給与②家賃以外では、普段からグルメサイトに経費をかけている場合は、各グルメサイトの担当者に確認するようにしましょう。

 

2.3 テイクアウト対応について

 

新型コロナウィルスによる外食需要の落ち込みを受け、テイクアウト対応をはじめる飲食店も増えてきています。少しでもはやくテイクアウト対応をスタートし、売上を作っていくためには、まずは現状の商品構成の中から単品でテイクアウト対応を行うのが良いです。

 

・おつまみとなるような単品メニューや盛り合わせ

・麺/飯などの食事メニュー

飲み動機と食事動機の両方に対応できるメニューをテイクアウトメニューの中に盛り込んでいただくと、宅飲み需要と食事需要の両方を獲得できるようになります。

そして、まずは単品メニューの抜粋でスピード重視でテイクアウト対応を開始されたあとに取り組みたいメニューとしては

・単品の組み合わせによる「おうち〇〇セット」
→中華なら人気商品の組み合わせで「エビチリ」と「麻婆豆腐」で「おうち中華セット」

焼鳥居酒屋なら「焼鳥5本盛り」と「唐揚げ」で「おうち晩酌セット」など

「単品で2つ注文するよりも100円引き」といった打ち出しで対応することにより、新型コロナウィルスによって外出を控え、自宅にて食事を取ろうとする単身世帯や、小さな子供を抱えるママの1.5人分の食事としてのニーズを捉えることができます。

 

・オードブル

→3~4名、5~6名といったように人数で分けるオードブルのほか、郊外ロードサイドやベッドタウンにある店舗では、唐揚げやポテトフライ、ソーセージ、卵焼き、エビフライ、ハンバーグなどの「お子様オードブル」も品揃えすることができると、より利用用途が明確になり、子供のいる家庭や利用シーンにおいて選ばれやすくなります。

 

・弁当

お弁当は需要もありますが、仕切りが多くなるほど複雑になり、飲食店を経営しながらテイクアウト対応を実施しようとする場合は手数が取られて対応が難しくなります。まずは簡単にできる丼ぶり類を中心に検討されてみてはいかがでしょうか?

 

・お子様食事支援弁当

大手牛丼チェーンなどでも実施されているような300円前後の子供向けの弁当です。中身としてはごはんに唐揚げ・ポテト・揚餃子・ソーセージなど、簡単に盛り込める料理で対応しているケースが多いです。こちらの弁当は飲食店ができる社会貢献であると同時に、地元を応援する取組みとして店舗認知を高めるチャンスと捉えて実施するのも良いと思います。

このようにテイクアウト対応のメニューを整備したあとは、実際に認知を上げて売上をつくっていくために販促をやりましょう。

 

2.4 デリバリー対応について

 

①何をいくらで売るのか?

店内飲食の販売と異なり、デリバリー(配達)での販売には、包材費と物流費という2つの経費が別途必要になります。一方、店内サービスが不要になるため、接客人件費は不要となります。これらの経費を含めた形で売価を決めなければなりません。ただし、気をつけなければならないのは、コストの積み上げで売価を決めようとすると、売価が高くなってしまい、売れない商品になってしまうこともあるので、注意が必要です。

 

②どうやって認知を広め、販売量を増やすのか?

飲食店と最も異なることとして、飲食店の場合は「自店舗前通行量×入店率」+「オンライン・オフライン販促」+「口コミ」が認知としての要素となりますが、デリバリーの場合は「自店舗前通行量×入店率」がほとんど影響しないため販売開始初期段階の広告投入が重要となります。

出前館やUber Eatsといったデリバリー専用のプラットフォームを使うことも検討いただきたいですが、現在、多くの飲食店からの申込が殺到しており、なかなか登録が進まない…という地域も出てきています。

そういった中で、実際にご支援先会員飲食店で行った販促手法を紹介します。

 

新型コロナ対策飲食店の事例

 

【オフライン販促】

・チラシ

店舗から半径2kmに絞り、チラシを配布します。こちらは折込チラシよりもポスティングを使用するほうが効果的です。また、1度で終わるのでなく月に3回程同一エリアにポスティングを実施し、半径2km圏内の認知度を高めていきます。

・FAXDM

外出自粛要請によりテレワークが推奨されていますが、大都市圏でも80%はテレワークが実施されていないといった報道がされており、オフィスには未だに人がいます。オフィスや工場、事業所向けにFAXDMを送ることで10人以上の大口での注文が入るため、配達効率が上がります。

・飛込営業

飲食店は基本的には「店を開けて来店を待つ」ビジネスのため「自ら売上を作るために営業に出向く」のが苦手です。しかしながら、ニュースでも飲食店の厳しい現状をご存知の方が多く、好意的に取引していただけるケースも増えています。実際、我々のご支援先会員飲食店でもテレワークが出来ない工場から毎日50個の弁当注文が入り、安定的に売上を作ることに成功しました。こちらの飲食店では現在、テレワークが出来ない事業所に対して飛込営業を実施しており、安定的な大口注文を獲得しています。

・予約台帳で登録している電話番号に連絡

飲食店で使用していた予約台帳に登録をしている電話番号にSMS配信をすることで認知を広めます。その際は配達可能エリアを必ず記載しておきましょう。

 

【オンライン販促】

・グルメサイトやGoogleマイビジネスへの登録

こちらは無料ですぐにできるため必ず行いたい販促です。Googleマイビジネスでの登録の注意点としては、情報の設定の属性追加から【宅配可能】【テイクアウト】を選択しておかないと検索時に自店舗が出てこないため注意が必要です。

・リスティング広告

自社ホームページを持っている店舗はリスティング広告をかけることをオススメします。ほとんどの飲食店が今迄ポータルサイトによる集客がメインであったため、ホームページを持っておらず、これだけデリバリーと言われる中でも「エリアデリバリー」で検索した時に多くのエリアで広告をかけている飲食店は少ないです。しかし、今からホームページを作成するのは時間とお金がかかるため、まずは簡易なランディングページ(LP)でも良いので作成することをオススメします。

・SNS販促

SNSでも積極的に投稿することで顧客の獲得が可能となります。SNSではフォロワー数が重要になるので、フォロワー獲得には日頃から力を入れておきましょう。

・LINE@やアプリ

LINE@やアプリといったツールによって、会員を集めている店舗ではこちらでも告知活動を行いましょう。

 

③顧客管理について

デリバリーの売上に関しては、リピート売上を積み重ねることが収益化のポイントです。そのため、【顧客管理】が事業化の鍵を握ります。下記の項目を集計していくことが大切です。

①注文経路(販促集計に利用)

②氏名もしくは企業名

③電話番号(個別アプローチ)

④住所(配送エリア設計に利用)

⑤最終利用日(経過日数)Recency(リセンシー)

⑥累計購買回数(頻度)Frequency(フリークエンシー)

⑦累計金額Monetary(マネタリー)

の8つです。

特に、⑤⑥⑦はRFM分析と言われ通販やデリバリー事業では必須のデータとなります。また、飲食店と同じように売上の方程式は売上=(①新規顧客+②既存客-③離反客)×④来店回数×⑤購入点数×⑥購入単価となるため、それぞれのデータを取っておくことが必要になります。

また個人情報を取り扱うため、その取り扱いには十分気を付けなければならないため政府が発表している個人情報保護に関する情報を事前に確認しておく必要があります。

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201703/1.html

 

④配送について

飲食店がデリバリーを始める上で最も障壁となるのが配送です。出前館やUber Eatsなどのプラットフォーマーを利用すれば、配送の代行をしてもらえますが手数料が高額です。一方、自社配送をする場合は、配送用の車両が必要になります。新たに購入するか、自家用車を使うか、もしくは3ヶ月間無料貸出をしてくれる中古車販売の会社様もありますのでそちらを活用していくこととなります。配送エリアに関しては、店舗から半径〇km以内なら〇〇円といったように距離に応じて配送料を設定しておきましょう。

 

⑤本格的に事業としてデリバリー部門を伸ばす場合

本格的にデリバリー部門を伸ばすのであれば、ホームページにカートの設定をするなどして、電話で取らずにネット注文を受けるなど、生産性向上に務めます。また、終息後にイートインと同時並行で行うと従業員の疲弊や生産能力に限界がありますのでセントラルキッチンの設立など、本格的に事業化していくことをオススメします。

 

2.5 衛生対策

 

新型コロナウィルス対策として飲食店経営者がいますぐ行いたい店舗内部の衛生対策としては以下のものがあげられます。

 

  • 1. 従業員のマスク着用
  • 2. 出勤時の検温(体温が37.5度以上あるスタッフは休ませる)
  • 3. 定期的な手洗い・うがい・アルコールによる手指の消毒
  • 4. 室内の換気
  • 5. 席の間隔を離す
  • 6. おかずを取りに行く食堂業態やビュッフェスタイルの店舗は個食盛りへの変更、または惣菜カバーの設置
  • 7. ドアノブやカスター、卓上の定期的なアルコール消毒

 

そして、これらの衛生対策を実施し、万全の対策を取るよう努力していることをPOPなどの店頭/店内掲示にてお客様にアピールすることが重要となります。新型コロナウィルスによる緊急こと態宣言や不要不急の外出の自粛期間が終了したあとでも、外食の需要が一気に高まるわけではなく、お客様は不安を抱えながら徐々に飲食店に足を運ぶようになると考えられます。そうした不安を少しでも解消し、安心してお食ことを楽しんでいたけるような打ち出しは今後も必須となります。

 

2.6 キャッシュレス決済の導入

 

新型コロナウィルスへの感染懸念から、海外では現金の取り扱いに対して慎重になるケースが増えています。日本のお客様に関しても、現金の授受を気にされるお客様はキャッシュレス決済ができる飲食店を選ぶ傾向が高まるとも言われています。

いまスマートフォン普及率は全体で85%を超え、60代のシニア層においても7割に迫る勢いとなっております。現状使われているキャッシュレス決済を見ると、クレジットカードが多いですが、QRコード決済をはじめとするほかのキャッシュレス決済に関しても、今後高まっていくニーズに応えて導入を検討する店舗も増えてくると考えられます。

ただ、例えば「クレジットカード決済による店舗への入金は翌月末か翌々月末となる場合が多い」といったように、いま新型コロナウィルスの影響で手元のキャッシュ確保が最優先となる経営状況においては、キャッシュレス決済の導入はいま飲食店経営者が取組む優先順位としては低く、新型コロナウィルスによる影響が収束を迎え、人々が外出を控えていたのを終了し、再び外食の需要が戻ってきた頃に導入を検討しても決して遅くないといえます。

 

2.7 アフターコロナに注目の新しいビジネスモデル

 

新型コロナウィルスの猛威にさらされる外食業界において、新たな活路として注目されているのが、不景気でも安定した集客が可能な日常食業態かつ、テイクアウトなど中食の利用動機もカバーしている「ファストフード業態」です。

ファストフード市場はここ数年成長が著しいマーケットです。そして、今回の新型コロナウイルス感染拡大の渦中にあっても、ファストフード業態をチェーン展開している外食企業各社の2020年3月既存店売上高は、居酒屋などが大きく前年の売り上げを下回る中でも、業績への影響が軽微でした。

ファストフード業態の魅力は、そもそも市場が成長しているということと、新型コロナウイルス渦中にあって成長が加速しているテイクアウト市場の両市場をカバーできるという点です。

実際、今回の新型コロナウイルス禍中にあってご支援先会員飲食店では、不振化した郊外ロードサイドのステーキ専門店を閉めて、とんかつ・豚丼のファストフード業態に転換したところ、業績のV字回復に成功しました。ファストフード業態の開発にあたっての成功ポイントは以下の3点です。

 

➀客単価1000円以下設定

「500円の予算感覚」で一番商品の豚丼とカツ丼を楽しめる点に加えて、とんかつ定食も付加することによって、幅広い客層をターゲットに高い集客力が可能となります。主力商品を何に設定するのかももちろん重要ですが、価格戦略をかけ合わせることが成功のポイントです。

 

②付加価値訴求

炭火焼で焼き上げる本物感や、オープンキッチンで調理の一連の動きが見えることで生まれるシズル感・できたて感を演出することで、ナショナルチェーンとの差別化となります。また、商品政策としてはボリューム感を訴求することで、わかりやすい「お得感」の演出をすることがポイントです。

 

③高収益性・高生産性設計

品揃えを絞り込んだ「専門店」とすることで、オペレーションの単純化が可能となります。アイテム数も絞り込まれることによって、調理オペレーションがシンプルになり、職人不要でアルバイト中心の運営が可能となります。また、入店~退店まで(商品の注文・提供・バッシング)の工程をセルフ化・省人化することで高い生産性が実現できます。

郊外ロードサイドで、コンビニの居ぬき物件や飲食店の居ぬき物件を活用して、不況期にも強く、成長市場であるファストフード業態の開発をぜひご検討頂ければと思います。

今回のコラムでは、まずは資金繰りを優先的にテコ入れし、そしてその中で売上を立てていくための手法として伸びているチャネルとしてのテイクアウトやデリバリーの強化に関する取組みを実際の事例とともにご紹介していきました。

 

※こちらは4月23日時点での情報ですが 常に情報が更新されますので、適宜チェックをオススメ致します。※

 

船井総合研究所フード支援部では日本全国の会員企業様に対してコンサルティングを行っており、立地・業態が様々な会社に対して、業績アップのサポートを日々行っております。今回のコラムで解説させていただいたような内容に関しても豊富な事例とともにアドバイスできますので、ぜひこの機会に【無料】経営相談をご利用いただければと思います。無料経営相談は電話、もしくは無料のWeb会議ツール(zoom)を用いてオンラインで実施しております。お気軽にお申込みください。

 

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執筆者
フード支援部/上席コンサルタント
二杉 明宏
プロフィール