経営コンサルタントのお役立ちコラム一覧 | 船井総研 フード支援部

経営コンサルティングの船井総研 フード支援部
久嶋裕介

金沢大学経済学類在学中に酒蔵、米農家と連携し日本酒を創るプロジェクトに参画。
株式会社船井総合研究所に新卒で入社後は、食分野だけでなく、介護・福祉業界にて新規事業立上げのコンサルティングを行う。
現在は、酒造を始めとする食品メーカーでの売上・利益率アップのためwebマーケティングの視点からサポートをし、集客の最大化において多数の実績を上げている。

食品

ブルワリー開業コラム①クラフトビール醸造設備・機器の選び方
食品
2021/2/18
ブルワリー開業コラム①クラフトビール醸造設備・機器の選び方

1.醸造設備の基本情報

ブルワリー開業コラムとして、今回は設備選定における考え方をご紹介いたします。

難しく考えがちですが、基本の必要設備をおさえていただければ、あとはシンプルな計算で販売見込みから設備選定をしていくことが可能です。

 

日本でも500ヵ所近くにのぼるビールメーカーがありますが、どの企業も間違いなく設備選定で悩んだ過去があります。

造るビールの種類、販売計画に見合う規模、増産体制を踏まえた設計など、様々な要素が複雑に絡むことになります。

 

その導入設備が決まると次の課題は、どの設備メーカー、代理店に依頼するかですが、メーカーや販売店によって初期投資が大きく変わってきます。

調べていくと分かりますが、実は国産の醸造設備はあまり多くありません。

この理由は、ビール産業はヨーロッパ・アメリカが先んじて進んでいるためですが、海外製品(中国製品が非常に多いです。)で高パフォーマンスで安価なものが多くあります。

日本でビール醸造設備を扱っているほとんどの会社は、この海外で製造したものを販売している販売店・代理店になります。

醸造設備を選ぶ際は、こういった代理店やコンサルティング会社からまずは見積もりを取るところから始まりますが、大事な視点としては、事業の損益分岐点から自社に合った設備を選ぶということです。

 

2.損益分岐点から見るビール醸造設備の選び方

クラフトビール醸造事業の損益分岐点はどこにあるのでしょうか。

クラフトビールの販路は直売・卸の2つですが、その中でも樽販売・瓶(缶)販売があります。当然これらの違いで単価が異なるのですが、計算をシンプルにするため、以下のように設定してみます。

 

■販売量

直売:卸比率=6:4

樽:瓶比率=7:3

 

ブルワリー開業後、飲食店への樽卸の販路も開拓しながら、自社の店舗を中心に販売をしているイメージですね。

 

また、このブルワリーの損益分岐点を見つけるため、固定費を仮で設定します。

 

■固定費

人件費:正社員2名+パートアルバイト 計1,200万円

家賃:坪1万円で30坪 計360万円

水道光熱費:計240万円

販促費・配送費:計200万円

その他:計200万円

 

固定費:合計2,200万円

 

この場合、原価を300円/Lとして、損益分岐のビール製造量が18,295L(売上で約2,750万円)となります。

つまり、年間19KL以上製造すれば黒字、利益が増えていくことが分かります。

 

このように、年間で必要製造量が分かれば醸造設備の規模(キャパシティー)を計算することができますので、年間25KLくらいは製造できる設備が欲しいとイメージできるのではないでしょうか。

当然、発泡酒免許取得には6,000Lの製造販売が絶対条件なわけですが、企業として採用を増やしていこうと考えると、とても免許上の醸造量では足りないことが分かりますね。

そのため、新規事業をお考えの中小、中堅企業様には最低25KL以上製造可能な醸造設備の導入をお勧めいたします。

 

それでは、年間25KL以上製造可能な設備はどのようなものなのでしょうか?

【結論は、1回の仕込みが300L以上の醸造設備です。】

 

日本でこの300~500L仕込みからスタートするブルワリーが近年多い理由はこのためです。

大き過ぎる設備でのスタートは初期費用がかさむだけでなく、醸造担当者の慣れによって最初の醸造の失敗が大きな痛手となってしまいます。

一方で、小さ過ぎる設備でのスタートでは上記の通りコストに合っていなかったり、需要に対して供給が足りなかったり、麦芽の原材料費やホップの使用効率が相対的に落ちるので、原材料コストが高く付いてしまったりします。この点を気をつけましょう。

 

3.メインの醸造設備の機能

ブルワリーの必要設備について、簡単に紹介します。

クラフトビールの製造には、大きく2つの設備が登場します。それが、「ブリューハウス(Brewhouse)」と「発酵タンク」です。

 

ブリューハウスには、「ホットリカータンク」「マッシュタン」「ケトルタンク」という3つのタンクが備わっており、ここでビールのもととなる麦汁を造っていきます。

発酵タンクはその名の通り、移し入れた麦汁に酵母と酸素を加え、アルコール発酵を促します。

 

ざっくりと各設備と順序について説明していきます。

ホットリカータンクはビール醸造に使用する水を事前に温めて貯めておくタンクです。

ホットリカータンクで温められたお湯と麦芽をマッシュタンに移し、ビールの「素」となる麦汁をつくっていきます。マッシュタンは、アルコール発酵の原料となる糖を造るため、麦芽の糖化するためのタンクなのです。

次に糖化された麦汁を濾過し、麦芽カスと分別し、麦汁のみをケトルタンクに移します。ケトルタンクでは、沸騰させながらホップを加え、苦みを抽出していきます。

ボイルケトルでの煮沸が終わると、麦汁は熱交換器で急速に冷却されて、発酵タンクに移し、適切な温度まで冷やされた段階で酵母と酸素を入れることで発酵が始まります。

そのまま約1~3週間、酵母によってアルコールが十分に発生したことを確認して、貯酒タンクやケグ樽に移し、熟成を経ることで製品化されます。

また、瓶ビールや缶ビールは、熟成後に充填することになります。

 

発酵後には、製品化のための行程が踏まれますが、クラフトビール醸造所を始めるにあたり、ブリューハウスと発酵タンクという2つの設備が重要です。

そして設備選定という意味では、ブリューハウスの大きさと発酵タンクの本数で製造キャパシティーが決まります。

 

ざっくりと計算をするのであれば、休暇や洗浄作業を考慮して、年間52週間のうち週に2回醸造が限界と仮定するといいでしょう。

今回は仮に300Lのブリューハウスを導入するとして、以下の計算式になります。

 

52週 × 2回 × 300L(仮)= 31,200L

 

実際にはロスも生じますので約26,000Lになりますが、損益分岐点を超える製造キャパシティーがあります。

 

4.醸造設備に関わる重要なポイント

その他、設備に関わる重要なポイントとして、よく見逃されている点をご紹介します。

まずは、醸造設備の配置・設計です。小規模な醸造所ですので、そこまで導線などを工夫することはありませんが、設計段階で設備同士の繋がりがありますので、配置・設計は効率化を進めるためにも考えなければなりません。

また、チラー配管やボイラー配管など、設備によって必要な配管が素材も異なり複雑になってきます。配管に関しては、プロに相談の上行わなければ、設備の不具合はもちろん、重大な事故にも繋がりますので、自ら勘で行うなどないようにしてください。

加えて、醸造設備の設置費用・配管費用が設備見積もりに入っていないことにも注意してください。重量物の搬入・設置、設備同士の配管には業者の手が必要ですので、ここの見積もりも最初に確保しておきましょう。

 

5.まとめ

今回は、クラフトビール醸造所の開設をお手伝いしているからこそよくわかる新規参入の壁についてご紹介いたしました。損益分岐点から醸造設備を選定するという視点は持ちつつも、美味しいビールを造っていくために一歩ずつ進めていきましょう。

 

また、弊社では素人からブルワリー参入が可能なコンサルティングプランをご提案しております。醸造設備も日々進化しており、素人の方でも研修を積んでいただければ製造は困難ではなくなってきています。ぜひお気軽にご相談ください。

 

■お見積りやご相談はこちらからお問い合わせください。

https://funaisoken.ne.jp/funai-food-business/soudan-foodstuffs-inquiry.html?_ebx=b5d6147jhz.1569995204.7emnvuf#_ga=2.214440210.465677308.1612152480-1159670468.1574662890

 

今後も業界参入のネックとなりやすい、発泡酒・ビール製造免許や醸造研修はもちろん、そもそも論として、クラフトビール醸造所立ち上げに成功している会社と、失敗する会社の違いが何なのかについてもご紹介したいと思います。

 

6.セミナー&経営相談

 

弊社ではクラフトビール事業新規参入セミナーを毎月行っています。最新のセミナーはこちらからご確認ください。

https://sem.funai-food-business.com/seminar/

 

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執筆者
久嶋裕介
プロフィール

今こそ考える「伸びている市場への投資」
食品
2020/9/02
今こそ考える「伸びている市場への投資」

いつもありがとうございます。
 
日本でのコロナウィルス流行から3カ月以上が経ち、
企業・業態によって明暗がはっきりしてきました。
食業界でも、コロナ以前から時流に合わせた”バージョンアップ”に
投資をしていた企業がコロナ禍で業績が落ちづらく、
好調なところもあります。
 
・立地では、地元足元商圏ビジネスや都市商圏から車で
90分圏内の観光立地ビジネス、全国商圏の通販EC
・業態では、若者や女性ターゲットのビジネスモデル、DX対応
・商品では、商品力の高く見せることのできる単品
 
船井総研の「伸びている市場への投資」という考えは、
withコロナでも変わることはありません。
このような立地・業態・商品に投資をしている企業は
withコロナの今だからこそ、より早く競合に差をつけることができます。
そしてwithコロナの今、次の時代を見据えた
さらなるバージョンアップを始める企業が次々と
水面下で準備を始めています。
 
 
■新業態投資を始める企業は既に出現
 
先日、埼玉県川越を拠点としているコエドビールが
川越駅横の商業施設内に直営飲食店をオープンしました。
これまで川越の観光地とは離れた場所での営業は行っていましたが、
川越駅へ醸造所付きの旗艦店開発です。
 
コロナ以前からの計画であったとは思いますが、
withコロナを見越した成長産業への投資であったことを感じさせます。
クラフトビールの興隆はもちろんですが、この環境下でも
成長する観光市場の獲得に大きく動いていることは
参考にする部分が大きいでしょう。
 
日本でのコロナ流行から3ヵ月という期間が経ち、
次を見据え始めた企業のご相談も増え始めています。
既存事業の見通しが立ち、前を向き始めたタイミングで
以下の要素を抑えた自社のバージョンアップをぜひご検討ください。
 
・立地では、地元足元商圏ビジネスや都市商圏から車で
90分圏内の観光立地ビジネス、全国商圏の通販EC
・業態では、若者や女性ターゲットのビジネスモデル、DX対応
・商品では、商品力の高く見せることのできる単品
 
 
船井総研のおすすめ新業態として、
クラフトビール事業がまさにそれらが当てはまります。
 
・立地の特徴
船井総研のクラフトビール事業でお勧めする立地は観光地での展開です。
観光地には酒屋が今でも多くありますが、土産としてのアルコールマーケットは大きく
それに加えて観光客が楽しみにしているその地ならではの食需要・
ナイトライフ需要を獲得することができます。
 
今まさに観光地はコロナの影響もあり物件の空きが増えてきていますので、
思ってもいない好条件の物件取得のチャンスです。
 
 
・業態の特徴
業態として、単なる販売店ではなく醸造所併設店舗を出店することで、
「いまだけ、ここだけ、あなただけ」をお客様に訴求することができます。
今、ここで造ったばかりのクラフトビールが飲めるということが付加価値ですので
製造と販売を分離しないことが重要です。
 
好立地への出店をお勧めしますが、限定性の高い価値を提供することで
クラフトビール事業のブランディングにもつながります。
好立地で低投資からスタートし、ブランド力を高め、利益を出すことで
次の展開として、地域内卸・EC・輸出を狙っていけるビジネスになります。
 
 
・商品
大手ビールメーカーのビールと違ったクラフトビール業態は
限定性の高い価値がつくため、高価格販売が既になされています。
 
また、全国観光立地のクラフトビールメーカーが既に達成しているように
将来的にも価格競争にならないために、好立地で競合参入の障壁を上げ
地域一番店として末永く独り勝ちが続く状態を目指せます。
 
 
■クラフトビール事業参入のメリット
 
●第1次ブームから初期投資1/5以下で参入可能!
初期投資500万円~の醸造付加するビジネスモデルを大公開
 
●酒造メーカー、食品メーカーの次の展開としての「クラフトビール醸造×飲食」
自家製ビールで、既存ブランド価値・集客力UP
輸出事業の2つ目、3つ目の商品軸としても強いJapanese Craft Beer
 
●職人不要・素人からでも成功するクラフトビール事業
 
●地域の特産物を活用した新たな「名物」をつくりたい方
 
詳細を知りたい方は、無料レポートをダウンロードください。
https://lp.funaisoken.co.jp/mt/funai-food-business/dlgo-dl.html?txt=6%E3%83%B5%E6%9C%88%E3%81%A7%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%88%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%AB%E9%86%B8%E9%80%A0%E6%89%80%E3%81%B8%E3%81%AE%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E5%8F%82%E5%85%A5&url=https://asset.funaisoken.ne.jp/funai-food-business/craftbeer202006.pdf&_ebx=b5d6147jhz.1569995204.7ccuwrw#_ga=2.210764437.1868753759.1598466795-1159670468.1574662890
 
 
9月には関連するセミナーも開催しております。
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/063454
 
ぜひご検討ください。

執筆者
久嶋裕介
プロフィール

クラフトビール醸造所・マイクロブルワリー開業成功のためのポイント
食品
2020/9/01
クラフトビール醸造所・マイクロブルワリー開業成功のためのポイント

 

1.はじめに

クラフトビール醸造所・マイクロブルワリーは、2020年当初には400箇所を超え、クラフトビールがブームとして過ぎ去っていくのか、それとも日本に1つの産業として残っていくのかのターニングポイントを迎えています。

近年のビール市場を振り返ると、2018年のビール類国内総出荷量は14年連続で過去最低を更新し続けるなど、ビール消費量が減少しています。その反動として、大手ビールメーカーの“これまでのビール”から「クラフトビール」として新たな価値が見出され、全国各地にクラフトビール醸造所が続々と設立されています。

図のようにクラフトビール市場は堅調に販売量を増やしています。

図1
図です
資料:地ビール等製造業の概況(国税庁)より作成

2.クラフトビール醸造のノウハウ

クラフトビール製造の工程には、以下の大きく5つの流れがあります。
1)レシピ設計
どんなビールを造るかのコンセプト設計、そしてその製造に必要な原材料を選別します。ビールの主原料は基本的に「水」「モルト(大麦の芽を出させたもの)」「ホップ」「ビール酵母」です。副原料としては「フルーツ」「ハーブ」などは近年人気であり、「フルーツビール」というカテゴリーが生まれてきています。
2)麦芽粉砕
ビールのもととなる大麦を発芽させた「モルト(麦芽)」を粉砕します。モルトに含まれるテンプンを抽出させた麦汁をつくっていきます。
3)仕込み
粉砕したモルトとお湯を混ぜ、かく拌します。こうすることで、酵素が働きモルトの「デンプン」が「糖」へと変化していきます。この出来たものをろ過することで「麦汁」となります。この麦汁にホップを入れて煮ていくことで、香りや苦みが加わります。
4)発酵
熱交換で冷やされた麦汁を発酵タンクに移し替え、酵母を加えます。このビール酵母により麦汁に含まれる糖分は分解され、アルコールと炭酸ガスが生まれます。ビールには、大きく「エール」と「ラガー」がありますが、この違いは基本的に酵母に依存します。「エール酵母」を使用するとエールビールが4日間ほどの発酵の後に、「ラガー酵母」を使用するとラガービールが7日間ほどの発酵の後にできあがるわけです。
5)充填
発酵が完了したビールは、しばらくの期間落ち着かせたのちに缶や瓶、樽に充填します。充填前に濾過、充填後に火入れすることで賞味期限が伸びますが、日本では無濾過を特徴としたクラフトビールが多数あります。無濾過の場合、流通や管理に気を使う必要がありますが、日々味が変化していく唯一無二のビールができあがります。

日本ではアルコール1%以上の製造は違法なため、ビール醸造の技術は、税務署からビール醸造免許がおりているブルワリー(ビール醸造所)で勤務、研修しなければ体得することはできません。

3.クラフトビール醸造所の開業に必要な免許・資金

クラフトビールの製造には、「発泡酒製造免許(もしくはビール製造免許)」が必要となります。醸造免許をとるには、経営基盤や製造技術、製造設備の有無などが問われるのは当然ですが、それに合わせて「需給調整要件」を満たす必要があります。「需給調整要件」とは下記のとおりです。

「酒税の保全上酒類の需給の均衡を維持する必要がある」の意義
 法第10条《製造免許等の要件》第11号に規定する「酒税の保全上酒類の需給の均衡を維持する必要がある」とは、新たに酒類の製造免許又は販売業免許を与えたときは、地域的又は全国的に酒類の需給の均衡を破り、その生産及び販売の面に混乱を来し、製造者又は酒類販売業者の経営の基礎を危うくし、ひいては、酒税の保全に悪影響を及ぼすと認められる場合をいう。
出典:国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sake/2-08.html)

つまり、発泡酒製造免許を取得したい場合「年間6,000L(ビール製造免許は60,000L)の販売先があるのか?」ということに対する明確な答えをもった企業でないといけないということです。6,000Lを330mlの瓶で換算すると約18,200本、月に1,500本になります。この数をどのように販売するのかを明示する必要があります。飲食店併設で販売するのであれば、1人1L飲んでもらえた場合で、年間6,000人の来店、休みなしで営業して1日平均17人のお客様に来店してもらわなければなりません。

上記の要件をクリアするためにも、クラフトビール醸造所の開業を始める際には、まず自社の近隣商圏でクラフトビールに興味をもってくれる人がいるのか、売れる販路があるのかを見極める必要があります。試しに他社のクラフトビールやOEM製造したビールを売ってみて判断するのも有効な手段です。

実際にテスト販売が好調で、自社製造を検討する場合、醸造所開業にかかる費用はどのくらいでしょうか。土地・物件は除き、醸造自体は大きな寸胴鍋がいくつかあれば可能です。DIYで造ってしまえば、500万円も必要ないでしょう。しかしながら、これで品質を安定したビールを造り続けるには相当な醸造技術をもった人が必要です。素人が数か月の研修後に開業するには不安が残ります。一定の品質を担保するためにも、職人の勘所が必要な技術や不要な反復作業は自動化できる設備導入が必須です。
話を戻すと、仕込み設備、タンク、樽洗浄機、ケ具樽などを総額1,000万円~で十分に良い設備導入が可能です。1990年代の第1次地ビールブームの時、ヨーロッパからの設備購入で1億円以上の開業資金が当然でしたが、今では1/5以下の初期投資で事業スタートが可能となっています。設備の詳細についてご興味のある方は、最下部からお問い合わせください。

4.クラフトビール醸造所開業の流れ

クラフトビール醸造所の開業の際には上述した通り、まず近隣商圏にクラフトビールの需要があるのかを知る必要があります。では、クラフトビール、地ビールの需要とはどういうところにあるのでしょうか。
地ビールというと、観光地に位置するところが多くあります。その地で造られた独自のビールを飲みたいという需要があるでしょう。それをお土産として買う方も多いです。
観光地に拘らず、クラフトビール好きな方が多い商圏であれば、普段から常用できるクラフトビール専門店や酒店での販売という需要があります。
さらに、ご当地のビールというポジションを獲得できると、地元の方や自治体からも評価してもらえることで、地域内での需要喚起に繋がっていきます。
既存で飲食店、酒販店、観光業、商業施設が近年クラフトビール事業に新規参入している理由は、このような需要があるからです。

次に製造の中心となる醸造担当者の採用・研修についてです。そもそも、醸造研修先として研修を受け付けているブルワリーが少ない状況です。あわせて、最初の研修先が今後のビールの品質・味・考え方を決めます。醸造所の一生を左右するわけですので、近いからという理由だけで選ぶのではなく、あらゆる角度から検討しましょう。
弊社でもクラフトビール醸造の研修先をご紹介させていただいております。ご興味のある方は最下部からお問い合わせください。

最後に免許申請が必要となります。まずは予定地の税務署に相談をしていただき、必要な書類を作っていかなければなりません。経営基盤にかかわる書類はもちろん、醸造設備の見積もりや製造技術の有無(製造研修済みかどうか)、どんなビールをどのようなレシピで造るのか等々。特段難しい資料ではありませんが、何度も税務署員と面談し手間をかけて作成していくことになります。
また、醸造免許は国税庁まで申請を通すため、最低でも4ヵ月(平均で6~12ヶ月)必要となるため、醸造所OPENの見込みをたてる際には注意が必要です。

5.ビジネスモデルの解説・成功事例

ここまで解説してきたクラフトビール醸造所の価値とは何でしょう。成功しているクラフトビール醸造所は何をしているのでしょうか?
それは「いつでも・どこでも・誰にでも」ではなく、「今だけ・ここだけ・あなただけ」を売り物にして、ビールに付加価値をつけていることです。醸造担当者と直接話せる、今ここでしか飲めない限定ビール、私好みの甘酸っぱいビール、という高付加価値のビジネスだからこそファンがついてきてくれます。
また、収益面ではマイクロブルワリーであってもビールの原価が酒税を入れて1Lあたり約300円、販売価格が1,500~2,000円です。ビール製造所に飲食店、販売店を併設させ、営業マンをもたない製造直売することで、ビールの原価率20%未満・人件費30%・営業利益率を20%が可能です。このように、製造直売を基本とすることで非常に高収益な魅力的な事業となります。まず利益を出せる状態になることが先決です。

【成功事例紹介①】
・駅前商店街立地に新規参入での成功
醸造・キッチンで8坪、客席13坪の小さな店舗で満席のクラフトビール専門店A
都内路地裏の3等立地で、クラフトビール醸造パブ(ブルーパブ)に参入し、夜営業のみで営業利益率20%越え!投資回収1年1ケ月を達成する。

【成功事例紹介②】
・観光立地に新規参入での成功
観光地で売店・飲食店で驚異の単店年商1億円超+卸のクラフトビール専門店B
醸造・飲食店ともに新規参入にも拘らず、ブルーパブを展開する。
観光地クラフトビールで飲食だけでなく土産需要による事業展開で盤石な事業の柱をつくる。

6.まとめ

以上「クラフトビール市場・醸造所開業のポイント」についてご説明し、そのビジネスモデルをご紹介しました。クラフトビールという今伸びる市場において、マイクロブルワリーだからこそできる高付加価値のビール造り、製造直売が参入の大きなメリットになります。
醸造所開発支援を行っているコンサルタントとしては、日本各地に強い競争力、高い商品力をもったビールメーカーが立ち上がっていくことがクラフトビール業界の発展のためにもなると考えております。そのための醸造所開業のトータルサポートを弊社で行っておりますので、ご興味のある方や既存事業との親和性について気になる方は、ぜひお気軽にお問合せください

執筆者
久嶋裕介
プロフィール

【新規ビジネスモデルショート動画】 クラフトビール事業参入
食品
2020/6/12
【新規ビジネスモデルショート動画】 クラフトビール事業参入

食品業界の皆さまへお役立ちいただける情報を
コンサルタントが定期的に配信する
「食品メーカー業績UPショート動画」

今回は「クラフトビール事業参入」というタイトルで
更新いたしました!

⇩⇩⇩動画の視聴はこちらから⇩⇩⇩

 



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https://lp.funaisoken.co.jp/mt/funai-food-business/soudan-foodstuffs-inquiry.html

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執筆者
久嶋裕介
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