経営コンサルタントのお役立ちコラム | 船井総研 フード支援部

経営コンサルティングの船井総研 フード支援部
チームリーダー チーフ経営コンサルタント
中渕 綾

同志社大学経済学部卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。入社以来BtoB営業、飲食店、食品製造業、WEB、設備工場などのコンサルティングを経て、現在は食品製造業のコンサルティングをメインに全国を飛び回っている。主に酒・味噌・醤油など醸造業における業績UPを得意とし、指導開始3か月以内に結果を出すことにコミットしている。WEB制作会社、広告代理店、PR会社、海外販路拡大、レシピ開発、補助金・助成金取得など提携パートナーとの連携を深めているため、食品製造業の経営課題をワンストップで解決することが可能である。

ポストコロナにむけた事業ポートフォリオの構築を【食品製造小売業様向け】
食品
2020/8/06
ポストコロナにむけた事業ポートフォリオの構築を【食品製造小売業様向け】

新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さま、および関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い収束を心よりお祈り申し上げます。
また、この度の豪雨により被災された皆さまへ
謹んでお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

 

いつもお読みいただきありがとうございます。
さて、日々ニュースで使われる「7割経済」というキーワードですが、これは皆様が実感されている通り恐ろしいキーワードです。
私も日々実感しておりますが、法人(企業)、個人(経営者・従業員)という“人”を守るために金策に走っていただき、目下の危機は逃れたものの、中長期的に返していかないといけない借り入れ、月々のキャッシュフローを考えると、7割経済(つまり7割の売上)で留まっていたのでは会社も人も守れない状況です。

※地域・業種・業態によっては5割経済、1割経済もあります。

 

この難局を乗り切るには2つの方法しかありません。

(1)7割経済で耐えられる収益構造への転換
(2)伸びている販路への販売や成長市場への参入

 

事業に永続性をもたせるにしても、将来的に他者に承継するにしても変化が求められている状況でございます。

皆様も新しい商売や新商品・新サービスの開発、省人化や生産効率UPのための設備の導入を、補助金を利用して推し進める、当たり前に発生し、当たり前に支払っていた経費の見直し・価格交渉など日々実施いただいていることと存じます。

 

新型コロナウイルスの第二波がささやかれる中、先行き不透明ではありますが、自社の“在り方”を再定義する時間を是非とも設けていただきたいと考えております。

その際に実施していただきたいことは、自社の現状を洗い出し、あるべき姿を“対比”で書き出していただくことです。

 

JR東日本(運輸・流通・不動産等の多角化経営)の2020年3月期のIR資料に興味深い1ページがございます。(以下、抜粋)

「ポスト・コロナ社会の不可逆的な構造変化」に対して
〇成長・イノベーション戦略の再構築
〇経営体質の抜本的強化

を目標とし、そのやり方として

〇「集中」から「分散へ」
〇「通勤主体」から「生活主体」へ
=東京一極集中から地方ターミナルへ
〇「マス」から「パーソナル」への加速
=JREモール会員(EC)を26万人(2019年)から100万人へ
〇「リアル」から「デジタル」への加速

と掲げられています。

 

上記は大手の戦略ではございますが、私が日々お伝えしている再定義の一例をお伝えしますと

【売上比率】
〇BtoB:BtoC
〇国内:国外
〇ハレ商品:ケ商品
〇観光・百貨店・交通系販路:郊外型店舗
=販路別(自店舗・量販・百貨店・CVS・ドラッグストア等)
〇冷凍・チルド:常温
〇リアル:デジタル
〇新規客:既存客

など

 

【マネージメント比率】
〇正社員:PA
〇マンパワー:RPA
〇内製:外製
〇新卒:中途
〇年齢別

 

などなど、先行き不透明な現在の市場環境下において自社の成長において必要な「グロース市場・商品・販路・人財」、事業の安定に必要な「ディフェンシブ市場・商品・販路・人財」のポートフォリオの最適化が求められています。

 

最適な比率は各社のビジョン・外部環境・内部環境により異なりますので、一度再定義いただくことをお勧めします。

 

コロナ禍で業績がよかった業種業態が散見されましたが、
「戦略なき売上拡大」と見受けられるものも多く、持続的成長
が見込まれるものではありません。

 

また、緊急事態で急に舵をとったところで売上を獲得するには
時間がかかることも多かったと感じております。

 

百貨店の高島屋は以前からクロスメディア事業部がECの強化を図っており、2020年6月度の店頭売上速報をみてもお中元商戦は前年並みまで回復しております。
大丸松坂屋はオムニチャネルリテイリングを推し進めてきた結果、EC売上は非常に大きいですが、大丸心斎橋店でのギフトセンター設置をやめてしまった結果、大阪タカシマヤ(難波)に流れた客層もいるようです。

 

上記のように「リアル店舗で買いたい方」「WEBで済ませる方」
「感染を恐れる方」「感染を気にしない方」などなど生活者の
考え方・嗜好は異なるため、何かに振り切ることはリスクがあるようです。

 

我々のご支援先での戦術・戦闘策としては、直近のお中元需要はやや落ちていますが、通信販売・ECの強化、日常品・時短品・常温商品・おやつ需要の強化を長い時間をかけて行ってまいりました。
この夏は強化してきた販路の売上増が見込めました。

 

またこの機会にツキ管理(売上構成比・伸長率・生産性)
を導入いただき、商品の見直しをしていただいております。

 

接客・販売スタッフのKPIも客単価に設定し
「安全な試食提供×提案力強化×滞在時間のUP=客単価のUP」
という方程式に則り客単価1.3倍というストレッチのきいた目標設定で売上を作っていただいております。
マスクをしているので「声の大きさは1.5倍に」「 “目”で笑う」練習も朝礼で行っていただいております。

 

冬にむけては、先ほどお伝えさせていただきました事業ポートフォリオの再定義をした上で、長所進展・一点突破・全面展開で勝ち残っていただきたいと考えております。

 

今週もお読みいただきありがとうございました。

執筆者
チームリーダー チーフ経営コンサルタント
中渕 綾
プロフィール
ポストコロナにむけた事業ポートフォリオの構築を【食品製造小売業様向け】
食品
2020/7/20
ポストコロナにむけた事業ポートフォリオの構築を【食品製造小売業様向け】

新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さま、および関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い収束を心よりお祈り申し上げます。
また、この度の豪雨により被災された皆さまへ
謹んでお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

 

いつもお読みいただきありがとうございます。
さて、日々ニュースで使われる「7割経済」というキーワードですが、これは皆様が実感されている通り恐ろしいキーワードです。
私も日々実感しておりますが、法人(企業)、個人(経営者・従業員)という“人”を守るために金策に走っていただき、目下の危機は逃れたものの、中長期的に返していかないといけない借り入れ、月々のキャッシュフローを考えると、7割経済(つまり7割の売上)で留まっていたのでは会社も人も守れない状況です。

 

※地域・業種・業態によっては5割経済、1割経済もあります。

この難局を乗り切るには2つの方法しかありません。

 

①7割経済で耐えられる収益構造への転換
②伸びている販路への販売や成長市場への参入

 

事業に永続性をもたせるにしても、将来的に他者に承継するにしても変化が求められている状況でございます。

皆様も新しい商売や新商品・新サービスの開発、省人化や生産効率UPのための設備の導入を、補助金を利用して推し進める、当たり前に発生し、当たり前に支払っていた経費の見直し・価格交渉など日々実施いただいていることと存じます。

新型コロナウイルスの第二波がささやかれる中、先行き不透明ではありますが、自社の“在り方”を再定義する時間を是非とも設けていただきたいと考えております。

 

その際に実施していただきたいことは、自社の現状を洗い出し、あるべき姿を“対比”で書き出していただくことです。

JR東日本(運輸・流通・不動産等の多角化経営)の2020年3月期のIR資料に興味深い1ページがございます。(以下、抜粋)

「ポスト・コロナ社会の不可逆的な構造変化」に対して
〇成長・イノベーション戦略の再構築
〇経営体質の抜本的強化

を目標とし、そのやり方として

 

〇「集中」から「分散へ」
〇「通勤主体」から「生活主体」へ
=東京一極集中から地方ターミナルへ
〇「マス」から「パーソナル」への加速
=JREモール会員(EC)を26万人(2019年)から100万人へ
〇「リアル」から「デジタル」への加速

と掲げられています。

上記は大手の戦略ではございますが、私が日々お伝えしている再定義の一例をお伝えしますと

 

【売上比率】
〇BtoB:BtoC
〇国内:国外
〇ハレ商品:ケ商品
〇観光・百貨店・交通系販路:郊外型店舗
=販路別(自店舗・量販・百貨店・CVS・ドラッグストア等)
〇冷凍・チルド:常温
〇リアル:デジタル
〇新規客:既存客

など

【マネージメント比率】
〇正社員:PA
〇マンパワー:RPA
〇内製:外製
〇新卒:中途
〇年齢別

などなど、先行き不透明な現在の市場環境下において自社の成長において必要な「グロース市場・商品・販路・人財」、事業の安定に必要な「ディフェンシブ市場・商品・販路・人財」のポートフォリオの最適化が求められています。

最適な比率は各社のビジョン・外部環境・内部環境により異なりますので、一度再定義いただくことをお勧めします。

コロナ禍で業績がよかった業種業態が散見されましたが、
「戦略なき売上拡大」と見受けられるものも多く、持続的成長
が見込まれるものではありません。

また、緊急事態で急に舵をとったところで売上を獲得するには
時間がかかることも多かったと感じております。

 

百貨店の高島屋は以前からクロスメディア事業部がECの強化を図っており、2020年6月度の店頭売上速報をみてもお中元商戦は前年並みまで回復しております。
大丸松坂屋はオムニチャネルリテイリングを推し進めてきた結果、EC売上は非常に大きいですが、大丸心斎橋店でのギフトセンター設置をやめてしまった結果、大阪タカシマヤ(難波)に流れた客層もいるようです。

上記のように「リアル店舗で買いたい方」「WEBで済ませる方」
「感染を恐れる方」「感染を気にしない方」などなど生活者の
考え方・嗜好は異なるため、何かに振り切ることはリスクがあるようです。

我々のご支援先での戦術・戦闘策としては、直近のお中元需要はやや落ちていますが、通信販売・ECの強化、日常品・時短品・常温商品・おやつ需要の強化を長い時間をかけて行ってまいりました。
この夏は強化してきた販路の売上増が見込めました。

またこの機会にツキ管理(売上構成比・伸長率・生産性)
を導入いただき、商品の見直しをしていただいております。

 

接客・販売スタッフのKPIも客単価に設定し
「安全な試食提供×提案力強化×滞在時間のUP=客単価のUP」
という方程式に則り客単価1.3倍というストレッチのきいた目標設定で売上を作っていただいております。
マスクをしているので「声の大きさは1.5倍に」「 “目”で笑う」練習も朝礼で行っていただいております。

冬にむけては、先ほどお伝えさせていただきました事業ポートフォリオの再定義をした上で、長所進展・一点突破・全面展開で勝ち残っていただきたいと考えております。

今週もお読みいただきありがとうございました。

執筆者
チームリーダー チーフ経営コンサルタント
中渕 綾
プロフィール
今から取り組みたい10のこと
スイーツ
2020/6/11
今から取り組みたい10のこと

初めに新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さま、および関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い収束を心よりお祈り申し上げます。

 

今回のコロナ禍では尋常ではない経済デメリットが生じました。

 

ご商売をされている皆様にとっては3月、4月、5月と厳しい時期が続いたのではないでしょうか。
実際に我々のご支援先の数字を見ている限り、これまでに体験をしたことがないような大きな損失が出ております。

 

守り面は再三お伝えしてきたように融資、保障、給付金、補助金、助成金といった金策に動いていただき、私のご支援先では月商の4~12カ月分の手元現金を確保いただいております。
我々のようなコンサルタントを雇っていただき、もともと優良企業で明確な事業コンセプト、出口戦略が構築できている企業様へは金融機関の審査も優先的に通った印象です。
またこれまで当たり前に発生していた経費は各所への交渉により一時的または無期減額に至った例も多いです。

 

さて、最も重要な部分は「企業の血液となる売上をどう作っていくか」という部分です。
コロナの影響が表れ始めた3月の商業動態統計(経済産業省)が発表されましたので確認しておきたいと思います。

 

2020年3月の商業販売額(全業種)は49兆1,280億円、前年同月比5.5%の減少となりました。
これを卸売業、小売業別にみると、卸売業は36兆2,840億円で6.6%の減少、小売業は12兆8,440億円で4.6%の減少となりました。
小売業を業種別にみると、織物・衣服・身の回り品小売業が前年同月比22.3%の減少、各種商品小売業(百貨店など)が21.0%の減少、機械器具小売業が6.7%の減少、燃料小売業が6.5%の減少、その他小売業が2.3%の減少、無店舗小売業が1.8%の減少、自動車小売業が1.0%の減少、飲食料品小売業が0.5%の減少でした。
一方、医薬品・化粧品小売業が1.5%の増加となりました。

 

上記の数字のみ確認すると飲食料品小売業の落ちは目立ちませんが百貨店での飲食料品小売業は23.2%の減少、スーパーは7.5%の増加、コンビニエンスストアでは日配食品が6.2%の減少、加工食品が3.8%の減少、ドラッグストア(食品)は18.2%の増加と小売業の業態別に差が出ています。

 

より日常に近く、低価格である最寄型小売業では売上が増加しています。

 

これまで好景気型の景気循環でしたが、ここにきて不景気型の流れとなっている点が見て取れます。

 

また船井総研のご支援先の業績をメンバーで持ち寄り分析したところ、緊急事態宣言が発令された4月からゴールデンウィークの売上は、観光地・百貨店・交通系販路の店舗で売上95%~80%の減少、郊外店で20%の減少~10%の増加など立地特性により売上の開きが大きくなっております。
商材別にみると生活必需品である主食(米、麺、パン)や生鮮三品は40~50%の増加、缶詰などのロングライフ食品や時短調味料などは大きく伸びました。
また、緊急事態宣言の影響が比較的少なかった地方の単品スイーツ専門店や食パン専門店などは売上がほぼ落ちず、連日お客様にお買い求めいただけました。

 

今後、状況は好転してくるはずですが、コロナ禍に好調であった販売の3要素をまとめますと、

 

①お客様が集まる場所に商品を持っていく
→最寄型小売業での臨時販売・移動販売
②お客様に商品を届ける
→通販・宅配・ふるさと納税
③お客様に発信する
→SNSキャンペーン、動画活用、オンライン即売会オンライン工場見学、オンラインアンバサダーマーケティング

 

特にDM、EC問わず通販が非常に好調でした。

 

通販での前年対比を商材別にみていきますと

 

①米・麺・・・前年対比500%~1,000%
②生鮮三品・・・前年対比300%~800%
③佃煮など加工品・・・150%~300%
④調味料・・・150%~300%
⑤スイーツ・・・120%~300%

 

企業年商が5億円の企業であっても通販月商が2,000万円となりかつてないほどの売上となっております。
特に対策を打たなくとも200%~300%になりますが、
お得なセットを作ったり、相場の値崩れ品を仕入れて販売したり自社の在庫品を値引いて販売し、需要を取り込めました。
また費用対効果が高い広告に集中投資いただき大きく売上を伸ばすことができました
広告の費用対効果を表すROAS(売上/費用×100%)ですが、かけた費用の10倍の売上を表す1,000%超の運用が散見されました。

 

組織運営に関しましては

 

緊急事態時の雇用・待遇の明確化(衛生要因)
緊急事態時の評価制度KPIのシフト(動機付け要因)

 

をスピーディーにご対応いただきました。

 

上記が4月~5月の振り返りですが、今後あらゆる面で既存の商売の形態を考え直さないといけない状態でございます。

 

収束を見据えて5月中旬からご支援先にお伝えしていることは以下の10項目でございます。

 

①ギフト需要期の情緒マーケティング(適サービス)
②不景気対応・不安対応型商品政策(適品・適価・適量)
③通販・宅配など“届ける販路”の強化(適時・適場所)
④さらなる目的来店獲得型の店舗作り
⑤DX化(オンライン展示会・商談・工場見学・教室・メディア活用・アンバサダーマーケティング・BtoB EC)
⑥バックオフィスの改善(システム、RPA)
⑦売り×衛生(除菌・除ウイルス、三密防止、非接触)
⑧マーケティング×ファイナンス(クラウドファンディング)
⑨主要エリアのプレーヤー変化に対応した業態開発・物件探し
⑩観光・交通系→デイリー、デイリー→観光・交通系などリスクヘッジを考慮した両利き経営

 

船井総研には業種特化したマーケティング、財務、HRDのメンバーが揃っております。
ウィズコロナ期にどのような形で企業を存続、成長させていくのかお悩みの方はお気軽にご相談くださいませ。

 

今週もお読みいただきありがとうございました。

執筆者
チームリーダー チーフ経営コンサルタント
中渕 綾
プロフィール
食品業界で新型コロナ対策として“いま”取り組みたい10のこと
食品
2020/5/15
食品業界で新型コロナ対策として“いま”取り組みたい10のこと

1、はじめに

 
船井総合研究所 地域食品振興グループの中渕です。

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

初めに新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さま、および関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い収束を心よりお祈り申し上げます。

 

今回のコロナ禍では尋常ではない経済デメリットが生じました。

 

ご商売をされている皆様にとっては3月、4月、5月と厳しい時期が続いたのではないでしょうか。

実際に我々のご支援先の数字を見ている限り、これまでに体験をしたことがないような大きな損失が出ております。

 

2、【コロナ禍経営での守り】

 

2-1、手元資金の確保・経費の削減

 
守り面は再三お伝えしてきたように融資、保障、給付金、補助金、助成金といった金策に動いていただき、私のご支援先では月商の4~12カ月分の手元現金を確保いただいております。

我々のようなコンサルタントを雇っていただき、もともと優良企業で明確な事業コンセプト、出口戦略が構築できている企業様へは金融機関の審査も優先的に通った印象です。

またこれまで当たり前に発生していた経費は各所への交渉により一時的または無期減額に至った例も多いです。

 

2-2、売り場での衛生管理

 
昨今の状況下では、消費者の方に安心してご利用いただける環境作りが、事業の継続に重要となります。

食品業界における新型コロナウイルス感染拡大防止策として、農林水産省が食品産業者向けにガイドラインを発表しました。

以下で、その一部を紹介させていただきます。

新型コロナウイルスの感染経路としては、接触感染・飛沫感染などが判明しているため、それらを防ぐ方策をとることが要請されています。

従業員の方に対する具体的な方策としましては、検温の実施、こまめな手洗い、発熱など症状がある方への自宅待機の徹底、マスクの着用などがあげられています。

また、売り場に関しましても、「密閉」「密集」「密接」の「3つの密」を避けるために、人と人との間に距離をとるソーシャルディスタンスの確保などが必要とされています。

具体的な方策としましては、売り場の換気や、人が多く集まりやすい場所の改善、入店者制限に伴う入替制の実施、多数の方が触れる箇所の拭き取り清掃などが求められています。

これらの内容に加えて各企業様の特性に合わせた方策も求められています。

 

3、【コロナ禍経営での攻め】

 

3-1、消費性向の変化~商業動態統計、ご支援先の傾向を踏まえて~

 
さて、最も重要な部分は「企業の血液となる売上をどう作っていくか」という部分です。

コロナの影響が表れ始めた3月の商業動態統計(経済産業省)が発表されましたので確認しておきたいと思います。

 

2020年3月の商業販売額(全業種)は49兆1,280億円、前年同月比5.5%の減少となりました。

これを卸売業、小売業別にみると、卸売業は36兆2,840億円で6.6%の減少、小売業は12兆8,440億円で4.6%の減少となりました。

小売業を業種別にみると、織物・衣服・身の回り品小売業が前年同月比22.3%の減少、各種商品小売業(百貨店など)が21.0%の減少、機械器具小売業が6.7%の減少、燃料小売業が6.5%の減少、

その他小売業が2.3%の減少、無店舗小売業が1.8%の減少、自動車小売業が1.0%の減少、飲食料品小売業が0.5%の減少でした。

一方、医薬品・化粧品小売業が1.5%の増加となりました。

 

上記の数字のみ確認すると飲食料品小売業の落ちは目立ちませんが

百貨店での飲食料品小売業は23.2%の減少、スーパーは7.5%の増加、コンビニエンスストアでは日配食品が6.2%の減少、加工食品が3.8%の減少、ドラッグストア(食品)は18.2%の増加と小売業の業態別に差が出ています。

 

より日常に近く、低価格である最寄型小売業では売上が増加しています。

 

これまで好景気型の景気循環でしたが、ここにきて不景気型の流れとなっている点が見て取れます。

 

また船井総研のご支援先の業績をメンバーで持ち寄り分析したところ、緊急事態宣言が発令された4月からゴールデンウィークの売上は、観光地・百貨店・交通系販路の店舗で売上95%~80%の減少、郊外店で20%の減少~10%の増加など立地特性により売上の開きが大きくなっております。

商材別にみると生活必需品である主食(米、麺、パン)や生鮮三品は40~50%の増加、缶詰などのロングライフ食品や時短調味料などは大きく伸びました。

また、緊急事態宣言の影響が比較的少なかった地方の単品スイーツ専門店や食パン専門店などは売上がほぼ落ちず、連日お客様にお買い求めいただけました。

 

3-2、好調企業の3要素

 
今後、状況は好転してくるはずですが、コロナ禍に好調であった販売の3要素をまとめますと、

 

①お客様が集まる場所に商品を持っていく

→最寄型小売業での臨時販売・移動販売

②お客様に商品を届ける

→通販・宅配・ふるさと納税

③お客様に発信する

→SNSキャンペーン、動画活用、オンライン即売会

オンライン工場見学、オンラインアンバサダーマーケティング

 

特にDM、EC問わず通販が非常に好調でした。

 

3-3、通販の伸長

 

通販での前年対比を商材別にみていきますと

 

①米・麺・・・前年対比500%~1,000%

②生鮮三品・・・前年対比300%~800%

③佃煮など加工品・・・150%~300%

④調味料・・・150%~300%

⑤スイーツ・・・120%~300%

 

企業年商が5億円の企業であっても通販月商が2,000万円となり

かつてないほどの売上となっております。

特に対策を打たなくとも200%~300%になりますが、

お得なセットを作ったり、相場の値崩れ品を仕入れて販売したり

自社の在庫品を値引いて販売し、需要を取り込めました。

また費用対効果が高い広告に集中投資いただき大きく売上を伸ばすことができました。

広告の費用対効果を表すROAS(売上/費用×100%)ですが、かけた費用の10倍の売上を表す1,000%超の運用が散見されました。

 

3-4、組織運営に関して

 

組織運営に関しましては

 

緊急事態時の雇用・待遇の明確化(衛生要因)

緊急事態時の評価制度KPIのシフト(動機付け要因)

 

をスピーディーにご対応いただきました。

 

上記が4月~5月の振り返りですが、今後あらゆる面で既存の商売の形態を考え直さないといけない状態でございます。

 

4、今から取り組みたい10のこと

 

収束を見据えて5月中旬からご支援先にお伝えしていることは

以下の10項目でございます。

 

①ギフト需要期の情緒マーケティング(適サービス)

②不景気対応・不安対応型商品政策(適品・適価・適量)

③通販・宅配など“届ける販路”の強化(適時・適場所)

④さらなる目的来店獲得型の店舗作り

⑤DX化(オンライン展示会・商談・工場見学・教室・メディア活用・アンバサダーマーケティング・BtoB EC)

⑥バックオフィスの改善(システム、RPA)

⑦売り×衛生(除菌・除ウイルス、三密防止、非接触)

⑧マーケティング×ファイナンス(クラウドファンディング)

⑨主要エリアのプレーヤー変化に対応した業態開発・物件探し

⑩観光・交通系→デイリー、デイリー→観光・交通系などリスクヘッジを考慮した両利き経営

 

船井総研には業種特化したマーケティング、財務、HRDのメンバーが揃っております。

ウィズコロナ期にどのような形で企業を存続、成長させていくのかお悩みの方はお気軽にご相談くださいませ。

 

今週もお読みいただきありがとうございました。

 

⇒【無料】経営相談窓口はこちら

https://funaisoken.ne.jp/funai-food-business/soudan-inquiry.html

船井総合研究所フード支援部では、飲食店経営に役立つ情報を定期的にコラムやメルマガにて配信しています。ぜひご登録もよろしくお願いいたします。

⇒経営のお役立ち情報が届く【無料】メルマガ登録はこちら

https://funai-food-business.com/mailmagazine/

執筆者
チームリーダー チーフ経営コンサルタント
中渕 綾
プロフィール