チームリーダー チーフ経営コンサルタント
中渕 綾

同志社大学経済学部卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。入社以来BtoB営業、飲食店、食品製造業、WEB、設備工場などのコンサルティングを経て、現在は食品製造業のコンサルティングをメインに全国を飛び回っている。主に酒・味噌・醤油など醸造業における業績UPを得意とし、指導開始3か月以内に結果を出すことにコミットしている。WEB制作会社、広告代理店、PR会社、海外販路拡大、レシピ開発、補助金・助成金取得など提携パートナーとの連携を深めているため、食品製造業の経営課題をワンストップで解決することが可能である。

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2021年に向けて年内に仕込んでおきたいこと
スイーツ
食品
2020/11/10
2021年に向けて年内に仕込んでおきたいこと

いつもお読みいただきありがとうございます。

船井総合研究所 地域食品グループの中渕でございます。

 

当コラムをお読みいただいている方々、弊社ご支援先 研究会会員様は非常に“勉強好き”“素直”“プラス発想”という船井流成功の3要素を満たされておりますので、“相対的に”2020 年は業績が良かったのではないでしょうか。あくまでも“相対的に”という表現にとどめております。

7 割経済と言われており久しいですが、前年比を大きく上回っているご支援先もおられれば、なんとか 90%~前年並に戻されたご支援先もおられます。

大切なことは 戦略なき業績の左右」ではなく、現状 as is)を正しく把握し分析し、あるべき姿 to be)を短期 中長期で定めた上でやるべきこと to do)を設定し、PDCA サイクルを回して全社・全社員を挙げて目的 目標に向かわれたご支援先は、非常に良いプロセスを経て結果に結び付きました。

経営者の皆様も当然 人間」ですので、先行き不透明で手元現金はどんどん無くなり、非常にご不安な日々を過ごされたと思います。役員報酬も先陣を切ってカットされ、大切な社員の皆様、PAの皆様にも助成金をうまく使いながらですが協力いただき存続のために様々な施策・金策を打たれました。

ただその中でも 不景気に仕込み、好景気に跳ねるぞ!」と私が関わらせていただいているご支援先の皆様はこの時期にいろいろと仕込まれました。

 

まずは相対的に自社のツイている商品 販路を徹底的に伸ばされました。

 

・プチ贅沢需要 おやつ需要 個食、時短

・常温ストック、メール便配送

・量販系販路 通信販売 など

 

量販系販路は 10%~100%の増 同時に新規開拓も有り)

通信販売は 50%~200%の増 過去最高売上 利益達成多数)

 

量販系販路は他社が動いていない今のうちに経営者自らトップ営業で新規販路にアポを取られ、遠隔商談もしくは直談判で新たな口座開設に結び付きました。

また起死回生を狙っている商業施設から新しい動きをしている元気な企業に声をかけており、催事出店や常設店舗のお声がけも多くいただきました。 条件面などは当然精査しながら)

 

通信販売は、今年は 9 月~お歳暮・クススススに向けた準備を整え、 10 月から本格稼働、11 月に山場を迎え、12 月・1 月にも 2 山、3山を獲得できる仕掛けをしております。

ここを滞りなく進めていただいているご支援先は非常に好調です。

 

また同時に 当たり前にかかっている経費」である送料の見直し、送料込セット、上代が知られていない商材ミックスなどなど、送料負担額 率を下げる、包装資材を簡易化するなどの経費削減のための取り組みも大きく進みました。

 

また効率化のためのシステム周りの刷新、船井総研ご紹介の安価なコールセンターの導入、物量が増えたため臨時の冷凍 冷蔵コンテナの臨時設置 こちらも最安値級)、RPA、OCR の導入などなど改革を進めております。

 

特にクラウドの受注一元化システムを導入し、コールセンターから直接入力いただくことで、自社では発送に注力し、誤配遅配の減少、さらなる追加策の企画などに時間が使えて好循環です。

 

その他、コロナ禍でも好調であった地域や立地を分析し、新規業態での出店を進めているご支援先も非常に多いです。

 

好条件で借り入れできた資金のうち、必要運転資金は確保し、その他の借り入れの金利を上回る“利回り”を生むビジネスに ワン~ツーオペ」 CK 活用」 低投資」 早期回収」という条件で業態開発をいただいております。

当然、オンスーワン、ナンバーワン、ファーストワンという船井流 1番化の要素を入れ込み、他の追随を許さない業態の磨きこみを行っています。

 

不景気に仕込み、好景気に大きく跳ねる」

 

内部構造のススム化、外部に対しての攻めを仕込んでいただき

2020 年はいろいろと仕込めてよかったな。やりきった!」と思える 12/31 を迎えていただきたいと考えております。

 

今週もお読みいただきありがとうございました。

執筆者
チームリーダー チーフ経営コンサルタント
中渕 綾
プロフィール

夏の売上減少を少しでもカバーする年末商戦最大化にむけて
食品
2020/10/16
夏の売上減少を少しでもカバーする年末商戦最大化にむけて

いつもお読みいただきありがとうございます。

船井総合研究所地域食品グループの中渕でございます。

 

私は月曜日から土曜日まで全国様々な地域のご支援先にまわらせていただき、その土地土地で多くの情報収集をしております。

また正解がない中、様々な仮説を立て、実施いただき多くの成功事例を作っていただいております。

 

直近のルール化は以下です。

 

①東日本、西日本で自粛度合いが違う

⇒西日本の方が比較的活発に人が動いている傾向東日本と西日本(特に大阪)の催事売上に差があり。

 

②(子供がある程度大きくなった)ファミリー層、若年層向けのマーケティングは成果が出る

⇒ローカルインフルエンサー(セミプロで5,000人~10,000人のフォロワーがいる方々)の活用で若年層の集客に大きく貢献。

 

③ギフト需要は堅調

⇒この夏はお歳暮需要が堅調。年末売上最大化のため大手流通業がお歳暮商戦を早期・総力を挙げて仕掛ける可能性大。

 

マーケティングでは

誰に・・・ターゲット

何を・・・商品

どのように告知し・・・アナログ、デジタル

どうやって提供するか・・・対面物販、配達、飲食

という原理原則に基づき組み立てていきます。

 

例えば、

①地元客に(商品)を新聞折込で告知し配達をした

②20代若年層に(商品)を自社のSNSアカウントのみではなく、ローカルインフルエンサーに依頼し、無料で告知していただきカフェに集客をした

③年配層の上得意顧客に(商品)をDMの回数を増やしてアプローチし、通販でお買い求めいただいた

④自粛ムードが厳しい自社商圏から出て、ねらい目である関西屈指のターミナル駅である天王寺に催事出店し、売上を獲得

など、コロナ禍だからこそ原理原則に立ち返って冷静に組み立て、少しでも売上を作っていただいております。

 

ただ、食品業界全般において、年末(11月~12月)の売上は前年対比または目標対比において前後5%のブレが生じるとかなりの金額差になると、私は日々警鐘を鳴らしております。

原理原則に立ち返り、一山だけではなく、二山、三山と作ることができる入念な仕掛けのご準備をいただいておりますでしょうか。

 

これは全販路において言えることでございます。

 

BtoB営業、直営店舗、テナント店舗、通販それぞれ、制約下においても対策はございます。

 

営業に行けないから ⇒ 本当に対面で会わないといけませんか?

お客様が来ないから ⇒ 来ていただける客層に声かけはしているか?客単価を少しでもあげる仕掛けや努力はできていますか?

集客したら密になるので ⇒ 屋外活用や入店制限はできませんか?

などなど、日々問いかけては仮説を立て、実施いただき、成功パターンを作っております。

 

本文をお読みいただいている方は経営幹部の方々だと思います。

どうかあきらめず、年末にベストを尽くしていただきたいと考えております。

今週もお読みいただきありがとうございました。

執筆者
チームリーダー チーフ経営コンサルタント
中渕 綾
プロフィール

ポストコロナにむけた事業ポートフォリオの構築を【食品製造小売業様向け】
食品
2020/8/06
ポストコロナにむけた事業ポートフォリオの構築を【食品製造小売業様向け】

新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さま、および関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い収束を心よりお祈り申し上げます。
また、この度の豪雨により被災された皆さまへ
謹んでお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

 

いつもお読みいただきありがとうございます。
さて、日々ニュースで使われる「7割経済」というキーワードですが、これは皆様が実感されている通り恐ろしいキーワードです。
私も日々実感しておりますが、法人(企業)、個人(経営者・従業員)という“人”を守るために金策に走っていただき、目下の危機は逃れたものの、中長期的に返していかないといけない借り入れ、月々のキャッシュフローを考えると、7割経済(つまり7割の売上)で留まっていたのでは会社も人も守れない状況です。

※地域・業種・業態によっては5割経済、1割経済もあります。

 

この難局を乗り切るには2つの方法しかありません。

(1)7割経済で耐えられる収益構造への転換
(2)伸びている販路への販売や成長市場への参入

 

事業に永続性をもたせるにしても、将来的に他者に承継するにしても変化が求められている状況でございます。

皆様も新しい商売や新商品・新サービスの開発、省人化や生産効率UPのための設備の導入を、補助金を利用して推し進める、当たり前に発生し、当たり前に支払っていた経費の見直し・価格交渉など日々実施いただいていることと存じます。

 

新型コロナウイルスの第二波がささやかれる中、先行き不透明ではありますが、自社の“在り方”を再定義する時間を是非とも設けていただきたいと考えております。

その際に実施していただきたいことは、自社の現状を洗い出し、あるべき姿を“対比”で書き出していただくことです。

 

JR東日本(運輸・流通・不動産等の多角化経営)の2020年3月期のIR資料に興味深い1ページがございます。(以下、抜粋)

「ポスト・コロナ社会の不可逆的な構造変化」に対して
〇成長・イノベーション戦略の再構築
〇経営体質の抜本的強化

を目標とし、そのやり方として

〇「集中」から「分散へ」
〇「通勤主体」から「生活主体」へ
=東京一極集中から地方ターミナルへ
〇「マス」から「パーソナル」への加速
=JREモール会員(EC)を26万人(2019年)から100万人へ
〇「リアル」から「デジタル」への加速

と掲げられています。

 

上記は大手の戦略ではございますが、私が日々お伝えしている再定義の一例をお伝えしますと

【売上比率】
〇BtoB:BtoC
〇国内:国外
〇ハレ商品:ケ商品
〇観光・百貨店・交通系販路:郊外型店舗
=販路別(自店舗・量販・百貨店・CVS・ドラッグストア等)
〇冷凍・チルド:常温
〇リアル:デジタル
〇新規客:既存客

など

 

【マネージメント比率】
〇正社員:PA
〇マンパワー:RPA
〇内製:外製
〇新卒:中途
〇年齢別

 

などなど、先行き不透明な現在の市場環境下において自社の成長において必要な「グロース市場・商品・販路・人財」、事業の安定に必要な「ディフェンシブ市場・商品・販路・人財」のポートフォリオの最適化が求められています。

 

最適な比率は各社のビジョン・外部環境・内部環境により異なりますので、一度再定義いただくことをお勧めします。

 

コロナ禍で業績がよかった業種業態が散見されましたが、
「戦略なき売上拡大」と見受けられるものも多く、持続的成長
が見込まれるものではありません。

 

また、緊急事態で急に舵をとったところで売上を獲得するには
時間がかかることも多かったと感じております。

 

百貨店の高島屋は以前からクロスメディア事業部がECの強化を図っており、2020年6月度の店頭売上速報をみてもお中元商戦は前年並みまで回復しております。
大丸松坂屋はオムニチャネルリテイリングを推し進めてきた結果、EC売上は非常に大きいですが、大丸心斎橋店でのギフトセンター設置をやめてしまった結果、大阪タカシマヤ(難波)に流れた客層もいるようです。

 

上記のように「リアル店舗で買いたい方」「WEBで済ませる方」
「感染を恐れる方」「感染を気にしない方」などなど生活者の
考え方・嗜好は異なるため、何かに振り切ることはリスクがあるようです。

 

我々のご支援先での戦術・戦闘策としては、直近のお中元需要はやや落ちていますが、通信販売・ECの強化、日常品・時短品・常温商品・おやつ需要の強化を長い時間をかけて行ってまいりました。
この夏は強化してきた販路の売上増が見込めました。

 

またこの機会にツキ管理(売上構成比・伸長率・生産性)
を導入いただき、商品の見直しをしていただいております。

 

接客・販売スタッフのKPIも客単価に設定し
「安全な試食提供×提案力強化×滞在時間のUP=客単価のUP」
という方程式に則り客単価1.3倍というストレッチのきいた目標設定で売上を作っていただいております。
マスクをしているので「声の大きさは1.5倍に」「 “目”で笑う」練習も朝礼で行っていただいております。

 

冬にむけては、先ほどお伝えさせていただきました事業ポートフォリオの再定義をした上で、長所進展・一点突破・全面展開で勝ち残っていただきたいと考えております。

 

今週もお読みいただきありがとうございました。

執筆者
チームリーダー チーフ経営コンサルタント
中渕 綾
プロフィール

ポストコロナにむけた事業ポートフォリオの構築を【食品製造小売業様向け】
食品
2020/7/20
ポストコロナにむけた事業ポートフォリオの構築を【食品製造小売業様向け】

新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さま、および関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い収束を心よりお祈り申し上げます。
また、この度の豪雨により被災された皆さまへ
謹んでお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

 

いつもお読みいただきありがとうございます。
さて、日々ニュースで使われる「7割経済」というキーワードですが、これは皆様が実感されている通り恐ろしいキーワードです。
私も日々実感しておりますが、法人(企業)、個人(経営者・従業員)という“人”を守るために金策に走っていただき、目下の危機は逃れたものの、中長期的に返していかないといけない借り入れ、月々のキャッシュフローを考えると、7割経済(つまり7割の売上)で留まっていたのでは会社も人も守れない状況です。

 

※地域・業種・業態によっては5割経済、1割経済もあります。

この難局を乗り切るには2つの方法しかありません。

 

①7割経済で耐えられる収益構造への転換
②伸びている販路への販売や成長市場への参入

 

事業に永続性をもたせるにしても、将来的に他者に承継するにしても変化が求められている状況でございます。

皆様も新しい商売や新商品・新サービスの開発、省人化や生産効率UPのための設備の導入を、補助金を利用して推し進める、当たり前に発生し、当たり前に支払っていた経費の見直し・価格交渉など日々実施いただいていることと存じます。

新型コロナウイルスの第二波がささやかれる中、先行き不透明ではありますが、自社の“在り方”を再定義する時間を是非とも設けていただきたいと考えております。

 

その際に実施していただきたいことは、自社の現状を洗い出し、あるべき姿を“対比”で書き出していただくことです。

JR東日本(運輸・流通・不動産等の多角化経営)の2020年3月期のIR資料に興味深い1ページがございます。(以下、抜粋)

「ポスト・コロナ社会の不可逆的な構造変化」に対して
〇成長・イノベーション戦略の再構築
〇経営体質の抜本的強化

を目標とし、そのやり方として

 

〇「集中」から「分散へ」
〇「通勤主体」から「生活主体」へ
=東京一極集中から地方ターミナルへ
〇「マス」から「パーソナル」への加速
=JREモール会員(EC)を26万人(2019年)から100万人へ
〇「リアル」から「デジタル」への加速

と掲げられています。

上記は大手の戦略ではございますが、私が日々お伝えしている再定義の一例をお伝えしますと

 

【売上比率】
〇BtoB:BtoC
〇国内:国外
〇ハレ商品:ケ商品
〇観光・百貨店・交通系販路:郊外型店舗
=販路別(自店舗・量販・百貨店・CVS・ドラッグストア等)
〇冷凍・チルド:常温
〇リアル:デジタル
〇新規客:既存客

など

【マネージメント比率】
〇正社員:PA
〇マンパワー:RPA
〇内製:外製
〇新卒:中途
〇年齢別

などなど、先行き不透明な現在の市場環境下において自社の成長において必要な「グロース市場・商品・販路・人財」、事業の安定に必要な「ディフェンシブ市場・商品・販路・人財」のポートフォリオの最適化が求められています。

最適な比率は各社のビジョン・外部環境・内部環境により異なりますので、一度再定義いただくことをお勧めします。

コロナ禍で業績がよかった業種業態が散見されましたが、
「戦略なき売上拡大」と見受けられるものも多く、持続的成長
が見込まれるものではありません。

また、緊急事態で急に舵をとったところで売上を獲得するには
時間がかかることも多かったと感じております。

 

百貨店の高島屋は以前からクロスメディア事業部がECの強化を図っており、2020年6月度の店頭売上速報をみてもお中元商戦は前年並みまで回復しております。
大丸松坂屋はオムニチャネルリテイリングを推し進めてきた結果、EC売上は非常に大きいですが、大丸心斎橋店でのギフトセンター設置をやめてしまった結果、大阪タカシマヤ(難波)に流れた客層もいるようです。

上記のように「リアル店舗で買いたい方」「WEBで済ませる方」
「感染を恐れる方」「感染を気にしない方」などなど生活者の
考え方・嗜好は異なるため、何かに振り切ることはリスクがあるようです。

我々のご支援先での戦術・戦闘策としては、直近のお中元需要はやや落ちていますが、通信販売・ECの強化、日常品・時短品・常温商品・おやつ需要の強化を長い時間をかけて行ってまいりました。
この夏は強化してきた販路の売上増が見込めました。

またこの機会にツキ管理(売上構成比・伸長率・生産性)
を導入いただき、商品の見直しをしていただいております。

 

接客・販売スタッフのKPIも客単価に設定し
「安全な試食提供×提案力強化×滞在時間のUP=客単価のUP」
という方程式に則り客単価1.3倍というストレッチのきいた目標設定で売上を作っていただいております。
マスクをしているので「声の大きさは1.5倍に」「 “目”で笑う」練習も朝礼で行っていただいております。

冬にむけては、先ほどお伝えさせていただきました事業ポートフォリオの再定義をした上で、長所進展・一点突破・全面展開で勝ち残っていただきたいと考えております。

今週もお読みいただきありがとうございました。

執筆者
チームリーダー チーフ経営コンサルタント
中渕 綾
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