経営コンサルタントのお役立ちコラム | 船井総研 フード支援部

経営コンサルティングの船井総研 フード支援部

Googleマイビジネスの使い方(MEO対策)~飲食店のための無料集客術~
外食
2020/7/16
Googleマイビジネスの使い方(MEO対策)~飲食店のための無料集客術~

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Googleマイビジネスの使い方(MEO対策)~飲食店のための無料集客術~

お金をかけられない“いまこそ”取り組みたい販促施策

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いつもコラムをご愛読いただき、

ありがとうございます。

船井総研フード支援部の玉利信です。

 

今回は、お金をかけられない“いまこそ”取り組みたい

Googleマイビジネスを利用した販促施策(MEO対策)をご紹介します。

~~~

その前に

  • ・Googleマイビジネスとはなにか?
  • ・Googleマイビジネスに取り組むメリット
  • ・オーナー登録の方法と基本的な情報の入力方法

の3点について簡単に解説します。

■Googleマイビジネスとはなにか

GoogleマイビジネスはGoogleが提供しており、店舗の所在地や電話番号、営業時間などの情報をGoogleマップ上に登録できる無料のサービスです。ここに登録しておくと、Google検索で「店名」もしくは「地名+業態名(例:大阪ラーメン)」などで検索した時に、その地域で関連性の高い店舗がリストアップされ、検索結果の上位に表示されます。そしてその画面からは店舗までの道順が確認できたり、店舗に電話をかけたり、自店のWEBサイトにアクセスすることができます。

 

■Googleマイビジネスに取り組むメリット
Google検索でお店を探している検索ユーザー(お客様)に対して、正確かつ最新の店舗情報を伝えることができます。近年、Google検索でのローカル検索需要は極めて高まっています。また、ローカル検索による集客は高い効果が見込まれます。しかし、ただGoogleマイビジネスに登録しただけでは、当たり前に上位表示されることはありません。しっかりと「MEO対策(MAP Engine Optimization)」を施す必要があります。

■細かな情報設定とマメな更新が上位表示のカギオーナー登録の方法と基本的な情報の入力方法
まず初めに重要となるのは「オーナー登録」をしているかどうかです。自店のGoogleマイビジネスを見たときに、「このビジネスのオーナーですか?」と出ていれば、その文をタップ/クリックすることでオーナー登録ができます。すると、Googleマイビジネスで発信する情報をこちらで修正できるようになります。

オーナー登録をした後は、編集画面にログインして正確な情報登録、特に店舗のカテゴリを適切に設定することが必要です。また、店舗の世界観が伝わるような写真の登録や、店舗で扱っている商品の説明、投稿機能を利用した高頻度の情報発信が上位表示のポイントです。
お店の説明をする詳細文(上限750文字)は必ずキーワードを意識して作成しましょう。例えば、大阪にある喫茶店の場合、「関西」というローカルキーワードより「大阪」というキーワードの方が検索ボリュームが大きいことが予想されます。大阪のどこにあるのか。「梅田」など、さらに絞り込んだ地名を入れるのも効果的です。

また、検索ユーザーは「喫茶店」ではなく「カフェ」と調べる人が多いでしょう。さらには20代女性など、ターゲット層を文言に入れるのも一つの手法です。このようにキーワードを意識した文章にすることで検索に引っ掛かりやすくなり、認知されます。

例)

×関西の喫茶店です。

◎大阪梅田にある、20代女性に人気のおしゃれなカフェです。

 

ある繁華街立地にある居酒屋はこれらの対策により、「○○(地域名)居酒屋」や「○○(地域名)飲み放題」という検索ワードに対して、Google上で1~2位での表示をさせることに成功しました。また別の地域の飲食店でも、「地域名+焼肉」や「地域名+ラーメン」などビッグワードに対しても表示順位を2位まで上げることに成功しています。

 

以上のように、まずはGoogleマイビジネスに登録し、各種情報を埋めていきましょう。さぁ、ここからが今回の本題です!

~~~
まずは「なぜ“いまこそ”Googleマイビジネスなのか?」と

いうことからご説明します。

 

外出の自粛要請が解除されて以降

外食業界にも徐々に客足が戻ってきています。

しかしながら、立地・業態によってその戻り具合は異なり

繁華街・ビジネス街は戻りが遅く、逆に郊外や

ベッドタウン立地は比較的戻りが早いという傾向が

出ています。

 

そのような中で、

・不振店を業態転換したい

・飲食店で販売していたテイクアウト事業を本格化させたい

・中食事業を本業の次の柱に育てたい

といったお声を多く頂いております。

 

つまり、「コロナの心配はあるけど、地元のお店なら

まだ外食してもいいかな。」という消費者心理が

現在はひとつ働いていると考えることができます。

 

それならば、近くの飲食店を探す際に使われやすいのは

どんな媒体か?と言うと、それが今回取り上げる

地図情報と紐付いたGoogleマイビジネスなのです。

 

=今回のポイント=

<いますぐ実施したいGoogleマイビジネス対策(MEO対策)>

STEP1 まずは登録/情報の更新

STEP2 口コミの返信

STEP3 投稿機能を活用した来店促進活動

==========

それでは早速1つずつ見ていきましょう。

 

<STEP1まずは登録/情報の更新>

兎にも角にもまずはオーナー登録をしましょう。

Googleにて自店を検索すると、Googleマイビジネス

(≒GoogleMAP)のページが表示されます。

「このビジネスのオーナーですか?」から

登録を進めてください。

 

そして、ここでよくあるのが

「うちの営業時間が昔のままになっている!」

「テイクアウト可能なのに反映されていない!」

「クレジットカードが使えずに現金のみとなっている」

などのように、誤った情報が反映されているケースです。

 

これらの情報は、一般の方が入力した情報やGoogleが

店舗の情報だと判断して反映したものです。

管理画面上の「情報」タブにて、最新かつ

適切な店舗情報に更新しましょう。

 

また、テイクアウトを実施されている店舗は以下の

更新も行いましょう。

管理画面の「情報」タブ→「カテゴリ」を選択します。

 

「テイクアウト」「テイクアウト可能な中華料理店」

「テイクアウト可能な寿司店」「持ち帰りピザ」という

カテゴリがあります。こちらを自店のカテゴリとして

登録することで、お客様がGoogle上でテイクアウト関連の

検索を行った際には、検索にヒットしやすくなります。

 

管理画面の「商品」または「メニュー」の欄では

自店の商品を登録することができます。

こちらにはテイクアウトメニューもぜひ掲載しましょう。

 

<STEP2口コミの返信>

口コミへの返信は、ご来店いただいたお客様との対話

という意味で重要ですが、それ以上に「この店舗は顧客との

対話をしっかり行っている店舗だと、Googleに認識してもらう

ため」にもとても重要な取組みとなります。それが結果的に

検索結果の表示順位を上げることにも繋がってきます。

 

「どんな返信をしたらいいか分からない」

「店舗営業が忙しい中で返信作業をやりきれない」

「悪い口コミは見たくもない、、、」

現場ではいろいろな理由でこの返信作業をやらない

またはいつの間にかやらなくなっているケースが

多々あります。しかしながら、これをやりきっている

店舗は、やはり表示回数が増え、検索順位が上がっている

傾向があるのも事実です。

 

Googleマイビジネスは無料でできる販促なので

多少の手間はもちろん必要です。ただし、これから

お伝えするやり方なら、ニガテ意識がある現場の

店長さんでも、しっかり運用できるようになります。

これからGoogleマイビジネスを対策する店舗も

一度運用を諦めてしまった店舗も以下の2点を

ぜひチャレンジしてみてください。

 

=====

1.まずは週イチ、15分間Googleマイビジネスに返信する日をつくる

2.悪い口コミ用と良い口コミ用の2種のテンプレートを用意しておく

=====

たった、これだけです。

これだけをでいいので、まずは1ヶ月やってみましょう。

口コミが入る度になるべくはやく返信するのが

理想的ではありますが、それだとなかなか疲れて

しまいますし、返信を忘れてしまい、そのまま返信

する習慣がなくなってしまうこともあります。

 

まずは週イチで構わないので、決まった曜日の決まった時間に

「Googleマイビジネスに返信する時間」を作りましょう。

そうすることで、その中で返信できる範囲の文字数で

しっかりと時間を区切って返信作業を抜け漏れなく

やり続けられるようになります。また、毎週決まった

時間枠で返信していくことで、感情に左右されにくくなり

ます。ニガテ意識があるけど大事な作業は、時間を区切って

やりきってしまいましょう。

 

そして、その限られた時間の中で口コミを返信するためにも

ぜひ、口コミのテンプレートを作成しておくと良いです。

というのも、口コミは大抵の場合、悪い口コミと

良い口コミの2つに大別できます。

 

悪い口コミには

「〇〇様ご来店ありがとうございます。<店名>の

店長の〇〇です。<ご指摘のあった内容の要約>ということで

大変ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。

また貴重なご意見、誠にありがとうございます。

今回の件はスタッフ全員に共有し、改善に取り組んで

まいります。引き続き<店名>をどうぞよろしく

お願いいたします。」

 

良い口コミには

「〇〇様ご来店ありがとうございます。<店名>の

店長の〇〇です。<褒めていただいた内容の要約>と

いうことで、〇〇にご満足いただけて大変嬉しく思います。

またのご来店をお待ちしております。」

というように、適宜文章を変更しながらテンプレートを

用意しておくとあまり頭を悩ませずに返信をしていくことができます。

これができるようになれば、もう少し文章を足して

「〇〇をお好みの方には、当店の〇〇もおすすめですので

次回ぜひご注文くださいませ!」といったように

口コミの返信作業に慣れてきたら、このような

おすすめの商品の話や季節のイベントの告知も

ぜひ返信の中に差し込んでいきましょう。

 

<STEP3投稿機能を活用した来店促進活動>

さぁ、いよいよGoogleマイビジネス運用のSTEP3です。

「投稿」を使うことで、季節メニューや日々の営業情報を

SNSのように告知できます。通常営業が再開して

現在やっている新商品やイベント情報は「投稿」を

使って発信していきましょう。

その際には、「ボタンの追加」から「今すぐ電話」を選択し

電話番号を追加することで、事前に電話注文ができるように

工夫もしましょう。

また、投稿機能を使う際は、同時に「写真」のほうにもイベント

のPOP画像などを掲載するようにすることで、より多くの方の

目に触れるようにしていくことが重要です。

 

直接来店促進を告知できるのが「投稿」機能の強みでも

ありますが、ここで一番重要なのはこの時期にどんな

イベントを行うか?です。

 

外出の自粛要請が解除され、現在は徐々にお客様が

飲食店に足を運んでいる状況です。ただ、お客様に

とっては、外出自粛要請の間2ヶ月ほど、全く外食に

触れていない状態とも言えます。ある意味“外食の

習慣がなくなってしまった“方々に、もう一度お店を

利用してもらうためには、やはりそれなりにインパクトの

ある販促を行うことが、この時期は特に必要です。

 

船井総研のお付き合い先各社で効果が出ているのは

居酒屋業態なら「レモンサワー/ハイボール1杯99円」

食事業態なら「20%以上の割引券」

どちらの業態にも共通するのは「ステーキや刺盛りなど

のごちそう商品の原価100%以上でのお値打ち提供」

などです。

 

これらの販促は、外食から遠ざかっていたお客様

を呼び戻すための、一時的な起爆剤として実施します。

そして、ただの安売りにならないように「通常営業再開記念」

や「外出自粛解除記念」といったように、半ばむりやりでも

大義名分を付けてあげるほうが、お値打ち提供に

対するお客様からの納得も得られやすいです。

 

皆さまの店舗の状況に合わせて

条件を付けたり、割引率を変えたり、プレゼント内容を

変えるなどのアレンジを加えながら、ぜひこのような

イベント集客にも取り組んでいただければと思います。

 

今回のコラムはいかがでしたか?

・もっと詳しく内容を聞きたい

・うちの場合はどういう運用が良い?

・集客について相談したい

といった方は、ぜひ下記の無料テキストを

ダウンロードいただき、【無料経営相談】にチェック

を付けていただけばと思います。

 

担当のコンサルタントからご連絡をさせていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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執筆者
玉利 信
プロフィール

【動画】10分動画価格設定のポイント
食品
2020/7/10
【動画】10分動画価格設定のポイント

食品業界の皆さまへお役立ちいただける情報を
コンサルタントが定期的に配信する
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今回は「10分動画価格設定のポイント」というタイトルで更新いたしました!

 

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執筆者
グループマネージャー/チーフ経営コンサルタント
中野 一平
プロフィール

【菓子店動画】業績が上がる菓子店のオンライン会議~経営指標をおさえて業績UP!~
スイーツ
2020/7/06
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執筆者
永尾 俊晴
プロフィール

フードビジネス.com
2020/7/06
「テイクアウトにも強いファストカジュアル業態」

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船井総研 フード支援部
■外食グループ発!■
「船井流 飲食店繁盛メルマガ」
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いつも当コラムをご愛読いただき誠にありがとうございます。
今回、全7章のコラムを担当させていただきます、船井総研 フード支援部の二杉明宏です。
コロナに強い飲食店ビジネスモデルの作り方をお伝えさせて頂きますので、
長文で恐縮ですが、ご一読のほどお願いいたします。
 
■第1章「近年成長し続けるファストフードとテイクアウト市場
 
外食産業にとって、「新型コロナウイルス感染症」の拡大が大きな逆風になっています。これまでも日本の外食業界はリーマンショック(2008年)や、東日本大震災(2011年)などの困難を経験し、その都度乗り越えてきましたが、今回の影響はリーマンショックなどの比ではありません。

 緊急事態宣言解除後も尚、人の流れが戻るまでには相当な時間がかかることが予想され、多くの飲食店が大幅な売上減に苦しむだけでなく先行きの不安を強く抱いていることと思います。

 このような状況下においても成長が続いている市場がファストフードとテイクアウトです。消費需要のパーソナル化が進み、利便性の良さが最優先で求められる流れは恐らく今後も続きますが、この両市場はともに条件ニーズを満たしています。

 ファストフード市場の魅力は、そもそも市場が成長しているということと、新型コロナウイルス禍中にあって成長が加速しているテイクアウト市場の両市場をカバーできるという点です。

 テイクアウト市場の強みは、外出の自粛要請によって多くの飲食店の売上が無くなる中で急成長している「巣ごもり需要」を獲得出来ている点です。ネット通販にしても、テイクアウトやデリバリーにしても、新型コロナウイルス感染症が始まる以前から、すでに成長トレンドであり、特に中食市場は昨年の消費税増税による軽減税率制度の導入に伴って、フォローの風が吹いています。フードデリバリー専門の配達業者も増加し、チェーンをはじめとする飲食企業では、テイクアウトやデリバリーを大きく打ち出す店も出てきています。

 この流れは、ウイズコロナ(コロナと共にという意味)期においても継続成長すると考えられます。今ある経営資源を生かして、テイクアウトやデリバリーに進出する道を、積極的に探求することが時流に乗った経営判断と言えるでしょう。
 
■第2章「アフターコロナ時代におけるこれからの飲食店経営のポイント」
 
 事業が成長軌道に乗っているときは、効率よく成長できるため経営資源をその分野に集中しがちです。外食産業は東日本大震災以降の10年近く、今回のような不確定要素による大きな波もなくいわば安定的な時期を過ごしてきました。そのため、経営におけるリスク分散という視点が弱くなっていた会社様も多いのではないでしょうか?

 過去、2001年にBSE(牛海綿状脳症=狂牛病)が発生したとき、焼肉業界は深刻な打撃を受け、東日本大震災のときは特に東北エリアの店舗が危機的な状況に陥ったことからも伺えるように、単一業態での展開や同一エリアのみでの出店は、こと飲食業界においてはリスクが高いです。

 そして、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大も、インバウンドや大規模宴会へ過度な依存をした場合のリスクが浮き彫りにしました。そういった観点から見れば今この瞬間こそが、今後想定外の出来事が起きても「事業の継続性(BCP)」を担保できるように、リスク分散の観点で経営を見直す機会と言えます。

 現在起こっている「消費者の行動変容」を観察し、事態収束後の世の中を想像すると、次のビジネスの展開が見えてきます。例えば、出勤自粛やリモートワークなどこれまで限定的だった動きは、コロナ収束後も定着化する可能性が高いです。オフィス街や繁華街での宴会などは、オフィスに出勤してこその需要であり、このような立地の飲食店はコロナ収束後も完全な需要回復になるかどうかが不透明です。

 こうした変化を踏まえ、自店・自社の強みを生かして、新たな収益の柱を模索することが、今求められており、それを構築することができればリスク分散や事業の永続性に繋がります。具体的な提言としては、思い切って事業展開立地をシフトすることです。
  
 Ex.)繁華街SC ⇒ ローカル路面へシフト
    一級都市(東京など)⇒ ローカル都市へシフト
   繁華街空中階⇒郊外ロードサイドへシフト
 
■第3章「近年成長を続けるファストカジュアル業態とは?」
 
繁華街SCからのローカル路面立地へのシフト、一級都市(東京など)からローカル都市へシフト、繁華街空中階から郊外ロードサイド立地へシフトといった、「立地シフト」が必要になりました。そして、「立地シフト」に伴って、どのような新業態開発を進めるのがこれからの「時流適応」と言えるのでしょうか。

 その答えの一つとして注目なのが、テイクアウトにも強い「ファストカジュアル業態」です。

 ファストカジュアルとは、ファストフードと接客サービス付きレストランの中間にあたるポジションを取る業態で、セルフサービスの要素を持ちながら、質の高さも兼ね備えたモデルです。私たちは『付加価値付きファストフード』と呼んでいます。

 ファストカジュアル業態に盛り込むべき付加価値の要素として、わかりやすいのは、オープンキッチンによる調理実演です。調理場を見せることで、お客様に安心感や楽しさ、美味しさ感を与えること付加価値となります。あらかじめ作り置きしたものを提供する従来のファストフードとは一線を画し、目の前で「できたての料理」を作り、「できたて」が食べられるということは大きな付加価値として、大手ファストフード店との差別化にも繋がります。

 第1章でも触れたように、ファストフード市場にしても、テイクアウト市場にしても、新型コロナウイルス感染症が始まる以前からも成長トレンドでした。ファストカジュアル業態の最大の魅力は、新型コロナウイルス禍中にあって成長が加速しているこの両市場を“両取りできる”という点です。その成長市場の中において長寿ビジネスとするためには「わかりやすい差別化」が必要なのです。
 
■第4章「高い生産性を実現するためのビジネスモデルの作り方」
 
飲食業界を取り巻く背景としては、短期的にはコロナ禍で有効求人倍率は低下しているものの、中長期的には少子高齢化が進む日本において、生産性の高いビジネスモデル開発は今後も重要です。従来から飲食店の課題の1つとなっていた生産性向上の仕組みづくりは、この機会に本格的に注力していくべきだと思います。

 ファストカジュアル業態を開発する上で、高生産性ビジネスモデルへ昇華させるための成功ポイントは「専門店」の顔を持たせることです。専門店シフトはこれからの飲食店経営において非常に重要な戦略となります。何故なら専門店として開発するということは、必然的に調理オペレーションや食材マネジメントがシンプルになるということを意味するためです。

 総合型居酒屋のように様々な調理ラインを持ちながら、幅広い食材を抱えながらの営業を行うスタイルにおいて、生産性を高めることは至難の業です。「専門店」として新規業態開発を行うことで、調理ラインは縮小され、仕込み負担も軽減され、食材の管理もシンプルになるのです。オペレーションがシンプルになるためアルバイト中心の運営が可能となり、人件費も低く抑えることが出来ます。

 また、設備面に関しては、来店客のスマホで注文するモバイルオーダー、タッチパネルを使ったオーダーシステム、券売機の導入、厨房や配膳の機械化などを検討するなど、デジタルや設備への投資も必要です。

 店内レイアウトという観点では、差別化という観点での「できたて訴求(=調理実演)」に加えて、料理提供やバッシングなどをお客様にセルフでやっていただく方式にするなど、高い生産性を実現する店舗レイアウト設計にチャレンジしてみるのも良いでしょう。

 これからの飲食店経営において重要な視点になるのは「専門店」の顔を持たせることです。「専門店」の顔は集客力を高めるのみならず、オペレーションをシンプルにすることにつながるため、業態コンセプトに組み込むべき非常に重要な視点です。
 
■第5章「地方ロードサイド立地での業態開発で押さえるべきポイント」
 
地方ロードサイド立地での業態開発で重要になってくるのが立地と店頭です。キーワードは、店頭視認性の高さと固定費の低さです。

 店頭視認性の高さは、集客力に直結します。可能な限り看板は大きな面積で製作し、車を運転しながら、100m手前からでも一目で何屋さんなのか?予算感はいくらくらいなのか?がわかりやすい店頭づくりが重要です。また、ファストカジュアル業態は昼夜同一メニューで集客を図る業態ですので、店頭看板の照度は他店と比較した時に目立つ明るさで通行客へアピールすることが重要です。

 固定費は低いほうがその後の運営が大きく楽になるので初期投資は抑え、家賃は相場よりも安い条件を選択したほうが、経営資源をフード原価(集客につながるコスト)に投入しやすくなりますし、損益分岐点も低くなるため重要です。コロナ禍によって、賃料交渉はしやすくなっているため、郊外にはチャンスがあると思います。ただし、飲食店ビジネスにおいて、特にファストカジュアル業態においては立地は重要な要素ですので、商圏内において良い立地エリアの中で妥協せずに物件は探索いただきたいと思います。

 また、郊外ロードサイド立地での業態開発の際に気を付けたいポイントとして、お客様からの比較対象として大手ナショナルチェーンが競合ライバル店に挙がってくる点です。対策としては、規模や資金力で上回る大手他社に対して、大手がやりきれない(嫌がる)戦略を1点突破で突き詰めることで、大手に包み込まれない独自のポジションを構築することが、中小企業の勝ちパターンになります。つまり「差別化」が組み込まれた業態コンセプトを作ることが大切です。
 
■第6章「成長市場の中での大手チェーンとの差別化ポイントの作り方」
 
 大手チェーンとの差別化として、「調理ライン」と「高付加価値」がキーワードとして挙げられます。

 第4回のメルマガでも触れたように、調理オペレーションや食材マネジメントをシンプル化させるためには、調理ラインを絞り込む必要があります。大手チェーンは多店舗展開を前提として業態を開発することもあり、そのほとんどがマーケットサイズの大きな業態である「から揚げ専門店」や「とんかつ専門店」など、調理ラインが1つだけの専門店となっています。

 私たちがご提案するファストカジュアル業態は、この調理ラインを2つ持たせることで「差別化」「大手とのわかりやすい違い」をつくり出しています。その際、マーケットサイズの大きなメニューラインに加えて、顕在化していないものの潜在的な消費ニーズが存在する専門店のメニューラインを付加することで、「独自固有の専門店の顔」を作り出すことが可能となります。

 また、大手チェーンがやりたがらないという意味では、オープンキッチンでお客様の目の前で調理実演の要素を加えたり、チルド食材を使うなど、お客様にとっては価値ではあるが、大手チェーンはやりたがらないことは事業の長寿化につながる大きな差別化ポイントになります。

 付加価値の高い商品を「客単価1,000円以下」の価格ゾーンに設定することで、ファストフードともホールサービス付きレストランとも異なりポジショニングが可能となります。「事業立地の転換」という観点で皆様の今後の成長事業として研究いただければと思います。
 
■第7章「まとめ」
 
新型コロナウイルスの影響によりイートイン中心の飲食事業への売上回復については、やはり立地や業態によっては時間のかかるもの、今後の売上回復がなかなか見込みにくい利用動機や時間帯も現実的にはあるかと思います。

 ファストフード市場はコロナ前から成長市場でありましたが、今回を機によりテイクアウトの比重を高めながら伸びていくと思われます。

 この成長市場において大手チェーンと差別化を図りながら事業展開する上で注目したいのがファストカジュアル業態です。

 ファストカジュアル業態とは大手牛丼チェーンや、ハンバーガーチェーンといったファストフード事業より少し上の価格帯で付加価値をつけながら商品提供する業態をいいます。

 実際に今年3月には地方ロードサイド立地で不振・赤字化したステーキ店をとんかつ・豚丼を柱にしたファストカジュアル業態に業態転換し、黒字転換に成功された会員企業があります。

 コロナ禍においては、イートインを制限せざるを得ない期間もありましたが、やはりテイクアウトの需要を獲得できるため、ダメージは最小限度に留めることができました。

 また、「専門店」形態であるため、キッチンオペレーションが非常にシンプルです。さらに従来のレストラン業態では必要だったホールスタッフの業務を「お客様にやっていただくセルフスタイル」とすることで省人化を図っているため、店全体の運営人数を最小限にて継続することが可能です。これらによって、低損益分岐点構造の事業モデルとなっていることで、コロナ禍においても黒字確保が可能となっています。

 胃袋の消費地が、自宅近く、地元で、ローカルで、といった立地シフトが起こっている中で、さらに、より気軽に美味しいものを食べたいというお客様ニーズに対応した「ファストカジュアル業態」についてぜひ注目し、研究してみてくださいませ。
 

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【webセミナー】コロナに強い飲食店ビジネスモデルの作り方(お申込みは、詳細はこちらから⇒https://www.funaisoken.co.jp/seminar/062918/)

■セミナー会場
オンライン開催×3日程(PCがあればどこでも受講可能)
2020/07/28 (火)16:00~17:30
2020/07/30 (木)16:00~17:30
2020/07/31 (金)16:00~17:30

■参加料金(税抜)
・一般価格 10,000円 (税込 11,000円)/ 一名様
・会員価格 8,000円 (税込 8,800円)/ 一名様

■このような方におすすめ
・不振店化した飲食店で業態転換を検討している経営者様
・少子高齢化時代にも持続可能な生産性の高い新規事業を探している経営者様
・アフターコロナに成長させたい新規事業を探している経営者様
・不景気にも強い集客モデルを探している経営者様
・テイクアウトを取り込める新しい飲食店ビジネスを探している経営者様

■本セミナーで学べるポイント
・アフターコロナ時代におけるこれからの飲食店経営のポイント
・近年成長を続けるファストカジュアル業態とは?
・高い生産性を実現するためのビジネスモデルの作り方
・地方ロードサイド立地での業態開発で押さえるべきポイント
・成長市場の中での大手チェーンとの差別化ポイントの作り方

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執筆者
フード支援部/上席コンサルタント
二杉 明宏
プロフィール
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