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クロワッサン専門店

パン・ベーカリー市場の現状を知り、今後を考える2023

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2023年も引き続き、「フードビジネス.com」をよろしくお願いいたします。

フードビジネス.comは2023年も、フードビジネスに関わる皆様の経営にとって、有益な情報をご提供できるように努めていきたいと思います。また、幅広い業界でもございますので、パン屋・ベーカリー経営の皆さま向けに特化した情報につきましては、業界専門のコンサルタントから情報を発信させていただければと思います。

2023年のパン・ベーカリー業界の時流変化

2023年の業界の時流ですが、今年から大きな動きがあるというわけではなく、長年続く大局的な時流の変化の方向性に沿っていくことが予想されます。

以前から問題や課題として挙げられているのは大きく分けて3つあり、そこから枝分かれする課題がいくつかあります。

原材料費の高騰(≒値上げ、商品の見直し)

→海外産の小麦の高騰は円安や国際紛争の影響を受けている事はご存知だとは思いますが、現在国産の小麦の価格も高騰してきています。その上、小麦以外の原材料(油脂やパンに混ぜ込む生鮮食品)の価格高騰による影響が目立ってきています。
ですので、商品全体の値上げを選択する方がほとんどでしょう。
この価格高騰は後数年間続くものだと予想されるので今のうちに対応する事でこれから先に起こりうる問題にも素早く対応が出来るはずです。

値上げ以外の対応として、商品数の見直しや材料の分量を削減するなどが例として挙げられます。
しかし、いろいろな種類からパンを選ぶ楽しさがあるのがパン屋やベーカリーの大きな魅力でもあります。また、その種類の多さを強みとしている店舗も少なくないでしょう。
商品の品揃えを強みとしていて商品数を減らしたくない場合は共通の生地から派生させる事で生産性の向上を図る事が出来ます。
具体例として、クロワッサン生地を用いて、クロワッサンの種類を豊富にすることで品数の豊富さを保つような事が挙げられます。

特に地方における人口の減少(≒マーケットの縮小)

→店舗周辺の住民をターゲットとしているパン屋の店舗数は近年大幅ではないものの緩やかに減少している傾向にあります。減少している理由として人手不足であったり、オーナーの高齢化による後継者不足だったりなどの人員的な理由が挙げられます。
また都市部への人口集中が進む事により利用者が減少し、売上が低下。そして店舗の認知があまり進まないまま廃業してしまうケースも見られます。

人材採用が難しくなり、人件費も高騰(≒働き方改革が求められる)

→マーケットの縮小理由と同じように高齢化が進むとともに生産年齢人口が減少しています。
またパン屋の働き方のイメージとして
・数年の修行が必要
・朝が早く夜も遅い時がある

が例として挙げられます。
これらのイメージを払拭するために店舗情報をSNSを用いて発信するのも有効的な手法と言えます。普段の働く様子などを発信する事で興味を誘い、求人に繋がる事もあります。
また、最低賃金があがってきている事で人件費が占める割合が増えています。
パン・ベーカリー業界の働き方改革として進められているのは機械の導入により、スタッフの肉体的負担を軽減させることです。
レジシステムなどのDX化を進めたり、大型成形機を導入する事で仕込みやパンの製造にかかる時間を大幅に短縮したりする事が可能です。

パン屋と立地の関係性

2023年は、今までと売れる立地が変化するといわれており、コロナ禍で不調だった立地(駅ナカ、繁華街、観光地等)で売上上昇の傾向がみられ、一方で住宅街やロードサイドなどの今までコロナ禍で売上が伸びていた立地の店舗の売上が縮小する傾向にあります。この傾向は2022年で既に見られたものですが、まだコロナ禍前まで水準が戻っていないものでもあるため、2023年も同じ傾向がみられると考えられます。
駅ナカに店を構える店舗は持ち帰りのしやすい小さめのパンやお土産として喜ばれるよう種類を豊富に揃えたりする工夫が見られます。
売上の落ち込みが予想される住宅街に店を構える店舗の対応として、地域密着型の営業スタイルに切り替える事が挙げられます。日曜日や週末に女性や子ども、家族を対象にパン教室を行う事によりパンをただ販売するだけではなく副収入として利益を得る事が出来ます。
遠方からの集客を狙うのであれば、駐車場の設置やイートインスペースの確保などが重要です。

これからのパン屋・ベーカリー経営者が持つべき視点

マーケット縮小に対応するために

マーケット対応を縮小するために求められるポイントは大きく2点あります。

より広域商圏から集客するための取り組み

店舗規模はそのままで郊外に出店しても周辺地域だけでなく、広域をターゲットにする方法として近年トレンドとして流行したものがあります。
それは「パンの専門店化」です。高級食パン専門店のようにある一種のパンに特化する事でお客さんの目を引く事ができます。
他にはイートインスペースを併設する事で「カフェ&ベーカリー」としての業態に発展させる事で遠方からの来店があってもゆっくりとした時間を過ごせる環境を整え、ドリンクなども販売する事で客単価を伸ばす方法や、目玉商品をいくつか作成し、その焼き上がり時間をお客さんの目に付く所にポップなどで掲載する方法があります。
焼き上がりの時間を開示するメリットとして、お客さんの「いま買えば焼きたてのパンを食べれる」「この時間を逃すと買えないかもしれない」という考えを刺激する事が出来ます。
従来の運営の延長線上だけでは不可能で、圧倒的な集客商品が必要となるのがこちらを取り組むためのポイントです。

生産性を向上させ、人材不足の解消に取り組む

製造しているすべてのパンの製造工程をまずは可視化し、その後に生産性の高い商品の売上構成比を高める、また生産性を下げる要因となっている工程を機械化・外注も含めて見直す必要があります。特に全体のパンの工程の中で大きな工数がかかっている“生地の仕込み”に関しては、根本的な改革が必要となります。
前述の通り機械導入を行う事でスタッフの負担を少し和らげるのも人材の定着率を向上させる方法であり、パンの製造の為の機材以外の機材(レジや在庫管理)のDX化の推進を進める事も一案です。

新システムの導入

従来の営業形式ではなかなか変わらない場合売れ残りによるフードロスが問題視されている中、ベーカリー業界で注目されているものがあります。
それは「パンの自動販売機」です。

自販機には店舗販売にはない大きなメリットがいくつか存在します。
①非接触型販売である。
→コロナ流行により非接触を好む傾向

②人手不足でも稼働が可能
→機械販売なので人員を割く必要がない

③フードロスへの対応
→店頭での売れ残りを自販機にまわす事ができる

④店舗の営業時間短縮
→営業時間外でもパンの販売が可能

自販機はベーカリー業界が抱える様々な問題にアプローチ出来る方法であると考えられています。実際冷凍食品を街頭で販売する自販機がちらほら見られます。

近年だと家庭用オーブントースターの発展が目覚ましく、冷凍パンの方が程よく水分を保ったまま焼き上げる事が可能になり注目されています。

まとめ

最近日本国内では”コメ離れ”が進んでおり、パン派の人が増加傾向にあります。
増加傾向にあることで高いニーズが一定量存在します。
これから起こるであろう問題への対応するために時流を予測する事の重要性が高まっています。
皆様のベーカリー経営においても、上記の視点を持っていただければと思います。

時流や取組の情報を記載した2023年のパン・ベーカリー業界時流予測をまとめた無料ダウンロードレポートも公開させていただいておりますので、より詳しくご覧になりたい方は、是非ご活用ください。

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担当者

シニアアソシエイト

堀 雄斗ほり ゆうと

大学を卒業後、船井総合研究所に入社。入社後は、伝統食品からスイーツまで、幅広く「食」に携わるコンサルティングに従事。現在は、ベーカリーの新店舗開業、ベーカリーの活性化コンサルティングをメインとして行い、ベーカリーの立ち上げには10件以上の経験がある。徹底した他社事例の分析や調査に基づき、商品設計、商圏調査、販売促進などベーカリーのマーケティングに関わることをワンストップで提案フェーズから実行フェーズまでコンサルティングを実施している。

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