
【3月スタート(予定)いま注目の補助金】外食企業が活用できる「事業再構築補助金」とは?
株式会社船井総合研究所 フード支援部/上席コンサルタント 二杉 明宏

令和2年度3次補正予算案にて、中小企業等事業再構築推進事業の実施が採択される見込みとなっており、「事業再構築補助金」の募集が開始される予定となっています。
(2021年2月現在)
本コラムでは、事業再構築補助金の活用について、中小・中堅企業の飲食企業の場合を特に想定しながら、制度の概要説明、補助金の制度を活用した業態転換モデルについて解説していきます。
目次
1事業再構築補助金とは?
事業再構築補助金とは、「新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す、以下の要件をすべて満たす企業・団体等の新たな挑戦を支援」することを目的とした補助金となっています。
新型コロナウイルスの感染拡大により、経営に損失を受けた企業を対象として、
新たな業態への転換を補助するための補助金制度となっています。
補助枠は最大で1億円のパターンもあり、予算は1兆円を計上するなど非常に大規模な補助金制度となっています。
1-1、 対象条件
今回の補助金は中小企業基本法における中小企業の定義に当てはまる企業を対象とした補助金となっています。
加えて、後ほどまとめております申請条件を満たしている必要があります。
新型コロナウイルスによる売上低下など過酷な経営状況に陥っている企業様にとって、今後、新たな事業を進めていく上での強力な後押しとなる補助金制度となっています。
1-2、補助金枠の説明
補助金の補助対象金額については、以下のようになっています。
【通常枠】
100万円~6,000万円
補助率が最大で3分の2
【卒業枠】
6,000万円~1憶円
補助率が最大で3分の2となっています。
1-3、申請条件
補助金の申請条件としては以下が挙げられています。
1.申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。
2.事業計画を認定支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等。
3.補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。
1-4、成果目標
今回の事業再構築補助金では、成果目標の設定が求められます。
成果目標としては、付加価値額の向上が求められます。
具体的には、
補助事業終了後3~5年で
付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上の増加、
または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成
となっています。
ここでいう付加価値額とは、現段階では営業利益、人件費、減価償却費を足したものと定義する想定となっています。
2.補助金適用対象の参考例や補助対象経費の例
2-1.補助金適用対象の参考例
・喫茶店経営
⇒飲食スペースを縮小し、新たにコーヒー豆や焼き菓子のテイクアウト販売を実施。
・居酒屋経営
⇒オンライン専用の注文サービスを新たに開始し、宅配や持ち帰りの需要に対応。
・レストラン経営
⇒店舗の一部を改修し、新たにドライブイン形式での食事のテイクアウト販売を実施。
・弁当販売
⇒新規に高齢者向けの食事宅配事業を開始。地域の高齢化へのニーズに対応。
飲食企業に関連のものとして、現在、上記4点が補助金活用の参考例として挙げられています。既存店のリニューアルや、新たな取組みをはじめる際にも活用できることが示唆されており、今回の補助金の想定する適用範囲が非常に幅広いことが分かります。
2-2.補助対象経費の例
建物費、建物改修費、設備費、システム購入費、外注費(加工、設計等)、研修費(教育訓練費等)、技術導入費(知的財産権導入に係る経費)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)等
【注】補助対象企業の従業員の人件費及び従業員の旅費は補助対象外です。
ということで、こちらの参考例では、特に飲食店がリニューアル、または新しく店舗を立ち上げる際にも活用できることが示唆されています。いままでのコロナ以前のやり方では存続が難しい飲食業界ですが、これを契機にぜひニューノーマル時代に合ったビジネスモデルへと転換していきましょう。
3.ニューノーマル時代の外食ビジネスモデル(例)
3-1.生餃子のテイクアウト機能を持った餃子専門店
機械製造による効率化と餃子の自社製造による低原価化によって「40個1000円(税抜)」のコストパフォーマンスで集客する餃子専門店です。郊外ロードサイドやベッドタウンでの「生餃子のお持ち帰り専門店」や、「テイクアウト機能付きの定食業態」など、立地や物件規模によって展開可能です。
<関連する 2021年3月開催 WEBセミナーはこちら>
「餃子が主力のビジネスモデル大公開WEBセミナー2021春」
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/069127
3-2.焼肉店
郊外でも駅前でもコロナ禍中においても「焼肉店」は好調です。特に好調な焼肉業態は、駅前の「大衆焼肉」と地方郊外の「特急レーン焼肉」です。「大衆焼肉」は「国産牛カルビ380円(税抜)」、全卓設置のレモンサワーサーバーを使った「レモンサワー飲み放題60分500円(税抜)」を集客力とし、18坪~50坪以上と小さい規模から大きい規模まで柔軟に展開可能です。「特急レーン焼肉」は100席以上の大箱の業態で、特急レーンによって料理提供を行うことで省人化し、人件費を抑えたビジネスモデルです。月商2,500万円を超える事例も登場しております。
<関連する 2021年3月開催 焼肉WEBセミナーはこちら>
【webセミナー】焼肉店経営戦略セミナー2021
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/069720
3-3.ファストカジュアル(付加価値付きファストフード)
ファストカジュアルとは、ファストフードと接客サービス付きレストランの中間にあたるポジションを取る業態で、セルフサービスの要素を持ちながら、質の高さも兼ね備えた飲食店モデルです。『付加価値付きファストフード』と言えるものです。
ファストカジュアル業態に盛り込むべき付加価値の要素として、わかりやすいのは、オープンキッチンによる調理実演です。調理場を見せることで、お客様に安心感や楽しさ、美味しさ感を与えること付加価値となります。目の前で「できたての料理」を作り、「できたて」が食べられるということは大きな付加価値として、大手ファストフード店との差別化にも繋がります。
ファストフード市場は、新型コロナウイルス感染症が流行する以前からも成長マーケットでしたが、コロナ禍を受けて自宅での消費ニーズが高まり、それに対応できるテイクアウト売上の伸長が強みとなっています。
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3-4.4毛作を実現する大衆専門店酒場
テイクアウトやデリバリーといった中食対応、ランチによる店内飲食で、売上を作り、夜は地元客、少人数の日常の飲み動機を獲得し、4毛作を実現する大衆専門店酒場が注目です。企業の宴会需要やグループでの集まりが無くなる中で、多用な利用動機を獲得できる新たな居酒屋モデルとして転換を図るものです。地方駅前立地などでも成功事例が登場しております。
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コロナ禍でも売上回復が早い大衆酒場ビジネスセミナー
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