【居酒屋・バル経営】売上アップ事例 | 船井総研 フード支援部

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コンサルタントコラム

外食
2020/8/11

【居酒屋・バル経営】売上アップ事例

株式会社船井総合研究所  小島 佑太

【居酒屋・バル経営】売上アップ事例

【コロナ禍で昨対140%を達成した居酒屋の事例】

 

緊急事態宣言や東京アラートが解除されても、お客様は新型コロナウイルスの第二波、第三波の感染拡大を恐れ、飲食業界全体ではまだまだ売上が回復していません。

特に居酒屋は大手企業の相次ぐ撤退発表などもありましたが、今最も厳しい業界と言えます。

 

しかし、このような厳しい状況の中でも、6月の売り上げが昨対比140%を達成している店舗があります。成功の理由は、「バルから居酒屋への業態変更」。2020年2月中旬に業態を変更し、コロナの影響を受けながらも3月には18坪で520万円の売り上げを達成。36席ほどの小店舗ながら、平日で2回転、週末で2.5回転以上と、周辺店舗と比較しても圧倒的に集客を続けています。

 

18坪36席程の小さなお店ですが、平日で2回転週末で2.5回転以上の集客をしており周辺店舗と比較すると圧倒的に集客をしていると言えます。

 

今回はコロナ禍中に業態変更をし、昨年対比を超え続け、売上を伸ばしている居酒屋が取り組んだことを解説致します。

 
■バルから居酒屋へと業態変更をしたきっかけ

こちらの会社様は広島市内でバルを2店舗運営しておりましたが、1店舗は業績が良かったもののもう1店舗の経営に苦しんでおり業態変更を検討しておりました。業態変更をしたバルは立地も物件に躯体もお世辞にも良いとは言えず、自社競合の末に集客に苦戦をしておりました。

■業態変更をする時に考えたポイント

広島市は100万人を超える政令指定都市という事もあり、飲食店の時流も早く流行り廃りが激しく、業界紙に取り上げられるような首都圏の店舗をモデルにしたような業態が多数存在しております。その中でも大衆酒場業態が集客をしており、大衆酒場業態に業態変更をする事としました。

そこで業態を決める上でのステップが以下になります。
 
①現状の課題を特定
-立地の良い自社のバルと競合を起こしている。

②周辺環境の調査と業態変更の決定
-集客力のある業態は、客単価2500円程度の大衆酒場であることが判明。
-居酒屋業態への変更を決定。

 

③周辺店舗との差別化
-店舗面積や品数で競合に勝つことは不可能だったため、「専門店化」するべきだと判断。
-経営母体が肉卸&焼肉屋を30店舗経営していることから、「肉」に専門化することを決定。
※ウリが明確になると、品数を絞っても顧客満足度を得られます。

 

④立地と物件躯体の弱点をカバーする施策
-大通りから離れ、半地下であるという弱点を補うため、平日週末繁閑差をなくす施策を思案。
-客層を老若男女問わない総合化することを決定。

 
以上がなぜ大衆酒場に業態変更をしたのかの解説でした。

 

■コロナ禍での居酒屋経営で高い集客を成功させた7つのポイント

 

・居酒屋経営成功のポイント①店頭戦略

上述したように、立地と物件躯体が悪かった為、自店舗前通行量に対しての訴求を下記の視点で補いました。
 
1)店頭の照度を上げて、遠くからでも明るく目立つようにした大通りから路地を一本入り、そこから50m以上進まないと店舗が見えないという立地であった為、遠くから「店舗の存在」を認識できるように照度を明るくしました。後述しますが、大きな暖簾にし、そこに照明を当てる事で見た目の照度がより明るくなり、店舗の存在感が出るようになりました
 
2)大きなのれんをぶら下げて、間口を大きく見せて、半地下という欠点を補った入口が半地下になっており、狭い事によって店舗全体が小さく見えてしまう欠点がありました。そこで、大きな暖簾を付ける事で間口を大きく見せて店舗全体を大きく表現する事で、半地下という欠点を補いました。
 
3)安さ感を演出するため黄色の懸垂幕に飲み放題のディスカウントを訴求店頭で顧客が予算感をつかめるように、黄色の懸垂幕に大きく飲み放題のディスカウントを訴求しました。黄色は食欲喚起の色であり、また大手居酒屋チェーンも黄色の看板を使うなど安さ感が出るた為、黄色の懸垂幕を使用して店頭での安さ感を訴求しました。
 
4)店頭からも店内の様子が見えるようにし、入店時の安心感を作り出した世の中に多く飲食店がある事で「外食で失敗したくない」という顧客の心理を取り除く為に、店内が見える=他のお客様が入店している様子を見せられるように店頭から店内を見えるようにしました。

 

・居酒屋経営成功のポイント②店内戦略

オシャレなバルから大衆酒場の雰囲気に寄せる為に行った店内戦略です。
 
1)入口付近の照度をUP店頭照度をより明るく見せるため、また店内を店頭から見えやすくする為に入口付近の照度を意図的に上げました。
 
2)席数を増やしたリニューアルに伴い、家主様から半地下にするようにとの指示があった事で2坪ほど面積を減らさざるおえませんでしたが、店内の段差をなくした事で席数を増やす事ができ、18坪36席。最大41席まで増やす事が出来ました。坪当たり席数が増えた事で満席時の売上が上がり、日販が上がる為客単価を意図的に抑える事が出来ました
 
3)主力商品の牛串を焼く“実演訴求”を強めた煮込みの鍋や牛串を焼く焼き台をカウンターから見せる事で、実演性を出しました。厨房の実際の調理が席から見える実演性を付加する事で商品の付加価値が高まりました。
 
4)赤札で商品名を書き大衆感を演出より大衆感を強める為に赤枠POPの赤札を店内で表記しました。
注文を促したい、ウリ商品や高粗利商品を多く記載する事で注文のコントロールも可能です。
 
5)万人受けするアニソンをBGMとして使用客層の総合化を図る為に万人受けするアニソンや懐メロを中心とした選曲にしました。
音・光・温度など、店内の雰囲気がコンセプトと合致するようになりました。

 

・居酒屋・バル経営成功のポイント③商品戦略

商品戦略はハイコスパ戦略を取っており、価値/価格を高める事で再来店を促す事を前提にした戦略としております。まずは商品戦略についてお話致します。
 
1)低温調理をした赤身肉を肉刺しとして提供法律により生肉が食べられなくなった今、低温調理で赤身を見せて生肉に近い食感や味にする事で「家では食べられないご馳走商品」となりました。また仕入の安定化や原価高騰の為、大手チェーン居酒屋がやりたがらない国産牛(交雑牛)を使用する事で美味しさを追求しました。また、良い食材を使う事で調理技術がなくとも美味しい商品となる為、アルバイトでも重要な商品を提供するポジションで従事する事が可能です。
 
2)串や肉寿司といった、単品個食(一人一つ注文する商品)商品を提供来店頻度の高い一人客に対して、単品個食商品を導入する事で一人でも入りやすくしております。また一人用の商品の為、見た目価格を抑える事が出来る事で安さ感を出す事が出来ました。
 
3)焼売など専門店として成立しているが、原価の低い商品を充実準主力として中華系の商品を商品ラインナップに組み込んでおります。中華は餃子や焼売、麻婆豆腐など専門店として成立する程マーケットサイズ(MS)が大きいアイテムですが、原価率が低い為粗利ミックスをする事で満足度を落とす事なく満足度を上げています。
 
4)生産性の高いドリンク(レモンサワー)をセルフ化&ディスカウント多くの居酒屋は生産性の高いドリンクで粗利を稼ぎますが、逆に生産性の高いドリンクをセルフ化する事で安さ感を演出しております。また、セルフ化をお客様にご納得いただく為にディスカウントをする事でレモンサワー飲み放題は総客数の80%以上が注文されています。

 

・居酒屋経営成功のポイント④価格戦略

商品戦略はハイコスパ戦略を取っており、価値/価格を高める事で再来店を促す事を前提にした戦略としております。次に価格戦略についてお話致します。
 
1)串物の下限価格を99円、名物の牛串を199円として安さ感を演出下限価格を安くし、品数を多く見せる事で安さ感を演出する事が出来ました。
 
2)酒場の定番メニューを299円と399円のツープライスに設定中心価格を299円とする事で客単価を2300円程としております。客単価は中心価格×6×1.3(繁華街の場合)=客単価となる為、2300円が客単価となるように設定し、その通りに客単価が推移しております。
 
3)レモンサワー飲み放題をセルフとして30分300円に設定レモンサワー飲み放題をセルフ化した代わりに30分300円で飲み放題とした事で総客数の84%がレモンサワー飲み放題を選択されています。

 

・居酒屋・バル経営成功のポイント⑤人手不足対策

今はコロナにより、人手不足になる事はあまりありませんが、居酒屋は元々採用が難しい業態の為一人当たりの生産性を高める事を考えました。
 
1)平日と週末の繁閑差が少ないため、人員を多く抱えなくてもよい宴会型居酒屋の場合、週末に大きく売上を作る代わりに平日の集客に苦戦する事が多く、平日と週末でのアルバイトの人員数が大きく事なる為、店舗当たりの総人員数を増やす必要があります。ですが、こちらの大衆酒場では平日と週末で大きく売上が変わらない為、毎日一定数のアルバイトで運営できるのでアルバイトを面接し育てるという工数が減りました。
 
2)レモンサワー飲み放題の訴求をWebや店頭店内メニューブックで行う事で、注文率を80%以上を実
現。セルフ飲み放題が注文率の80%を超えている為、ドリンクを作る工数が大幅に減少しました。尚且つ、グラスを交換する必要もありませんので洗い物の総数も減る事で〆作業の工数が削減されました。
 
3)商品アイテム数を絞っている為、アルバイトが「レシピやハンディを覚える」工数が減り、育成スピードが速い⇒専門店化しているため、お客様の注文が主力メニューに集中専門店化している為お客様の注文が主力メニューの集中する事で同じ商品を何度も作る事で熟練度のスピードが上がります。また専門店化によってウリが明確の為、品数を絞る事が出来ております。品数を絞る事で商品レシピやハンディを覚えるという工程が減るため、育成スピードが上がります。店舗に未熟練者の割合が減る事で一人当たりの生産性が上がりました。
 
4)串系と低温調理の商品以外はほとんど「盛るだけ」か「揚げるだけ」の為、オペレーションが簡単ウリ商品である低温調理商品や、実演性を利かせている串系の商品以外は「盛るだけ」や「揚げるだけ」の為、アルバイト中心の店でも提供スピードを速くする事が出来ました。
 
5)アルミ皿を使用する事で割れ物の少なくなり、洗浄のスピードが上がるお皿も種類を絞り、取り皿をアルミ皿にする事で洗浄スピードや〆作業の効率化が進み、生産性が向上しました。

 

・居酒屋・バル経営成功のポイント⑥集客戦略

こちらのお店は、前述したように広島市の繁華街で路地を1本入った視認性がかなり悪い場所で、半地下にあります。
その為、集客活動をいかに成功させるか!?が業態転換の際のポイントでした。
 
集客を安定化させるために原価率を高く設定しているため、グルメサイトなどの媒体に多くの広告宣伝費をかけることはできません。
そのため、オープン時には「話題性のあるイベント」を行う事にしました。
 
「オープンから1週間はレモンサワー飲み放題30分29円」
「毎月29日(肉の日)はレモンサワー飲み放題30分29円」
とし、話題性を作り出しました。
 
そして、お客様への告知方法として選択したのが「プレスリリース」です。
 
プレスリリースのポイントは、下記の5点です。
 
1)見出しで伝えたい内容が一目でわかる
 
2)内容に「新規性・社会性・独自性」のいずれかがある⇒最も重要!!
 
3)お店の特徴(独自性)を5つ以上記載する
 
4)特徴(独自性)は価値訴求について触れる
 
5)「店名・住所・電話番号・Webサイト」はGoogleマイビジネスと完全一致させる
 
 
実際に、こちらのお店ではこのプレスリリースによって、テレビ取材が2本入りました。また、このプレスリリースをグルメブロガーの方に紹介するのも一手です。
 
グルメブロガーの方は、「エリアグルメブロガー」で検索した時に出てくるブログにダイレクトメールをお送りして実際に店舗に来店してもらえるように促します。
(※SNSのインフルエンサーの場合、フォロワー毎にお金が発生する為注意が必要)
 
また原価率の高い業態の為、
グルメサイトにお金をかけすぎる事ができないため、1媒体のみ有料としました。
 
どのグルメサイトを有料にするかどうかの選び方は「エリア居酒屋」で検索した時に「最も上位にくる媒体」を選ぶことです。
 
さらに、Googleマイビジネスは無料の為、オープン当初から記載内容を充実させました。
 
具体的には、
1)情報(商品・メニュー含め)を全て正しく埋めきる
2)写真の投稿量を多くする
3)無料で登録できる媒体に全て登録してサイテーションを強化⇒店名・住所・電話番号は必ず完全一致
4)投稿・口コミは検索キーワードに反応する為、
キーワードの選定⇒キーワードを想定してGoogleのキーワードプランナーで検索ボリュームを調べる
⇒日々の投稿では選んだキーワードが入った文言を必ず入れる
5)WebサイトはGMBに付随する無料のものを使用
⇒WebサイトとGMBの関連性が上位表記に関連する為、取り急ぎ使用
(さらに強化する場合は、自社ホームページを作り、SEO対策をした方が効果的です)
を実施しました。
 
そして、オフラインの販促としては
「レモンサワー飲み放題30分29円」の表記が入ったティッシュをアイドルタイムに配布。
花粉症の季節という事もあり手配りチラシよりも受け取ってもらいやすく、集客効果も非常に高かったです。
 
上記の販促をリニューアルオープンのタイミングに合わせて実施した事で、一気に新規客を集客する事ができ、ハイコスパの顧客体験をさせる事でリピーター化してもらう営業対策を講じたことが、コロナ禍中にも関わらず業績アップに成功した要因です。
 

■コロナ禍であっても集客をしている大衆酒場の条件

上記のように、私たちのご支援先では、コロナ禍中にあっても業績を伸ばしている居酒屋があります。
 
◆大阪市内の住宅エリア空中階の3等立地で、6月に過去最高月商を出した大衆酒場
◆インバウンド消費が消えた観光地の繁華街で、28席で平日日販15万円を超える大衆酒場
 
これらの店舗に共通するのは、以下の8点です。
 
①宴会に頼らない営業形態
②客層の幅が広く、曜日の繁閑差が少ない
③滞在時間が短く“サク飲み”の利用動機に向いている
④専門店の為、品数が少なくても集客できる
⑤口コミを誘発する仕組み
⑥客単価2500円前後でハイコスパ
⑦「入りやすい」店頭
⑧リピーターが多く、再来店の為の仕組み作りが出来ている
 
以上がコロナ禍であっても集客をしている大衆酒場の共通点です。如何でしたでしょうか?
 
居酒屋を経営をすでにされており、コロナの影響を受けている経営者様はぜひ本事例を参考にして頂ければと思います。
 
より詳しい解説が必要な方は下記よりご相談下さいませ。
詳しい解説はこちらから

担当者
小島 佑太

東証一部上場企業の外食チェーンにて、店長・店舗統括を経て船井総合研究所に中途で入社。
業態開発や業態変更を多数手がけ、デジタルマーケティングを得意とする。
現在は外食企業のDX推進と成果の出る業態開発をメインに日々コンサルティングに従事している。

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