居酒屋が原価率の対策を実施する時の基本的な考え方と3つの手順 | 船井総研 フードビジネス支援部

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コンサルタントコラム

外食
2018/6/21

居酒屋が原価率の対策を実施する時の基本的な考え方と3つの手順

株式会社船井総合研究所  朝岡 夏輝

居酒屋が原価率の対策を実施する時の基本的な考え方と3つの手順

食材原価の高騰や、酒税法の改正、生樽の値上がり等様々な外部環境の変化がここ数年間でありました。

「原価率をどう下げるか」という話題は多くの飲食店経営者にとっての課題であると言えます。

今回は、居酒屋の原価率対策の基本的な流れと考え方に関して記載したいと思います。

目次

  1. 居酒屋の原価率対策はアルコールメニューから着手
  2. ドリンク比率の最大化
  3. 生ビール比率の最小化
  4. 低原価商品の投入

 

1.居酒屋の原価率対策はアルコールメニューから着手

居酒屋業態の強みは他の業態と比較して圧倒的にアルコール比率が高い事にあります。ファストフード業態や食事が主体の業態では、そもそものアルコール比率が10%前後であるのに対し、居酒屋業態では40%を超える場合もあります。この強みを活かさない手はありません。

また、単純な原価だけという点では、アルコールよりも原価率の低い一品等が存在する事も事実ですが仕込み、製造、提供の人件費も加えた、一般的には単品FLと言われている考え方で見ると、ドリンクカテゴリーは圧倒的に生産性が高いと言えます。

この点を踏まえると、居酒屋業態の原価率対策は以下の手順で進める事が合理的だと言えます。

①ドリンク比率の最大化

②ビール比率の最小化

③低原価商品の投入

順に解説したいと思います。

 

2.ドリンク比率の最大化

繁華街立地の場合はあまり意識せずともこの数字は自然に高くなっていると思います。しかし、ロードサイドやローカル駅前立地の居酒屋などの商圏ではこの数字を上げきれているお店は多くありません。

後ほど、アルコールの中でも特に原価の高い「ビールの比率を下げる」というステップに入るのですが、そもそもここの比率を上げ切る前に着手しても大きな成果は望めません。アルコールの品揃えを強化したのにあまり効果が無かったと言った経験のある方は、この順序を外してしまっていたというケースが多いように感じます。

では、ドリンク比率最大化の数値基準はどこに置けば良いでしょうか。私のクライアント先では大きく2つの視点で目標とする数値の定義を行なっていただいています。

一つは週末のアルコール比率、もう一つは同一商圏内で最も飲み動機が獲得できている居酒屋のアルコール比率です。 前者は曜日別の出数を見ればすぐに把握できると思います。後者は実際に聞いて教えてくれる場合もありますが、聞けない場合は実際に訪問して推定値を計算します。 3〜4テーブル見れば十分です。

計算方法は以下の手順で行います。

①ベンチマークするテーブルを決める

②フードとドリンクの中心価格を計算

③各テーブルごとにそれぞれ出数を計測

④それぞれ中心価格✖️出数を行い比率に戻す

こうすることで、アルコール比率を伸ばす事が売上増にも繋がるかを簡単に知る事が出来るからです。 商圏内の飲み需要のシェアを高めることができれば、売上も上がります。

ドリンク比率をあげようと思うと、当然ドリンクの品揃えを強化したり、ドリンクのディスカウントで飲み需要を確保しにかかります。その際に売上も上がれば、ライン拡張で製造オペレーションの負担が上がったとしても、収支構造を維持できる確率が上がります。

つまり製造オペレーションが異なるドリンクの品揃え強化も視野に入れて考えられるようになります。 この基準は先述の2つの数値基準のうちどちらが大きいかで判断すれば良いと思います。 自社週末のアルコール比率の方が高ければ、品揃えは既存オペレーションの中に組み込むべきだし、逆の場合は多少複雑でも品揃え強化にチャレンジするといった具合です。

 

3.ビール比率の最小化

次のステップが、アルコールの中でも原価率が高い「ビール比率の最小化」です。この段階で強化すべきカテゴリーはトレンドになっているドリンクカテゴリーです。

今で言えば、チューハイとハイボールの強化です。 ここでのポイントは1工程で品揃えを強化出来るようにアイテム数を増やすことです。

例えばレモンチューハイであれば、カルピスレモンサワー、塩レモンサワー、パクチーレモンサワーなど通常のレモンチューハイを作る工程に「加えるだけ」のオペレーションで増やすといった具合です。

 

4.低原価商品の投入

最後に原価削減の為の単品やカテゴリー強化を行います。

業態によってどこを強化するのが良いかは異なりますが、 基本的に出数の伸びやすいメインのカテゴリーには高付加価値メニューを付加するか、そのカテゴリと相性の良いサブカテゴリーを強化するのがオススメです。(例えば、寿司居酒屋が天ぷらを強化するような取組です。)

 

最後にポイントをまとめると

  • 居酒屋の原価対策は飲み動機強化から考える
  • ビール比率を下げるにはビール以外の品揃えを強化
  • フードメニューの原価対策は売れ筋の高付加価値化か相性の良いサブカテゴリーの強化

以上が居酒屋の原価率対策に貢献します。 わからない点やご相談などございましたらお気軽にお問い合わせください。 居酒屋経営者様に少しでも役立てば幸いです。

担当者
朝岡 夏輝

食品通販チームでインターネット通販、インターネットでの集客のノウハウを学び、飲食グループへ。
単品商品を切り口に店舗、通販を連動させた集客策に定評がある。
顧問先企業では商品開発からプロモーションまで幅広く実施しており、テレビや雑誌等のメディアに取り上げられたヒット商品の開発・プロモーションも数多く手がけている。

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