
欧州と日本の食メーカーの利益率の違いは価値観の違いだけ
株式会社船井総合研究所 チームリーダー シニア経営コンサルタント 横山 玟洙

本の食品製造業の平均営業利益率は大手50社4.4%。
一方アメリカでは12.0%、イギリス11.5%、フランス16.0%と
利益率に大きな格差があります。
この違いは各国における流通構造の違いも当然ありますが、
一番の違いは外部環境ではなくメーカー側の「価格と価値」の考え方の違いがあります。
これは中小製造業でも同じ傾向です。
あるアンケートによると、価格・品質・セールス・アフターサービスの4つの要素のうち、
日本企業が重視するのは、
①価格
②品質
③セールス
④アフターサービス
の順ですが
欧州企業は
①品質
②セールス
③アフターサービス
④価格の順
という結果が出ています。
要するに、利益率の低い日本企業は、価格を重視し、
欧州企業は、品質=価値を最重要視する
という明確な価値観の差があるのです。
ではなぜこのような価値観の差が出ているか。
それは、海外の食品流通は日本のように商社や卸機能がひくく、
自ら製造し自ら消費者に届けるという製造小売(SPA)のビジネスモデルが
日本より発達していることがあげられます。
今後日本の食品メーカーは大手流通をメインターゲットにしていると
大手の波に飲み込まれ、更に利益率の低下が懸念されます。
特に年商100億円以下の食メーカーは直売販路の開拓を進め、
トップラインの売上を目指すよりも本当に付加価値の高い商品を消費者に
自ら提供していく直売比率のアップが急務です。
海外と比較しても直売比率を高めることが持続成長のキーになることは明白です。
直営店や通販など直売部門で目指す営業利益は15%。
仮に年商50億円で直売比率が30%とすると、
卸部門の営業利益率が5%としても、利益貢献率は50%を超えます。
更に売掛金が減少し、キャッシュフローも安定します。
自社の強み、ものづくりのこだわりや魅力を消費者に伝えるためにも
直売強化は必須になってきています。
10億円以下は直売比率50%、100億以下は30%を目指しましょう。




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