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外食ビジネス

テイクアウトマーケット攻略に向けた3ステップとは?
NEW
2019/7/12
テイクアウトマーケット攻略に向けた3ステップとは?

いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます。

船井総合研究所の岩松です。

 

今回は「テイクアウトマーケット攻略に向けた3ステップとは?

というテーマについてお伝えいたします。

 

 

◆「軽減税率導入」「簡便・即食ニーズの増大」によりテイクアウト市場は拡大基調へ

今年10月に予定されている

消費税「10%」への引き上げと軽減税率「8%」の導入を受けて、

軽減税率「8%」の対象となるテイクアウト事業へ参入する飲食店が

今後ますます増加していくことが予測されます。

 

また、こういった税制改正に加えて、

 

・共働き世帯数の増加(⇒自宅における自炊機会の減少)

・未婚率の上昇(⇒晩婚化の促進・1人で食事をとる“個食化”の促進)

・所得の二極化(⇒比較的高単価である外食の機会の減少)

 

などを背景として、

いわゆる“簡便・即食ニーズ”を取り込むことにより

テイクアウト市場が今後拡大する見込みであることが

各種メディアによって謳われています。

 

このテイクアウト市場の拡大傾向については、

今後1年未満で終了する一過性の”トレンド”ではなく、

今後1年、2年、3年・・・といった

中長期に渡って続いていく”時流”であるとの認識から、

弊社でも今年に入りテイクアウト事業の開発に関する

ご相談をいただく機会が徐々に増えてきております。

 

そのような中、テイクアウト事業で収益性アップを図るには

どのような点を押さえるべきか?

 

下記にテイクアウトマーケット攻略に向けた

3つのステップをご紹介いたします。

 

 

◆Step1)既存店付加でテイクアウト対応開始

目安となる月商:100万円

店舗における中食比率の目安:10%未満

 

まずは伸びている市場に適応していくということで、

多くの飲食店では、既存店のメニューをそのまま

テイクアウト商品として販売することから始められるかと思います。

 

その際に課題となるのが、

店舗(外食)の利用顧客と中食の利用顧客との間で利用動機が異なる

⇒外食・中食の利用顧客間で商品・価格にミスマッチが生じる

という現象です。

 

この点が原因となり、

中食事業の展開に苦戦する企業が多く見受けられます。

 

例えば、某揚げ物のFFチェーン様や某中華チェーン様のように、

店舗メニューの売上構成比と中食メニューの売上構成比に

高い類似性のある企業では、比較的スムーズに中食需要を

取り込むことができています。

 

その一方で、某肉関連商材チェーン様のように、

来店飲食とテイクアウトの間で利用動機や消費価格にミスマッチが生じ、

結果として飲食店としての優位性を

中食商品によって打ち消してしまうような業態では、

中食需要の獲得に苦戦する傾向にあります。

 

また、こういった傾向にある飲食店では、

意外とテイクアウト対応を実施していることを

店前通行者や来店顧客に認知されていないケースも散見されるため、

“既存顧客の中食顧客化”を進めるためにも、

テイクアウト専用の商品やカウンター・売り場を作るなどの工夫が必要となります。

(⇒Step2へ)

 

 

◆Step2)テイクアウト専用商品・売り場の開発

目安となる月商:200万円

店舗における中食比率の目安:20%程度

 

上記Step1の段階を経て、

さらに中食需要の獲得に注力していきたい企業様については、

“弁当・惣菜のテイクアウト事業者”としての訴求を強化するために

テイクアウト専用の商品やカウンター・売り場を作ることをおすすめしております。

 

このように店舗の外観や

提供する商品などに変化を加えることで、

店全体に占める中食売上の構成比は高まってくることでしょう。

 

ところで、このStep2の段階にある企業様で生じる課題として、

・飲食併用のオペレーションによって既存スタッフの労務環境が悪化してしまう

・ピークタイムが重なり飲食顧客を優先することで、テイクアウト顧客に大きな待ち時間が発生し、顧客満足度が低下してしまう

 

この辺りの課題がよく挙げられます。

 

これらの課題を解決し、

さらにテイクアウト売上を伸ばすための手段の1つとして

「テイクアウト専門店の開発」という手段があります。

(⇒Step3へ)

 

 

◆Step3)テイクアウト専門店の開発・展開

目安となる単店月商:300万円超

 

“テイクアウト専門店”としての事業展開について、

下記のようなメリットが挙げられます。

 

①飲食との併用ではなく、テイクアウト専用のオペレーションに集中できる

⇒オペレーションの煩雑化防止・生産性アップの実現。

 

商材選定次第では、パート・アルバイトのみで運営可能

⇒例えばフライヤー業態の場合、基本的には注文受付後に食材を揚げて、盛り付けるという工程のみで商品を完成させることができる。

⇒一定の経験・技術を持つ職人・正社員に頼らない事業運営が可能。

 

③顧客の利便性強化・満足度アップに繋がる

⇒テイクアウト専用の事前予約制度を導入することにより、顧客の待ち時間を圧縮。

⇒顧客の受け取り時間に合わせて、出来立ての商品を用意することができる。

 

④事前予約制度の導入により顧客情報の取得が可能となる

⇒来店前の入電・ネット予約の際に顧客情報を取得。

⇒取得した顧客情報のデータ化・分析などを通じて、再来促進のための施策を打つことができる。

 

実際にテイクアウト専門店の多店舗展開を通じて

着実に業績を伸ばされているご支援先企業様の成功要因を抽出すると、

上記のようなメリットを享受した上で事業を展開されていることが

共通点として挙げられます。

 

・軽減税率の導入に備えてテイクアウト対応を検討している

・既にテイクアウト事業に取り組んでいるが、思うような成果が出ない

・不振店の業績アップや今後の業態転換について悩んでいる

・時流に適応することで、新たな収益の柱を作っていきたい

 

このようなお悩みやお考えをお持ちの企業様については、

是非上記の3ステップを参考にしていただければと思います。

 

 

船井総合研究所 岩松将史

 

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執筆者
岩松 将史
プロフィール
【無料DLレポート付】”超”人手不足時代でも売上を上げて完全週休2日制を導入した事例大公開
2019/7/01
【無料DLレポート付】”超”人手不足時代でも売上を上げて完全週休2日制を導入した事例大公開

皆様、いつも弊社コラムをお読み頂き有難うございます。

船井総研の林田です。

本日は、人手不足時代の今、労務環境改善に着手し、

働き方改革に成功した企業様についてです。

 

昨今の食関連業種の人手不足は、深刻化しており、

平成29年度の離職率は30.0%、有効求人倍率は3.18倍と

どちらの数値を見ても他業種に比べて顕著に高く、

「苦労をして人を採用しても、すぐに人が辞めてしまう業種」

となってしまっています。

 

その原因の1つとなっているのが、

正社員が休日を取れない(取りづらい)という労務環境にあります。

上記でも分かるように、食関連事業は有給消化率が低く、

また、パート・アルバイトの構成比が高い分、

その負担が“もろに”正社員に来ている状況になっています。

 

つまり多くの企業が、

採用難による人員不足

正社員への労働負荷増加

正社員の労務環境悪化による辞職

労務環境悪化で採用・定着はしづらい

更なる人手不足による労働負担増加

という負のスパイラルに陥っているのです。

 

 

そんな昨今、人手不足対応・労働環境抜本改革に着手し、

厨房正社員の「完全週休2日制導入、残業時間ゼロ」

を実現させたホテルがあります。

 

山口県山陽小野田市にあるナチュラルグリーンパークホテル様です。

 

同ホテルでも、厨房(料飲部門)の労務環境悪化は顕著で、

1)労働の長時間化

⇒業務のPA移譲が出来ず、朝6:00(朝食仕込み)~夜11:00頃(宴会・ディナー終了)まで

厨房正社員が勤務していた。

2)慢性的な人手不足

⇒新規採用はほとんど出来ず、厨房正社員はシフト制が組めない為、

特に管理職社員は月間休日は4日ほどで労基からも指摘を受ける状態にあった。

3)売上機会のロス

⇒現場の疲弊や人手不足により、宴会受注などの機会ロス金額は

料飲総売上高の約20%(3,000万円ほど)に上る金額となっていた。

 

といった状況でした。

そこで同ホテルが行ったのは、

「レストラン部門の省人化カフェ業態への転換」でした。

 

 

業態転換と同時に、

・カフェ用半調理パックの仕入れを開始し、朝食に転用

・「ホテル厨房の調理補助」から「カフェ店員」の募集に変更

を行い、

 

導入直後から効果は現われはじめ、

・朝食・ランチ・カフェの営業をPAのみで運営可能になり、厨房正社員は夕方~夜の8時間勤務・週休2日の導入に成功

・勤務時間の正常化により、宴会受注が可能になり売上は3倍増

・カフェ店員の採用に切り替え、新規採用への応募数は10倍に

・部門での単独黒字化

 

と大きな効果が出ました。

 

 

2019年4月から「働き方改革法案」の施行があり、

労務環境の改善は、急務となっている中で、

多くの食関連企業様は「労務環境悪化」や「人手不足」に

課題を抱え続けることになります。

そこで求められるのは、細かな業務改善ではなく、

「前提として人を必要としない型への抜本改革」

だと私たちは考えています。

その上で、売上を付加し生産性アップを実現する。

それが、避けては通れない人手不足時代での業績アップ策です。

 

人手不足に悩む、食関連企業の経営者様には

「採用強化」「厨房業務改善」「定着率アップ」などもちろん大事ですが、

「人手不足を前提とした職場環境、業態作り」

を考えて頂ければと思います。

 

 

船井総合研究所 林田大碁

 

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申し込みに関する問い合わせ◆天野(あまの)

内容に関する問い合わせ◆小林(こばやし)

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執筆者
林田大碁
プロフィール
人手不足の時代でも焼肉店の年商を2倍にする方法~飲食店インバウンド集客コラム~
2019/6/24
人手不足の時代でも焼肉店の年商を2倍にする方法~飲食店インバウンド集客コラム~

当コラムをご愛読頂き誠にありがとうございます。

船井総研の高橋でございます。

 

今回は48席の焼肉店が年商6,000万円からインバウンド需要の付加をしたことによって、日本人の客数を減らさずに、年商1.2億円にした「神戸あぶり牧場」様の取り組みのポイントを整理してご紹介させて頂きます。

 

■「神戸あぶり牧場」様のインバウンド集客のSTEP

 

 

STEP:1 外国人集客の前の準備

 

訪日外国人の多くが日本の飲食店を利用する際に多くの不満を抱えることがあります。

その不満要素の代表事例として、

 

・外国語サービスが少ない

・無料Wi-Fiの整備が遅れている

・飲食店の食券システムがわからない

・飲食店で食べ方を教えてくれない

・現金しか使えない店が多い

 

などがあげられますが、インバウンド集客においてまず実践されたことは

これらの不満を解消するハード面で体制づくりです・

 

具体的には、

 

・メニューブックの多言語化

・Wifi環境の整備

・キャッシュレス決済の対応

 

などのハード面の投資を行い、受入体制を構築していきました。

 

特に重要なことが、メニューブックなどの多言語化です。

 

メニュー・案内を多言語化する時の注意点としては

用途に応じて翻訳方法を使い分けることです。

 

・トイレの案内や注意事項などは「GENGO」などの安価な翻訳サービスを活用

・メニューなどは微妙なニュアンスがある為、飲食に精通した翻訳会社に

・グーグル翻訳は意味が通じるので口コミの返信などで活用

 

といったように、表現力のレベルによって使い分けることによって、

外国人に対して、適切なコミュニケーションをとることができます。

 

STEP:2 集客と予約体制の構築

 

インバウンドの集客と予約体制の構築をするために、一番安価で素早くできるのは、ぐるなび外国語版への掲載です。

 

ぐるなび外国版への掲載のメリットとしては、

 

・お店の情報(メニュー等)を4言語に翻訳してインターネットへ発信

・ぐるなび外国語版へ掲載する事で露出強化

・トリップアドバイザーと公式連携しており、トリップアドバイザーからのスムーズな集客

・ぐるなびPayでアリペイ、wechatペイ手数料が9月まで0%キャンペーン

・KKdayやCtripなど海外の旅行会社と提携し、事前決済予約サービスに参加できる

・外国語コンシェルジュによる電話予約代行等

 

など、単純にぐるなび外国版への掲載をするだけではなく、

インバウンドの初期対策に必要なコンテンツをまとめて提供してもらえるので、

本格的にインバウンド対策をスタートする際には非常に役立つコンテンツとなっています。

 

また、外国人の集客の際に欠かせないのが、

SNS(フェイスブック・インスタグラム)の活用です。

 

中国を除く諸外国でもフェイスブック・インスタグラムは、

主要なSNSツールとなっているため、

神戸あぶり牧場では多言語によるSNSでのお店からの発信を定期的に行い、

外国人の自店の情報を広めています。

 

さらに、自社のホームページを多言語化し、そのサイト内の予約システムも多言語化することによって、電話での予約をできない(日本語を喋れない)外国人でも予約をできる体制を構築していくことによって、インバウンドの見込み客作りが可能となります。

実際、神戸あぶり牧場においては、月間300万円ほどがホームページからの予約によって創出されています。

 

STEP:3 良い効果を循環させる

 

外国人観光客の特徴として、WEB上の情報よりも口コミの情報を信用する傾向が日本人以上に強いです。

 

そのため、口コミに対する対応が非常に重要になってきます。

 

アジア圏に関しては、味覚が日本人ほど鋭くなく為口コミ4以上が入りやすいため、前述させて頂いた外国人の受入態勢させきっちり行っていれば、比較的に高評価をもらうことができます。

 

外国人に対して不満なく快適に過ごしてもらう空間・サービス・予約環境を提供できるだけで彼らににとっては他店より素晴らしい店になりやすく

 

  1. SNSでの情報拡散
  2. ブログへの掲載
  3. 外国人コミティでの紹介

 

などを積極的に行ってくれる傾向にあり、

日本人と違いはSNSやネットでの口コミは段違いに早いという特徴があります。

 

そういった中で重要になってくるのが、

口コミに対する返信によるオンラインコミュニケーションと、

多言語のSHOPカードでSNS投稿や友人の紹介を促していくことです。

 

これらを徹底していくことによって、

外国人の口コミ数が増加し、拡散され、

自店に更に外国人が来店してくるようになるといった、

サイクルを生むことができます。

 

人口減少が加速している日本において、

インバウンド対策はこれからますます重要になってくる、

飲食店の業績アップ手法ですので、

是非皆様も当コラムを参考にインバウンド集客を実践してみてください。

 


 

その他の飲食店のインバウンド集客コラムはこちら

飲食店はなぜインバウンド対策をしなければならないのか?

外食激変!外食最新集客手法大公開2019 ~飲食店のインバウンド対策~

インバウンドシフトを行うために必要な『6つの対応』

 


 

 

飲食店のインバウンド集客をすぐに実践したいという方は

下記のフォームからご相談くださいませ。

https://www.funaisoken.ne.jp/mt/funai-inshoku/inquiry.html

 

執筆者
チームリーダー/マーケティングコンサルタント
高橋 空
プロフィール
【居酒屋・バル経営】新規開業成功事例
2019/6/14
【居酒屋・バル経営】新規開業成功事例

【居酒屋・バルの新規開業成功事例】
 

飲食業界は異業種からの新規参入や個人経営者による新規開業も非常に活発である。一方で開業後まもなく閉店や廃業にいたるケースも多い。

新規開業の場合、事業スタートのきっかけは「経営者がこんなお店をやってみたい」という想いで始まるのが一般的です。「海外や東京で出会った素敵なお店」を地元で自分自身が経営してみたいという事は多いのですが、「やりたいこと」と「地元での成功確率」が一致しない場合、せっかく始めたお店が軌道に乗らず、閉店や廃業につながることも起こりえます。さらに新規開業の場合、ビジネスモデルの選択が正しかったとしても、飲食業界ならではの「運営ノウハウ」や「マネジメントノウハウ」を習得していない状態での事業スタートとなるため、運営やマネジメントをやりきることが出来なくて、失敗にいたることもあります。

今回は初めて居酒屋・バル経営を始めるにあたり、どのような点に気をつけて開業すれば良いのかについて、地方都市での新規開業成功事例を交えて解説します。

 

 

<目次>

■居酒屋・バルの新規開業に必要な資金調達について

■居酒屋・バルの出店立地・物件情報の取得と選定

■物件の良し悪しを図る7つのポイント

■飲食業界に新規参入ながら繁盛店開発に成功した事例

■はじめての居酒屋・バル経営で高い集客を成功させた7つのポイント

居酒屋・バル経営 成功のポイント ①価格戦略

居酒屋・バル経営 成功のポイント ②メニュー戦略

居酒屋・バル経営 成功のポイント ③一番商品の開発

居酒屋・バル経営 成功のポイント ④集客に困らない店頭・店内空間の作り方

居酒屋・バル経営 成功のポイント ⑤集客対策

居酒屋・バル経営 成功のポイント ⑥収益性を高める方法

居酒屋・バル経営 成功のポイント ⑦人手不足対策

 

 

居酒屋・バルの新規開業のためには、資金が必要となります。自己資金(貯金など)に加え、親族や知人からの借入、親会社からの資金援助、金融機関からの借入等を行い、開業に必要な資金を集めます。個人で開業される場合、「住宅ローン」や「車のローン」など、個人の借入金があると、これらも金融機関からの審査の範囲となります。会社として新規事業立上の一環として借入を起こす場合は、既存事業の財務の状態も審査対象になります。

一般的に金融機関に借入を申請する際には、創業計画書や開業計画書などが必要となります。これらの計画書が絵にかいた餅にならないように、事業計画の策定にあたっては入念に業界動向を調べたり、開業後の損益シミュレーションを複数パターン算段することが大切です。計画書作成にあたっては「論理的な正しさ」よりも具体的な「成功事例」や「モデル事例」を沢山盛り込み、事業計画の具体性と成功イメージ高めることが重要です。

特に、初めて飲食業に参入し、居酒屋・バルを新規開業する場合は、「損益分岐点売上高が低い」ことと「投資回収スピードが早い」計画を組むことで「経営の安全性」を高めることができます。特に資本力の無い場合は、遅くとも投資回収3年以内の事業計画を組まれることが良いと思います。

 

 

開業資金調達の目途が立った後、次に重要なステップは立地の選定です。立地は事業をスタートした後、簡単には変更する事ができないため、慎重に選ぶ事が大切です。しかしながら、優良立地、優良物件の情報が零細企業、個人事業主に流れてくる事はほぼないため、自ら出店立地を積極的に探すことが大切になります。出店したいエリアを自分自身の足で見て回り、空き物件を探すことも必要ですし、同エリアの不動産屋にも足繁く顔を出し、事業計画も提示して、「どのような立地を求めているのか?」「どのような物件を求めているのか?」を正しく知ってもらうことは非常に大切です。また、不動産屋だけでなくビール会社など飲食店に様々な商品やサービスを納入しているところにも物件情報は舞い込むため、「どのような物件を求めているのか?」を説明しておくことが大切です。

候補になりそうな物件が出た後は、「立地・物件診断」を行いましょう。立地・物件診断においては「どんな人が多い立地なのか?」「商圏人口はどれくらいいるのか?」「駅の乗降客数はどれくらいあるのか?」「ピークとなる時間、アイドルタイムの通行量はどれくらいあるのか?」「平日、週末の人通りの量と質はどうなのか?」「どんな目的の人が店前を通っているのか?」を必ず「実地」「目視」で確認するようにします。

一般的には、住宅立地要素が強い商圏だと平日の集客は苦戦します。一方、ビジネス立地要素が強い商圏だと週末の集客は苦戦します。このような立地特性をキチンと調査し、正しく把握したうえで、売上予測を立てることが大切です。

さらに、出店候補エリアの徒歩10分圏内(郊外であれば車で10分)に繁盛店や大手居酒屋チェーンがあるかどうかを確認し、これらの店舗の集客状況も確認しましょう。特に、出店候補エリア内の繁盛店を見る場合は、「客層」や「利用動機」を確認し、「どのような商品をいくらで提供しているのか?」を確認しましょう。

 

 

上記の立地調査を行った結果、「立地は良い」となった場合、次は「物件の良し悪し」の判断になります。物件の良し悪しの判断にあたっては以下の7つの視点を参考にしてください。

 

①間口の大きさ

⇒店舗を大きく見せ、通行客の目を引く存在感を作ることができそうか?

②店頭から店内が見えるか?

⇒地下店舗、2F以上の物件は集客の難易度が高まります

⇒特に新規開業の場合は慎重を期し、1F店舗を選択しましょう

⇒店内が見える「安心感」は集客力に繋がります

③看板は10m先からしっかり目立つサイズで設置可能か?

④坪当たり席数は少なくとも1.5席以上は配置出来るか

⇒限られた営業時間の中でより高い売上を立てるためには席数の確保が大切です

⑤家賃は1坪あたり1.5万円(月)を超えていないか(1.2万円以下が理想)

⇒賃料の妥当ラインは立地によって当然異なります

⇒地方都市で新規開業される場合、賃料は上記を一つの目安として、損益分岐点が高くならないようにすることで「経営の安全性」が高まる

⑥居抜物件の場合、厨房面積が総坪数の20%を取れているか

⇒初期投資金額を押さえることが可能になります

⑦居抜物件の場合、オープンキッチンになっているか

⇒初期投資金額を押さえることが可能になります

 

上記を7つの視点で順番にチェックし、さらに自分たちがやろうとしている居酒屋・バルのコンセプトに合致しているかどうかを確認しましょう。

 

 

この春ご支援させていただいた地方都市の繁華街立地で新規開業した居酒屋・バルの成功事例をご紹介致します。

まず出店希望エリアをお聞きし、立地調査を実施しました。立地はいわゆる二等立地ですが、近隣に大手チェーンが多数出店しており、また地元資本の繁盛店も存在する場所で、「居酒屋・バルの市場がしっかりある立地」と判断しました。このような立地においては「差別化戦略」が重要になりますが、しっかりと「時流適応」と「繁盛の原理原則」を押さえたコンセプトを選択しました。その結果、オープンから連日2回転する集客を実現しております。現在は毎週日曜日を定休日としており、月間26日・夜だけの営業で、25坪60席の小規模な店舗ながら、月商650万円ペースで推移しております。地方都市の場合、1坪あたりの売上が20万円(月)を超えると繁盛店と言われますが、初めての新規開業でこの水準をクリアすることができました。

以下に、どのような視点でコンセプトを組み立てたのかについて解説させていただきます。

 

 

人口の少ない地方都市においては対象となる客層を広げる事で”日常的に利用しやすいお店“にする事で売上がアップします。具体的には”客単価が3000円を超えない価格設定“にする事で”日常的に利用しやすいお店“になります。 “客層”と“利用動機”を広げると同時に、“来店頻度”を上げる事が集客最大化のためのポイントとなります。こちらのお店では、客単価を2500円に設定して“月に2回以上”来店をしてもらいやすい価格戦略を取りました。

 

単なる居酒屋・バルではなく、「何がウリの店なのか?」をハッキリとさせるメニューにしました。こちらのお店では炭火で焼き上げるステーキとレモンサワー飲み放題60分500円を名物し、しっかり店頭、店内、Webでアピールしております。また、各卓上にレモンサワーのサーバーを設置する事で「待ち時間0秒」で飲み放題を楽しめるシステムを取っています。このために総客数の90%が飲み放題を選択し、文字通り名物として認知されています。

 

 

一番商品の炭火焼きステーキは品質とボリューム、価格にこだわりました。こちらのお店では、国産牛を原価率85%をかけて、1280円で提供しております(限定10食)。ご馳走商品をコストパフォーマンスの高く販売することで他の居酒屋・バルとの差別化を講じております。「良い素材」を使う事で調理における“味のブレ”を軽減することにもつながるためお客様の評価を高めることにも貢献します。

 

 

店頭・店内も“日常的に利用しやすいお店”に印象付けるように工夫しました。店舗が大きく見えるに間口いっぱいに看板や造作を施す事で店頭通行客の目を引く確率が高まります。さらに照度が明るい店頭、店内の賑わいが外からも見えるように工夫をし、店頭には主力商品の価格も明示する事で「安心感」が増し、入店率が高まります。

一般的にお客様は、居酒屋・バルを選択する際には、「失敗したくない」という心理が働きます。その「失敗したくない」心理を取り除くには「何屋で」「何が」「いくらで」食べられるか?をハッキリ伝えることは集客力に繋がります。さらに外から店内が見える事で「自分たち以外にも楽しんでいるお客様が沢山いる」という認知ができることで「安心感」につながります。

 

 

居酒屋・バル業態の売上を高めるためには「繁忙期対策」が最も重要となります。最も需要が高まる時期に販売促進活動をかける事が集客の費用対効果を高めます。

特に駅前や繁華街立地に存在する居酒屋・バルにおいては、Webでの集客活動が効果的です。グルメサイトやGoogleマイビジネスといった、Web媒体は全てにおいて対策が必要です。

 

 

上記の活動を通して、損益分岐点売上高を大きく超える事で居酒屋・バル業態の収益性は一気に高まります。時給のアルバイトが多く変動費扱いされる飲食店においても売上が高まれば高まるほど人件費は下がっていきます。さらに固定費である家賃比率も下がっていきます。

また、損益分岐点売上高を“下げる”取組みも必要となります。具体的には商材のアイテム数を増やさずに“同じ食材で違う商品を作る”事で在庫回転率を上昇させ、ロス率を低く抑え、原価率をコントロールすることができます。

実際にこちらのお店では、「一番商品のステーキは原価率85%」や「レモンサワー飲み放題60分500円」など高原価商品を戦略的に投入していますが、メニュー全体の理論原価率は35%です。FLRと言われる原価率、人件費率、家賃比率の合計値は62%です。(居酒屋・バル経営において目安となるFLRの合計値は70%以内)つまり、お客様にとって魅力的な原価率の高い戦略商品を導入しながら、高い集客力を実現し、経営トータルとしては高い収益構造を実現しているのです。

 

執筆者
小島 佑太
プロフィール