経営コンサルタントのお役立ちコラム | 船井総研 フードビジネス支援部

経営コンサルティングの船井総研 フードビジネス支援部

時流適合は既存業態の“バル化”
外食
2017/5/19
時流適合は既存業態の“バル化”

船井総研の服部です。
 
日本の外食市場においてバル業態はすっかり定着したと言っても過言ではないでしょう。
 
10~15年前にバル業態が出来た時は「一過性の業態では」というお声も多かった記憶がありますが、今では飲食店経営者が抱える課題を解決しやすい業態として、むしろ今後更に増えていく傾向にある事は間違いありません。
 

関連:いま注目のバル業界の動向についてまとめた 「バル業界動向レポート
執筆者
グループマネージャー/シニア経営コンサルタント
服部 直樹
遅くなりましたが新年のご挨拶
外食
2017/1/11
遅くなりましたが新年のご挨拶

大変遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。
フードビジネス支援部 服部です。

 

旧年中は、色々とお世話になり、誠にありがとうございました。
今年は、昨年以上に皆様のお役に立てるよう、外食・フードビジネスグループ一体となって努力をして参ります。
変わらぬご愛顧の程、どうぞ宜しくお願い致します。

 

今年は、色々なメディアで経済界の声を聞いていても「慎重姿勢」を取られている経営者が多いようです。
トランプ氏が大統領に選出された事による為替相場の変動が「円安」「円高」どちらに転ぶのか?
マクロな話であり一見、我々には関係のないようなお話に聞こえますが、
我々飲食業界に携わる人間にも少なからず影響は出てきます。
安倍首相就任からの円安により、輸出企業の好業績が目立ちました。
それにより輸出系企業に従事する所得の高い消費者の購買が増え、高価格業態の好調が目立ちました。
一方で輸入食材の高騰による食品値上がりにより低所得者の購買意欲が低下したという面もあります。
客単価や業態により、受ける影響は異なり、対策も変わってきます。
また、常態化されている人口減少、生産人口の減少を考えると、今年は慎重な経営が重要となり、
「足元しっかり」「原点回帰」といった事業の考え方が好ましいように思えます。

 

その上で、今年押さえたい重点項目(仕掛けの動きや考え方)を参考にして頂ければと思います。

 

 

1.既存店の安定経営

経営戦略を考える際に最も重要な事は、本業、本丸事業、既存事業が安定的に経営できているかどうかであります。
攻める為にも最も必要な事であり、第一優先で取り組む必要があるでしょう。

 

①利益の最適化
・メニュー変更(売価、原価、品質、提供方法、メニューの見せ方)
・仕入れの見直し(より川上企業からの仕入れ、ロット多い・大きい仕入れ)

 

②QSCの強化
・まずは行動基準を決める事からスタート(マニュアル作成)
・マニュアルを現場に落とし込む研修制度
・現場のQSCをチェックする体制づくり、SVの強化
・それに伴う評価制度→賃金制度の連動

 

③人員の定着率向上
・従業員満足度の把握(ES診断による現状把握が重要)
・労働環境の改善、休日日数、雇用形態の多様化対応
・機械化、システム化(厨房機器、勤怠管理、自動会計)
・コミュニケーション量を増やす会議体、仕組み、レクリエーション

 

④会員制度の強化
・会員が集まる仕組み(特典、集め方、会員媒体)
・細分化された会員制度(キッズ会員、宴会会員、シニア会員、女性会員)
・会員に対しての仕掛け(お誕生日DM、イベントDM)

 

⑤ローコスト販促
・店内販促(レシートクーポン、イベント、テーブルPOP)
・割引額の調整

 

⑥デジタルの有効活用
・SNSへのチャレンジ(フェイスブック、インスタ、ツイッター、LINE)
・グルメサイトの強化(食べログ、ぐるなび、ホットペッパー)、携帯強化
・タッチパネルの導入検討

 

⑦宴会の強化
・豪華食材特化型(○○産カニがついた、近江牛サーロインの入った)
・価格訴求型(○○食べ放題がついた、○○大盛サービスのついた)
・ハレの日対応型(品揃えが多い、御膳型、)
・幹事の囲い込み(宴会・企業会員)
・飲み放題の強化(ワイン・スパークリングボトル、時間無制限)
・計画的な事前の動き(基本3ヶ月前から企画の仕込み)

 

 

2.既存店舗に相乗効果をもたらす新規出店、新規事業立ち上げ

既存店が安定している企業は、
次なるステップへチャレンジする事で単独業態・事業では成し得にくいメリットを享受できる取り組みが必要でしょう。
①CKの立ち上げ
・一括仕入れ、一括調理による生産性向上、店舗人員の削減

 

②食材の有効活用ができる業態開発
・既存業態では利益化しにくい端材の有効活用
例)焼肉屋:タン先、すじ肉、カッパ、ネックが売れる「肉バル」業態
・雇用職人の多様化(さばく→調理できる職人、創作できる職人雇用)

 

③採用しやすい業態開発、事業開発
・焼肉→肉バル・焼肉バル、飲食→食品・プロデュース
・カフェ

 

④本部への新たな収益源づくり
・店舗売上以外からの収益(FC・ライセンス、卸事業、物販・弁当)

 

⑤管理職(SV・部長)の強化、中途雇用
・事業の広がりに対応できる管理職(異業種から)
好景気が確実視できない状況下においては、成長企業とそうでない企業の二極化が進む事は間違いありません。
伸びている企業は、どんどん新たな仕掛けをしているものです。
そして、そういった企業は、攻めの戦略が取れるような“守りの仕掛け”もしっかりやっているものです。
今年は、改めて「足元しっかり」を心がけながら経営をする必要がありそうです。

服部 直樹 2017年1月11日

執筆者
グループマネージャー/シニア経営コンサルタント
服部 直樹
焼肉業界55ヶ月ぶりに前年割!飲食業界低迷期に突入か?
外食
2016/11/16
焼肉業界55ヶ月ぶりに前年割!飲食業界低迷期に突入か?

安倍首相が2012年12月に就任してから円安が進み、
輸出関連企業の業績好調が続いた事で飲食店の売上は比較的好調に推移しておりました。
特に大手企業従事者の所得増により、高価格業態の好調が目立ったように思います。
特に焼肉業界の好調は著しいものがあり、我々のお付き合い先でも、
特段販促を仕掛けなくても売上は前年を越えてくるという状況でした。

 

しかしながら、2015年末からの円高と比例するように
飲食店の売上も若干低迷気味になってきている状況が続き、
8月には焼肉業界が55ヶ月ぶりに前年割となる結果となりました。

 

9月以降も昨年までの勢いはなくなってきており、年末から来年にかけては
不景気対応型の動きが飲食店の経営でも求められるようになるでしょう。

 

売上確保が急務となりますが、
飲食店経営の中で具体的にどのような仕掛けが効果的なのでしょうか。

 

 

【 価格訴求を強めた販売促進 】
当然の事ながら、“価格”に対しての意識が高まります。
低価格に流れ、ディスカウント感の強い販促に人が流れるでしょう。
年末の宴会コース価格も前年よりは低めの設定が好ましいでしょう。
販売促進の考え方は、今までよりも価格訴求の強い仕掛けが消費者の心に刺さるようになります。

 

しかしながら、続く採用難による人件費高騰・広告費高騰や食材原価高騰により、
利益維持に悩まれている経営者も多い事かと思います。
飲食店にとって大切な事は「打ち出しは今までよりも強く!利益額は現状維持」です。

 

そこで、今我々のお付き合い先飲食店で実験的に進めているのが
「キャッシュバック」という打ち出しです。

 

今までの「値引き」から「キャッシュバック」に表現を変えるというものであります。
「よりリアル(実利)に!」
「より分かりやすく!」

をベースに打ち出す事が重要になってくるのです。

 

つまり、お客様の視点なら何が嬉しいか?
をその立場になって考える必要性が出てきているのです。
例1)
< 今まで >4名様以上の予約で幹事様1名分フード料金無料!(フード3000円)
< 今後 >4名様以上の予約で幹事様3000円キャッシュバック!

 

例2)
< 今まで >19:00までの入店でビール何杯飲んでも半額!(500円→250円)
< 今後 >19:00までの入店でビール1杯注文につき250円キャッシュバック!10杯で2500円!
といったものです。

 

実際の割引額は、何も変わってはいませんが、価格訴求感は強まります。
実は、このやり方は某ホテルチェーンや食品スーパーなどでも実施されている販促のやり方なのです。
Tポイントや楽天ポイントの利用者が急増していますが、両ポイントは
「使える店舗が急増→お金を貯めている事と同じ」という意味では、現金化が進んでいるという
時代の流れもあり、更にキャッシュバックが増えてくると思われます。

 

現金が難しいようなら、JCB商品券やQUOカードなどでもいいでしょう。
年末・年始の販促の打ち出しで一度、実践してみてください。

 
 

【 会員制度の強化 】
不景気に売上を落とす飲食店とそうでない飲食店の違いに
この「会員制度」が挙げられます。

 

会員がたくさんいるという事は、それだけお客様の囲い込みが出来ているという証拠であります。

 

また、飲食店側からハガキDMという仕掛けができる「名簿」の強みが挙げられます。

 

景気が悪くなると、消費者は価値が保障されたお店でお金を使うようになります。

 

つまり飲食店側としては、いかに会員数を増やし、
固定客を増やしておくかがポイントになるのです。

 

飲食店の経営のやり方も世の中の流れに柔軟に対応していく必要性があります。

 

来年以降の仕掛けの考え方の参考にして頂ければと思います。

執筆者
グループマネージャー/シニア経営コンサルタント
服部 直樹
飲食店経営で急成長を遂げる肉バル視察ツアー
外食
2016/9/05
飲食店経営で急成長を遂げる肉バル視察ツアー

皆さまこんにちは、服部でございます。
 
先日、船井総研は第90回経営戦略セミナーを開催し、
全国から5,000名を超えるあらゆる業種の経営者・経営幹部の皆さまにご参加いただきました。
弊社代表 中谷の講座では「下山経営」というテーマで、
市場縮小時代の中での経営のあり方をお話させて頂きました。
人口減、高齢化、格差化を前提とした経営の考え方でありますが、
実際の経営をしていく中において、現場レベルでの話で出てくるキーワードが「超効率経営」であります。
「量(売上、客数)」の時代から、「質(率、利益)」の時代へシフトし、
“生産性を向上させ、いかに効率的経営を行うか”がキーになるという事です。
 
では、我々飲食店の経営に関わる者としてどうすればいいのでしょうか?
 
[キーワード]
1)低投資、高利益率、短期回収
2)採用しやすさ、定着率が高い
3)オペレーションの効率化、少人数運営
4)二等立地、固定費減
5)WEB活用、販管費減、損益分岐点低
6)新たなマーケットの創出
などが挙げられます。
そしてさらに、差別化要素のある飲食店ビジネスモデルである必要がある訳です。
これらを実現する為には、今までの飲食店経営の固定観念を捨て、
新たな思考でのビジネスモデル開発が必要になります。

執筆者
グループマネージャー/シニア経営コンサルタント
服部 直樹