飲食店の上手なデジタル・IT活用のポイント | 船井総研 フード支援部

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コンサルタントコラム

外食
2019/7/29

飲食店の上手なデジタル・IT活用のポイント

株式会社船井総合研究所  中田 大介

飲食店の上手なデジタル・IT活用のポイント

■デジタル活用は「大手がやるもの」?

WEBの活用はもちろん、POSレジの普及やオーダーやお会計の電子化・セルフ化、来店数予測や自動発注に至るまで、飲食店を取り巻く様々な領域にデジタル化・IT化の波が押し寄せています。

 

これらの多くの「先進的」なデジタル活用の取り組みは、従来資金にも人材にも余力がある大手の飲食チェーン店だからこそできるものが多かったといえるでしょう。

 

確かに、個人店や数店舗規模のローカルチェーン店の場合、

・システム導入や設備投資に対する費用対効果が見合わない

・ランニングコストがかかりすぎる

・自社・自店で改良しながら運用していくスキルがない

・現場のスタッフが使いこなせない、抵抗がある

などなど…デジタル化・IT化に取り組めない事情は様々です。

 

しかしながら、

人口減少

・お客様が減り、市場の規模が縮小する

→「現状維持」は「売上減少」

・働き手が減り、採用はさらに困難になる

→採用するために賃金は高騰する

 

最低賃金の上昇

・モノの生産・加工・運搬などに関わる人の賃金が上がる

→食材の原価が高騰する

・同一労働同一賃金

→相対的に安い労働力、というものはなくなる

 

働き方改革

・労働時間に関する基準の厳格化

→長時間営業は困難になる

→人材採用していく上でも労働環境は重要な要素になる

 

以上のように、飲食店・飲食企業の置かれている環境は、ますます困難なものになっていきます。

 

 

飲食店にとってのデジタル活用は、

「できる会社・店舗がやること」から「生き残るためにやらないといけないこと」、

そして「他の店舗はやっていること」へと変化してきていると言っても過言ではないでしょう。

 

幸い、様々なシステムやITが普及してきた結果、今までよりも遥かに安価に、ものによってはイニシャルコストなしで始められるものも出てきています。

 

繰り返しになりますが、

人口が減り市場の規模が絶対的に縮小していく中で、

「今までと同じ」はすなわち「売上減少」ですし、

「現状維持」には今までとは異なる努力・取り組みが必要不可欠です。

 

さて、ではシステムを導入すれば、それで全て解決するのでしょうか?

 

 

■システム導入の落とし穴

皆さんも、大小問わず何かしらのシステム導入やデジタル化の取り組みにチャレンジされたことがあるのではないでしょうか?

 

その際にも経験されたかもしれませんが、単純に今までの業務をデジタル化したり、システムを導入したりするだけでは上手く活用できないことは多々あります。

 

・システム上でやりやすいようにするために、かえって手間が増えた

・紙などのアナログとデジタルが混ざって、効率が悪くなった

・現場の手順が変更になるたびにシステム側の修正が生じる

・現場のスタッフに教える時間が取れず、十分に使いこなせない

など…

 

皆さんも身に覚えはないでしょうか?

 

最低限、デジタル活用をしていく上で乗り越えるべきハードルというものはありますが、上手にシステム導入をすすめる、デジタル活用をしていくためのポイントがあります。

 

今回は実際に弊社のお客様での事例を踏まえて、

そのポイントを3回に分けてご紹介致します。

 

 

■デジタル活用の3つのポイント

デジタル活用を上手にしていくには、以下の3つのポイントが重要となります。

 

標準化

…デジタル化・システム導入の対象となる業務は、十分に標準化されているか?

 

効率化

…デジタル化・システム導入の結果、その業務は現場で回せるレベルに効率化されるか?

 

動機づけ

…そのシステムを活用するメリットや意義は伝わっているか?

 

これら3つの視点で設計していくことが、上手なデジタル活用に繋がります。

 

今回はこの中でも「標準化」について解説していきます。

 

 

■標準化は「同じにすること」と「変わらないようにすること」

標準化というと、

・同じ手順にする

・同じものを使う

・同じ基準にする

といったことをイメージされると思います。

 

もちろんこういったことも重要ではありますが、

同時に「同じにしたものを変わらないようにすること」「変わった内容を即座に反映させる仕組み」が重要です。

 

たとえば、業務マニュアルをイメージしてみてください。

 

一度マニュアルを整備したとしても、商品やオペレーションが変わったり、取引先によって手順が変わったり、ということは日常的に発生しています。

 

それらの変更を、いつ、誰がマニュアルに反映するのか?

どれが最新版のマニュアルか確認する方法はあるのか?

マニュアルを更新しないと何か不都合は発生するのか?

などが明確でなければ、現場での変更はマニュアルには反映されないでしょう。

 

現場の実際の業務と手順や内容が異なる業務マニュアルは、もちろん活用されなくなってしまいます。

 

標準化とは、「同じものを使う・同じル-ルで使う」だけではなく、

「常に同じであるように、変わった点を反映させる仕組み」が備わって初めて達成されるのです。

 

 

■デジタル活用の第一歩としての「標準化」

いかがでしたでしょうか。

今回はデジタル活用のポイントの一つ、「標準化」について解説させて頂きました。

 

システムやITというものは、業務のフローが画一的なもの、ルールが明確になっているものに対しては非常に効率的に機能します。

 

だからこそ、上手にデジタル活用していくためには、

標準化をすること、そして現場レベルでの変更点をしっかりと吸い上げる仕組みが必要になります。

 

今回はマニュアルを例にあげて解説しましたが、これは他のことにもあてはまります。

ぜひシステム導入の前には、対象となる業務の標準化をこころがけて頂ければと思います。

 

次回は「効率化」について解説させて頂きます。

ぜひ引き続きご覧ください。

担当者
中田 大介

飲食・食品業界の評価制度構築やマネジメントの仕組み化に特化したコンサルティングに従事。
人が定着する組織づくりだけでなく業績アップにも連動した評価制度の構築や、ITを駆使した業務効率化を得意とする。「常に変化し続ける時流に適合した組織作り」を信念に、一つ一つ全く異なる現場に応じた、最適な仕組みづくりの提案を日々行っている。

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