【居酒屋・バル経営】新規開業成功事例 | 船井総研 フード支援部

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コンサルタントコラム

外食
2019/6/14

【居酒屋・バル経営】新規開業成功事例

株式会社船井総合研究所  小島 佑太

【居酒屋・バル経営】新規開業成功事例

【居酒屋・バルの新規開業成功事例】
 

飲食業界は異業種からの新規参入や個人経営者による新規開業も非常に活発である。一方で開業後まもなく閉店や廃業にいたるケースも多い。

新規開業の場合、事業スタートのきっかけは「経営者がこんなお店をやってみたい」という想いで始まるのが一般的です。「海外や東京で出会った素敵なお店」を地元で自分自身が経営してみたいという事は多いのですが、「やりたいこと」と「地元での成功確率」が一致しない場合、せっかく始めたお店が軌道に乗らず、閉店や廃業につながることも起こりえます。さらに新規開業の場合、ビジネスモデルの選択が正しかったとしても、飲食業界ならではの「運営ノウハウ」や「マネジメントノウハウ」を習得していない状態での事業スタートとなるため、運営やマネジメントをやりきることが出来なくて、失敗にいたることもあります。

今回は初めて居酒屋・バル経営を始めるにあたり、どのような点に気をつけて開業すれば良いのかについて、地方都市での新規開業成功事例を交えて解説します。

 

 

<目次>

■居酒屋・バルの新規開業に必要な資金調達について

■居酒屋・バルの出店立地・物件情報の取得と選定

■物件の良し悪しを図る7つのポイント

■飲食業界に新規参入ながら繁盛店開発に成功した事例

■はじめての居酒屋・バル経営で高い集客を成功させた7つのポイント

居酒屋・バル経営 成功のポイント ①価格戦略

居酒屋・バル経営 成功のポイント ②メニュー戦略

居酒屋・バル経営 成功のポイント ③一番商品の開発

居酒屋・バル経営 成功のポイント ④集客に困らない店頭・店内空間の作り方

居酒屋・バル経営 成功のポイント ⑤集客対策

居酒屋・バル経営 成功のポイント ⑥収益性を高める方法

居酒屋・バル経営 成功のポイント ⑦人手不足対策

 

 

居酒屋・バルの新規開業のためには、資金が必要となります。自己資金(貯金など)に加え、親族や知人からの借入、親会社からの資金援助、金融機関からの借入等を行い、開業に必要な資金を集めます。個人で開業される場合、「住宅ローン」や「車のローン」など、個人の借入金があると、これらも金融機関からの審査の範囲となります。会社として新規事業立上の一環として借入を起こす場合は、既存事業の財務の状態も審査対象になります。

一般的に金融機関に借入を申請する際には、創業計画書や開業計画書などが必要となります。これらの計画書が絵にかいた餅にならないように、事業計画の策定にあたっては入念に業界動向を調べたり、開業後の損益シミュレーションを複数パターン算段することが大切です。計画書作成にあたっては「論理的な正しさ」よりも具体的な「成功事例」や「モデル事例」を沢山盛り込み、事業計画の具体性と成功イメージ高めることが重要です。

特に、初めて飲食業に参入し、居酒屋・バルを新規開業する場合は、「損益分岐点売上高が低い」ことと「投資回収スピードが早い」計画を組むことで「経営の安全性」を高めることができます。特に資本力の無い場合は、遅くとも投資回収3年以内の事業計画を組まれることが良いと思います。

 

 

開業資金調達の目途が立った後、次に重要なステップは立地の選定です。立地は事業をスタートした後、簡単には変更する事ができないため、慎重に選ぶ事が大切です。しかしながら、優良立地、優良物件の情報が零細企業、個人事業主に流れてくる事はほぼないため、自ら出店立地を積極的に探すことが大切になります。出店したいエリアを自分自身の足で見て回り、空き物件を探すことも必要ですし、同エリアの不動産屋にも足繁く顔を出し、事業計画も提示して、「どのような立地を求めているのか?」「どのような物件を求めているのか?」を正しく知ってもらうことは非常に大切です。また、不動産屋だけでなくビール会社など飲食店に様々な商品やサービスを納入しているところにも物件情報は舞い込むため、「どのような物件を求めているのか?」を説明しておくことが大切です。

候補になりそうな物件が出た後は、「立地・物件診断」を行いましょう。立地・物件診断においては「どんな人が多い立地なのか?」「商圏人口はどれくらいいるのか?」「駅の乗降客数はどれくらいあるのか?」「ピークとなる時間、アイドルタイムの通行量はどれくらいあるのか?」「平日、週末の人通りの量と質はどうなのか?」「どんな目的の人が店前を通っているのか?」を必ず「実地」「目視」で確認するようにします。

一般的には、住宅立地要素が強い商圏だと平日の集客は苦戦します。一方、ビジネス立地要素が強い商圏だと週末の集客は苦戦します。このような立地特性をキチンと調査し、正しく把握したうえで、売上予測を立てることが大切です。

さらに、出店候補エリアの徒歩10分圏内(郊外であれば車で10分)に繁盛店や大手居酒屋チェーンがあるかどうかを確認し、これらの店舗の集客状況も確認しましょう。特に、出店候補エリア内の繁盛店を見る場合は、「客層」や「利用動機」を確認し、「どのような商品をいくらで提供しているのか?」を確認しましょう。

 

 

上記の立地調査を行った結果、「立地は良い」となった場合、次は「物件の良し悪し」の判断になります。物件の良し悪しの判断にあたっては以下の7つの視点を参考にしてください。

 

①間口の大きさ

⇒店舗を大きく見せ、通行客の目を引く存在感を作ることができそうか?

②店頭から店内が見えるか?

⇒地下店舗、2F以上の物件は集客の難易度が高まります

⇒特に新規開業の場合は慎重を期し、1F店舗を選択しましょう

⇒店内が見える「安心感」は集客力に繋がります

③看板は10m先からしっかり目立つサイズで設置可能か?

④坪当たり席数は少なくとも1.5席以上は配置出来るか

⇒限られた営業時間の中でより高い売上を立てるためには席数の確保が大切です

⑤家賃は1坪あたり1.5万円(月)を超えていないか(1.2万円以下が理想)

⇒賃料の妥当ラインは立地によって当然異なります

⇒地方都市で新規開業される場合、賃料は上記を一つの目安として、損益分岐点が高くならないようにすることで「経営の安全性」が高まる

⑥居抜物件の場合、厨房面積が総坪数の20%を取れているか

⇒初期投資金額を押さえることが可能になります

⑦居抜物件の場合、オープンキッチンになっているか

⇒初期投資金額を押さえることが可能になります

 

上記を7つの視点で順番にチェックし、さらに自分たちがやろうとしている居酒屋・バルのコンセプトに合致しているかどうかを確認しましょう。

 

 

この春ご支援させていただいた地方都市の繁華街立地で新規開業した居酒屋・バルの成功事例をご紹介致します。

まず出店希望エリアをお聞きし、立地調査を実施しました。立地はいわゆる二等立地ですが、近隣に大手チェーンが多数出店しており、また地元資本の繁盛店も存在する場所で、「居酒屋・バルの市場がしっかりある立地」と判断しました。このような立地においては「差別化戦略」が重要になりますが、しっかりと「時流適応」と「繁盛の原理原則」を押さえたコンセプトを選択しました。その結果、オープンから連日2回転する集客を実現しております。現在は毎週日曜日を定休日としており、月間26日・夜だけの営業で、25坪60席の小規模な店舗ながら、月商650万円ペースで推移しております。地方都市の場合、1坪あたりの売上が20万円(月)を超えると繁盛店と言われますが、初めての新規開業でこの水準をクリアすることができました。

以下に、どのような視点でコンセプトを組み立てたのかについて解説させていただきます。

 

 

人口の少ない地方都市においては対象となる客層を広げる事で”日常的に利用しやすいお店“にする事で売上がアップします。具体的には”客単価が3000円を超えない価格設定“にする事で”日常的に利用しやすいお店“になります。 “客層”と“利用動機”を広げると同時に、“来店頻度”を上げる事が集客最大化のためのポイントとなります。こちらのお店では、客単価を2500円に設定して“月に2回以上”来店をしてもらいやすい価格戦略を取りました。

 

単なる居酒屋・バルではなく、「何がウリの店なのか?」をハッキリとさせるメニューにしました。こちらのお店では炭火で焼き上げるステーキとレモンサワー飲み放題60分500円を名物し、しっかり店頭、店内、Webでアピールしております。また、各卓上にレモンサワーのサーバーを設置する事で「待ち時間0秒」で飲み放題を楽しめるシステムを取っています。このために総客数の90%が飲み放題を選択し、文字通り名物として認知されています。

 

 

一番商品の炭火焼きステーキは品質とボリューム、価格にこだわりました。こちらのお店では、国産牛を原価率85%をかけて、1280円で提供しております(限定10食)。ご馳走商品をコストパフォーマンスの高く販売することで他の居酒屋・バルとの差別化を講じております。「良い素材」を使う事で調理における“味のブレ”を軽減することにもつながるためお客様の評価を高めることにも貢献します。

 

 

店頭・店内も“日常的に利用しやすいお店”に印象付けるように工夫しました。店舗が大きく見えるに間口いっぱいに看板や造作を施す事で店頭通行客の目を引く確率が高まります。さらに照度が明るい店頭、店内の賑わいが外からも見えるように工夫をし、店頭には主力商品の価格も明示する事で「安心感」が増し、入店率が高まります。

一般的にお客様は、居酒屋・バルを選択する際には、「失敗したくない」という心理が働きます。その「失敗したくない」心理を取り除くには「何屋で」「何が」「いくらで」食べられるか?をハッキリ伝えることは集客力に繋がります。さらに外から店内が見える事で「自分たち以外にも楽しんでいるお客様が沢山いる」という認知ができることで「安心感」につながります。

 

 

居酒屋・バル業態の売上を高めるためには「繁忙期対策」が最も重要となります。最も需要が高まる時期に販売促進活動をかける事が集客の費用対効果を高めます。

特に駅前や繁華街立地に存在する居酒屋・バルにおいては、Webでの集客活動が効果的です。グルメサイトやGoogleマイビジネスといった、Web媒体は全てにおいて対策が必要です。

 

 

上記の活動を通して、損益分岐点売上高を大きく超える事で居酒屋・バル業態の収益性は一気に高まります。時給のアルバイトが多く変動費扱いされる飲食店においても売上が高まれば高まるほど人件費は下がっていきます。さらに固定費である家賃比率も下がっていきます。

また、損益分岐点売上高を“下げる”取組みも必要となります。具体的には商材のアイテム数を増やさずに“同じ食材で違う商品を作る”事で在庫回転率を上昇させ、ロス率を低く抑え、原価率をコントロールすることができます。

実際にこちらのお店では、「一番商品のステーキは原価率85%」や「レモンサワー飲み放題60分500円」など高原価商品を戦略的に投入していますが、メニュー全体の理論原価率は35%です。FLRと言われる原価率、人件費率、家賃比率の合計値は62%です。(居酒屋・バル経営において目安となるFLRの合計値は70%以内)つまり、お客様にとって魅力的な原価率の高い戦略商品を導入しながら、高い集客力を実現し、経営トータルとしては高い収益構造を実現しているのです。

 

担当者
小島 佑太

東証一部上場の外食企業にて複数店舗の統括マネジメントを経て船井総合研究所に入社。
入社後は肉バル業態を中心に新店舗出店や既存店の業績アップのための販売促進や商品提案、現場改善&活性化による即時業績UPを行っている。
必要があれば現場に入り込んで直接指導するなど現場主義に徹底的に拘っている。

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