通販事業拡大に必要な名簿数、予算の組み方 | 船井総研 フードビジネス支援部

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コンサルタントコラム

食品
2016/11/01

通販事業拡大に必要な名簿数、予算の組み方

株式会社船井総合研究所 チームリーダー/チーフ経営コンサルタント 中野 一平

通販事業拡大に必要な名簿数、予算の組み方

通信販売事業の拡大には、「3年後の目標売上の設定」は必要不可欠です。
 
「多ければ多い方がよい」や「(本当は無理と思いながらもなんとなく)10億円!」などの考えでは、よくて現状維持となります。
通信販売は、名簿(顧客)数×1名簿あたりの年間価値で組み立てることができるのですが、計画的に名簿数の増加を行っていかなければ売上を増やすことは大変困難です。
「散歩をしていて富士山は登れない」という例えがありますが、「富士山に登る」という強い意志と計画が必要なのと一緒です。
 
ここでは、シンプルに、必要な名簿数や予算のつくり方についてお伝えします。
 
まず、大前提として、現状の通販売上が、
「何人の既存顧客(以前からの“買ってくれている”登録客)と新規顧客によってつくられているか」を出しましょう。
 
名簿数を伺うと、現状の購入者も、過去何年にも渡る未購入者も、懸賞プレゼントの応募者や芳名帳記入名簿も、すべて含めてでしか把握されていない方もいらっしゃいますが、それではアウトです。
 
直近1年間の通販売上を以下の様に既存顧客と新規顧客別に分解しますと、「1名簿あたりの価値」が分かります。(ここでは例として通販年商1000万円で考えます)

 
表
 
1年以上前から購入履歴があり登録している既存顧客が、この1年で500人(延べではなく顧客数で)いて、800万円つくっているので、1名簿あたり価値は16,000円です。
この1年で新たに買ってくれた新規顧客は300人いて、200万円つくっているので、1名簿あたり価値は6,667円です。
 
ちなみに食品の場合、既存顧客の1名簿あたり価値は15,000~20,000円、新規顧客5,000~8,000円となることが多いです。
 
この、「既存顧客と新規顧客別に1名簿あたり価値を把握する」を行わなければ、その後の計画づくりも曖昧なものになってしまいます。
 
通販年商1,000万円を翌年2,000万円にしたい場合、プラス分1,000万円は、基本的には新規顧客によってつくられます。
 
したがって、1,000万円÷新規顧客の1名簿あたり価値6,667円=1,500件の新規顧客が必要ということになります。
(実際は現状の1,000万円もそのまま残るわけではなく、70~80%へと目減りするため、プラス分は1,000万円を超えます)
 
1,500件の新規顧客を集めるのに、1名簿あたり1,500~3,000円かかりますので、予算としては225~450万円が必要です。
 
「通販で2,000万円つくるのに450万円も新規獲得に使っては利益がなくなってしまう」と考えがちですが、翌年、新規顧客が既存顧客にランクアップすると(約30%)、その既存顧客は1名簿が16,000円となるため、売上のベースがアップします。2年、3年で利益も安定します。
 
ぜひ、3年後の目標売上から逆算して、「今、どのくらい新規顧客&予算が必要か」を出してみましょう。単年での利益だけを追い求めるのではなく、少なくとも3年後から逆算して、組み立てる、投資をする、をしていかなければ通信販売事業は拡大はしないのです。
 

担当者
チームリーダー/チーフ経営コンサルタント
中野 一平

これまで500 以上の様々な食品や蔵の直販・通販事例に携わり、四季を通じたイベント、固定客化、名簿収集活動、蔵祭りなどで実績を上げている。蔵祭り・工場祭などの実績は船井総研でもトップクラス。
あらゆる規模の仕掛けを成功させている。
自身も販売士2 級の資格を有する。
 
「前向きに実行すれば必ず結果はついてきます」

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