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2016/9/13
人件費高騰時代の飲食店経営に必要な業務改善2-3/3(全3回)
人件費高騰時代の飲食店経営に必要な業務改善2-3/3(全3回)

皆さん、こんにちは
飲食店経営コンサルタントの石橋です。
 
前回のコラムに引き続き、
今回も飲食店の業務改善における飲食店版【7つのムダ】の改善ポイントをお伝えさせて頂きます。
<1> 作りすぎのムダ
<2> 不良品を作るムダ
<3> 手待ちのムダ

<4> 動線のムダ
<5> 運搬のムダ
<6> 加工そのもののムダ
<7> 在庫のムダ
 
【7つのムダ】の中から今回は、
<4> 動線のムダ 、<5> 運搬のムダ、<6> 加工そのもののムダ、<7> 在庫のムダについてです。

<4> 動線のムダ

動作のムダとは、そもそも本来なら行わなくても良い作業や、少しの工夫により削減できる作業のことです。

本来行わなくてよい作業の代表例は、物を探す作業。
調理器具、消耗品、食材、予約帳、発注用紙などなど、
よく探し物をしている風景を見かけます。

こういうケースには、
「定位置が決まっていない」
「定位置が決まっているがそこに戻されていない」
という2つの課題があります。

まずは定位置を決めることが先ですが、定位置が決まっているのに戻ってこないケースが多い場合は、
教育指導も必要ですが、定位置が適正でない場合も考えられますので、戻ってこない原因を考えることも必要でしょう。

少しの工夫で削減できる作業は、調理器具や厨房機器で代用できる作業や、複数回に分けて行われている作業です。
効率化・機械化などをする事で、品質低下を招くケースはオススメできませんが、もし品質に問題がないのであれば、
積極的に効率化・機械化を進めていくべきでしょう。
人が行っても、機械が行っても同じ品質なら、機械を使うべきです。
なぜなら、人材採用難の現代では、採用費、教育費、福利厚生費などを含む「人件費」が一番高いからです。

もちろん、機械には代用できない作業や、人が行うからこそ価値が上がるものもたくさんあります。
ここでのムダの定義はあくまで、機械が行っても人が行っても同じ作業を人が行っているということです。

<5> 運搬のムダ

運搬のムダとは、移動したり、物を運んだりする作業において、やたら長い距離を運んでいたり、
何度も往復していたり、動線が悪く非効率になっている作業を言います。

飲食店における作業動線はいくつかあります。代表的な流れは下記です。
・食材の納品→(下処理)→(仕込み)→一時保管
・オーダー→(加熱処理)→盛り付け→デシャップ→提供
・バッシング→洗浄→収納

この一連の流れを店内レイアウトに流れ線を書いてみて、
長くなっている箇所、交差している箇所、何度も往復している箇所を見つけて、
優先順位を決めて改善していくことが必要です。

設備配置の変更により、短くならないか。
一度に集約して運べないか。時間帯をずらして交差しないようにできないか。
などを考えていきましょう。

<6> 加工そのもののムダ

加工そのもののムダとは、機器・設備の老朽化やメンテナンス不足により、
余計なものを作ってしまっていたり、調理法により、食材が悪くなりやすくなっている状態を言います。

細かい話で例えるなら、包丁をしっかり研いでいないことで、
食材の品質劣化が早くなってしまうというようなケースです。

しっかり機器・設備の定期的なメンテナンスを行うことも必要ですが、
食材を長持ちさせる(品質維持)ための基礎知識も必要になります。

食材の劣化の原因は

[1] 細菌(微生物)の増殖
[2] 熱によるビタミン・たんぱく質の破壊
[3] 脂質の酸化
[4] 水分の蒸発・乾燥
[5] 細胞膜の破壊
などがあげられます。

これらの食材の品質維持を行うための、クックチルや真空調理など、
使用用途に合わせて適切な調理法を選んでいくことが重要です。

<7> 在庫のムダ

在庫のムダとは、その名のとおりです。
ただ、飲食店では在庫=ムダという認識は薄いように感じます。
もちろんある程度の在庫は必要ですし、業態によっては多くの在庫を抱えていないと、
急な注文に対応できないケースがあります。

ただ、過剰在庫は食材の廃棄につながるリスクだけではなく、
スペースをムダに使っているという意識も必要です。

飲食店で効率的な作業ができない問題点の一つとして「狭い」ということがあげられます。

限られた貴重なスペースを回転していない在庫が埋めているというのは非常に勿体ありません。
当然そのスペースには家賃もかかっていますし、光熱費もかかっているという認識も必要です。
貸し倉庫を借りる場合にはお金がかかるのは当たり前ですが、
それは店舗内においても同様だという考え方を持つとよいでしょう。


飲食店での業務改善を行うにあたって、最初に行うべき風袋作業の削減は、
上記であげた飲食店版【7つのムダ】をしっかり自店で見つけて改善していくことが大切です。

付加価値を生み出さない作業が店舗内に充満すると、労働時間が長いのに全然成果が出ない・・・。
なんて事にもつながります。

今一度現状のオペレーションを客観的に分析し、
付加価値を生んでいない作業=生産性を下げている要因を見つけ出しましょう。

次回のコラムでは飲食店における業務改善の次のステップの説明を行います。

最後までお読み頂きありがとうございます。
担当者
経営コンサルタント
石橋 恒夫

調理師・栄養士・ふぐ調理師などの資格を持ち、食においての知識と技術を併せ持つ。飲食店での現場経験も豊富なため、机上の空論でない具体的な提案力に定評がある。多くの現場を知っていることから、その企業規模にあった成長戦略や、マネジメント手法を提案できるのが強み。作業の標準化・人事評価制度構築・従業員の育成・定着・戦力化、業務改善、セントラルキッチン化、フランチャイズ本部構築など、多店舗展開するための仕組み作りを最も得意としている。

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