飲食店経営における業態転換による業績向上法 | 飲食店・食品ビジネスのコンサルティングチーム「船井総研フードビジネス支援部」による情報発信サイト

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コンサルタントコラム

外食
2016/9/01

飲食店経営における業態転換による業績向上法

飲食店経営における業態転換による業績向上法

飲食店経営において、
行き詰った店舗の業績向上を早期に実現しなければならない場合、
「業態転換」という手法がしばしば採用される。
 
以下は業態転換が必要になる典型的なケースである。
 
1)競合店の出現により、損益分岐点を大きく割り込み赤字転落した場合
2)既存業態そのものが陳腐化し、メニュー変更等ソフト面のテコ入れだけでは業績改善が望めない場合
 
一方、業績の不振や悪化が、そもそもの立地要因や物件要因に起因する場合は、
業態転換でなく、撤退をすべきケースもある。
また、「業態の選択」自体には間違いがないにも関わらず、
内部の実行の精度やオペレーション要因などによって、
業績不振を引き起こしている場合は、
飲食店の運営改善や経営マネジメントの精度アップによって業績向上を図るべきである。
よって、業態転換を実行する前に、
業績不振の原因を正しく特定する必要がある。
 
ひとつのブランドを長く経営することは非常に効率的であるため、
基本原則は「本業墨守」のスタンスであるべきだと私は思うが、
自社の取り組みではどうしても成果を出しにくい経営環境(外部環境の変化、内部環境の変化)に
なってしまった場合は、やはり業態転換は必要になる。
 
では飲食店の業態転換を成功に導くためには、
どのような視点が必要になるのだろうか?
 
まず必要なのは「モデルを明確にする」ことである。
自社ならではの独自固有の長所を宿した業態を作り、
独自固有の長所を育むことは非常に重要である。
 
しかし、時流に適合したモデル店舗を発見し、
そのモデル店舗から繁盛の要素を抽出し、
それらのエッセンスを骨組みとした上で、
自社の独自性を肉付けつけたほうが、
飛躍的に経営の成功確率は高まる。
 
そして「モデルを明確に設定する」にあたって、
注意しなければならないのがモデルの成立要件の把握である。
よく失敗するケースとして挙げられるのが、
「東京で繁盛している、かっこいい飲食店を見つけてきて、
地方でアレンジをせずにそのままモデルとして業態開発するケース」である。
モデルの成立条件を見誤ると業態転換は失敗する。
 
またその逆に、モデルの設定自体は間違っていないが、
「アレンジの仕方」を間違い業態転換に失敗するケースもある。
例えば、現在アルコールマーケットにおいて成功確率の高いビジネスモデルとして、
「肉バル」や「魚系大衆酒場」等があるが、
これらのモデルを選択しているにも関わらず、成立条件を見誤り開発に失敗したり、
モデルの選択は正しいにも関わらずアレンジの仕方を間違った結果、
成果が出ないということは街中を歩いて見ていてもよく見受けられる。
 
モデルを明確に設定するにあたっては、そのモデルの成立条件を正しく見極めた上で、
商圏人口や外部環境に応じた適切なアレンジを加えることが大切である。
 
飲食業界は成熟期であり、さらにライフサイクルのスピードも速いため、
「業態転換による業績向上法」は多くの飲食店で今後ますます必要になる。
今回述べた視点を参考にしていただければと思います。
 

担当者
フードビジネス支援部部長/上席コンサルタント
二杉 明宏

外食産業におけるコンサルティング活動に従事。業態開発、新規出店、多店舗展開、既存ブランドのブラッシュアップによる持続的な企業業績向上のプロデュースを得意とする。

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