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一次産業ビジネス

目的化について考える[1] ~地域活性化と観光農園の可能性~
2016/7/13
目的化について考える[1] ~地域活性化と観光農園の可能性~

んにちは、船井総研の石田です。
農業参入と情報発信のご支援をさせて頂いています。
 
本日『Pokémon GO』というサービスを2,3回見かけたのでちょっと調べてみたと
ころこれがなかなか面白かったので、前段でお伝えさせて頂きたいと思います。
 
まず、このサービスですがポケモンです。
いわゆる「ポケットモンスター」のスマートフォンで行うことのできるゲームなのですが、
位置情報や現実世界を利用して、「あの場所にいくことでこのポケモンが手に入る!」といったような
遊び方ができる拡張現実型のゲームとなっています。
 
私の中ではこれは相当、革新的で非常にワクワクするサービスだと感じました。
地域ごとに手に入るポケモンが異なって、「そこに行かなければ得られないポケモン」がいるならば。
それこそ現実世界にポケモンが近づいたとしか言いようがありません。
「その地域でしか手に入らない」と言えば、それは地域への移動をもたらします。
これってひとつの地域活性化、目的地化につながるなと感じましたのでご紹介まで。
 
今回は、こちらのご紹介を挟みましたが、
観光農園のポテンシャルについてお話しをさせて頂きたいと思います。
 
まずは今までのコラムにもあったように前提条件のおさらいです。
「農業は儲からない」
こちらは抑えておいて頂きたいところです。
 
では、これを改善するための施策は何か。
一般的には6次産業化と言ってまとめられていることを実行しきっていけば、
「儲からない」といった状況を打破することも十分に可能です。
 
6次産業化の中にある要素は生産・加工・販売です。儲かるために行えることとして、
 
「生産」の要素では、生産量を増大させる。高単価で売れる生産方法を行う。
高粗利の生産品目に切り替える。などが考えられます。
 
「加工」の要素では、単純な可能な加工(カット野菜・パック野菜など)を行う工程を挟むだけで、価値が跳ね上がります。
他にも商品開発や、お土産品を製造することで生産品をそのまま売るよりも付加価値を増加させることができます。
 
「販売」の要素では、販売先と販売場所、販売手法を変えることで、より高単価での販売をはかることが出来ます。
特に、市場を仲介しない消費者への直接販売の形は、うまく開拓することが可能であれば、自分達にとっては流通、
仲介コストを抑えた高粗利率での販売を可能にし、消費者にとっても同時に通常よりも安く、生産者がわかる安心した形での購入を可能にします。
販売場所で言うならば、わかりやすい例を挙げれば富士山の上の自動販売機です。
同じ商品でも販売する場所によっては、全く異なる価格が納得した形で取引されるとういうことですね。
 
この販売場所で価格が高いことに大きな納得性を持つ場所に「観光地」があるかと思います。
一般的に観光地では食品や飲食店での販売価格が通常の場所と比べるとだいたい1.5倍程度高く設定されています。
依然インバウンドでの観光流入も増加傾向にあり、船井総研でも、この観光マーケットをターゲットにした事業の引き合いも多数いただいていることから、「観光」は今注目すべきテーマになるかと考えられます。
 
そんな中、観光農園は、先ほどの6次化と非常に相性がよく、同時に「観光」要素も多段に含んでいる注目の業態です。
しかも、ほとんどの観光農園は立地が決してすぐれているとは言えない場所です。
それにも関わらず、年間来場者数10,000人を超える観光農園は多数見られます。
私自身でも、「いちご狩りをしたい」という思考になったときは、車で行くことも、遠くに行くこともさほど大きな障害にはならなかったです。
 
味覚狩りは1次生産品を売る手法としては、意外と効率的です。
例えばいちご農園で考えると、いちご狩り1人あたりの料金を1500円だとしましょう。
1人あたりのいちご狩りで食べる量は大体、2パック分程度です。
1パックあたり約300gほどなので600gほど食べるという計算になります。
これは1kgあたり2500円で販売していることとほぼ同義になります。
いちごの平均卸売価格は去年のデータにはなりますが1kgあたり1871円ですので、
これを見ても高価格で販売ができていると考えることができるのではないでしょうか。
 
今回は文章が長くなってきましたのでここまでにさせて頂きたいと思います。
次回はこの続きから、情報発信による観光活性化のコラムを書かせて頂ければと考えています。
 
お読みいただきましてありがとうございました。
 

弊社主催の視察セミナーより ~農福連携を考える~
2016/6/29
弊社主催の視察セミナーより ~農福連携を考える~

こんにちは、船井総研の石田です。
農業参入のご支援をさせて頂いています。 先日、弊社主催の視察セミナーが開催されました。

 

この視察では、障がい者就労支援事業と農業を組み合わせていらっしゃる企業様、社会福 祉法人様にご訪問して事業の考え方や、実際に事業を行っていらっしゃる現場の声に、直で 触れて頂くことを目的としていました。先日はそのような取り組みをされていらっしゃる事業者様 3社に回らせて頂きました。

 

当然、事業の規模感や、生産品目、6 次化の有無など、それぞれかなり異なる取組みをさ れている所をご訪問させて頂いたのですが、いずれにも共通の考え方があったように思います。

 

それは、「障がい者だから…。」を言い訳にしない本当の商品力にこだわっているところです。 福祉や助成、周りのサポートを受けていても、彼らが社会に対して表す就労の結果が本当に 魅力的なものになるような取組みをされているところが大いにありました。 そのような商品力を担保できるようなこだわりが、良いものを作るための設備投資や、利用者 の方たちだからこそできる、きちんとした栽培や生産方法に見て取れました。

 

ちなみになぜ、農業と福祉?というような視点もあるかと思いますが、農業だからこそ利用者の 方の成長を促してきたのだという話も今回の視察の中では伺うことができました。

 

利用者の方々が社会で必要とされる能力として、「体力・忍耐力・集中力」といった要素があ ります。

それらの能力は農業を行うことによって自然と、可能になるというお話を頂きました。確 かに、「必要」な状況が生まれれば、必然的にその力は身に付くものです。

 

10 年ほどひきこもりがちだった方が、就労支援として農業をはじめることによって、それまでの 日々から抜け出て、見違えるようになったといったお話も非常に印象に残っています。

 

このように、農業を組み合わせた就労支援事業は利用者の成長にという意味で、良い側面 を多々感じることが出来ています。

事実、今回 2 番目に訪れた事業者様では、毎年 1 名~ 2 名ほど、一般就労に移行されているようです。

 

そういった教育性や社会性を意識した事業というものは本当に素晴らしいものだと感じます。 ただ、一方で悲しいかな、事業とは永続性を求めなければなりません。どんなに素晴らしい事 業にもコストがかかります。ともすれば、事業の永続性を保つためには収益性の担保は避けて は通れないという現実があります。

 

一般的に、農業は儲かりません。農林水産省の予算額がそれを暗に示しているでしょう。

 

素人から始めるとなった際、多くの地域の農業委員会の方、地域JAの方々からはたいてい 「やめておきなさい」と忠告を頂きます。それはそうでしょう。

 

手間暇をかけて出来る生産物の単 価は一つ当たり 100 に円いくかいかないか。 では、そんな農業を組み合わせたとき、収益性を確保するためには、何をすればよいか。
それを今回の視察ツアーを通して、参加者の皆さまには感じとっていただけたように思います。

 

お読みいただきましてありがとうございました。

地域の現場から 農産物、地域の競合を知るならば直売所へ
2016/6/15
地域の現場から 農産物、地域の競合を知るならば直売所へ

皆様こんにちは、石田知大です。 今回のコラムでは、農業参入を考えていらっしゃる方々向けに、農産物直売所について少し 書かせて頂ければと思います。

 

農産物直売所と聞くと、皆様どのような印象を受けられますでしょうか 多くの方がイメージされるのは、無人販売の野菜が置いてある片田舎のスペースではないでし ょうか。今回お話しさせて頂く農産物直売所は、それではなく生鮮野菜を重点的に地域の農 家さんが直接売り場に運び込んで、農家さんが自ら陳列、値付けを行う委託販売の形態を とるものになります。

 

この農産物直売所、皆様が想像される以上に周りに存在します。代表的なものは地域の JA が運営するファーマーズマーケットになります。一度、検索してみてください。こちらの農産物 直売所ですが、販売形態が委託販売というようになっています。

 

委託販売とは先ほども出てきましたが、販売の場所を提供してもらう販売方法となっており、 販売してくれた直売所に基本的に、15%から 20%ほどの割合で手数料を支払うことになりま す。

 

また、商品は直売所に販売するのではないため、売れ残ったものは基本的に引取りといった形 になります。JA の管轄内の農家さんであればその地域 JA の運営する農産物直売所に販 売することが可能になることが多いです。そのため売り先として考える際には、生産地域の住 所が該当する JA の直売所を調べておくと良いでしょう。

 

また、JA に限らず委託販売を取る直売所への出荷は、自分で小売価格を決定することがで き、その価格から手数料の割合分を差し引いた額が手取りとなるので、しっかりと販売が可能 であれば、通常の市場出荷よりは高い収入を得ることが可能となります。

 

この農産物直売所では、その地域の農家さんが出荷を行っていることが多くなっています。 さらに言えば、その地域の強い農家さんが往々にしてその地域のよく売れる直売所への出荷 を行っているため、地域内の直売所を回ると、その地域での農産物で何の品目が強いのか、 どんな生産者がどんな品目を作っているのかなどを知ることが出来ます。地域の調査を行うな らばまず足を動かしてその地域の直売所を見ると最もその地域のことを感じ取ることが可能と なります。

 

ただし、もし、足を運ぶのであれば、朝一番から昼までの間の時間に向かうことを強くお勧めし ます。人気の品目は、基本的にすぐ売り切れてしまうため、生産物が陳列されたばかりの時間 帯と夕方の時間帯では、同じ直売所でも品ぞろえが大きく異なります。 私が、前に伺ったところで言えば、朝 830 に開店して、930 にはその商品が毎日売切れて しまうような直売所もありました。人気商品は圧倒的に売り切れてしまうということだけは頭の 片隅に置いておいて頂ければと思います。

 

その直売所によって色が大きく異なるため、大変面白いと思いますので ぜひ、一度足を運んでみると良いかと思います。

 

 

国家戦略特区の優遇措置の概略と農業との関わり
2016/6/01
国家戦略特区の優遇措置の概略と農業との関わり

みなさんこんにちは、船井総研の石田知大です。
今回のコラムでは、皆様も耳にしたことがあるであろう国家戦略特区について書かせていただ ければと思います。

 

さて、国家戦略特区とはそもそも何でしょうか。 首相官邸の広報では、「岩盤規制」改革の突破口という記述があり、 「経済社会の構造改革を重点的に推進することにより、産業の国際競争力を強化するととも に、国際的な経済活動の拠点の形成を促進する観点から、国が定めた国家戦略特別区域 において、規制改革等の施策を総合的かつ集中的に推進します」というように記述されていま す。

 

簡単に言えば行政が、今後の改革を行っていく際にどのような課題があるかの把握をすることや、優先的に改革を推進すること社会実験を行う構造改革の拠点地域ということです。 特区では、そのような目的から様々な、規制緩和や優遇措置が行われています。 例えば、特定の条件を満たした事業者が設備投資等を行った場合に普通償却に加えて取 得価額の一定割合を課税所得や法人税額から控除することができる特別償却・税額控除 があります。

 

現在 10 地域ある特区で、それぞれの特区の中では、異なったの規制緩和、構造改革が推 進されています。農業に関して言うならば、「新潟市」と「養父(やぶ)市」は指定されていま す。新潟市では、「農地の集約や農産物の利用促進」などを主なテーマとしており、ここでは 大規模型の農業を推進しているように見えます。一方で、養父市では「中山間地域の農業 や空き家等の活用などを主なテーマとしているため、中山間地域内でのグリーンツーリズム や、地域内との結びつきを重視した取り組みを促進しているように見えます。

 

ほんの先日、今月 27 日に養父市に限定した形ではあるけれども、この国家戦略特区内で 農地の企業の実質的な取得が可能になる法案が可決されました。 具体的には、農地を所有することができる農業生産法人(現農地所有適格法人)への企業 の出資比率を 50%以上に引き上げることが認められたということになります。現状 年間の 制限を設けているため、あくまで実験的にという動きではありますが、これまで聖域であった農 地の企業保有が認められた事例が生まれたという事実は大きいかと思われます。

 

これによって、今後農業にM&Aの概念が生まれてくるのではないかと考えています。