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一次産業ビジネス

トマトの市場規模のデータの推移についての考察
2016/9/15
トマトの市場規模のデータの推移についての考察

こんにちは、船井総研の石田です。
農業参入と情報発信のご支援をさせて頂いています。
 
おもむろにトマトの市場規模を算出させて頂きました。
 
小売での販売を基準とした市場規模で言えば、トマトの市場規模は、2015年で3530億円と算出できました。
この数字はみなさまの間隔で言えば多いと感じられますか?
それとも小さいと感じるでしょうか?
私としては大きいなと感じました。というよりも私のこれまで把握していた数字よりもかなり多きい…。
という印象を感じました。
 
以下、暦年で市場規模を算出してみました。
2010年:2809億円
2011年:2857億円
2012年:3140億円
2013年:3260億円
2014年:3252億円
2015年:3530億円
 
この2010年からの6年間のうちに721億円、その割合25%ほどの市場規模の増加、をしているとのことです。
非常に大きくなっています。市場規模が増えていることは感覚では知っていましたが少し納得がいきません。
お読みいただいている皆さんは、この5年間のうちにそんなにトマトを食べる機会は増えましたでしょうか。
私は調査もあり、着実に増えましたが。そこには疑問が残ります。
ですので、この内訳に関して少し突っ込んで考察していければと思います。
 
市場規模というのは、市場の流通量×平均単価に分解することが出来ます。
 
流通量の面で言えば、
大玉トマト(ミニトマトを含む大カテゴリのトマトと区別するために便宜上このように呼びます。)、
ミニトマト、
加工用トマト
の3分類に大きく分類することが出来ます。
それぞれに流通量、平均単価がありますので、それらのどの要素が増えているのかを考えていきます。
 
トマト全体の出荷量で言えば、
2010年の作付面積、収穫量、出荷量はそれぞれ、12,3 00ha、690,900t、613,500tであり、
2015年の作付面積、収穫量、出荷量はそれぞれ12,100ha、727,000t、653,400tとなっています。
 
一見、出荷量が向上しているため、全体で見た際にも流通量が増加していると言えますが。
この数値からわかることは、全体で見たら流通量は6%程度しか向上していないということです。
同時にトマトの生産効率も、6%程度向上しているということです。
 
ミニトマト自体の出荷量で言えば、
2010年の作付面積、収穫量、出荷量はそれぞれ、2,000ha、105,900t、96,400tであり、
2015年の作付面積、収穫量、出荷量はそれぞれ2,320ha、131,300t、121,100tとなっています。
 
これはトマト中のミニトマトの量となります。トマト∋ミニトマトということになります。
2015年時点の数字を使うとトマトのうち、ミニトマトの割合は全体の18%ほどということです。
こちらの数字からわかることは、ミニトマトの流通量は、25%増加しています。
生産効率は、4%程度の向上をしています。
 
では、価格の数字を見てみます。
農林水産省の算出している小売実態調査からトマト、ミニトマトの価格の変化をみると、
それぞれ2010年で651円、1143円となっており、2015年になると677円、1294円というような数字がでました。
 
こうして数字を分解してみると、
トマトの市場規模を構成する要素はそれぞれ向上しつつあるということが見て取れますが、
その底上げをしているのは、ミニトマトの生産量とその単価にあるということが伺えるかと思います。
特に、近年は高付加価値の高糖度トマトを始めとした、水を抑えるフルーツトマトなどに対する農業参入が
相次いでみられることからもこの価格帯のプレイヤーが増加しつつあることが予見されます。
 
私たちのお手伝いさせて頂いている農業参入ではこちらではなく、
日用使いの大玉トマトを生産して販売していきます。
こちらは爆発的な市場の増加こそ見込めないものの、競合が入りにくく、
安定した市場の成長性と永続的な事業継続を目指すためにより向いているマーケットかと考えられます。
 
今回はそのトマトに関するお話をさせて頂きましたが、
ちょうど今月、そちらトマトに関する視察セミナーを執り行う運びとなりましたので
ご紹介を持って結びとさせていただければと思います。
 
詳細 ⇒ www.funaisoken.co.jp/seminar/009224.html
 
今回の視察ツアーのテーマは
「直売」で直接販売に成功して高利益率を実現している企業様へ視察します。
 
昨今、人口減少・高齢化社会によって小売業自体の縮小があり・・・
農産物が既存の販売経路で売りにくい時代となってきています。
 
しかし、地域でも有名になる「名物商品」を作れば、
お客様が集まり、それに比例して農産物が売れるようになります。
 
今回の視察では、「名物商品」をうまく利用して
トマトを圧倒的に販売しているワンダーファーム様へ訪問します。
 
コンサルタントからの解説講座も付いておりますので、
「わからない」が「できる!」に変わることは間違いありません。
 
ぜひご興味ある方は以下URLをご覧ください。
限定20名様限定の企画となっておりますので、お早めにお席をお取りくださいませ。
 
ワンダーファーム視察ツアー
詳細 ⇒ www.funaisoken.co.jp/seminar/009224.html
 
お読みいただきまして、ありがとうございました。
 

これだけは絶対に見逃してはいけない!農業参入失敗の秘訣3選 その3
2016/8/31
これだけは絶対に見逃してはいけない!農業参入失敗の秘訣3選 その3

さて、ここでも前回前々回に引き続き、
農業参入失敗の原因についてお話しさせて頂ければと思います。
 
まず、失敗事例のほとんどの原因3点のおさらいです。
1.安易な数値計画
2.生産量の安定化と販売先の確保
3.いきなり大規模化を行う

そろそろ見飽きましたかもしれませんが、
これだけは覚えておいて頂きたいところです。
 
前回の記事の結びとして「なぜこんなにも安いのでしょうか。」
という疑問を提示させて頂きましたが、この回答から述べさせていただきます。
 
1キログラム当たり150円という、オランダの植物工場の価格が安いということ。
この事実が、失敗の原因の3点目にあたる、「いきなり大規模化」といったところに関わってきます。
オランダ式の植物工場の大きな特色の一つに「水耕栽培」というものがあります。こ
の水耕栽培で生産量を増大させたときによくある現象が「味がのらない」ということです。
そもそもの部分でオランダでのトマトは「水分補給代わりに食べる」といったようなところが多く、
日本のように「トマトの味を楽しむ」といった感覚でトマトが食べられないといった現実があります。
結果として、オランダの技術は「味」といった要素を重視せずに発展していったのではないかと考えられます。
 
では、これがなぜ「大規模化」に関係があるのかという点をお答えします。
単純な話で恐縮ですが、先ほどの価格分の価値という話を思い出してみてください。
品質の悪いものが売れるためにはその分単価を下げる必要があります。
単価を下げると売上の公式上で考えると当然売上が下がります。
そうなると売上を確保するために行えることはあと1つです。
「栽培面積を増大させる」つまり大規模化を行うということですね。
そうなると植物工場の設備投資は1反あたり約1億5000万円ともいわれており、
それを1~5ヘクタール分(10反~50反分)行わなければ早期黒字を目指せないということになります。
もちろん機械設備で共通で使える範囲がありますので比例的に投資金額が上がるわけではないですが
その初期投資費用は莫大なものとなってきます。
そして、ここで最初の1と2の話を思い出していただければ、
巨額の投資を行った企業がどのような道をたどったかは想像に難くないかと思います。
 
ここからわかることは、農業参入を行う際は黒字転換を急ぎすぎず、まず小規模な実験設備を行い、
ノウハウの蓄積と細かい失敗事例の収集を行うことを行うことにしっかりと投資を行うべきということです。
 
ここまで述べた3点が企業の農業参入を行う際にほとんどの企業が通る失敗のケースです。
ぜひ、これらの道を進まないような指針作りを明確にしたいですね。
 
お読みいただきまして、ありがとうございました。
 

農産物直売所とは
2016/8/25
農産物直売所とは

こんにちは、船井総研の石田です。
農業参入と情報発信のご支援をさせて頂いています。
 
今回は、農産物の販路に関しまして全国に点在する
「農産物直売所」についてご説明させていただければと思います。
 
皆様は、農産物直売所と言えば、どんなものをご想像されますか?
よくあるご回答としては、田舎の無人販売所などが多いのではないでしょうか。
無人で、その辺でとれた野菜が置いてあって、
タッパーや缶の入れ物などがあってそこにお金を入れて置く形のものです。
これも一つの正解と言えば正解なのですが、今回ご紹介するのは、いわゆるそういった無人の直売所ではなく、
道の駅やJAの運営するような農産物直売所です。
 
こちらの直売所ですが、意外に皆様のお住の場所の近くにもあるはずです。
全国のJAの各管轄地内にいくつかのファーマーズマーケット、
農産物直売所が設置されていることが多いため、想像よりも身近に農産物直売所があります。
 
さて、この農産物直売所とはどういったものなのかをご説明しますと、
農家の方が、「ご自分」で「価格を決定」して「陳列・個包装」を行っているという特徴があります。
直売所は、販売する売り場を提供しているという役割を持っています。
例えば、200円の商品を直売所で販売する場合、農家の方が商品の準備を行って、
商品の包装、搬入から、値付け、ラベル張り等まで行って、売り場に陳列を行います。
そこから、200円で売れた場合は、直売所の手数料約15%~20%を差し引いた金額が、売り上げとなります。
逆に売れなかった場合は、どのようになるかと言えば、基
本的には小売店が仕入れて販売する形態とは異なり、商品を引き取りにいかなければなりません。
販売の形態で言えば「委託販売」という形になります。
 
実際に販売を行っていく場合、商品の搬入は9時前後、
引き取るのは18時前後もしくは次の日の商品を陳列しに行くときにという流れが多いようです。
 
どこの直売所にでも出荷できるかと言えば、基本的には受入側が問題なければ可能。
というようになるかと思いますが、JAの産直の場合のみ、少し事情が異なっており、
基本的にはその地方のJAの管轄地内に
①農家さんの住所がある場合
②農地がある場合③JA会員になっている場合、

のいずれかでなければ出品をお断りしていますといったケースが多くなっています。
 
これは、JAの運営している直売所が、
その地域の農家さんの利益を向上させたいといった方針から始まったことからだと考えられます。
もし、地域外の商品を置いていきたいという場合、その地域であまりとられない珍しい農産品であったり、
現在、その直売所で足りていない農産品などの場合は、
その直売所の理事会の許可を得て、出品することは可能で足りていない商品は、
むしろ扱いたいといった声を全国回った際にいくつか伺っていますので、
必ずしも、地域外からの出品は不可能ではないのかなといった印象を受けています。
 
一般的な農産物直売所の印象は伝わりましたでしょうか。
お読みいただきまして、ありがとうございました。
 

目的地化について考える[2] デスティネーション化と非日常体験
2016/7/27
目的地化について考える[2] デスティネーション化と非日常体験

こんにちは、船井総研の石田です。
農業参入と情報発信のご支援をさせて頂いています。
 
前回の続きからですね。
前回のコラムでは、観光農園には目的地化、「デスティネーション化」のポテンシャルがあるといいつつも、
本題に入らず、やれ「ポケモン」やら「六次化がいい」だのというところで終わってしまいました。
 
では、観光農園の持つポテンシャルとは何でしょうか。
私は、それは「非日常性の実現」にあると考えています。
 
日本では農業というものが日常から離れてしまっています。
2015年の日本国総人口数は、1億2708万人。
2015年の農林業センサスでの統計によると農業従事者は339万人、割合にしてその数2.6%です。
加えて、10年前の総務省のデータではその割合が5.1%だったことを考えてみても、農業人口の縮小と農業というものの非日常化が進んでしまっていることは確実です。
 
それらの非日常的な要素、例えば農場での採れたて、朝採りの野菜や果実が並ぶ直売所、それらの農作物をふんだんに使ったレストランやカフェ。
立ち歩きながら食べることのできる農園ならでは、を演出したソフトクリームや、スイーツ。
動物や、自然とのふれあい。
自分で作って、自分のものとして育てて収穫するそしてそれを食す、体験農業など。
これらの要素が、街の喧騒を離れて、その場所に行くような価値になりえます。
むしろこれらは日常に無いからこそ、そこに行かなければならない。
そこに行くからこそ価値になる。
というような特性を内包しています。
 
さらに言えば、この非日常性をどこまで協調できるかということが、よりデスティネーションに近づけるために必要な要素となってきます。
雑誌や、テレビいわゆる伝えることを仕事としているメディアなどが自社のコンテンツを取り上げる際は、彼らが紹介しやすいように彼らの視点で伝えたいことが編集されています。
 
しかし、自社の持つメディアやお客様自身が発信を行っていくSNSなどではコンテンツをより、魅力的に見せ、「人に伝えたい!」と思うような仕掛けが必要になります。
この場合、ポテンシャルを持ったコンテンツをどのように発信しやすい、されやすい形にするかという方法が問われます。
 
人々が行きたくなるデスティネーション化された施設にとって、この後者の要素は、あればあるほど人々の興味を集め、ますます多くの人々をひきつけるような働きをします。
 
それらの情報発信によって、強化された人々の興味がその場所の
「今だけ、ここだけ、私だけ」
といった非日常性、限定性を求める欲求を掻き立てることで、「その場所に」行きたいと感じさせる目的地を作っていきます。
 
始めにも申し上げたように、農業はそれ自体がそもそも非日常性を持ってきている業種になっているので、この目的地化をするのに非常に向いていると考えられます。
特に観光農園は、コンテンツを付加していくことでそれを満たすことが行いやすいと言えるでしょう。
 
お読みいただきましてありがとうございました。